暑気払い | 旦那さんは天国に単身赴任中

旦那さんは天国に単身赴任中

ドライブ好きな旦那さんとワンコのお出かけや家族の日常を書いていたのですが…
2017年1月4日に旦那さんが肺がんであることがわかり、しかもステージ4。そして、たった9ヶ月で旅立ってしまいました。
時々、涙する事もあるけど、明るく楽しく元気に生きてます。

私は今は休会中ですが、旦那さんの実家の地域の婦人会に所属しています。

婦人会では毎年9月に暑気払いと称して、地元の“ももたろう”という小料理屋さんで飲み会をやります。

 

先日お寺に行った時に、住職さんの奥さんに呼び止められて…

奥さん「いつも暑気払い9月だけど、ももたろうさんが8月でお店を閉めるから今年は8月にやることになったのよ。

今あなたは休会中だけど、新盆を終えた後だし、ももたろうさんが最後だから参加しない?」

と誘われました。

 

奥さんは今は役員さんではないのですが、実質的にリーダーなので奥さんの提案には誰も異論を唱えません。

地元の口の悪いお年寄りは「部落の大統領だよ、誰も逆らわないよ」と言う人もいます。

奥さんは口も出しますが、お金も出すし、動きます。

婦人会のみならず、自治会の事でも同じです。

 

 

なので今夜、暑気払いに参加しました。

 

 

婦人会の集まりに参加するのは一昨年の忘年会以来なので1年8ヶ月ぶりです。

 

忘年会の時はまだ旦那さんの病気がわかっていなかったので、お気楽に参加してました。

忘年会で聞いたいろんな話を家に帰ってから、「○○さんちの○○さんがホニャララなんだって、それから○○さんちの○○さんはホニャララなんだって」と旦那さんに報告したっけ。

 

今夜は久しぶりに皆さんに会って、他愛もない話をして楽しかった。

でも、お酒を飲む気になれずウーロン茶だったせいか、今一つ気分が乗らない。

元々お酒に弱いのでいつもほとんど飲まないんだけど…

 

誰も旦那さんの話は聞いてこなかった、以前と変わりない態度で接してくれて良かった。

 

ただ帰りがけにIさんに「久しぶり、元気にしてた?」と声をかけられた。

Iさんはいい人です、婦人会に入ったばかりでなれない時から声をかけてくれました。

 

「ええ、何とか…」と答えたけどなんかざわついた。

 

病院で最初の告知を受けた後、旦那さんと検査待ちをしてる時に、Iさんの夫さんと会いました。

I夫さん「前立腺がんでさ、今度手術するんだ」

 

旦那「初期でしょ?」

 

I夫さん「うん、市の検診で見つかってさ」

 

その時の旦那さんの顔は笑顔を作っているのですが、何とも言えない表情でした。

I夫さんは旦那さんと同じ歳で地元の人なので子供の頃からの知り合いです。

 

そしてI夫さんは手術を終え無事に退院して、今も元気です。

この差は何なんだろう、旦那さんも毎年、市の検診を受けてた、その年も「異常なし」だった。

 

 

 

ももたろうから家まで2~3分、歩きながら涙が込み上げてきた。

 

 

 

家に帰るとモコがシッポをブンブン振ってお出迎えしてくれた。

モコを抱きしめながら泣けてきた、なぜかわからないけど泣けてきた。

 

悲しい、淋しい、悔しい…何の感情なのかわからない。

家に帰っても、ご近所さんの情報を報告する人がいないからかな…

話せる旦那さんがいないからかな…わからない…

 

 

お風呂に入ってお湯につかりながらボーっと天井を眺めてたら、また泣けてきた。

何で泣いてるんだろう、考えてもわからない。

 

わからないけど、後から後から涙が溢れてくる…

 

 

行かない方が良かったかな…