タイ前国王の葬儀殿@サナームルアン | + つれづれ in タイ・バンコク +

+ つれづれ in タイ・バンコク +

つれづれなるままに。

2014年04月からタイ・バンコクに移住しています。
しごとは現地採用、1人暮らしです。
遊園地でも旅行でも1人でどこでも行けちゃう派。
でもインドア。手広くちょっぴりオタクです。

期間限定で一般公開されている
タイのプミポン前国王(ラマ9世)の
葬儀殿に行ってきました。

{7EEAD205-646B-49FA-AC9D-0FBF8FCDCAC7}

12月15日現在、
2017年12月末日までの公開予定。

元々11月いっぱいでの公開期間が延長して
いるのもあって、また延長するんじゃあ
ないかな…なんて少しだけ思っていたり。

だってあんなにも美しいんだもの。



行ったのは、平日金曜日の夜。

しごと終わりにナショナルスタジアム駅で
待ち合わせて、タクシーで王宮方面へ。

…駅で集合だったハズなのに、なぜか
MBK内の某専門店で落ち合うという謎。


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


葬儀殿があるのは、王宮のすぐ隣にある
サナームルアン(王宮前広場)。

{95C27C09-BAD8-4B57-ACE3-E96CCF087ACF}

場所:
サナーム・ルアン / สนามหลวง
Phra Borom Maha Ratchawang, プラナコーン バンコク 10200


詳しい行き方(日本語):
コチラを参考に行きました。



ナショナルスタジアム駅直結のMBKから
タクシーを拾って行く際は、火葬殿の写真を
ドライバーさんに見せただけで行けました

なお、
往復ともにナショナルスタジアム駅発着で、
行き:120バーツ程度
帰り:60バーツ程度

さすが華金、行き(18:30頃)は少し渋滞。


拝覧可能時間:
月〜日:07:00〜22:00

ただし、中の建物はオープン時間が違ったり。

{00D4C263-020B-4C08-91D8-8A6B2CBDA6C9}

終了が21:30なのはわかるとして、
開始が06:00〜とはいかに…(◎・ω・◎)?


持ちもの:
パスポートなど身分を証明できるもの。

ワークパミットのコピーでいけたけど、
顔写真が1番チェックされていたから
顔写真入りの身分証明要ってカンジかな?


トイレ事情:
公開に合わせてか、お手洗いはかなりの数で
広場内に増設されていました。

わりとというか結構キレイな洋式でホッ

紙が個室内に用意されていないトコロも
あるから、そこだけ注意かも。


関連する過去の記録:



- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


とてもたくさんの人が拝覧に訪れており、
待つ用の椅子も多く用意されていたものの、
待つコトは一切なく回れました。

{8648DF65-1812-45B9-BA96-C1B2784BE233}

それでも20:00くらいは、
そこそこに人がいたかな?


入場時にはガイドももらえます。

タイ語・英語・中国語があって、
英語版をもらいました。

{08012F0D-E4AE-4C1C-BB9A-A25BAFEFC2FB}

特殊印刷や特殊加工、定形外用紙、折り方、
実に手が込んでいて素晴らしいですキラキラ


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


歩いていくと正面に構えるのが
メインとなる火葬殿。

{4EDBA6A9-1675-4726-9414-01B9493CCBCE}

淡く光る黄金の輝きがとにかく美しい。

思わずほうっとため息が漏れるような。

もっと厳かで張り詰めた空気があるのかと
思っていたのだけれど、
和やかな雰囲気が心地よかったです。


どこを見ても本当に美しいのだけれど、
建物の様式にもものすごくこだわりが
感じられて、それがまた興味深い。

{C98FFEEA-87FA-4864-B650-DA84B768A281}

実際に見られた方ならお気づきかもだけど
「奇数」に徹底して建物設計されているのが
さすがだなあ、なんて

例えば「屋根」にあたる部分。
手前から三段・五段・七段、と続き、
中央いちばんてっぺんの白い部分は九段。

ナーガ(龍神)の顔の数も
手前から一つ、三つ、五つ、七つ。


奇数は陽数であり、「九」はその中でも
強い力を持つとされています。
人日(七草)、上巳(ひなまつり)、端午、
七夕、重陽(九月九日)の節句もその由縁。

日本では「陰陽思想」によりそう考えられて
いますが、タイではどうかわかりません。

でも、タイのどのお寺に行っても奇数が
重用されているのを見る限り、タイでも
「奇数」を大切にしているだろうとは
思っています。

当代一の叡智と技術による建立だろうと
実際に見ても強くそう感じたので、
そんな古来よりの考えがおそらくあっての
設計だろうとも思います。

{A038B1CE-8F68-4060-8AC0-FED57FD60ECA}

例えば魚や鳥など他の動物と融合したゾウや
ガルーダ、シンハーなど、タイやインドの
神話に登場する動物や説話が元となった像も
多くて、とにかく見応えがすごい乙女のトキメキ

それぞれ建物や像についても説明が書いて
あったから、こういうのが好きだと
大層たまらんかも…!
夜の暗さで読めなかったのが残念アセアセ


とは言え、民俗学や宗教学は専門でないから
奇数うんぬんに関してもトンチンカンな
コトを言っているかも
だけどそんな視点でいろんなモノを見たり
できて、とっても興味深い乙女のトキメキ


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


火葬殿そのものもステキなんだけど、
その周りをじっくりと見て回るのも
また面白くって

{D6B927CF-0FF1-4659-8F39-34E9A7418116}

植えられた黄色いお花たちは、
どれも瑞々しく、細かい手入れがきちんと
されている様子が伺えます。


火葬殿の周りには、資料館がいくつもあって
建立のときの様子やプミポン前国王の軌跡の
一部を間近で見るコトができます。

{80A371D5-376C-4D57-B5C7-4A5066D7F91D}

メインの資料館の入り口には、彼が愛した
名犬・トンデーンたちが犬

{265E579D-513F-4BDD-A0C7-4F2CCC9D7B78}

SFシネマ系列で映画を観ていた人たちには
お馴染みの顔ぶれかな(*´艸`*)



ほんっとに資料が豊富で、見ても見ても
見尽くせないほど。

{D2A2C39E-0524-46FC-BD9B-8E4DC02294E8}

建物の装飾のほんのひとつをとっても
ひとつひとつ丁寧に仕上げられているのが
垣間見えて、うっとり。

{D64D7EC1-91F5-4431-B492-C5BBE603BE93}

ほんのほんのわずかの、たったごく一部の
きっと誰からも肉眼では目にするコトが
できないような小さなパーツに対しても
丹念にデザイン・制作されていて、
こんなの、もはや敬意でしかない。


神話の世界の登場人物たちも、
生き生きとしていながら、
どこか表情はやわらかいような。

{1B4FFCB5-D6C0-48F1-9041-95B56327A98B}

{1D0255AF-6804-4F6A-B39F-C7C2A2081052}

一体一体が、どれだけの時間や労力をかけて
つくられたのだろうか。

これだけのプロジェクトの中で作品を納めた
というコトがきっと誇りになるだろうなあ。


宗教画も色あいやタッチが柔らかで美しい。

{7AFC9E4C-9E8A-4373-810D-D68CDF2FBAA5}

色彩設計はもちろん、表情がとにかく
柔らかで見ていてホッとします。
なかなかに現代的なセンスだよなあ。


製作中の様子は、パネルや映像でも
見るコトができます。

{2EECC61B-7E7B-4BD0-8DBD-17AC471C3D63}

{6F4FCAC6-E7E3-41EF-A542-D75EEFE3ADD9}

とんでもない短納期の中、
あまりにもあまりにも大規模すぎる
プロジェクトで、感嘆の言葉しかない!


使用していた画材の紹介なんかも
クリエイターの人からしたらテンションが
さぞかし上がるんだろうなあアップ

{4BF73627-898C-4D09-8DC1-4ABAB985DEAD}

畑違いだけれど、私も舞台装置なんかを
つくっていたので、ちょっぴりワクワク。


資料館の建物の中自体も絢爛豪華。

{7E659CD0-55F5-4A76-B5D3-4E43E3EE8701}

建物内から見る火葬殿もまた趣深い。

{EC2DC21E-36EF-41AB-8F87-15924DCABD29}

人が少ない時間だからこそ、
じっくりしみじみと感傷に浸れる風景かも。


しかもココ、ポストカードまでもらえる乙女のトキメキ

{278344FB-4CDA-4962-9144-0126B0E863B0}

帰るときにもらったのもあわせて、
2枚のカードをいただきました。

{A29C4B22-58F4-49B8-AE96-47B4DCCCAD07}

ほんっと太っ腹!キラキラ


彼のタイにおける取り組みを、まるで
絵巻物のようにして描かれた壁画もステキ。

{48E50C8A-0E26-4194-BE6E-9B2414FAECB2}

{989968E8-02D8-4327-9EAC-6DD04435A96C}

王様1人だけが後光というか神々しく
光をまとわれていて、もはや宗教画。


お仕事をされていた机の再現や、

{EC7C47C7-EFFD-4CC8-95A8-96DF6B6FDC96}

ご幼少のみぎりに使われていたおもちゃなど

{34C49061-CDB1-454E-BFDA-E2B8074CFF14}

1人の「人」としてのご様子も
偲ばれるような思いになりました。


メインとなる資料館のさいごで流れていた
動画なども強く心に響いてくるものでした。



なんというか、説明が難しいのだけれど
きっとタイの人たちの中では、彼は
「永遠の存在」となっているのだろうな、
なんて、そんな風に受け止めました。


また別の資料館では、葬儀の際に火葬殿へと
向かう折に用いられた車などの展示もあって
ほんの2月前の光景が遠い昔のように
思い起こされました。

{E554A1F5-F971-4310-9FB3-02C5D864DAE7}

{A31ADACD-4BB1-4784-A83A-33B92E8B0C37}

{39E99596-C1D5-48EE-BDAF-47D7019EB4D3}

動画中継で見ていたものが、実物として
こんなにも近くにあるのが、なんだか
不思議な感覚。


展示にあたっては、職員の方が丁寧に
説明をされている姿もあって、
お花の香りなども嗅がせてもらったり。

{EA1B2227-B101-46BD-A95A-85207AECFFA1}

すごく華やかで甘いにおい。
香水というより、お香の香り。



資料館をひと通り回り、改めて火葬殿を
じっくりと拝しました。

{F10F7C5E-4B30-4836-9E8C-AD68AFC48899}

21:30過ぎには人もだいぶまばらで、
写真もゆっくり撮れたカメラ乙女のトキメキ

{B92BEDDA-7FDF-493B-A3EA-85435A277969}

通りを誰も歩いていないようなこの構図は
平日夜ならではこそヾ(*´∀`)ノ

{D0F35079-DE3E-4D53-AD16-1DA114BDEB36}

この静けさと景色とがまた、
とても心地の良い空間でした


火葬殿のすぐ隣が王宮なので、
外から夜の王宮を垣間見たり。

{375D348D-1E61-4A73-BB4E-52E4F11AC6D5}

王宮前の大通りも、車も人もぜんぜんおらず
不思議なカンジ。


ぽつりぽつりと感想などを話しながら
ゆっくりと帰りました。


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


本当に正直に話すと、
行くコトはないのかな〜なんて、
実は漠然と思っていたのです。

なぜだかは自分でもわからないけれど、
そんな風に思っていました。

だけれど、行って本当によかった!

美しさや荘厳さはもちろんのこと、
悲しみの空気ではなく、穏やかな雰囲気に、
タイの人たちのしなやかさも見るコトが
できたように、一方的にだけど思います。


タイは、強いです。

きっと、これからも。