発達障害の苦手シリーズ『私の苦手』③(急な予定変更)その2 | ポンコツ旦那と嫁様の日記

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 そういう自分が、このついていけないスピードで流れる世界についていくためには、あらかじめ『予定』という名のレールを目的地まで繋いでおくことが必要だ。みんなのように走りながらレールを繋げていけないから、時間をかけて下準備をする。

 前もって現地調査を行って、地面の硬さを調べて、どの方向にレールを繋いでいくかを考えて、一つ一つ安全確認をしながら、レールを設置していく。

 

 こうした一連の行動は、一言でいうなら『心構え』というものだ。

 スピードについていけないからこそ、生きていくために必要な『工夫』として、必要不可欠なモノなのだ。

 

 しかし、それだけの入念な下調べと下準備を経て、ようやく目の前に敷くことが出来たレールを、突然外されてしまった時の絶望感と不安感たるや、想像を絶する。

 確かに、レールが無い事で選択肢や可能性の幅は広がるだろうと思う。

 だけど、じゃあそのレールを別の場所に向かって敷いていこう、ってなったときに、自分の身体は既にレールの上を走り始めているのだ。

 

 

 結果的に、大体の場合において予定というレールを外された先に待っているのは、『脱線』という名のオーバーヒート、またはパニックだ。

 自分という電車を、ちゃんと世界で生かしていくためには、欠かせないものなのだ。

 予定というレールは。

 

 

 ところで、スピードに合わせてレールを敷くことは出来ないが、一度敷いたレールを反復作業のように繰り返し通るのは得意だ。

 人はそれをルーティンワーク、と呼ぶ。

 定められた作業を、同じように繰り返すさまは、まるでずっとグルグル回っていられる山手線のようでもある。

 だけどそこには大きな安心感と、どこにレールを敷くかを考えなくてよい、という利点がある。

 進む方向を考えなくていい分、その空いた脳のスペースを、目の前の作業に集中させられる。

 

 考えなくてよい、ということは、それだけ自分の脳みそにとっては、ありがたいことなのだ。

 これで、やっと人並みの役割を果たせる。って、気分になる。

 

(おわり)