投資コラム 商品が私たちに届くまで 後編 小売の米国・卸売の日本 | 外科系集中治療医による新NISAの記録

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休日の投資コラム。「商品が私たちに届くまで」の後編。
前回の続きから提供いたします。
 
前回のコラムでは、商品が生産者から消費者に届くまでの流れについて説明した。
 
 
そして近年急速に進むAIの導入によって、生産者から卸売・小売をショートカットした消費者への商品提供が進んでいること、これからますます進行する可能性があることについて私見を書いた。
実際のところ、人件費は企業の支出において大きな割合を占める。
リストラというと聞こえが悪いが...不要な人員の削減が収益・利益を改善するのは自明であり、今後急速に進むであろう労働の変化についていけなければ、働き続けることは難しくなるかもしれない。
 
では、卸売と小売のショートカットはどのように進むのか...というお話である。
 
 

非常に興味深いのだが、そもそも米国では卸売業がそもそも一般的ではない

生産者も小売も一つ一つが巨大であるため、直接契約で商品を仕入れているのだそうだ。

 

日本に進出しつつあるコストコ(COST)。

大きな倉庫の中で商品を売るようなスタイルだが、あれは決して演出ではない。

商品の在庫を管理しつつ、モノを売るという効率化の結果なのだろう。

アマゾン(AMZN)も同様。高速道路のIC付近にはよく巨大な倉庫を目にするでしょう。

 

 

アメリカはとにかく広い。だから企業も巨大になる傾向がある。

というよりも効率化のために一つに集約しやすくなる、ということだろうか。

 

日本のような島国、それも3/4が山林で、残りの限られた平野でわいわい暮らしている日本人とは違う。

もともとコンビニはアメリカで発祥したものだが、日本では独自の発展を遂げている。

どこにでもコンビニがある、という状況は本国のアメリカでは見られない光景なのである。

 

コンビニだけではない、スーパーマーケットもドラッグストアも、様々な企業が1つの地域に展開している。

これが可能なのは、商品の運送が時間通りで、店舗への在庫の補充が滞りなく行われるから。

そして、卸売りが小売店舗の在庫をしっかりと把握して、足りないものをすぐに供給できる状態にあるからである。

 

お分かりだろうか。

米国は小売を中心に、日本は卸売を中心に流通のネットワークが形成されているのである。

 

https://diamond.jp/articles/-/235100 ダイアモンドオンラインより引用 2020/4/26

 

ピンとこないかもしれないが、何となくこの表のような関係図は目にしたことがあるのではないか。

もちろん、現実はもっと複雑なのだろうけれど。

 

卸売、すなわち大手商社が小売を抱き込んで、効率化・収益改善を目指しており、それは現在進行形で進んでいる

米国は小売を中心に流通網を確立してきた。

これに対して日本は、卸売を中心に益々の集中化を進めていくのではないか、というのが私の考えである。

そしてこの流れはAIの導入・自動化によってますます加速する可能性がある。

 

 

インフレに対する中央銀行の緊縮政策によって、カネ余りのhappyな状態からの脱却が進んでいる。(といっても日本はほとんどやっていないのだけれども)。

そんな流れの中で、先進諸国は大手企業のリストラ・ローン破産などが進み、経済も先行きの見えない不透明な状態が続いている。

苦難に立ち向かうための企業の集中化。それはAIの登場によってさらに進むだろうと思う。

より便利で快適な社会になるかもしれない。その一方で、その流れについていけなくなった多くの人が職を失うことになる。これもまた事実・歴史の教訓といえるかもしれない。

 

ボケっとしていないで、一緒に今日も明日も勉強しましょう。生き残るために。