後藤さんが殺害された。予想されたことであるが、残念なことである。日本の国民は後藤さんから多くのことを学び、彼の死を無駄にしてはならない。<br>
安倍総理の「テロリストに屈してはならない」と言う言葉がテレビで空しく響いている。”テロリスト”の前面にわざわざ国民を立たせたのは、安倍さんではないのか。
 
中東地域が近代化を終えた先進国であれば、テロリストに屈しないという表現は正しいかもしれないが、あの地域は未だ中世なのだ。米国を中心とする先進国の論理は、そのまま通用しない。
 
イスラム国は国家ではないし、一世紀前のことを云々するのは今や正しくはないだろう。しかし、オスマン帝国解体後の国境線云々という西欧(英国やフランス)と中東地域の問題が未だに燻っているとしたら、そのような所のトラブルにわざわざ出掛けていってまで、日本が首を挟むべきではない。人道支援なら、日本政府が従来の方針通り、行なえば良い。
 
CBC放送で姜尚中さんが言っていた様に、今回のイスラム国の声明の対象は安倍さんや日本政府であり、前回の動画で対象であった日本国民という言葉が消えていた。
安倍さんは、軽々しく「イスラム国にたいして国際社会と協調する」と言う様な表現をしているが、その意味を理解しているとは思えない。私は安倍さんの経済政策なども含め、最初から(第1期から)全く評価していない。
 
追加:イスラム過激派と一般のイスラム教圏とを区別しなければならないという意見があるが、現状ではそれに大きな意味を置いてはならないとおもう。イスラム圏についての詳細な知識を蓄積するまでは、その中から過激派が出てくる事実をそのまま受け入れるべきである。日本人のなかでも、一部金持ちだけは例外であり、区別すべきであるという議論と同様である。
今朝放送のウエークアッププラスで、イスラム国により捕われた後藤氏の件に関する一通りの議論が終わった後、番組のコメンテーターである田崎氏が、「イスラム国にとって日本は敵なんです。我々は敵と戦っているという認識を持たねばならない。」といった。それを受けて、辛抱氏は「我々にはそのような認識があまり無かった」と言った。これが安倍応援団(読売の重鎮に従順な二人の)の意見である。
 
誰によって、そして、何によって、イスラム国が日本を敵と看做す様になったか?答えは簡単である。安倍氏がわざわざ中東まで出かけて、「対イスラム国支援として2億ドルを拠出する」と発表し、イスラム国の敵として名乗りを挙げたことが、イスラム国に日本が明確に敵であるという認識を与え、且つ、二人の国民の命の危機と日本の国益を損なうという結果を招いたのである。
 
そのことを殆ど振り返らずに(すこし、民主党議員による言及はあったが)、番組担当の二人がこのような発言で、このコーナーを閉じたのは、非常に不愉快であった。辛抱氏は、昨年から報道番組に復帰したが、以前と違って現政権をあまり批判しなくなったと感じる。
イスラム国は新しい声明により、後藤さん解放にはヨルダンに捕われているイスラム国の女性死刑囚との1:1交換を改めて要求してきた。この件、日本政府はヨルダン政府に圧力をかけるべきではないと思う。むしろ、日本側からヨルダン政府に無理な依頼をしないと表明した方が良い。私も、25日のブログで書いた様に、http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/41961186.html、是非後藤さんを取り返してほしかった。このような判断は、”後藤さんを見殺しにするのか”という批判が国内からでるだろうが、事ここに至っては仕方が無いと思う。 

イスラム国の今回の要求は、明らかにヨルダンと日本そして、日本とイスラム国に敵対している中東諸国の間に楔を打ち込むことを目的としている。もし、過大な圧力をヨルダン政府にかけ、その結果後藤さんだけが解放されれば、日本とヨルダン政府及び日本と西欧諸国特に米国との間に、致命的な楔を打ち込まれることになる。 

それは、最終的には日本国と日本国民全体の大きな損失につながる。安倍政権は少なくとも、不適切な方法でイスラム国に敵対することを表明したと思うが、その失敗を挽回するために過剰な圧力をヨルダンにかけることは、損失を数倍から数十倍に増やすことになると思う。