桑名市街の国道1号線にかかる戦前橋シリーズ3つめ。
北矢田橋、中矢田橋と来て、一番南は南矢田橋かと思いきやちょっとヒネって矢田野橋です。
北にかかる歩道橋から見下ろした矢田野橋。西側の親柱と高欄のみが残る。
橋の近くから。高欄のデザインは北矢田橋、中矢田橋と違っている。
高欄の窓の形は前二橋と似ているが、橋の中央に近いほど窓を高くして動きを出している。
横からみるとこんな感じ。金網邪魔だけど…。
矢田橋3兄弟の中ではこの矢田野橋が一番長いので、装飾面でも一工夫したのだろうか。
ちなみに親柱は矢田野橋と中矢田橋が高さ以外は同じで、北矢田橋だけちょっと違うデザインになっている。
といっても間違い探しレベルだけど。
銘板は「矢田野𣘺」「やだのはし」の片側2枚のみ。
恐らく反対側の高欄も同じ組み合わせだったと思われる。
Q地図様によると昭和七年生まれ。
橋の下には一応水が流れているが、今は用水路未満の細い溝のみとなっている。
水路は橋から東では暗渠となっていて、完全に道路の下に埋もれてしまっている。
今昔マップで昭和12年頃の地図を見るとこの辺りは田園地帯で、現在の3つの橋の位置にそれぞれ東西に走る水路が確認できる。
これら3つの橋は小さくて目立たないが、今では大きく変わった街の中で昔の姿を残す貴重なものとなっている。