1)経済のグローバル化は、通信や輸送のコスト低減、冷戦終結などを背景に、米国を中心に進められたと思う。つまり、民主主義と自由主義の世界輸出である。一方昨年、経済統合という形でヨーロッパをまとめることは困難であり、生じた富の地域差をより深い政治的交渉で解決しなければならないことが、ギリシャ危機ではっきりと意識されるようになった。ギリシャ危機は、強大な政治的リーダーシップを育てることなしに経済のグローバル化を進めることは、世界に政治的混乱を招くことを教えてくれたのである。新冷戦構造が顕在化しつつある現在、米国は世界の政治をリードする意思が弱くなりつつある様に見える。米国は自国の都合だけで、経済のグローバル化を進めた責任を放棄してはならないと思う。
 
2)経済のグローバル化は、当然のことながらグローバル企業を生み出し、資本による世界の支配を進めた。経済評論家の三橋貴明氏が韓国経済について動画で紹介しているように、あの看板企業のサムソンは資本的にはほとんど外国に支配されている。https://www.youtube.com/watch?v=BX2vC35PCFQ
しかし、それは韓国企業に限ったことではない。例えば、日産自動車が外国企業と言った方良いことはよく知られている。更に、トヨタ自動車の株の30%、日立製作所では45%が外国保有である。これらのグローバル企業が特別なわけではない。実際、日本全国の上場株式の30%以上が外国保有なのである。
 
資本は自由に国際的に移動することにより、仕事も先進国から賃金の安い発展途上国に流れる。結果として先進国において、失業率の上昇やデフレ経済を生んだ。ピケティの本がベストセラーになったことで有名になった、資本による収益率が成長率を上回るという関係により、資本を支配するものが富裕層となり一般労働者の相対的貧困化が起こることになった。
 
例えば、一人当たりのGDPを比較すると、金融関係で稼いでいるルクセンブルクと産油国のカタールが一位を争っていること(補足2)は、現代世界の歪な経済構造を象徴しているように思う。そして、経済の歪な構造により世界の内部には政治的応力が生じており、そのズレは地震のように悲劇を起こす。あのフランスのテロも、このような経済的不均衡が背景にあるのではないだろうか。
 
3)命の値段というのはいささか不穏当な表現である。しかし、経済的視点から見れば、人の命にも値段をつけることができる。例えば、命の値段を一生に賃金として受け取る金額や保険等での死亡時受取金額とでも定義することが可能である。そして、傾向としての話だが、それらの金額が高い国あるいは社会ほど、やはり安全や環境などを大切にするのではないだろうか。
 
命の値段の安いところでは、労働賃金は安く、従って失業率は高い傾向にある。社会は環境や安全に対して配慮する余裕を失い、荒廃が進む。人々が宗教に頼る傾向を強めるのは、宗教は現世の不安や不満を投げ込む異次元空間への窓口のように働く。日本でも人々が神社の賽銭箱に投げ込んでいるのはコインではあるが、不安と不満をそれに載せているのではないだろうか。投げ込む筈だった不満や不安がその手を離れなかったら、自分自身がその中に身を投じることになる。
 
グローバル化された現代、資本や商品が自由に国境をまたぐ。そして、人にとっても国境という敷居が低くなる。それだけなら未だ良いが、不安や不満、更にはテロにとっても国境という敷居は低くなり、その上に本来あるはずの扉も高度なIC技術により透明化されてしまっているのではないだろうか。我国は2020年のオリンピックを無事開催し、その祭りが終わった後の虚無感に浸る余裕を、国民は持つことができるだろうか。
 
補足:
1)現在、冷戦は終わっていないという見方があり、新冷戦構造という言葉が生まれている。しかし、2,3年前までは冷戦は過去のものと考えられていた。

2)名目つまり米ドル換算ではルクセンブルクが、購買力平価ではカタールが一位というような状況にある。

1)昨日のプライムニュースでは、専門家3人が出席して南京虐殺について議論していた。その3名は、新しい歴史教科書をつくる会で教育学者の藤岡信勝氏、元日本大学教授で歴史学者の秦郁彦氏、そして明治大学文学部教授で歴史学者の山田朗氏である。
 
まず、当時の南京市の人口などを含め、事件の概略を書く。
南京事件は、日本軍が南京陥落後捕虜とした兵士や軍服を脱ぎ捨てて大衆の中に紛れ込んだ兵士と思われる人たちを、多数殺した事件である。その中に非戦闘員が多数いたが精査せずに殺したこと、捕虜を殺したこと、更に軍服を脱いだ無抵抗な人間を殺したことが国際条約に反する犯罪行為にあたるとされている(補足1)。日本軍関係者は戦後に南京軍事法廷(国民党政府が開いた)と東京裁判により処刑された。
 
日本軍により殺された人の数は、南京軍事法廷の判決文では30万人、極東軍事裁判では20万人とされた。秦氏と山田氏は、「兵士や非戦闘員合わせて4万人程度の虐殺があったと思う」と述べ、藤岡氏は0に近いと述べた。藤岡氏は多くの人が殺されたのは事実だろうが、それらは戦闘行為としての殺戮であり、国際条約に違反するものではないとしている。つまり、捕虜は無抵抗であるべきであり、兵士は軍服を脱ぐことが禁止されているが、それらのルールに違反した者は殺されても仕方がないのであり、それ以外のケースは少数であるというのが藤岡氏の考えである。
 
戦時に民間人や捕虜が殺されることは多くあっただろうから、南京事件が歴史に残る事件として、更に戦後永きにわたって国際紛争の種となるには、極端に多数の民間人や捕虜が殺されるか、多数が極端に残虐な方法で殺されるかが必要条件となる。そこで強調されるのが、30万人という人数や百人斬り(追記1)と言われる殺戮方法である。後者については新聞で大きくとりあげられ賞賛されたというが、その中にどれだけ民間人を含むかなど詳細は分からない。
 
前者の殺された人の数であるが、それはかなり誇大化された数字だろう。ただ、中国側が誇大に話を作ったとしても、それに対してこちらも矮小化で対立するのでは、問題が長引くだけである。出来るだけ真実に迫ろうとする、秦氏と山田氏の歴史家としての態度を支持する。以下にその点についてのみ、更に放送内容にそってレビューする。
 
2)南京市主要部は城壁に囲まれ、その一部に安全区(下図の難民区)が設けられており、そこに西欧人約15名(例えば、ドイツ人ラーベなど)が監視役として滞在していた。南京市の当時の人口は100万人程度であり、多くの市民は日本軍の入城前に逃げたが、それでもかなり残っていた。逃げ遅れた人たちは安全区に逃げ込み、その人数は20万人だったと言われる。
 
 
イメージ 1
 
 
南京市内の人数は、最大限度の殺戮者数を議論する上で重要である。(補足2)
藤岡氏の「南京市に入城時には、誰も(安全区以外)いなかった」との発言に対して、「侵入軍から身を隠すのは当然であり、安全区以外の城内(上図の実線内)や城外にはかなりの人が残っていたと考えるのは不思議ではない」という、秦氏と山田氏の反論があった。
 
以前から我々一般人は屡々、「当時の南京の人口は20万人であり、30万人の殺害は物理的に困難である」、そして「南京事件後しばらくして、南京の人口はそれより増えていたので、大虐殺などあるはずがない」という藤岡氏らやそれを聞いた人たちの受け売り発言を聞いていた。3名の議論を聞いて、その発言には一般人を欺く意図があったと思わざるを得ない。
 
つまり、南京市から安全区に避難した人の数が20万人なのである。そして、その他に、南京に入城した日本兵は城外や城内(安全区以外)にほとんど人を見なかったという言葉をそのまま信じて、それ以外の人口を0と勘定し、その合計20万人を南京市の人口としたのである。更に、「当時」という言葉を敢えて定義せず、平穏な時代の人口が100万人以上であるということを知らない一般人に、南京市の人口が20万人だと思わせることにより、「物理的に30万人殺すことは出来ない」と主張したのである。
 
南京城内は放火されておらず、ひっそりと隠れておればわからないだろう。また、城外は放火されていたというが、隠れるところはあっただろう。そのように考えれば、本当の人口は30万人超えても不思議はない。実際、山田氏は南京城区に60万人いたのではないかと推定している。
 
私は、藤岡氏らの南京事件全体に対する言葉を、この段階で信用できなくなった。そして、「南京事件後、南京の人口はそれより増えていたので、大虐殺などあるはずがない」という彼らの言葉は非常に悪質であると思った。なぜなら、市民が避難した所から帰れば当然そのくらいの人口になる。従って、南京虐殺など無かったという人たちの発言の根拠は非常に脆いので、「物理的にありえない」という強い表現を用いたのだろう。
 
中国軍の兵士(補足3)が便衣兵として、安全区の避難民の中に紛れ込んでいたので、それらしき者を探して殺しても、戦闘行為と見なせるという藤岡氏の意見も詭弁に聞こえた。捕虜になる覚悟で名乗り出た場合、助かるのではなく殺されたわけだから、生き残る道は非戦闘員の中に紛れ込むしかない。
 
もし、捕虜をかなり荒っぽい形でも裁判にかけてから、疑わしい者を死刑にしていたのなら、そして一部を無罪として命の保障をしていたのなら、捕虜になるという逃げ道があったと言えるだろう。そして、軍服を脱いで非戦闘員の中に紛れ込んだ者たちを便衣兵とみなすことも論理的には可能だろう。しかし、当時の日本兵はそのようにはしなかったのである。
 
結論として、最初の方で秦氏と山田氏が推定した、「兵士や非戦闘員合わせて4万人程度の虐殺があったと思う」が妥当な数字だと思う。この数字は、事件の翌年4月に発行された中国の共産党機関紙に掲載された、南京で42000人が殺害されたという記事の数字にほぼ一致している。
 
当時の軍の指揮にあたった松井石根大将は東京裁判で死刑となったが、執行の前に残した松井大将の言葉は非常に印象深い。それを読んで、数字はいろいろ議論はあるだろうが南京虐殺が実際にあったと納得した。その遺言には、日露戦争当時と比較して軍の規律が取れていなかったこと、兵士の暴走を止めることが出来なかったこと、そして自分の死により当時の兵士たちが反省してほしいと書かれている。(https://ja.wikipedia.org/wiki/松井石根 を参照)
 
南京事件の根本的とも思える原因として、次の2点を秦氏が番組の始めの方で指摘した。
①   大本営は上海陥落後に軍を止めて、講和に持ち込む方針だったが、現場がそれを無視して南京の方に向かった。そのため、食料などの補給は計画されておらず、現地調達することになった。
②  日露戦争までは国際法遵守して、近代国家としての体裁を保っていたが、その後軍規も徐々にいい加減になり、上層部の意向を無視して独走する傾向(下克上)があった。
 
放送では幕府山での虐殺など個々のケースについて議論があったが、それらは省略する。以上、昨夜のBSフジプライムニュースを見た後、私が理解した南京事件である。
 
補足:
1)1899年にオランダのハーグで締結されたハーグ陸戦条約に規定されている。この条約では、その内容を各国が国内法として法制化することになっている。日本も1912年に公布されている。(ウィキペディアによる)
2)この問題の論争において、大虐殺を否定する側の最も有力とこれまで私が感じてきた根拠は、「当時南京の人口は20万人であった。30万人殺すのは物理的に不可能である」という論理である。この点については以下に述べる様に、大虐殺を否定する側が極めて悪質な言論的トリックを用いていたと思う。
3)当時南京守備のために残った中国軍兵士は5-10万人と言われている。かなりの人数(5万人程度)が安全区に逃げ込んだと思われる。
 
=== 11/13投稿、11/14午前8時全面修正 ===
追記:
1)100人斬りについては、虚構であるとの訴えが遺族によりなされ、裁判で虚構であるとの判断がなされた。溝口郁夫著、「南京100人斬り競争の虚構の照明」及び:https://www.youtube.com/watch?v=7N_v3sz6mgI など参照。(2015/12/2追記)
日本は今後も国連の動きには注意が必要である。
 
ヤフーニュースによると、児童ポルノの調査に来た国連のマウド・ド・ブーア=ブキッキオ氏が、日本の女学生の13%が援助交際しているとの調査結果を記者会見で喋った。日本に住む我々にとって考えられない数字であり、もしその数字を国連が世界にばらまけば、日本国にとって著しい不名誉となる。
 
その数値に疑問を持った外務省が、国連に対し発言の撤回とその根拠を提示するよう求めた。112日その調査員は、援助交際の規模に関する「公式統計は受け取っていない」という説明を発表したという。一体何があったのだろうか?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151111-34784309-bbc-int そして、今日の菅官房長官の会見では、国連調査員はその抗議を受け入れたようである。
 
 
国連の潘基文事務総長はここ数年、本来加盟国を平等に扱うべき立場にあるにも拘らず、不合理な反日キャンペーンを続けている。http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2013/09/blog-post.html
 次期韓国大統領の椅子を目指して、反日姿勢を韓国民に誇示するのが目的だという説もネットでは囁かれている。実際この9月、中国共産党の対日戦勝70周年記念式典の軍事パレードに参列するという国連事務総長にあるまじき行動をとった。日本の遺憾である旨の表明を、習近平の言葉と同じような言葉で跳ね除けた。今回国連人権理事会から調査員を派遣して、日本を貶すための材料を探すように指示した件にも、潘基文が絡んでいる可能性があると思う。
 
韓国は、遅くとも来年新学期までソウル市内のすべての中高校の図書館に『親日人名辞典』が普及されるという。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151109-00022443-hankyoreh-kr
 この国は、本当に救い難い国だと思う。池上彰氏がテレビで言っていたが、「反日が唯一の国家団結の旗頭」というのは本当の様だ。数ヶ月前にも、「日本併合時代に良いこともあった」と発言した老人が、若者に殴り殺された事件があった。http://www.j-cast.com/2013/09/13183859.html
(この事件についての韓国の人たちのコメントを見て欲しい)
 
国連事務総長になるような人間でも、反日で凝り固まっている。日本が相手となるだけで、まともな判断ができないような精神状態になるのかもしれない。韓国とはなるべく距離を置いた方が良いと思う。オバマさんでもヒラリーさんでも、この隣国の様子を知れば、日本が手を焼いていることがわかってくれるだろう。
 
(以下補足:)例えば、従軍慰安婦の件でも、韓国が日本を侮辱することが米国の国益になるのなら、米国は分かったふりをして、背後で韓国をけしかけるかもしれない。外交というのはそのようなものかもしれない。つまり:南京大虐殺の件は、米国が東京裁判の際に(ほとんど捏造的に)持ち出した;米国は原爆や都市空爆で無差別殺人を犯したという罪悪を、日本の非人道的行為をでっち上げることで相対化したいという欲求がある;クワラスワミ報告にも米国が絡んでいる可能性がある。