手術が終わった翌日のお昼から、看護師さんが来て、
「ぷーかさん、歩き始めましょう」
と言った。
背中に痛み止めの点滴が通ったまま、
尿の管も通ったまま、
ぷーかは立ち上がって、点滴棒に掴まって、
「はい、では、ゆっくりいきますよ、まずは交互に足を上げて4歩その場で歩いてください」
足が、ふらつくけど、なんとか歩けた。
次に、傷を初めてこの目で見た。テープでびっしりと覆われている、みみず腫れのような赤い傷跡。
腫瘍が大きかったので、下腹部からおへその少し上まで傷がある。その端っこを、少し触ってみた。
傷は、癒えていて、皮膚が少し盛り上がっていた。
触っても、血が指につかない。
ぷーかの身体は、生きようとしていた。
「自分は精神の病気で薬が必要なので、子供が産めない、おまけに傷者になっちゃった。何の為に生きてるの?」
と思ってしまう、ぷーかの心とは裏腹に。
なんか、嬉しくて、涙が出そうになった。
がんばろう。
それから、昼食を残さず食べて、
点滴棒に掴まって、院内をぐるぐる歩きはじめる。
たくさん歩くことで、傷が早く塞がるんだって。
がんばるよ。