小和田駅 その2 (浜松市天竜区水窪町奥領家) | 手当次第

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気になる所にいってみる

M氏宅を後にしていよいよ小和田駅へ。

 

 
M氏宅を過ぎた辺りで天竜川河畔に出て、道が明るく平坦になります。
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川沿いの道を歩いていくと「カンカンカンカン…」と電車が近づいたことを知らせる音が聞こえてきました。
ちょうど電車がやってくる時刻だったようです。
 
小和田駅前の集落に到着。左が駅への道。
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右へ進むと見どころの一つのオート三輪。
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これがあるということは過去には車が走れる道がここまであったのでしょうか。
(Wikipediaには「佐久間ダム建設の際に転落したとされる」って書いてある…)
 
現在の小和田駅前に残る唯一の家(無人)。
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もう一つ製茶工場跡という建物もありますが、そちらは結構荒れています。
たぶんこちらの家はその製茶に携わった人が住んでおられたのでしょう。
こういう場所にある建物としては広いです。
 
そんなこんなでようやく小和田駅へ到着~。
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当然無人駅なので、ちょっと駅舎内に失礼します。
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駅の中にはノートが置かれ、それも十数冊はあったので秘境駅としての人気ぶりが伺えます。
 
小和田駅(こわだえき)のトピックとしては、雅子妃殿下の旧姓小和田(おわだ)と漢字が同じであることから、1993年の御成婚の折にちょっとしたブームになったこと。
上に写っている婚礼衣装の男女はその際のイベントでこの駅で結婚式を挙げたカップルと思われます。
 
当時の(?)ヘッドマーク(電車の先頭につけるやつ)。
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「恋成就駅小和田」の文字も力強い。
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成就しようにも人っ子一人いませんが。
しかしこんなところ(失礼)で偶然男女が出会ったらある意味運命かもしれない。
あ、昨今のLGBTへの風潮に配慮すると同性同士でも可。
 
駅の下の広場に置かれた「愛」のベンチ。
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ネットの情報によると完成当時は座るとセンサー(写真左上)によって音楽が流れたらしい。
フツーに休憩のために座ったが、歩き疲れたオッサンが独りでたたずむ姿は「哀」の方がお似合いだろう。
 
 
さて、こんな風に現在誰もいないところに駅がある理由ですが、一言でいってしまえば集落がダム湖に沈んでしまったから。
1956年の佐久間ダムの完成は天竜川沿いの人々の暮らしに大きな影響を与えましたが、この集落の消滅もその一つということらしい。
駅の開業は1936年なので、その頃には駅を造る程度の人口が居たのでしょうか。
保線の都合とか他の理由もあるとは思いますが。
 
M氏宅のところでも書きましたが、ここで暮らした人たちはこの場所での毎日、またダムによって一変した環境をどのように感じていたのでしょう。
駅のすぐ下を流れる川を見ながら、ぼんやりとそんなことを考えました。
 
…もうちょっと続く。
 
駅の前後はどちらもトンネルになっているのも秘境っぽい。
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