とうとう築地市場の営業が終わってしまいましたね。
淋しいな
旦那さんと出会った思い出の場所、あれからもう37年も過ぎたんだ…
思い返すとアッと言う間だったな…
私は仲買いの会社の帳場で働いてました、旦那さんはそこのお客さんでした。
築地で働き始めた時は、驚くことばかりでした。
築地では荷物を運ぶターレや子車があちこちを走ってます。
特にターレは自動車みたいなものだから人が優先だと思うのですが、築地では違います。
人の方がよけなければならず、「ぶつけられた方が悪い」でした。
慣れるまでは通路を歩くのが怖かったな…
人も気が荒いというか言葉が荒い、声が大きくて顔が怖い人も多くて、これも慣れるまで怖かった。
それから市場内に診療所や床屋や文房具店とか色んなお店があることも、働くまで知らなかったのでビックリでした。
築地は独特の雰囲気と活気があって、楽しかったな。
本当は結婚しても仕事を続けたかったけど、私の力量では主婦と仕事の両方は無理だし旦那さんも「家にいて欲しい」という事で退職しました。
お勤めしたのは、たったの2年半でした。
でも楽しい思い出がたくさんあります。
ただ写真が一枚もありません、今みたいにスマホがあったらな…
昨日の朝、テレビのニュースを見て
「築地も明日で終わりだね」
「茂助、茂助に行かなくていいの?今ならまだ間に合うよ。」
「そうだね、間に合うね…」
電車で行っても1時間もかからない。
でも行動力の無い私には、思い付きで出かけるのはハードルが高い。
「茂助のお団子、食べたいけど今から行くのはちょっと…」
茂助は場内にある甘味処です。
お勤めしていた時に時々、会社の人に「玉ぞう」や「お汁粉」を買いに行かされました。
「玉ぞう」はすまし汁に溶き玉子が入ったお雑煮です。
お店は、朝からお汁粉やあんみつを食べてるおじさん(仕入に来た人)でいっぱいでした。
甘味処がおじさんだらけというのは衝撃でした
結婚してからは旦那さんが時々、お団子を買ってきてくれました。
長男が免許を取ってから運転手で行くこともあり、その時は長男が買ってきてくれました。
もう、食べられないんだな…と思って調べたら、他でも売ってました。
場外の商店街やデパ地下でも売ってる、良かった
一昨年だったかな、豊洲市場で仕入をするための申し込み書みたいのが来ました。
仕入用の「入場許可証」をもらわなくてはいけないのですが、旦那さんは申し込みませんでした。
豊洲の方が少し近くなるのですが「豊洲はいいや、行かない」
たぶん慣れない場所に行くのが不安だったんでしょうね。
築地では買った品物を茶屋という所に一旦運んでもらいます。
仕入が終わってその茶屋に車をつけて、荷物を積んでもらいます。
うちは40部の茶屋でした。
豊洲に移転したらシステムも変わるかもしれないから、それも嫌だったんだろうな。
最後に、旦那さんと一緒に築地に行ったのは一昨年のクリスマス。
年末の注文を受けたお重に入れる材料を買いに行きました。
その時にはもう、旦那さんの体調に異変がありました。
そして、その時のブログにも書いたけど、勝どき門から入ろうとした時に後ろ隣の車とぶつかってしまいました。
うちはケガも車の傷もなかったのですが、相手はバンパーが破損。
これが最後の築地の思い出になってしまいました
淋しいねお父さん、もう一度行きたかったね。