訃報の直後に日テレ報道フロアでは「えーっ!」と悲鳴が…芦原さんが「やっぱり怖い」と漏らした数年前の“ある被害” 「週刊文春」編集部 2024/01/30
〈 信じられない…多分全漫画家は芦原先生の言い分はわかってた。
わかってたよ。悲しい… 〉( 漫画家・稚野鳥子さんのXより )
日本テレビ系列でドラマ化された「セクシー田中さん」などの作品で知られる
漫画家の芦原妃名子(本名・松本律子)さん(50)の突然の死が報じられたのは
1月29日夕方のこと。渦中の人気漫画家の訃報は衝撃を与え、SNSでは同業者や
ファンによる悲しみの言葉が広がっている。
1994年にデビュー、ヒット作多数の人気漫画家
社会部記者が話す。
「芦原さんは栃木県日光市の川治ダムで遺体で発見されました。1月28日午後4時頃、関係者が警視庁大崎署に芦原さんの行方不明届を提出。栃木県に行っているとの
情報があり、栃木県警と連携して捜索していたところ、29日に遺体を発見した。
身分証が見つかり、親族に確認してもらったところ本人と確認。
自宅からは遺書が見つかっており、自殺を図ったと見られています。
遺書は数行で行方をくらませた理由などが書かれていたそうです」
芦原さんは兵庫県出身。1994年、「別冊少女コミック」(小学館)に
掲載された「その話おことわりします」でデビューした。
「砂時計」(小学館)は第50回小学館漫画賞少女向け部門を受賞。
累計発行部数700万部を超える大ヒット作となり、ドラマ化、映画化もされた。
2017年から「姉系プチコミック」(小学館)で連載を開始したのが
「セクシー田中さん」だ。「容姿端麗でモテるOLの倉橋朱里は、本来の自分を隠して
婚活に励み、ジレンマが燻りながらも世間一般の “幸せ” を願っていた。
そんなところに地味で引っ込み思案な経理部の独身OL・田中京子と出会う。
夜は、ベリーダンサーという秘密の顔を持つ田中との出会いで互いに新たな一面を
見出していく——こうした大人の生き方を描いた物語です」(出版関係者)
2023年10月には日本テレビ系列でドラマ化。田中を木南晴夏、倉橋を生見愛瑠が
演じた。口コミで「面白い」と広がり、12月10日に放送された第8話のコア視聴率(13歳~49歳)は3.4%を記録し、同日に放映されたTBS日曜劇場「下剋上球児」
第9話の3.2%を超えた。
ところが、12月24日に迎えた最終回の放映後に “異変” が発覚する。
最終回の放映後に起きた “異変”
「エンドロールで『 脚本・相沢友子(第1話~第8話)、芦原妃名子(第9話、
最終話)』と記されていたのです。さらに放送当日、脚本家の相沢氏が
自身のインスタグラムに〈 過去に経験したことのない事態で困惑しましたが、
残念ながら急きょ協力という形で携わることとなりました 〉と投稿。
一部で『 何があったんだ?』と囁かれていました」(ドラマライター)
そして今年1月26日、芦原さんは自身のXで脚本をめぐるトラブルを打ち明けた。
〈 色々悩んだのですが、今回のドラマ化で、私が9話・10話の脚本を書かざるを
得ないと判断するに至った経緯や事情を、小学館とご相談した上で、
お伝えする事になりました 〉
こう書き出した芦原さんは、3本にわたる長文のポストで、経緯を説明した。
〈 改めて時系列にそって事実関係を再確認し、文章の内容も小学館と確認して書いています 〉〈 私達は、ドラマの放送が終了するまで、脚本家さんと一度もお会いする
ことはありませんでしたし、監督さんや演出の方などドラマの制作スタッフの皆様
とも、ドラマの内容について直接、お話させていただく機会はありませんでした。
ですから、この文章の内容は私達の側で起こった事実ということになります 〉
芦原さんの一連の投稿によれば、原作漫画は未完で結末も決まっていないこと
から、ドラマ化にあたっては「必ず漫画に忠実に」、作品の今後に影響を及ぼさないよう「原作者があらすじからセリフまで」を用意すること、「原作者が用意したものは原則変更しないでいただきたい」こと、「ドラマオリジナル部分については、原作者が用意したものを、そのまま脚本化していただける方を想定していただく必要」があること、「場合によっては、原作者が脚本を執筆する可能性もある」ことなどを
条件として版元の小学館を通じて日本テレビに求めていたという。
だが、この条件は守られなかったとして、芦原さんはこう綴っていた。
芦原さんの最後のポスト
〈 毎回、漫画を大きく改編したプロットや脚本が提出されていた 〉〈 よくある
王道の展開に変えられてしまう 〉〈 個性の強い各キャラクターは原作から大きく
かけ離れた別人のようなキャラクターに変更される 〉〈 粘りに粘って加筆修正し、
やっとの思いでほぼ原作通りの1~7話の脚本の完成にこぎつけましたが… 〉
第8話から第10話まではドラマオリジナル脚本だったが、当初の条件は守られず、〈 大幅に改変した脚本がまとめて提出され 〉たという。特に第9話、第10話の
脚本はベリーダンスの表現も間違いが多く、小学館を通じ日本テレビには
芦原さんからの申し入れが繰り返された。
そして、最終的に第9話と第10話はドラマのプロデューサーの要望を取り入れ
ながら芦原さんが脚本を執筆し、日本テレビと専門家で内容を整えるという
解決策となった。だが、出来上がりに満足がいかなかったとも打ち明けている。
〈 素人の私が見よう見まねで書かせて頂いたので、私の力不足が露呈する形となり
反省しきりです。漫画『 セクシー田中さん 』の原稿の〆切とも重なり、
相当短い時間で脚本を執筆しなければならない状況となり、推敲を重ねられなかったことも悔いてます 〉〈 9話、10話の脚本に、ご不満をもたれた方もいらっしゃる
かと思います。どのような判断がベストだったのか、今も正直正解が分からずに
いますが、改めて、心よりお詫び申し上げます 〉
行方がわからなくなった28日、芦原さんはXにこう投稿した。
〈 攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい 〉
そして、一連の経緯を明かした投稿は削除されたのだった。
ドラマを制作した日本テレビは29日夕方のニュースで芦原さんの訃報を伝えた。
それと合わせて、以下のコメントを発表した。
〈 芦原妃名子さんの訃報に接し、哀悼の意を表するとともに、謹んでお悔やみ
申し上げます。2023年10月期の日曜ドラマ『セクシー田中さん』につきまして
日本テレビは映像化の提案に際し、原作代理人である小学館を通じて原作者である
芦原さんのご意見をいただきながら脚本制作作業の話し合いを重ね、
最終的に許諾をいただけた脚本を決定原稿とし、放送しております。
本作品の制作に、ご尽力いただいた芦原さんには感謝しております 〉
実は、このコメントに日テレ内部からも疑問の声があがっている。
「ドラマ制作部の連中が報道フロアまで乗り込んできて…」
日テレ関係者が話す。
「亡くなったタイミングで『 我々は悪くない 』と言わんばかりのコメントを
出すのは下劣すぎる。ドラマ制作部の連中が報道フロアに乗り込んできて
コソコソと打ち合わせをしていた。幹部がこっそり公式コメントまで用意しており、
訃報は、プロデューサーやデスクもオンエアまで知らされていなかったのです。
フロアでは『えー!』と悲鳴があがっていました」
◆◆◆
都内の閑静な住宅街に佇む集合住宅。外観はコンクリート打ちっぱなしでスタイ
リッシュなデザインになっており、夜になると共有部の木々がライトアップされる。
芦原さんがここに居を構えたのは約12年前のことだ。近隣住民が語る。
「パッチリ二重で実年齢よりも若く見えて綺麗な人でした。気さくで家の中にも
一度お邪魔したことがあります。当時、家具はあまり置いてなかったけれど、室内の階段のデザインに凝っていた。芦原さん自身もオシャレでセンスが良いなーって。
職業は隠していなくて私が仕事はなにをしているんですか?と聞いたら『 漫画家を
しているんですよ 』と。2012年に芦原さんの『 Piece 』がドラマ化された時は、
有名な漫画家さんなんだと住民みんなで驚きました」
しかし、ある異変が起こる。
「数年前、住宅の敷地内で痴漢の被害に遭ったと芦原さんから聞きました。
防犯カメラを玄関前に付けたんだけど、『 やっぱり怖い 』とここを出ていき、別のところに住み始めた。それからはアシスタントさんが出入りする仕事場になりました。芦原さんが来るのは5ヶ月に1回くらいのペースでした」(同前)
この仕事場から約140キロ離れたダムで芦原さんは自ら命を絶ったのだった。
遺された芦原さんのXアカウントには、今この瞬間も追悼のコメントが寄せられている。
◆◆◆
本件について情報を募集しています。文春リークスまで情報をお寄せください。
文春リークス:https://bunshun.jp/list/leaks
◆◆◆
【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】
▼いのちの電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)、0120-783-556
(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)
▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(対応の曜日・時間は都道府県
により異なる)
▼よりそいホットライン 0120-279-338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県
からは0120-279-226(24時間対応)
芦原妃名子さん死去 遺族がコメント「茫然自失の
ただ中におります」「今はそっとしておいていただき」
[ 2024年1月31日 13:18 ] スポニチ 【 一部抜粋 】
昨年10月期に日本テレビでドラマ化もされた人気漫画「セクシー田中さん」の
作者である漫画家・芦原妃名子(あしはら・ひなこ、本名松本律子)さんが死去。
芦原さんの訃報を受け「セクシー田中さん」の版元である小学館が31日、
芦原さんの遺族のコメントを発表した。
コメント全文は以下の通り。
報道関係者の皆様へ。
突然、最愛の家族を失い、私たちは茫然自失のただ中におります。
取材のご依頼をいただいても、とてもお話できる状況にはありません。
またこうした状況下、見知らぬ方から声を掛けられることに怖れを抱いております。
どうぞ今はそっとしておいていただき、静かに見守っていただければ幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
芦原妃名子さん急死に同業者の漫画家らが無念のメッセージ 『のだめカンタービレ』二ノ宮知子さん「涙が止まらない」
昨年10月期放送の日本テレビ系連続ドラマ「セクシー田中さん」の原作者で漫画家、芦原妃名子(本名・松本律子)さんが29日、栃木県内で死亡しているのが
見つかったことが捜査関係者への取材で分かった。50歳だった。
亡くなった状況などから自殺とみられ、警察当局が死因や経緯を調べている。
芦原さんはドラマの内容をめぐってトラブルがあったことを26日にSNSで告白。
波紋を広げたことで28日に全文を削除していた。
芦原さんの訃報が流れた29日、同業者の漫画家たちはSNSで無念のメッセージを
寄せた。「はじめの一歩」の森川ジョージ氏は「とんでもなく残念なニュースを
目にした。同業者の嘆きの経緯は眺めていたがこんなことになるとは。
気持ちがわかるだけに胸が痛い。業界では幾度も繰り返されてきたことではあるが
今回の件はもう取り返しがつかない」と投稿した。
また、「のだめカンタービレ」の二ノ宮知子さんは「辛すぎる。自分の作品を一番
大事に思っているのは自分なんだと号泣した日の事を思い出して、また涙が止まら
ない」とつづり、「王様に捧ぐ薬指」のわたなべ志穂さんは「一度しかお話した立場
じゃないのに悔しい悔しい悔しい悔しい。先生が逝く理由なんて無かった」と吐露。
原作がドラマ化された経験のある2人は、故人の思いに寄り添っていた。
芦原妃名子さん死去で脚本家の相沢友子さんコメント
SNS発信「慎重になるべきだった」
2024年02月08日 19時01分 公開 [産経新聞]
日本テレビ系ドラマ「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子さんの
死去を受け、ドラマで脚本を担当した相沢友子さんが2月8日、自身のInstagramで
追悼のコメントを発表した。相沢さんは2023年末、ドラマの最終回が放送された
後にInstagramで終盤の脚本を原作者が関与したことなどを明らかにしていた。
相沢さんのコメント全文は以下の通り。
このたびは芦原妃名子先生の訃報を聞き、大きな衝撃を受け、
未だ深い悲しみに暮れています。心よりお悔やみ申し上げます。
芦原先生がブログに書かれていた経緯は、私にとっては初めて聞くことばかりで、それを読んで言葉を失いました。いったい何が事実なのか、何を信じればいいのか、どうしたらいいのか、動揺しているうちに数日が過ぎ、訃報を受けた時には
頭が真っ白になりました。そして今もなお混乱の中にいます。
SNSで発信してしまったことについては、もっと慎重になるべきだったと深く
後悔、反省しています。もし私が本当のことを知っていたら、という思いがずっと
頭から離れません。あまりにも悲しいです。事実が分からない中、今私が言えるのは
これだけですが、今後このようなことが繰り返されないよう、切に願います。
今回もこの場への投稿となることを、どうかご容赦ください。
お悔やみの言葉が遅くなってしまい、本当に申し訳ありません。
芦原妃名子先生のご冥福をお祈りいたします。
2024年2月8日相沢友子
小学館、芦原妃名子さん死去受け現場編集者が声明
「深い悲しみと共に、強い悔恨の中にいます」<全文>
2024.02.08 18:30 【 一部抜粋 】
株式会社小学館が2月8日、公式サイトを更新。同社の「姉系プチコミック」で
連載していた漫画「セクシー田中さん」の原作者・芦原妃名子さんが1月29日に
亡くなったことを受け、現場の編集者がコメントを発表した。
小学館、現場編集者の声明公開
小学館は「『セクシー田中さん』の映像化については、芦原先生のご要望を
担当グループがドラマ制作サイドに、誠実、忠実に伝え、制作されました。
しかしながら、今回のような事態となったことは痛恨の極みです」とコメント。
「二度とこうした悲劇を繰り返さないために、現在、調査を進めており、今後、
再発防止に努めて参ります」とし、「あわせて、芦原先生にご寄稿いただいていた『姉系プチコミック』が所属する小学館第一コミック局の声明がございます。
お読みいただければ幸いです」と現場編集者による声明を公開した。
小学館現場編集者が声明
「著者の意向が尊重されることは当たり前のこと」
「作家の皆様 読者の皆様 関係者の皆様へ」とされた小学館第一コミック局による声明では、「芦原妃名子先生の訃報に接し、私たち第一コミック局編集者一同は、
深い悲しみと共に、強い悔恨の中にいます」と現場編集者たちが心境を吐露。芦原
さんの人柄などにも触れ「芦原先生は、皆様が作品を読んでご想像されるとおり、
とても誠実で優しい方でした。そして、常にフェアな方でもありました」と伝えた。
また、“著者の心を守るための権利” である「著作者人格権」についても説明。
「今回、その当然守られてしかるべき原作者の権利を主張された芦原先生が非業の
死を遂げられました」とし、芦原さんが同作につづっていた“映像化に対する文章”を引用しつつ「著者の意向が尊重されることは当たり前のことであり、
断じて我が儘や鬱陶しい行為などではありません」と記した。
続けて「守られるべき権利を守りたいと声を上げることに、勇気が必要な状況で
あってはならない。私たち編集者がついていながら、このようなことを感じさせた
ことが悔やまれてなりません」とコメント。
今後については「二度と原作者がこのような思いをしないためにも、『著作者人格権』という著者が持つ絶対的な権利について周知徹底し、著者の意向は必ず尊重され、意見を言うことは当然のことであるという認識を拡げることこそが、再発防止において核となる部分だと考えています。勿論、これだけが原因だと事態を単純化させる気もありません」とし、「他に原因はなかったか。私たちにもっと出来たことは
なかったか。個人に責任を負わせるのではなく、組織として今回の検証を引き続き
行って参ります。そして今後の映像化において、原作者をお守りすることを第一と
して、ドラマ制作サイドと編集部の交渉の形を具体的に是正できる部分はないか、
よりよい形を提案していきます」と再発防止についても明言した。
現場編集者「寂しいです、先生」思い伝える
そして、最後には「本メッセージを書くにあたり、『これは誰かを傷つける結果に
ならないか』『今の私たちの立場で発信してはいけない言葉なのではないか』
『私たちの気持ち表明にならぬよう』『感情的にならぬよう』『冷静な文章を…』と皆で熟慮を重ねて参りました」と声明を出すまでの葛藤も告白。
最後には「それでもどうしてもどうしても、私たちにも寂しいと言わせてください」とし「寂しいです、先生」と思いを伝えている。
小学館コメント全文
漫画家の芦原妃名子先生のご逝去に際して、芦原先生の生前の多大な功績に
敬意と感謝を表し、謹んでご冥福をお祈りいたします。
ご逝去に伴い、読者、作家、関係各所の皆様にご心配をおかけしていることを
深くお詫びいたします。
「セクシー田中さん」の映像化については、芦原先生のご要望を担当グループが
ドラマ制作サイドに、誠実、忠実に伝え、制作されました。しかしながら、
今回のような事態となったことは痛恨の極みです。二度とこうした悲劇を繰り
返さないために、現在、調査を進めており、今後、再発防止に努めて参ります。
あわせて、芦原先生にご寄稿いただいていた『姉系プチコミック』が所属する
小学館第一コミック局の声明がございます。お読みいただければ幸いです。
引き続き、小学館の出版活動にご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
小学館
小学館第一コミック局声明全文
作家の皆様 読者の皆様 関係者の皆様へ
芦原妃名子先生の訃報に接し、私たち第一コミック局編集者一同は、
深い悲しみと共に、強い悔恨の中にいます。
本メッセージは、我々現場の編集者が書いているものです。
芦原先生は、皆様が作品を読んでご想像されるとおり、とても誠実で優しい方
でした。そして、常にフェアな方でもありました。
私たちが語るまでもないことですが、「著作権」と呼ばれる権利には、「著作財産権」と「著作者人格権」というものがあります。「著作財産権」が利益を守る権利に対し、「著作者人格権」というのは著者の心を守るための権利です。
著者の許可なく改変が行われないよう作品を守るための「同一性保持権」をはじめ、「名誉声望保持権」「氏名表示権」「公表権」「出版権廃絶請求権」「修正増減
請求権」があります。これらの全ては契約を結ぶまでもなく、著者の皆様全員が
持っている大切な権利、これが「著作者人格権」です。
今回、その当然守られてしかるべき原作者の権利を主張された芦原先生が
非業の死を遂げられました。
ドラマの放送前に発売されました「セクシー田中さん」第7巻冒頭には、2023年8月31日付で先生のメッセージが掲載されています。「原作の完結前に映像化される
ことに対してどのように向き合ったのか」について、こう言及されています。
< まだまだ連載半ばの作品なので、賛否両論あると思いますが キャラやあらすじ等、原作から大きく逸れたと私が感じた箇所はしっかり修正させて頂いている >
< 物語終盤の原作にはまだないオリジナルの展開や、そこに向かう為の必要な
アレンジについては、あらすじからセリフに至るまで全て私が書かせて頂いてます。恐らく8話以降に収録されるはず。>
作者として、ごく当然かつ真っ当なことを綴られる中で、先生は
< 恐らくめちゃくちゃうざかったと思います…。>とも書いていらっしゃいました。
著者の意向が尊重されることは当たり前のことであり、断じて我が儘や鬱陶しい
行為などではありません。守られるべき権利を守りたいと声を上げることに、
勇気が必要な状況であってはならない。私たち編集者がついていながら、
このようなことを感じさせたことが悔やまれてなりません。
二度と原作者がこのような思いをしないためにも、「著作者人格権」という著者が
持つ絶対的な権利について周知徹底し、著者の意向は必ず尊重され、意見を言うことは当然のことであるという認識を拡げることこそが、再発防止において核となる部分だと考えています。勿論、これだけが原因だと事態を単純化させる気もありません。
他に原因はなかったか。私たちにもっと出来たことはなかったか。個人に責任を負わせるのではなく、組織として今回の検証を引き続き行って参ります。そして今後の
映像化において、原作者をお守りすることを第一として、ドラマ制作サイドと編集部の交渉の形を具体的に是正できる部分はないか、よりよい形を提案していきます。
また、著者である芦原先生のご意向を、ドラマ制作サイドに対し小学館がきちんと
伝えられていたのかという疑念が一部上がっておりますことも承知しております。
その件について簡潔にご説明申し上げるならば、先の2023年8月31日付の芦原先生のコメントが、ドラマ放送開始日2023年10月22日よりも2か月近く前に書かれ、
そしてドラマ放送開始前に7巻が発売されているという時系列からも、ドラマ制作に
あたってくださっていたスタッフの皆様にはご意向が伝わっていた状況は事実かと
思います。そして勿論、先生のご意向をドラマ制作サイドに伝え、交渉の場に立っていたのは、弊社の担当編集者とメディア担当者です。弊社からドラマ制作サイドに意向をお伝えし、原作者である先生にご納得いただけるまで脚本を修正していただき、ご意向が反映された内容で放送されたものがドラマ版「セクシー田中さん」です。
そこには、ドラマのために先生が描き下ろしてくださった言葉が確かに存在して
います。ドラマを面白いと思って観て下さった視聴者や読者の皆様には、
ぜひ安心してドラマ版「セクシー田中さん」も愛し続けていただきたいです。
最後に。
いつも『プチコミック』ならびに小学館の漫画誌やwebでご愛読いただいている
皆様、そして執筆くださっている先生方。私たちが声を挙げるのが遅かったため、
多くのご心配をおかけし申し訳ありませんでした。
プチコミック編集部が芦原妃名子先生に寄り添い、共にあったと信じてくださった
こと、感謝に堪えません。その優しさに甘えず、これまで以上に漫画家の皆様に
安心して作品を作っていただくため、私たちは対策を考え続けます。
本メッセージを書くにあたり、「これは誰かを傷つける結果にならないか」「今の
私たちの立場で発信してはいけない言葉なのではないか」「私たちの気持ち表明に
ならぬよう」「感情的にならぬよう」「冷静な文章を……」と皆で熟慮を重ねて参りました。それでもどうしてもどうしても、私たちにも寂しいと言わせてください。
寂しいです、先生。
小学館
第一コミック局 編集者一同
本の街の映画館 神保町シアター
BOOK SHOP 小学館
私は、このドラマ観ていないので、詳しくは言えないのですが・・・。
脚本家とプロデューサー、原作者の仲介役が小学館の担当者だと思うのですが、
コメントを読むと、忠実に誠実に原作者の先生の要望をお互いに確認をして、
日テレのプロデューサーに伝えたと書かれていましたが、ドラマ脚本を担当した
相沢友子さんは、原作者のブログに書かれている話は聞いていないと。
何が本当(真実)で嘘なのか? このコメントを読むと日テレ側が悪い?
意思疎通が上手く行ってなかったのか?原作者側の意思を無視をして、面白いように
ドラマ側がそうしたのか?分かりませんが、もっと原作者の話を聞いて、尊重して
あげてほしかったです。そうすることが、ドラマを作る側の責任だと思います。
遺族の人達も原因が分からなく、困惑している上、知らない人から声を掛けられ、
怖い!と言っているので、そっとしてあげて遠くから見守っていてほしいです。
日テレの「下劣!」という言葉、私は、あまりこの言葉を聞かないので、
本当に言ったのか?言わされたのか?分かりませんが後者だと思います
原作者の芦原先生は、行方不明後に自殺をしたとありますが、芸能人も、
よく行方不明になりますが、一体何があったのか?知りたいです
自殺をする原因が見当たらないと、みんな言っていますが、ブログを書いた時点に
何か本人にしか分からないようなことがあり、自殺をしたとしか考えらません
本当に自分で抱えこまないで、信頼できる人に相談をして心を軽くして下さい。
少しでもおかしいと思ったら、その道のプロに相談をして下さい
芦原先生のご冥福をお祈りいたします。
伊勢物語のあらすじ
第二十段 楓のもみじ
【 原文 】
むかし、男、大和にある女を見てよばひてあひにけり。
さてほど経て、宮仕へする人なりければ、かへりくる道に、三月ばかりに、
かへでもみぢの、いとおもしろきを折りて、女のもとに道よりいひやる。
君がため手折れる枝は春ながら
かくこそ秋の紅葉しにけれ
とてやりたりければ返り事は、京にきつきてなむもてきたりける。
いつの間に移ろふ色のつきぬらむ
君が里には春なかるらし
「現代語訳」
昔、男が大和に住んでいる女を見て、求婚して一緒になった。
そうしてしばらく経ってから、男は宮に仕える人だったので、大和から
京(平安京)に帰ってくる道で、時は三月の頃、かえでの紅葉が
とても美しいものを折って、女のところに道すがら詠んでおくった。
君がため手折れる枝は春ながら
かくこそ秋の紅葉しにけれ
あなたのために折ったこの枝は、まだ春だというのに
こんなにも秋の紅葉のように、きれいに染まっているよ
と言って送ったところ、返事は京に着いてから届いたのだった
いつの間に移ろふ色のつきぬらむ
君が里には春なかるらし
いつの間に、移り変わる色が、ついてしまったのかしら
あなたのいらっしゃる所には、春がなくて秋ばかりなのですか、
そのように私に飽きてしまったの
【補足】
このころ旅先で知り合った女は、都には連れて帰ることはなかった。
他の古文にも出てきます。江戸の怪談にも出てきます。
いつもありがとうございます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました