桑名城乗取り秘策~(抜粋部分のみ)
瀧川は信長に密使を出した。
信長は一見粗忽者に見ゆる瀧川の多策に舌を巻いて驚いた。
即座に自筆の返書をしたゝめて瀧川をほめてやつた。
その返書には、蟹江城を瀧川に遣はすとあるので今度は瀧川が驚いた。
た「遣はすと云つても、この城は服部のものでは無いか。
服部のものを拙者に呉れると云つて、すまして居るのは驚いたものだが
しかし気に入つた。」
次に信長から来た密書を読むと、人数が不足ならばイクラでも送る。
桑名城もお前に遣る…としてあつたから、今度は瀧川が大口あいて笑出した。
た「いよ〱以て豪快千萬な男だ。こんな気で居たら成るほど世話は無いな。
よろしい、しからば桑名を乗つ取つて桑名の城主とならう」
翌正月桑名の城主伊勢三郎氏善は年賀のため、多数の兵を引き連れて
国司の居城なる大河内え発向した。
その機をねらッて居た瀧川は雑煮餅を噛み〱馬に乗り、
わづかの手兵を率ゐて桑名城え乗込んだ。
伊勢三郎の妻子は角櫓に監禁され歯がみをして無念がつたけれど及ばなかつた。
瀧川は部下に命じてその刃物を取上げさせ、能うかぎりやさしく扱い、
自害をせぬように見はらせた。
翌朝は自分も見まはり
た「拙者は瀧川一益である。三郎殿は間も無く歸城されるでござろう。
それまで静かに辛抱されい」
とガラにない、やさしい聲を出した。
「静かに辛抱されい」
能うかぎりやさしく扱い、やさしい聲。
(´ρ`)
もうだめよ。だめだめ…
かっこよすぎ…紳士すぎ…妻子はこぞって惚れちまったろなあ。
やさしい聲ってさ、
たっきーのガラじゃないかっつうと、
むしろ逆で、
およそやさしい声音を得意としていた…とわしは見ている。
神算鬼謀なたっきーは、
催眠、心理戦、調略、しもじもの教育など、多方面で欠かせない演出として
七色の声をあやつっていた…とわしは見ている。
もうね、想像が妄想を超えて現に、御聲がすぐそばで聞こえてくるよね…
やさしいっつうか、せくしいっつうかね。
もうね、大好き。
伊勢三郎の末裔みたいな城主がナゾだけどもうどうでもいいよね。
「おい、ぼけまなこかっぴろげてはよ続きをかたれい」
くおら、こわっぱめ( `ー´)ノ夢の愉しみ邪魔すでない。

