【映画】未来のミライ*細田守監督作品最新作 | + つれづれ in タイ・バンコク +

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2014年04月からタイ・バンコクに移住しています。
しごとは現地採用、1人暮らしです。
遊園地でも旅行でも1人でどこでも行けちゃう派。
でもインドア。手広くちょっぴりオタクです。

スタジオ地図の最新アニメ映画
未来のミライ」を観てきました


(写真はバンコクの日本語フリーペーパー「WISE」表紙より)

未来のミライ

Mirai of the Future
มิไร มหัศจรรย์วันสองวัย

…タイ語タイトル、なんで「2日」…?



◆ 公開日

日本公開:2018年07月20日
タイ公開:2018年08月23日


◆ 関連ウェブサイト




◆ 公式予告動画







◆ 関連作品



◆ あらすじ

くんちゃん。4歳。
電車が好きで、ちょっとワガママな男の子。

くんちゃんは、お兄ちゃんになった。
赤ちゃんの妹を守ってあげると約束した。

でも。
妹の未来ちゃんが来てから、
くんちゃんはお父さんとお母さんの
1番ではなくなっちゃった。

くんちゃん、
未来ちゃんなんて好きくないの!

泣きながらたどり着いた自宅の庭は
家族の過去と未来へとつながっていた。

未来から来た、未来のミライちゃん。
昔々の家族の姿。

夢のような世界の中で出会う人たちに導かれ
くんちゃんは少しだけ、成長をしていく。

冒険もロマンスもないけれど
ちょっぴりの不思議が詰まった
ごくごく普通な家族の日常の物語。



◆ 感想

コレ、たぶんきっと、好き嫌いが
ハッキリと分かれた作品でしょう(◎・ω・◎)?

ハラハラドキドキワクワクを楽しみに観にきた人たちは、少し物足りなく感じたのでは?

子どものイヤイヤ期真っ盛りを目にして来たパパママたちや、子どものコトがあんまり好きくないのな人たちは、観ていてちょっと疲れちゃったのでは?


ちなみに私は、好き。

こういう淡々と、
丁寧に紡がれる物語は、好き。

ものすごく、
細田守監督作品だなって思った。



ごくごくありふれた普通の家族が舞台。

もちろん、普通と言っても、お父さんが在宅勤務の建築家だったりするのは世間的には少数派かもだし、「普通の家族」が何をもって「普通」かというのはあるけれど、少なくとも特殊能力を持っていたり、何か特別な血筋などではない、そういう意味での普通の家族。

それがとてもリアルで、
会話や思考パターンも、リアルで。

リアルさで言ったら、
くんちゃんの動きや言い回しも
とてもリアルに生き生きと描かれていた。

モデルが監督自身の息子さんというのだから
さもありなん。


私自身も3歳のときに、
それまで受けていた独占的愛情を弟に奪われ
くんちゃんと同じように嫉妬しまくったので
くんちゃんのワガママもすごくわかる。

今でも、後回しにされてしまう小さなお兄ちゃん・お姉ちゃんの姿を街中で見かけると、ものすごくもどかしい気持ちになる。

だからすごく、くんちゃんに気持ちを寄せて見てしまった。

くんちゃんだって、本当は妹をだいじにする優しいお兄ちゃんでありたかったんだろうなあとも思うし、それが上手く出来ない自分への苛立ちもあったんじゃないかなって、そう思いながら見ていた。
その様子も、ものすごくさりげなく描かれていて、なんて繊細な作品だろうと思った。


くんちゃんが出会う過去や未来の人たち。

作品内では、なぜ自宅の庭が過去や未来につながっているのか、明確な説明はない。
それがモヤモヤする人もいるだろうなって思いつつも、それで良いんじゃないかなっても思う。
「そういうものなんだな」って思ったから。
子どもの世界には、説明がいらない不思議なコトが、もっとあってもよい。

ココまで書いて、ストンと納得したのは
この作品を観るのに、
大人の目線で見るか、
子どもの目線で見るかで、
違う印象になるんじゃあないかなって。

論理的に作品の意味を考えたり、
求める作品の方向性を予測して期待したり、
そういう大人としての経験をフル稼動して見てしまうと、「なんか違うな」ってなりかねないんじゃあないかしら。

子どものとき、難しかったり意味がわからなくて、でもそういうものなのかと割り切って観ていたそんな楽しみ方が、この作品には合っているのかもしれない。


ただ、たぶん、
もし自分が親になって観たとしたら
きっと視点の置き場所が変わって
戸惑うんじゃないかという気もしている。

いまは4歳のくんちゃんに感情を寄せられたけれど、パパママな人たちはどうだっただろうか。


見る立場によって、受け捉え方が変わりかねない作品なんだろうな、というのは、実に興味深い作品だ。




ところで、私にとって細田守監督作品といえば、「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム」が筆頭に挙がるのだけれど、サマーウォーズと言い、なんだあのディアボロモンが出てきそうな時空空間は。
オメガモンに進化しかけないカンジだったぞってあたりが、もしかしたら1番テンションが上がった瞬間かも(笑)



じつは、今回のタイでの上映にあわせて
細田守監督が来タイしてまして。




エムクオーティエでもトークイベントが
開催予定だったので申し込んだところ、
定員オーバーで参加できなんだ


もっと早く気づいていれば〜〜〜!!



繰り返しになるけど、
私はこの作品、好きだったな。

「おおかみこども」の時と同じ感想になるのだけれど、数年後、自分の生活ステージや心境が変わった折々に改めて観たら、未来の私がどう感じるのか、鑑賞する未来が楽しみな作品。