私が小学3年生のときのコトでした。
土曜日の朝のコトでした。
知らせを聞いたその朝は、妹の誕生を誰かれ構わず自慢したくて、学校から一刻も早く帰りたくて、そんな風にソワソワして過ごしていた気持ちを、今でもよく覚えています。
保育器越しに初めて見た妹は、それはもう、ただのサルでした。
正直、可愛くないな、と思いました。
けれども、退院して我が家に来た妹を初めて抱っこしたときに、愛おしさで胸がいっぱいになりました。
可愛くて、愛おしくて、たまりませんでした。
そんな妹のオムツを替えられるようになったのが、誇らしくてたまりませんでした。
妹の初めてもたくさん見ました。
初めての、寝返り。
初めての、腹這い。
初めての、つかまり立ち。
初めてをたくさんたくさん積み重ねて、大きくなって。
高校生になる頃には友達との約束が優先になって、それまでのように一緒におでかけはしてくれなくなって。
大学生となった今では、考え方もすっかり大人になって、最近では私よりもしっかりしているんじゃないかと、内心少し焦っています。
幼かった頃の記憶が強く、まだまだ何も出来ない子どものように思ってしまうコトがあります。
だって、あんなに小さくて、あんなに助けを必要としていたのだもの。
それなのに、いつの間にやら背もすっかり越されてしまい、シャクなコトに妹の方が年上に見られるコトもある始末。
その成長を嬉しく思いつつも、ときどき少し寂しく思うコトもあります。
歳の近い弟とはよく喧嘩もしましたが、9つも離れた妹とは、さすがに対等な喧嘩にはならなくて、どちらかと言うと小さな保護者気取りで接していたように思います。
守りたいとか、してあげたいとか、そういう対象として、未熟な子どもとして接していました。
だからこそ、多分今の私の性格があるのだろうとも思うのだけれど。
だけど、今日からは違います。
もう、名実ともに大人なのだから。
心配ごともたくさんあるし、すぐには難しいとは思うけれど、これからはキチンと対等な大人として接するコトが出来るように努力します。
そして、妹と同じ目線で話すためにと幼児返りしていた私自身も、もう少しだけ大人になります。
それでも、妹があのときと同じ愛しい存在であるコトには変わりありません。
そうずっと思えるのは、永遠にお姉ちゃんの特権なのだと思います。
妹。
20歳の誕生日おめでとう。
成人、おめでとう。