1月2日夕刻のJAL機と地震被災地へ支援物資を運ぶ海上保安庁機(海保機)の衝突事故について、深田萌絵氏が解説している。様々な原因が重なって事故が起こったのだが、当局は海保機機長だけに責任を押し付ける形で解決しようとしているように見えると、疑問を呈している。https://www.youtube.com/watch?v=qaVtYrL2fCo

 

 

航空機での旅客輸送等は大規模であり、しかも本質として非常に危険な業務であるので、①飛行機(操縦士と操縦システム)、②空港(滑走路とその装置群)、③管制(管制官と管制システム)全体で、安全を確保するシステムが出来上がっている。

 

従って、今回の事故の場合、一方の飛行機の機長がたまたまミスをしたとしても、全体としてのフェイルセイフ(失敗防止)機能がまともなら、事故は防止された可能性が高い。

 

深田氏は、上記①②③の合計4カ所(飛行機2機、飛行場、及び管制塔)で本来協奏的に仕事がなされていたなら、一箇所のミスがあっても事故を防止できた可能性が高いので、その何処に原因があり、フェイルセイフ機能が何故働かなかったのかを明らかにしなければならないと言っている。

 

しかるに警察は現在、海保機機長の業務上過失致死罪をゴールに定めて捜査していると報道されており、それはこの種の航空機事故の再発を防止する意味からも遺憾だと話す。

 

2)交信記録と海保機機長の証言の矛盾

 

英国国営放送BBCにより公開された交信記録は以下のように掲載されている。これは、3日ヤフーニュースで流されたものと同じである。https://news.yahoo.co.jp/articles/0c6e09aaadf2ea60c76adc92d679ce96e4c04121

海保機機長は重傷ながら脱出し、意識のある時に「管制から離陸許可」をもらって、C滑走路に入ったと明確に証言している。しかし、交信記録には、C5上の停止位置まで誘導路を走行してくださいとの指示のみであり、離陸許可の交信は確認されていない。

 

海保機機長の思い違いかもしれない。時刻は17:4519であり、夕闇に包まれる頃なので、目測を誤った可能性もある。副操縦士も居たのだから、恐らく事故で動転しての記憶違いをしたのだろう。

 

ただ、目測を誤るという類の単純エラーは、通常それを知らせるシステムが働いて、海保機の場合は引き返すなどの措置がとれる筈である。また、日航機に着陸許可が出てから衝突までに2分という時間があったので、再浮上して衝突をさけることも可能だったかもしれない。

 

これらの事故回避の措置が何故とれなかったのか、そこを明らかにしなければ、事故調査をしたことにならないと思う。

 

航空機事故の場合、単純なヒューマン・エラー(人為的凡ミス)に対して、フェイルセイフ機能が全く働かず事故となった場合、それはシステムの問題だといえる。

 

下線を施した上の文章は、小型飛行機の操縦経験のある堀江貴文氏が以下の動画の9:45秒からの発言を基にして書き記した。https://www.youtube.com/watch?v=OO_2ooIdb94

 

 

 

3)今回の航空機運航上のシステムにおける重大な幾つかの欠陥

 

これについては、最初に紹介した深田萌絵氏の動画で詳細に検討されている。それを以下に簡単に紹介する。

 

・海保機は最新式の位置情報を発信する装置(最新式トランスポンダ―)を搭載していなかった。トランスポンダ―は飛行機の位置情報をGPSで検出し、毎秒発信する装置である。(補足1)

 

・羽田のこの滑走路に本来備わっているべき滑走路警告灯が故障をしていたという。(補足2)それが修理されていなかったということである。この件は、国際民間航空条約で定められている航空情報(Notice to Air MissionNOTAMと省略)に記載されている。ただそこには補修の予定などは記載されていないようだ。

 

海保機は、位置について目測を誤ったとしても、トランスポンダーが正しい位置を管制塔やJAL機に知らせていた筈ではないのか? また、管制塔も海保機が誤って滑走路上に居たのなら、滑走路警告灯でそれを知り得たのではないのか? これら二つが成立しなかったことの責任を、国民に公表するべきだ。

 

何故、国土交通省は管轄下にある羽田飛行場の滑走路警告灯の故障などの補修を放置したのか? 海保のこの飛行機は、堀江氏によると、東日本大震災で津波の被害を受けたものの、修理の上利用している飛行機だという。使えるだけ使うのは予算節約上大事なことだが、何故安全確保の上で大事な最新式のトランスポンダ―を装着させなかったのか? 

 

深田氏は、このようなシステムの欠陥については、海外では報道されているものの、国内では報道されていないといっている。

 

最後に:

 

何故、羽田飛行場の滑走路警告灯を補修しなかったのか? また、何故海保が古い飛行機を使わなければならなかったのか? 最近政府は、金を惜しげもなく何兆円でも、ウクライナなど海外にばら撒いている。金がないとは言えない筈だ。

 

堀江貴文氏も上の動画で、このような航空機事故において刑事罰を問うような場合、事実が隠されることが往々にしてあると言っている。警察及び司法は、何とか政治と癒着しているという国民の疑いを払拭してもらいたい。

 

海保機もJAL搭乗員も、現場は自己を犠牲にして頑張る世界に誇れる人たちである。現場は一流、政治は三流だと誰かが言った。残念である。

 

追補:

 

昨夜のヤフーニュースで、「元日本航空機長が解説…事故防げた可能性 海保機の動きを“再現”…記録公開も残る謎」と題する記事が報じられた。海保機が位置確認を間違えた、日航機が海保機の位置確認ができなかったなどと記されている。それが出来ておれば、事故が防げたかもしれないというのである。それにも拘わらず、何故、トランスポンダーが最新でなかったこと、滑走路警告灯が故障していたことに触れていないのか? 日本という国は本当にどうしようもないダメな国である。

 

補足:

 

1)USA Today の記事には、衝突の原因に関する記述の最初に、海保機には最新式のトランスポンダーが搭載されてなかったことが書かれている。GPSで検出した位置と機体の高さとスピードが発信され、レーダーよりも確かな情報を与えると書かれている。How the Japan coast guard plane crash unfolded: A visual explanation (usatoday.com)

 

 

2)滑走路に何もないことを知らせる警告灯が故障していたことは、米国のabc eyewitness newsの記事には掲載されている。

 

 

 

(19:50;20:00 補足1と2を追加;翌日早朝、追補を入れた)

====おわり====

元日、能登半島近辺で最高震度7(M7.6)の強い地震が発生し、愛知県でも長周期の強い揺れに恐ろしい巨大なエネルギーを感じた。今年は日本を含め世界にとって激動の年になるという啓示かも知れないと思った。

 

113日には台湾総統選挙が行われ、総統の椅子が現在の民進党から国民党に移るかどうかは、中国習近平政権の台湾に対する姿勢を決める。民進党側が総統を出せば、中国は台湾の背後に米国と米国の同盟国である日本と韓国の存在を強く意識するだろう。https://www.youtube.com/watch?v=uToCdtfwG_4

 

また、115日には米大統領選挙が行なわれる。共和党と民主党の全国大会(7月~8月)で両党の候補者が決定され、選挙日までに大統領候補者による討論会が開かれる予定である。そこまで無事進んでも、候補者決定から選挙までの間に何か重大なことが起こりそうな気がする。

 

米国内が混乱し、大統領選挙中止が決定される可能性を考える人も多い。その時、現在の2箇所での戦争の他に、中国による台湾進攻が加わる可能性がある。米国バイデン政権は同盟国も使ってそれを妨害するだろう。その目的は台湾擁護ではなく中国の弱体化であり、ウクライナ戦争と同じ構図だろう。この世界政治の運びは、米国政治におけるトランプ排除も兼ねている。

 

この文章は、論理的ではないと感じる人は多いと思う。それには、以下の様に答えたい:「これらは予定された出来事であり、ワンセットの出来事である」と。昨年一年の本ブログでは、これら全体の指揮は米国ネオコンとその背後のイスラエルロビーが執るという風に書いて来た。つまり政治におけるグローバル化であり、グレートリセットもその別名だろう。(補足1)

 

言いたいことは以上だが、少し詳しくそして中国の動きを含めて書く。以下も、理系人の思いっきり深読みした結果で、参考にしてくださればと思います。

 

2)グレートリセット的動き

 

今回のハマス・イスラエル戦争だが、イスラエル側の残忍な行為がガザ地区及びパレスチナ西岸地区で繰り返されても、アラブ諸国は世界戦争を避けるためにイスラエルに宣戦しなかった。しかし、今後その時が、他の二カ所の戦争の本格化とともに来る可能性があると思う。

 

中東とウクライナでの戦争は、中国習近平にとって台湾進攻のチャンスである。前回記事に書いた様に、中国共産党政権の経済政策失敗により、習近平の権威はがた落ちである。そこで、台湾併合に成功すれば、習近平は「祖国統一の偉業」を成し遂げた英雄となり、或いは毛沢東を超える存在となり、中国は巨大な北朝鮮的国家となる。その後の世界はどうなるか、予測不能だろう。

 

昨年5月~7月に、イーロンマスクとビルゲイツという米経済人が、その後数日を経てブリンケン米国務長官、更にそのあとキッシンジャー元国務長官が中国を訪問している。何が目的でこれほど米国の人たちが中国を訪問するのかについて、日本では詳細には分析・報道がされていない。

 

実はその数ヶ月前に、中国は農業政策を大きく変化させ、戦争準備とも思われる主食の増産に向けての対策をとっていた。一つは数万人の農業管理部隊を農村に送り込み、農民にあまり儲からない穀物生産を強制している。(補足2)もう一つは、農地の流動化(大規模化、法人化)の為の法整備をおこなったことである。

 

これについて日本では、ウクライナ戦争でウクライナやロシアからの穀物輸出が十分でなく、世界は食糧危機になる可能性があるので、それに備える政策であるとして報道された。台湾進攻など戦争の準備と考えた人は居なかった。

 

 

 

一方、香港や米国在住の中国人の方々のyoutube チャンネルで語っているのは、戦争に伴う米国側からの海路封鎖に備えるためという分析である。中国政府の強引な農民無視の政策として理解するには遥かに説得力がある。 https://www.youtube.com/watch?v=k0p6lmyfyqU

 

 

米国要人の中国訪問の目的も同じく台湾進攻との関係を考えるべきではないだろうか。今しばらく台湾進攻を思いとどませる為、つまり、米国にとってあの時点での台湾進攻は、時期尚早なのである。

 

因み、最近の安倍派潰しは、岸田政権からの政権移譲のルートを潰す目論見だと思われる。裏金作りなんて話は、昨日今日明らかになった話ではない筈。何故今なのかを考えると、あと暫くは岸田を支点に日本を操りたい勢力の作戦だろう。

 

ここで、昨年2月に書いた記事を引用しておく。この記事ではイスラエルによるアラブ潰しを予想している。上記全ての戦争(そして安倍暗殺と安倍派潰し)が、米国シオニズム勢力の新しい世界の権力構造構築の一環だという主旨の文章である。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12787065995.html

 

 

3.以下一部再掲:
 
彼らの革命を邪魔する大きな存在は、ロシアと中国である。ロシアと中国は、綿密に計画しないとつぶせない。ロシアが強力だと思われた時代には、中国を武器にロシア(ソ連)をつぶそうと考えたのがキッシンジャーとニクソンが担当した米中関係の構築である。

現在は、①ロシアはウクライナと欧州の国々が前面に出て担当し、②中国は台湾、日本、韓国が担当するシナリオだろう。③米国は米国自身が担当して崩壊させる。④中東はイスラエルが担当する。そして世界中に戦火が拡大し、文明の壊滅プロセスがスタートし完了した後、新たな芽が自分たち(ユダヤの民)を中心に育つのである。

このモデルで必須の道具は、核兵器である。世界中で核兵器による猿に似た人間たちをSweep Awayするには、早い時期で自分たちの核使用の意図がばれてはならない。先ず第一段階として、ロシアに核兵器を使用させて、戦後原爆投下の後に出来た核兵器の封印を解かなければならない。

米国が使えば、既に広島と長崎で使って人類虐殺の訓練を終えている自分たちの正体がばれて、世界中の人たちが自分たちのシナリオを知ってしまう。(追補1)そこで自分たちは成敗されて、世界は元に戻る。数十年後に現れる文明の崩壊では、本当の意味での世界の大混乱が起こるだろう。

そこで生き残るのは南半球に住む第三者的な少数の人たちになる可能性が大きい。彼らは、それでは元も子もないと思うのだろう。

=== 以上引用(若干修正)終わり ===

 

終わりに一言

 

かれら米国のイスラエルを応援する人たち(イスラエルロビー)は、所謂シオニストである。そして、その手先のネオコンたちは、伊藤貫氏が言う様に非常に優秀な人たちだろう。彼らにとって、文明の崩壊は自明であり、最後の時は何れ来る或いは既にその真っ只中にあると考えていると思う。

 

キリスト教徒の一部とユダヤ教徒は、約束の地にユダヤの国が神によって再建されると考えている。その神に(人間の分際で)協力してユダヤの国をつくろうと考えるのがシオニストである。過激なシオニストは、神の裁きを先取して、自分たちで大イスラエルを手に入れようとする人たちである。

 

イスラエル建国から首都をエルサレムに置いているが、国際的には認められていなかったので、 実質的な首都はテルアビブであった。トランプは米国大使館をエルサレムに移動することで、イスラエルロビーを味方にした。デサンティスもポンぺオも同様のようだ。

 

現在では、イスラエルロビーからの発注に従順なネオコンたちは、恐らくかれらに地球全体を引き渡そうと考えているだろう。それがグローバル化の意味だろう。

 

補足: 

 

1)このシナリオはすんなり進むとは限らない。これまでネオコン&イスラエルロビーの作戦は筋書き通り進んできた。しかし、インターネットが主要な情報&通信手段となり、彼らの作戦が一般民に読まれるようになった。余裕のない彼らが、急いで幾分稚拙に実行したのがウクライナ戦争であり、ハマス・イスラエル戦争だと思う。後者は、サウジアラビアに核開発という餌をぶら下げて、イスラエルとの和平を画策し、イランとサウジの間にくさびを入れ、ハマスを孤立させる作戦であった。

 

 

2)森を農地に開墾したり、最終段階に入った公園造成工事を中止して、そこを農地にするなど、非常時を見据えた政策に見える。また、この政策は、穀物は安く輸入出来るので経済的見地からは得策ではない。農家は収入が減りこれまでの生活が出来なくなるので、空しい抵抗をしているようだ。

 

(2024/1/02;1/03早朝編集)

中国経済の危機は、恒大集団や碧桂園(カントリー・ガーデン)等の不動産企業の行き詰まりに始まり、現在その深刻度を増している。それは単なる一業界の不振というのではなく、中国発展のモデルそのものの行き詰まりであり、現在習近平政権は民衆の支持を失いつつある。習近平は、予想外の手段で危機回避を試みる可能性があり、それが世界の動きとの関連で日本の危機にもなり得ると思う。以下は、理系一素人の考えとしてお読みいただければと思います。

 

1)中国経済の不況

 

中国の不動産開発は関連産業を含めてGDP3割を占めるとの試算もあると日経新聞に書かれている。これまで中国人中産階級の蓄財方法の殆どは不動産投資であり、中国の改革開放経済により産み出された冨のかなりの部分が、不動産として積み上げられ、その価格は年々上昇を続けた。

 

不動産価格の高騰は、中産階級の投資に巨大な含み益を発生し、彼らの旺盛な消費と益々盛んになる住宅建設を支えてきた。それが中国経済をけん引し、借地権を販売する中国地方政府の財政をも支えることにもなった。その結果、全人口が転居できる程のマンションが建設されたという。

 

この現象は、人々が住むために住宅を建設するという経済の基本から逸脱しており、非常に不自然である。従って、その価格にも合理性がない。Bloombergによると、危機感を抱いた中国政府は、三年前に不動産バブルを抑える方向に政策の舵を切った。そして、不動産バブルの崩壊が始まり、現在その真っ只中である。https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-12-26/S6947DT0AFB400

 

その結果、恒大集団や碧桂園(補足1)など不動産大手さえ、経営行き詰まりとなった。資本主義の近代国家では、再建不可能と思われた時には、倒産処理が始まるが、そのようにはなっていない。銀行は多額の不良債権候補を抱えており、一般市民の預金の引き出しに応じない。中国政府はそのような銀行を支持しているように見える。https://www.youtube.com/watch?v=hbdNRg4sx94

 

 

中国政府は、市民一般の預金を全て消失させてでも、それら不動産業者と銀行をソフトランディングさせたいのだろう。恐らく、それら企業体と中国中央政府と地方政府、それに共産党幹部たちには、切っても切れない関係が構築されているのだろう。

 

それは、資本主義の近代国家では考えられない事態である。現在の中国経済の危機は、日本のバブル崩壊と30年の経済停滞など比較にならないと言われる。これは経済の問題だけでなく、中国の政治体制の問題なのだろう。それが深い所を経由して、日本の危機にもつながるような気がする。

 

 

2)経済危機を引き受けざるを得なかった習近平

 

経済が悪化すると、政情不安となるのは万国共通である。今日の情況は、中国の経済専門家なら予測できたと思う。恐らく習近平もその二期目には予測していた可能性がある。それなら、第三期目には誰か胡錦涛が指名したであろう誰かに席を譲るべきだったが、それが出来なかった。

 

誰か別人が主席になるなら、第二期目の国家副主席に共産党常務委員が就いていた筈である。しかし、国家副主席には王岐山がなり、彼は第一期は共産党常務委員だったが、第二期には常務委員から外されていた。つまり、習近平は第二期の始めから第三期以降も自分がやると決めていたのだ。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/30b96622d5fefa222dec63c2585b5eb2c92800ab

 

それは何故なのか? 中国政治の情況に非常に詳しいyoutube動画のmotoyamaチャンネルは、習近平は弱小派閥の出身であり、江沢民はそれ故習近平を中国のトップに据えたと語っていた。(補足2)

 

高度成長期に政権を握っていた江沢民とその一派は、政治と経済の支配継続の為には人脈の多い実力者ではなく、文化大革命の時に下放(危ない政敵を田舎送りにすること)された習仲勲の息子である習近平を据えることにしたのである。

 

支持基盤の脆弱な習近平は、政敵を腐敗追放の名目で葬る手法で政権を維持した。その方法は、習近平と主席の座を争った薄熙来の人民から人気を得る手法を真似たものである。

 

第一期でその腐敗追放の仕事に携わったのは、上述のように常務委員第6位の王岐山であった。その方法では前面の政敵を排除できるが、周辺に新た憎しみを産む。習近平が主席に居座る理由は、仮に二期で政権を下りれば、その後に復讐の嵐に遭遇することを恐れた結果だろう。

 

今日の中国経済の苦境は、江沢民と胡錦涛の時代の課題を10年の任期内に解決出来なかったことが原因だろう。WTOに加盟し、世界の工場と言われるようになった高度成長期に、腐敗を無くし且つ地方政府の財政基盤確立等が出来ていなかった。腐敗にまみれることを良しとしたのである。

 

地方政府の歳入としては税収や中央からの交付金の他に、土地使用権の譲渡収入がある。(補足3)それが活発な不動産開発と連携して、財政の重要な位置を占める様になり、且つ不動産バブルの発生につながった。開発業者と地方政府との癒着なども生じさせただろう。(補足4)

 

上記motoyama氏の解説の中にあったのだが、中国市民の蓄財の殆ど(80%ほど)が不動産保有だという。中国人は紙幣に対する信用が低く(補足5)、蓄財としては目に見える不動産への投資を好んだというのである。この歪な経済構造が、不動産バブルとその崩壊の原因である。

 

日々拡大する自分の資産を背景に散財してきた人が多いが、バブル崩壊で多くの人が不動産ローンの返済も儘ならなくなった。中国経済はこのままでは立ち上がれないと言われる。

 

一帯一路を発展させグローバルサウスの中心になって、中国元を国際通貨に育て上げることが可能になったのなら、米国のように巨大な債務も許され、一定期間は少なくとも問題を先送り出来たかもしれない。しかし、中国には米国のような実力はなく、習近平にもこれまでそれが出来なかった。

 

 

3.毛沢東時代への回帰と台湾進攻の可能性

 

この困難を乗り越える方法として習近平が執りつつあるのは、毛沢東崇拝を進め、共産主義的な政治と経済にもう一度戻ることのようだ。彼が掲げる共同富裕や住むための不動産建設という理想論は、共産主義への回帰の具体例である。

 

つまり、鄧小平が行なった改革開放路線の否定である。そのようにmotoyama氏が最新動画で解説する。https://www.youtube.com/watch?v=huVaFNyNaU8

 

 

素人の推測だが、今後恒大集団や碧桂園への資本注入から、それらを始め多くの国内企業の国営化が行われると考える。更に、西欧諸国との経済関係が拙くなれば、海外企業の中国脱出が加速され、場合によっては外国資本の接収に発展する可能性があると思う。(補足6)

 

習近平は、自分を21世紀の毛沢東と思わせる様に努力しているようだ。紅衛兵の代わりに習近平自身が文化大革命を進めるのである。その一方国民も、経済的苦境に際して、毛沢東の肖像画を掲げる形で、現政権批判を行なうケースも多いようだ。

 

そんな情況で21世紀の毛沢東になる為に、習近平政権は何か強力な事実が欲しい。そこで考えられるのが、台湾併合である。彼は中央軍事委員会のトップだが、人民解放軍がすんなり命令に従うかどうかを疑っているだろう。何故なら、それは下手をすれば世界戦争への道だからである。

 

そのような危惧の現れが、外相や国防大臣の解任である。外相の解任は、中国習近平政権の今後の外交が尋常でないことを匂わせている。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230919/k10014200581000.html 

 

また、昨日のロイターの記事によると、董軍・前海軍司令官が常務委員会で新しい国防大臣に決定されたようである。https://jp.reuters.com/world/security/R5NWRQVYQVINLGCSQVTXDKYGC4-2023-12-29/

 

つまり、常識的な判断として、中国の台湾進攻などあり得ないと考える向きが多いが、それは習近平の立場を十分考えて出されていると言えないのかもしれない。これが表題の意味である。

 

 

終わりに:

 

来年1月の台湾総統選挙では、民進党と国民党の支持率の差が1-2ポイントであり、接戦である。その結果が、今後の中台関係に重大な影響を与えることになるだろう。https://news.yahoo.co.jp/articles/86b302e986dbd43851818c0d6346aaf8ac5be0b3

 

もし、中共の台湾進攻となれば、巨大な被害を東アジアに発生させるだろう。それは共産党政権の中国にエネルギーを蓄積させた米国ネオコンの責任である。グローバル化の一環として、共産党支配の中国に資本主義経済を移植したことが、今日の矛盾に満ちた巨大な中国経済に繋がった。

 

彼らネオコンは、「資本主義の発展が中国人をして共産党独裁から解放するだろうと考えた」という屁理屈をこねる。そうではなく、かれらが考えたのは現在進行形の中国を人類絶滅のための火薬庫にすることでは無かったのか? 

 

米国の政治を支配しているネオコンなどユダヤ系は、ユダヤ人の国を獲得する運動であるシオニズムの推進者だろう。シオニズムは、神の行為としての人類の最終戦争とユダヤの国の実現を先取して、人間である彼らがそれらを自ら引き起こしユダヤの楽園を実現しようという運動である。 

 

ウクライナ戦争、イスラエルとハマスの戦争、そこへのイランとロシアの参戦という形で、聖書エゼキエル書にある人類の最終戦争を予想する人(補足7)もいる。しかしそこに描かれている世界には、中国や日本韓国台湾など東アジアは含まれていない。このままでは、世界はアジア人に乗っ取られてしまうと、彼らは考えたのではないのか? 

 

つまり、聖書が記述する人類の最終戦争を、ユーラシアの西半分からユーラシア全体に広げる為に中国をこの最終戦争に巻き込むのである。それが、巨大な火薬庫状態となった現在の中国ではないのか? 伊藤貫氏によれば、彼らネオコンは非常に頭が良いのだが、同程度に傲慢な人たちだという。

 

 

補足:

 

1)碧桂園は英語名をカントリーガーデンと呼び、マレーシアに巨大なニュータウンをつくり、そこに中国人の百万人移住させるという計画を、国の協力を得て始めた。しかし、現在では一部出来上がったものの、中国人居住者の数は限られ、所謂鬼城と化している。以下の記事は5年前のものであるが、現在もフォレストシティ(森林都市)計画は頓挫したままである。

https://blog.goo.ne.jp/jiuhime007/e/65acceb8ac987c119c59600bbd063dba

 

2)鄧小平は、中国の政治が独裁化しないように、次のトップは現在のトップではなく一つ前のトップが決定するという方式を導入した。その方式に従い、江沢民は胡錦涛政権の後のトップを決めることになった。胡錦涛は鄧小平により江沢民の後の政権トップに決まっていたのである。

 

3)共産党政権下では土地は国有であり、民間が70年の借地権を購入して不動産開発をする。ただし70年の期間満了後は自動的に更新されるようである。ただ、時代が替われば更新料が徴収される可能性は残る。http://www.peoplechina.com.cn/zlk/falv/201912/t20191219_800187970.html

 

4)地方政府の歳入における土地使用権譲渡収入への依存度は高い。2021年は、日本の一般会計に近い一般公共予算の税収が17.3兆元であるところ、日本の特別会計に近い「政府性基金」での土地使用権譲渡収入は8.7兆元となっており、その大きさが分かる。不動産市場の低迷によって不動産開発が落ち込め土地使用権譲渡収入が減少し、地方政府の財政を悪化させる可能性がある。

https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/202210/202210h.pdf

 

5)中国では偽札をつかまされる危険性が大きく人気がない。それがデジタル決済が短時間に広がった一つの理由である。中国情勢に詳しい妙佛DeepMaxというyoutubeチャンネルが、一つの番号のセットで政府に納入する紙幣を印刷し、同じ番号のセットでもう一組の紙幣を印刷し、闇で流通させたという事件を報道していた。残念ながら、ここでその動画をリファーできなかった。未確認情報だが、ここに補足として入れる。

 

6)世界戦争を避ける形でそれらが進むと考えるなら、日本の企業などは逃避実行前に国有化される可能性があると思う。それは、日本からの軍事的反撃は恐れる必要ないからである。

 

7)越境3.0というyoutubeチャンネルの石田和靖氏は動画の中で、エゼキエル書(旧約聖書の一つ)38章にこの世界最終戦争について書かれていると説明している。ロシア(ゴグと書かれている)がペルシャやトルコ(ぺテトガルマ)などを引き連れてイスラエルを攻め、イスラエルのユダヤ人が追い払われたところで大地震が起こり、神の怒りがロシアにもたらされるという話である。

https://www.youtube.com/watch?v=Fl0_LDRMsa8 

https://www.youtube.com/watch?v=hYmQE5DHjfs

(2024・1/1,早朝2箇所修正)