私、大丈夫かな。女優でやっていけるかな」

週刊文春編集部 2023/10/08

 

日本中に衝撃が走った逮捕劇から3年半。彼女が声を届けたのは、8月21日に配信された

エイベックスの松浦勝人会長のYouTubeチャンネルでのことだった。

今、彼女の周囲がにわかに騒がしい。

 

麻薬取締法違反の疑いで逮捕、2月に執行猶予が明けた

 

 19年11月に合成麻薬MDMAを所持していたとして麻薬取締法違反の疑いで逮捕された沢尻。執行猶予3年、懲役1年6月の判決を下された東京地裁の法廷で、「女優復帰は考えていません」と語ったのを最後に、表舞台から姿を消していた。

 

 その執行猶予が明けたのが、今年2月のこと。

「その頃からインターネット上で、沢尻が六本木のラウンジで働き始めるという噂が

まことしやかに囁かれましたが、松浦会長はこれを全否定。本人も沈黙を貫いていた。

しかし6月になって『女性セブン』と『FRIDAY』の2誌が同日発売号で沢尻の近影を掲載。

さらに8月末には『FRIDAY』と『FLASH』がほぼ同時に人気眼鏡店の経営者との同棲を

スクープした。

 

 事件以降、一切姿を見せなかった沢尻がこう立て続けに撮られるのは、あまりにも不自然。

復帰に向けて世間の反応を見るために、エイベックスサイドが週刊誌を利用して

“観測気球” をあげたのではないかと見られています」(芸能記者)

初めてのドラマ出演から20年。振り返れば、浮き沈みの激しい芸能人生だった。

天性の演技力と “エリカ様” の愛称

 小学生の時に雑誌モデルとしてデビューした沢尻は、高校生に入学したのち女優に転身。

05年、映画『パッチギ!』で脚光を浴び、同年の初主演ドラマ『1リットルの涙』(フジテレビ系)では難病を抱える少女を熱演。ゴールデン・アロー賞・新人賞を受賞した。

「井筒和幸監督に『天性のもの』と評される圧倒的な演技力で若くして人気女優の

地位を手にした沢尻だが、 “エリカ様” の愛称の通り、思ったことをサバサバと口に

してしまう気分屋で、周囲は彼女の言動にハラハラさせられていた」(映画関係者)

そんな素顔が世間に知れ渡るきっかけとなったのは、07年、主演した映画

『クローズド・ノート』の舞台挨拶。

 

「別に」炎上、電撃結婚、“裸一貫” の主演作

 金髪のウィッグ、ヒョウ柄のドレス姿で現れた沢尻は、司会者からの質問に

腕を組んだまま、「特にないです」「別に」と不機嫌な態度に終始した。

「この“塩対応”で世間から猛烈な反感を買った沢尻は、女優としてのイメージを地に堕とした。さらに私生活では22歳年上のクリエイターの高城剛氏と電撃結婚するも、翌年には離婚宣言。

09年に所属事務所であるスターダストプロダクションから『重大な契約違反』を理由に

専属契約が解消され、翌年の春まで芸能活動を休止した」(スポーツ紙記者)

沢尻は高城の22歳下という“年の差婚”としても話題になった ©文藝春秋

沢尻は高城の22歳下という“年の差婚”としても話題になった ©文藝春秋

 

 そんな沢尻が起死回生のため“裸一貫”で挑んだのが、5年ぶりに主演を務めた

12年の映画『ヘルタースケルター』だった。

「全身を美容整形したモデル役で、ヌード姿も披露。窪塚洋介や綾野剛らとの濡れ場にも

挑んだ。同作で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞した沢尻は、これを機に急浮上。

映画『新宿スワン』の風俗嬢や、ドラマ『大奥』(フジテレビ系)の悪女などの汚れ役も

あえて引き受け、同年代の清純派女優とは異なる路線を開拓していった」(同前)

そして19年、ついに念願のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』(20年放送)に初出演が決定。

「女優人生の集大成を見せる」。そう意気込んで撮影に臨んでいた最中のことだった――。

「11月16日、沢尻の自宅に捜査員が入り、アクセサリーケースに入ったMDMAのカプセル

2つを発見。緊急逮捕に至った。沢尻は調べに対し、『10年以上前から薬物に手を染めていた。

有名人がクスリで捕まるたびに私も危ないんじゃないかと思っていた』と話し、

MDMAの他、大麻やコカイン、LSDの使用歴を供述した」(社会部記者)

「やめられない。これが私のライフスタイル」

 事件から遡ること7年、小誌はいち早く沢尻とドラッグの関係を報じていた。

12年、スターダストとの契約解除と活動休止の真相を報じた記事でのことだった。

2012年の「週刊文春」誌面。いち早く沢尻とドラッグの関係を報じていた

2012年の「週刊文春」誌面。いち早く沢尻とドラッグの関係を報じていた

 

スターダストの代理人から沢尻に送られた契約解除に関する通知書には、沢尻が薬物検査を

受けて大麻の陽性反応が示されたこと、本人も大麻使用の事実を認めた旨が書かれていた。

当時から沢尻には薬物使用の噂が絶えず、事務所が抜き打ちの検査を行おうとしたところ、

トイレに走り、窓から逃げ出したこともあったとか」(芸能デスク)

報道後も「やめられない。これが私のライフスタイル」と周囲に語り、クラブのVIPルームや

野外フェス会場で薬物を使用し続けた沢尻。その代償はあまりにも大きかった。

 

【補足】

夫の制止も聞かず…

今回も逮捕までには半年以上の時間がかかったが、沢尻容疑者の薬物疑惑自体は、

もうずいぶん前からくすぶっていた。

2009年に沢尻容疑者と結婚したクリエーターの高城剛氏は、

「どうしてもやりたいなら、(大麻が)合法なところでやってほしい」

大麻の使用について、沢尻容疑者に再三そう注意していたという。結婚前後のことだ。

また、離婚騒動の最中の2013年にも、「自分がついていないと抑えが利かないのではないか」と大麻の使用について案じていた。

そんな証言を寄せたのは、沢尻容疑者と高城氏の双方と親交のある知人だ。

「沢尻さんは、高城さんと知り合った頃にはすでに大麻を吸っていたものの、高城さんの反対で、一度は完全に止めていました。が、以前所属していた芸能事務所とのゴタゴタなどをきっ

かけに、また始めるようになったので、高城さんが必死に止めていたのをよく覚えています。

ところがそうした最中にも、彼女には誘惑があり、『大麻でも何でもクスリは用意できるよ』と取り入った面々がいたようです。当人もそう話していました。

結局、そちらになびいてしまったのです」

仕事も友人もすべて失った

「沢尻さんが出演予定だった大河ドラマは、代役を立てて撮り直しを余儀なくされた。

出演していたCMも放送中止となり、サイトからも削除。これらの違約金は5~7億円とも

言われています。また、それまでドラッグでつながっていた友人たちは、沢尻の逮捕を

きっかけに海外へ高飛び。仕事も友人も、文字通りすべてを失った」(芸能記者)

そんな沢尻の回復をサポートしてきたのが、家族と事務所だった。

沢尻を見捨てず、契約を続けるエイベックス

「公判で読み上げられたエイベックス役員の陳述書には、《 更生を支えるのも事務所の役目 》といったことが書かれていました。実際にエイベックスは沢尻を見捨てず、今も契約を続けて

いるわけですが、実は同じ陳述書の中には《 個人的には彼女の作品をもう一度見てみたい 》と

いった記述もあった。沢尻自身は『復帰はない』と明言していたが、事務所はこの頃から、

復帰に向けて前向きだったのでしょう」(同前)

エイベックス松浦勝人会長のYouTubeより

エイベックス松浦勝人会長のYouTubeより

 

 執行猶予が明けて半年がたち、現実味を帯びてきた沢尻の復帰。

すでに沢尻のもとには配信系ドラマをはじめ、複数のオファーが届いているのだという。

世界を見据えた “韓国プラン” で復帰

「今、芸能関係者の間で囁かれているのが、“韓国プラン” です」と語るのは、

前出のスポーツ紙記者。

沢尻エリカ ©時事通信社

沢尻エリカ ©時事通信社

 

「昨年、エイベックスから7人組のガールズグループXGがデビューしたのですが、

これが韓国で大ブレイク。メンバーはすべて日本人ですが、K-POPを意識したビジュアルと

パフォーマンスで楽曲の歌詞は英語、初めてのメディア露出も韓国と、韓国市場を意識した

プロモーションで大成功を収めた。今、韓国のエンタメ市場が世界的に注目を浴びている

ことから、エイベックスは積極的に韓国市場の開拓に乗り出している。

 

 沢尻もどうせ復帰するなら世界を見据えていきたいでしょうし、休養中は外国語の勉強に

勤しんでいたということですから、配信系の韓国ドラマで復帰――という未来もあり得る」

 

 沢尻自身も気持ちが傾きつつあり、最近は「私、大丈夫かな。女優でやっていけるかな」

と口にしているという。

 

エリカ様、やっと離婚!高城氏と協議3年8か月

スポーツ報知

 

女優の沢尻エリカ(27)とクリエイターの高城剛氏(49)が28日未明、それぞれのホーム

ページで離婚したことを発表した。26日に高城氏が都内の区役所に離婚届を提出。

慰謝料はないという。泥沼の離婚協議は3年8か月かかって、ようやく決着した。

沢尻はこの日、都内で取材に応じ「すべてが試練だった。また仕事頑張るので、

よろしくお願いしまっす!」と笑顔で再出発の決意を語った。

 

 晴れやかな表情だった。仕事の打ち合わせを終え、報道陣の前に姿を現した沢尻は

離婚が成立しました。お騒がせしてしまい、今まですいませんでした」と謝罪。

「来年からは心機一転、仕事に精を出していくので、よろしくお願いします」と決意表明した。

 

 弁護士を通じて話し合いを続けていたが、お互いに「年内にすっきりしたい」という

意向があり、年の瀬になって離婚することで同意。

26日に高城氏が都内の区役所を訪れ、離婚届を提出した。慰謝料は発生しないという。

泥沼の離婚劇だった。沢尻と高城氏は2009年1月7日に結婚。ラブラブだったが、急転直下、10年4月4月27日に沢尻がホームページで離婚の意思を表明。11年1月に離婚に

合意したと発表したが、高城氏は「寝耳に水」と反論。離婚に応じる条件として、

沢尻にこれまでの経緯をすべて説明することを求めた、と明かした。

同3月のCM会見では、沢尻が離婚届をスペインの公証役場に預けていることを明かし、

「2人の約束で(5月16日の)期日が来たら私の権限で提出します」と主張したものの、

再び高城氏は否定。“Xデー”の5月16日を迎えても動きはなかった。

これ以降、騒動は平行線をたどり、沢尻は女優復帰。

新恋人としてレゲエファッションブランド・デザイナーの存在も報じられた。

 

 離婚に同意した際の心境を問われた沢尻は「これからの未来のことを考えました。前向きに生きたいと思います」。3年8か月にも及んだ騒動については「私にとってすべてが試練だった」と表現した。新しい恋に関する質問には、笑顔で「また仕事頑張るので、よろしくお願いしまっす!」とかわす余裕も見せた。

 来年1月に広告の撮影を予定。映画やドラマの出演も決まっており、精力的に活動していく。新恋人について、所属事務所は「プライベートは本人に任せています」とした。

 ◆沢尻 エリカ(さわじり・えりか)1986年4月8日、東京都生まれ。27歳。父は日本人、母はフランス人。2001年「ヤングジャンプ」制服コレクションで準グランプリ。05年「パッチギ!」で報知映画賞新人賞。歌手として「タイヨウのうた」がヒット。07年9月に映画「クローズド・ノート」の舞台あいさつで「別に」発言が話題に。09年9月所属事務所と契約解除。10年3月のCM発表会見で仕事復帰。12年、主演映画「ヘルタースケルター」が公開。身長161センチ。血液型A。

 ◆高城 剛(たかしろ・つよし)1964年8月18日、東京都生まれ。49歳。日大芸術学部在学中に東京国際ビデオ・ビエンナーレでグランプリ受賞。クリエイターとしてソニーのAIBO、ナイキのエアマックスの商品開発や六本木ヒルズのCM映像など、ジャンルを超え活動。一時期、ハイパーメディア・クリエイターを名乗っていた。総務省の情報通信審議会専門委員や企業の顧問も経験。DJとしてCD、DVDを国内外で発売し、「デジタル日本人」など著書多数。

 

あの姉(あの子の母親)のパワーを持って来ないで、あの子の怒りも、いい迷惑 ムキー パンチ!パンチ!パンチ!