2016年10月13日。
タイ王国で70年もの長い間、素晴らしい治世を敷かれてきたプミポンアドゥンラヤデート国王陛下が崩御されました。
タイに数年住まわせてもらっているだけの外国人の私でさえ、時折深い悲しみに飲み込まれそうになります。
ましてや、生まれた時から当たり前のように王様の姿を見てきたであろう多くのタイの人たちの喪失感は、はかり知ることも出来ません。
国王陛下のご遺徳をしのび、哀悼の意を表すとともに、心よりお悔やみ申し上げます。
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崩御の報のあった13日の夜、
たくさんの呆然とした表情や、涙を堪えながらも溢れてしまった様子、そんなタイの人たちの姿に、胸を締め付けられる思いでした。
悲しみながらも、折々に考えたことなどは、ツイッターの方でも吐き出しているので、ブログでは割愛。
崩御の報知のあった夜は、
「明日はどうなるのか?」という不安が少なからずありました。
食べものについては、我が家は1人分の量だけで済むし、日頃から10日分くらいの備蓄はしてあるので、その点に関してはあまり不安はなく。
が、13日夜の時点では「明日14日は通常通りの出勤」となっていたので、通勤経路や出勤時の服装、気をつけるべきことや場所など、心配がなかったと言えば嘘となります。
ただ、職場からもきちんとフォローが入っていたので、その点についてはありがたい限り。
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明けて14日の朝は、
いつもより少し早く目が覚めた。
職場からの連絡はないか、
街では何も変化はないか、
そんなことをひと通り確認をして、少しばかり遅めに家を出ました。
空は変わらず青かった。
青空を見ると、少し落ち着くのはなぜかしら。
BTSトンロー駅の下では、いつもと同じようように朝の屋台が並んでいました。
いつもと変わらないけれど、屋台のおばちゃんや、バイクタクシーのおっちゃん達も、暗めの服装。
表情にいつもの覇気がないように感じないこともないけれど、タイの人たちが日常をきちんと送ってくれていることに、どれだけ安堵したことか。
いつもと同じ、美味しい朝ごはん!
駅も車内も、普段より静まりかえった雰囲気。
服装が黒いから、満員電車の中ではどうしてもいつもより暗く見えてしまう。
そんな中でも、タイ人に多い子どもを好きな様子は変わらなくて、小さな子が一生懸命お話する姿を微笑ましげに見守ってくれている様子に、子どもと話していた私も癒されました(*´ω`*)
駅構内にあるヤマザキパンは、朝からちゃんと開いていて、朝ごはんを追加購入。
現在タイで使われているどの紙幣にも、プミポン国王のお顔が印刷されていて、お顔をお見かけしない日はあまりないのです。
いかに身近な存在だったのかと、改めて実感するばかり。
職場では、その場にいた全員で黙祷を捧げました。
繊細な話題なだけに、こちらからタイ人に話を振ることは憚られるものの、2人になったときに、ぽつりと漏れてきた本音に、必死に感情を抑えている様子が痛いほどに伝わってきて、気づけば一緒に涙をこぼしていたり。
その思いの中、責任を持って仕事を進めていく様子がとても頼もしく、ありがたく感じました。
よく「タイ人は無責任だ」なんて言葉を耳にするのだけれど、前の職場でも、今の職場でも、真面目で心優しい人に恵まれているのもあって、だからこそ「タイ人」という括りだけで非難するようなコトはとても残念なことだと思います。
お昼ごはんは、近場でランチ。
職場の近くのショッピング街は、見た限りでは多くのお店が変わらずオープンしていたように思います。
CoCo壱番屋の唐揚げカレー!
ちゃんと「イチカラで!」とオーダーしておいた。
いつもと変わらないピリッと加減。
いつもと変わらないイチカラ加減。
日本人だけのランチだったのだけれど、やっぱり話題は今回に関連した今後や情勢のことで。
話す内容にはちゃんと空気を読みつつも、それでも誰かと話すとちょっと安心する。
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仕事帰りに、職場の近くにあるTopsへ。
日系のフジスーパーでは一部品薄な商品があるとは聞いたものの、他のスーパーでは普段通りの品揃えで、コレも安心材料となりました。
野菜もきょうの分が入荷していたし、
お肉もあるし、
お刺身もある。
売っていたところで、高くて買えないんだけどね!
すでに大規模スーパーのいくつかで販売自粛を発表している酒類も、14日夜時点では普通に購入可能。
仏教国のタイは、元々仏教関係の休日になると、酒類が販売禁止になる国だし、今後どうなるかは各店の公式発表を確認するしかないと思っています。
…私はお酒を飲まないのでそこまで関心が大きいわけではないけれど、酒飲みさんには悩ましい問題のようですね…。
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そして、MBK内に飾られていた王様のお写真も、すでに変わっているご様子。
また、建物内を黒い布で囲う作業もしていたり、いろいろと対応が大変そう。
MBKは外国人観光客の多く集まる場所ですが、見るからに観光客な人でも、黒を取り入れた服装の人がいつもより多いと感じました。
ファッションコーナーでは、黒い服が多く並んでいて、この辺の対応の早さは普段通りのタイ。
しばらくは服喪として黒い服を着ることが望ましいとされているため、黒い服の需要があるのだと思います。
オタクあるあるなのか、我が家にはむしろ黒い服ばかりがクローゼットに並んでいるので、普段通りの出で立ちでいれば、特に困ることはないかなあ。
ゲームセンターは、クローズ。
こんなに静かかMBK7階は初めてです。
お客さんも何人か入っていたかな。
映画館はクローズ。
SFシネマ系列は、14日(金)はクローズとのこと。
スタッフさんに確認したら、「明日15日はオープンする予定」だそうな。
14日は、いつもの21:00閉店を早めて、18:00のクローズだったようで。
娯楽施設やイベントは自粛の流れもあり、いろいろ企画していただろうイベントに対しても、今後の対応とか、日本との調整とか、お忙しくなるのでは…なんて心配しています(´・ω・`)
MBKではないけれど、日系のマイポーチも、カラオケ営業は自粛するとのこと。
自粛の影響が、今後どこまで広がっていくのかが現時点では分からないので、しばらくの間、どこかにお出かけする際には、事前に情報を確認してから向かおうと思います。
あ、MBK内の東急ストアの食料品も、在庫状況は普段通りのようでした。
普段通りの食料品の種類の少なさ。
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MBKからサイアム方面へ。
サイアムディスカバリーでは、たくさんの大きなモニターに、王様の映像が映し出されていました。
相手ときちんと視線を合わせて優しくお微笑みになるこのお写真がとても好きでした。
そしてやっぱり、黒い洋服がたくさん並んでいました。
館内は照明がやや落ちていて、全体的に暗い印象。
サイアムディスカバリーにあるLOFTでどうしても買わなくてはいけないものがあったから、買うことが出来て本当によかった!
サイアムディスカバリーから、サイアムパラゴン方面に。
パラゴン前と言えば、自撮りのメッカかというくらい、自撮りする女の子たちの多い場所なのだけれど、いつものニコニコ笑顔ではなく、真顔で撮っている子達が何人かいました。
撮影時の表情は変わっても、自撮りすること自体は変わらないようで、FacebookやLINEのタイムラインも、白黒トーンになったタイの人たちの顔写真を見かけます。
個人レベルだけではなく、タイの企業や省庁などのウェブサイトも白黒トーンになっており、テレビの放送も白黒でした。
また、王様への弔意をパラゴン前の大きなモニターで映し出していて、コレは電車の中からも確認できます。
モニターだけではなく、他にもとてつもなく大きなポスターが貼られていたりと、この1日で準備をして完了までさせるだなんて、その仕事の早さに驚くとともに、それだけ王様への強い気持ちがあるのかな、なんて思ったり。
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サイアムでの用事を終えて、いざ帰宅。
く、黒い…
こんなに人がいるのに、とても静か。
最寄り駅からの帰り道によったセブンイレブンも、レジの金額表示画面で追悼の意を。
また、朝ごはんを買った屋台のあるあたりにあるおうちでは、白と黒いの布が飾り付けられていました。
やっぱり少し、街の雰囲気が違うかな。
何だかんだで、きょうは1日ずっと気を張っている状態だったので、最寄り駅についたときには、ものすごく安心しました。
今回どうしても買わなくてはいけないものがあったから、寄り道をして帰ったけれど、しばらくは状況も読めないので、情報をしっかりと収集しながら、慎重に行動していきたいと思います。
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時事的な話をするのは、2014年05月の軍事クーデター以来でしょうか。
何か大きな事件が起こらない限りは、明日からはまた通常通りのブログに戻ります。