北朝鮮から拉致被害者の横田めぐみさんの遺骨として送られた骨を日本政府が鑑定して、めぐみさんのものではないと結論された。そして、声だかに日本のDNA鑑定の技術の高さが報道された。しかし、今日中部地方で放送された「たかじんのそこまで言って委員会」において、内閣参与の飯島勲氏は、次のようにこの件について発言した。それらは、1)鑑定者本人がイギリスのNature誌の取材に”偽物とも本物とも言えない”と答えたこと、そして、2)その事実が広がらない様に、鑑定者の学者を隔離したこと、そして、3)それらの手配は日本の外務省が行なった、の3点である。 
 
 この発言に驚き、ネット検索をしてみたところ、その件に関して国会の外務委員会で質疑されていたことを知った。それを記したサイトは、http://deztec.jp/design/06/07/02_science.htmlである。そこでの記述によると(第162回国会 外務委員会 第4号(平成17年3月30日(水曜日))、質問者は民主党の首藤信彦氏で答弁は町村信孝氏である。国会質疑の記録はクリックしても読めない(これも変だ)ので、上記サイトに引用された文章を読むしか無い。それによると、首藤氏の質問は論理一貫しているが、外務大臣の町村信孝氏は:
 
「ネイチャーが立派な雑誌であるということは私も承知をしておりますが、一々の報道等には、それは必要があれば反論してもいいのですが、私どもは一々それについて言う必要はない、こう考えております。
 御指摘の取材を受けた関係者に対しても、これは私ども、直接というよりは捜査当局の方から事実関係を確認したわけでございますけれども、その関係者は取材の中で、焼かれた骨によるDNA鑑定の困難性一般論を述べたにとどまっておりまして、当該鑑定結果が確定的ではないんだという旨を言及したことではないということをその方が言っておられると私どもは聞いております。
 いずれにいたしましても、この当該報道が今回私どもがやったこの鑑定結果に何らの影響を及ぼすものではない、私どもはそう判断をいたしております。」と答弁しているが、説得力はない。 
 
 最初に引用したサイトによると、鑑定を担当した帝京大の吉井氏は警視庁に引き抜かれたという。これが今日のテレビ番組で飯田勲氏が「鑑定した学者を隔離した」の人事的な表現なのだろう。そして、質問した首藤信彦氏は衆議院議員選挙で落選した。 
 
 2005年のことであり、私は仕事に集中していた為深く考えなかったが、火葬した遺骨からDNA鑑定したということに疑問をもった記憶が甦って来た。そして、上記サイトによると、Nature誌はEditorialつまり、新聞で言えば社説にあたる部分で、この鑑定に疑問を呈したという。この件、日本の研究者の声も聞こえてこなかったため、不思議だと思いながらも深く考えなかった。しかし、私の専門である化学の常識によれば、火葬すれば核酸はすべて、二酸化炭素、酸化窒素、そして、リン酸化合物(リン酸塩)になる筈である。
 
 この核酸の火葬による焼失は常識であり、鑑定者によって出された、横田めぐみさんのものではないという結論は、デッチあげかもしれないと思った。しかし、科学者は一般に自分の論文は、専門外の者は容易に理解できないと思っているから、逆に、専門外の分野の研究者が出した結論、つまりこのDNA鑑定には安易に口出し出来ない。ただ、上記サイトにある町村氏の説得力の無い答弁、鑑定した学者の警視庁への引き抜き、そして今回の飯田氏の発言から考えて、今はっきりと日本政府の捏造と言える。
 
 日本政府のこの愚かな行為は、日本政府の体質を表わしており、全ての今までの政府声明に疑いを抱かせるものである。戦中戦後の様々な出来事について、韓国や中国ともめているが、それらのことについても日本政府が事実として発表していることは国際的にも国内的にも信じられないことになる。従って、私も今後ブログ等でこれらにことについて発言しないことにする。
 
 一般の人は政府発表を信じているようである。例えば、ヤフーは次のサイトを類似記事としてreferしている。http://blogs.yahoo.co.jp/tncfn946/30415411.html 化学に無知な人は、このように火葬した骨からDNA鑑定できるという発表を信じてしまうのである。しかし私の記事は決してヤフーのreferenceに掲載されないだろう。
 
補足:上に引用した外務委員会での質疑は、現在見る事は出来ない。しかし、それをコピーして示したサイトをヤフー知恵袋で教えて貰ったので、下に示します。
 
少子化対策と女性の社会進出の矛盾をどう解消するか?

 女性の社会進出を加速することは少子化対策と矛盾する。こんな単純なことを正面から議論しない現在の政治は不思議だ。配偶者控除や配偶者手当の廃止は少子化を加速する。当然のことではないか。
 能力のある女性が社会に進出するのは、社会の活力を増し、歓迎すべき事である。そして同様に、女性が子供を産み育てることも、日本の将来を考えた場合歓迎すべき事である。しかし両方を同時に実現することは、結論として日本女性が優秀な就労者に成ることと、社会が労働市場の高い流動性を文化として獲得することにかかっている。政治や司法のトップにいる方々は、そのようなことが判っていないようだ。 

 先週の金曜日だったと思うがニュースショーでもマタハラ(会社が妊娠した女性を降格するなどの不利な処遇をすること)が話題になっていた。日経新聞の記事: http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG18H13_U4A900C1CR8000 によると、「妊娠を理由に管理職から降格させられたのは男女雇用機会均等法に違反するとして、広島市の理学療法士の女性が勤めていた病院を訴えた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(桜井龍子裁判長)は18日、当事者双方の意見を聞く弁論を開いた。女性側は「違法な降格で尊厳を傷付けられ、経済的にも痛手を負った」と主張した。 判決は10月23日に言い渡され、降格を適法として女性側の訴えを退けた一、二審の判断が見直される見通し。」と書かれている。最高裁の女性裁判長や女性判事の方々は、判っていない(注1)。 

 会社は働きが悪くなるであろうと相当の確率で予測される人を、重要なポストから外すのは当然である。それが違法なら、差し当たり仕事に期待がもてる女性でも、将来妊娠する可能性がある女性は昇格しないでおこうということになる。会社の人事は会社の権利であり、司法とか政治がとやかく言う事ではない。我国は社会主義の国でないのだから。

 野球の試合でも、調子の良い人をメンバーに揃えて試合をする。コミッショナーが体調を崩したからという理由で、選手を試合に出さないのはパワハラだといいだしたら、プロ野球は潰れる。 

 繰り返しになるが:要するに、プロとしての力をつけた女性が一線で活躍する社会は、女性達が力をつけることと、社会が労働の流動性を高める文化を獲得することで実現される。それ以外に司法や政治が口出しをするのは、日本の停滞につながる。 
 それが判っていない女性が、最高裁判事という司法の最高のポストについているということ、そして、上記のようなバカな判断をしたことから判る様に、現状では日本の女性は自分の力で高い地位を得ていない。バカな女性でも高い地位にいる男の眼鏡に敵って恣意的に引き上げられている。そんな情況でマタハラが違法だと言い出したら、益々日本崩壊のシナリオを加速するだろう。

注釈:
1)雇用均等法を良く読んでいないが、一審と二審で妊娠した女性の降格は違法ではないとの判断が示されているのだから、法解釈上はグレイゾーンなのだろう。数日中に上記法文を読んでみて、訂正事項があれば訂正します。

 NHK夜7時のトップニュースとして、今後100年間に日本で起こる巨大噴火の確率がおよそ1%であるとの研究結果が放送された。http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141022/k10015614021000.html 

神戸大学大学院の巽好幸教授らの研究グループが発表したもので、日本の広い範囲が火山灰で覆われ、火砕流が100キロ余り先まで達するような巨大噴火が、今後100年間に起きる確率はおよそ1%だとする研究結果である。その結果を踏まえ、その研究グループでは「地下のマグマの動きを捉える観測方法の開発や人材の育成などに長期的に取り組む必要がある」と指摘しているという。

 その経緯の詳細を、“大量の火山灰が日本の広い範囲に及び、火砕流が周囲100キロ余りに達するような巨大噴火は、噴火後に直径が数十キロに及ぶ「カルデラ」と呼ばれる陥没した地形を作ることが知られ、日本では地形や地質の調査から過去12万年の間に九州や北海道などで少なくとも10回起きていたことが分かっています。
神戸大学大学院の巽好幸教授らの研究グループは、国内の地下の岩石の性質や過去の噴火の時期などを基に、火口の直径が数十キロにも及ぶ巨大噴火が日本で起きる確率を推計し、22日、その結果を公表しました。”と記している。

 ただ、公表をどのような形でしたのか、明らかにしていない。論文なのか、放送局等への持ち込みなのか、学会発表なのか解らない。このことだけで、NHKに科学的研究結果を報道する資格がないと言える。 

 本来、科学者の研究結果は、学会(発表会)での報告或いは学会誌への論文投稿という形を経て発表される。そして、学会での批判を受け、科学的研究成果として一定の評価を得て初めて、一般社会へ公表できる。それが、科学者の世界の常識である。更に、それが研究成果として認められても、それは仮説に過ぎない。NHKだけでなく、日本のマスコミ一般もこの常識がない。西洋から輸入した科学文明を、未だに日本は十分消化吸収していない。日本の後進性の一つである。 

 ましてや、研究成果として学会に定着していない自分達の研究結果から、「地下のマグマの動きを捉える観測方法の開発や人材の育成などに長期的に取り組む必要がある」と行政への提言までするのは、科学者として下品であり、常識に欠ける。また、それをそのまま日本を代表する放送局が放送するとは!!。