やっとガンダムSEED FREEDAMの映画を見に行けるので、前日からワクワクしている沖野です。
嬉しさや懐かしさが交錯して、映画館で初めて泣くかもしれません・・・。
さて、海外滞在時は時間が沢山あるのでSNSを頻繁に更新しますが、日本にいるとやるべきことがあり、どうしてもSNSは二の次になってしまいます。
そんなわけで、だいぶ時間が経ちましたが前回に引き続き海外のスポーツ義足事情です。
今回の「第2回コラート国際パラ陸上」には義足アスリートはタイ・日本・ラオス・カンボジアの4カ国でした。
ラオスのスポーツ用義足の話はこちら。
ちなみに参加者の内訳はタイが片大腿義足1名、片膝離断義足1名、片下腿義足1名の計3名、日本が片下腿義足1名、ラオスが片下腿義足1名、カンボジアが片下腿義足1名、両下腿義足1名の計2名でした。
全員が男性です。
女性の義足アスリートは0名でした(大会運営の役員から女子の義足選手の参加を促してほしいと言われました)。
今回はカンボジアのスポーツ用義足を紹介します。
ラオスのスポーツ用義足と同様、ソケット(足を入れる筒)部分はプラスチック(ポリプロピレン)製です。
もう少しブレードの爪先を手前(底屈させたい)にしたらブレードに体重がのせやすくなって速く走れるかなと思ったのですが、この接続方法では現場でブレードの角度を調整するのは困難です。
義足の懸垂方法は、シリコンライナーを用いるのではなく、昔からあるPTBカフベルト式です。
板バネ(ブレード)とソケットを連結させる部分もプラスチックです。
義足を上から撮った写真です。
ソフトインサート(スポンジ)を外すとこんな感じです。
内側から鉄製のプレート(おそらくねじ切りがされている)を入れています。
ソフトインサート単独の写真です。
貼り付けの跡の多さが気になります(何か意図があるのかな?)。
ちなみにブレードはイタリアのROADRUNNERFOOT製のSPRINTER’S KINGという凄い名前です。
が、写真でもわかるように、なんと100mのウォーミングアップ中に両下腿義足選手の片側のブレードが剥離しました。
そうです、壊れました。
この選手は国際クラス分けを受けにカンボジアから来ているため、事前にクラス分け委員による審査はクリアしているものの、実際にレースに出場しないと国際クラスが決定しないため、棄権することができず、無理矢理レースに出場しました。
21秒61でしたが、レースを見てもわかるように、明らかに左足のブレードが撓んでいません。
本人はほぼ英語が話せないので監督と話をしたのですが、「このブレードや義足は国から1年前に支給されたが、このタイミングで壊れて残念で仕方がない。予備のブレードがないので、これからどうやって練習したらいいのかわからない。ブレードを提供してくれるスポンサーを新たに探す必要がある。」と言っていました。
18歳のLENG選手もとても落ち込んでおり、翌日の200mは棄権していました。
さすがに予備のブレードは私も池田選手も持ち合わせていませんし、仮にあったとしても両側義足の場合は左右の義足の高さを合わせる必要があるため、借り物のブレードを装着しても走行は難しかったと思います。
このイタリア製のブレードは日本では見たことがない(輸入代理店がない)ですし、使用開始から1年で破損することは通常のブレードではありえないので、他のメーカーのブレードを使ったら?と言ったのですが、他のメーカーは高すぎて買えないとのことでした(SPRINTER’S KINGの値段を聞いておけばよかった)。
・・・。
無力感に襲われました。
ラオスのLOZA選手の断端トラブルを解決して、LOZA選手はもちろんのこと帯同していた羽根コーチにも感謝されて意気揚々としていのですが、この出来事は私に大きなショックを与えました。
一人の義肢装具士ができることってなんだろう・・・。
次回のランニング教室は埼玉県戸田市の「戸田市スポーツセンター」にて2月18日(日)13時00分から開催します。
https://www.toda-spc.or.jp/access/index.html
特に施設の受付は必要なく、駐車場や利用料も無料となっています。
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(有)アイムス 東京営業所
義肢装具士 沖野敦郎
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