1)このところテレビも新聞も舛添一色である。
舛添氏は政治資金の使い方が合法であると主張して、辞職だけは避けたかった様だが無理な様である。もともと、政治資金の利用が合法か非合法かが問われているのではなく、都知事として信頼できる人かどうかが問われているのだと、429日のブログに書いた。http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42770325.html そこでは、本当に問題にすべきは、在日韓国人学校建設のために利用価値の高い都有地を貸し出す決定をしたことだと指摘した。
 
舛添氏は、週初めの都議会でブラジルでのオリンピックまでは、不信任決議をしないでもらいたいと議会に泣き言を言っている。誠にみっともないように見える。しかしここでは、あえて異論を述べたい。いったい舛添氏の行った何に対して、議会は攻撃しているのか?このような大騒ぎは、舛添氏のしたことにふさわしいのか?もっと大事なことはないのか?
 
今朝の読売新聞は一面から三面まで、社説を含めて、政治資金の使途に対する舛添攻撃一色である。その中に紛れるように、フロリダの銃乱射は、単独犯らしいということや英国のEU離脱懸念が株安を呼んでいるという、本来なら舛添氏の件よりはるかに大事なことが小さく書かれている。世界大不況の引き金が引かれるかもしれないこの時、何をくだらないことで紙面を浪費しているのか?
 
もし都知事の政治資金の使途の違法性が疑われるのなら、地検の特捜部などが動くべきである。もし地検も、舛添氏が選んだ弁護士の調べ以上のことが出ないと判断したのなら、都議会はそのようなことで、不信任案を出すべきでは無いと思う。(補足1)都知事の追求はもう十分であり、あとは次回選挙で落とすことで問題は解決する。

簡単でな無いのは、むしろ政治資金の使われ方とそれを規制する法の問題である。それについては、国会が議論を引き継げば良いと思う。都議会の解散となれば、数十億円のお金を使って選挙をやる必要があるし、その間都政の遅滞を招く。無駄金を使うことになり、それは舛添氏の家族のホテル代や飲み食いの代金よりはるかに高いだろう。
 
2)全く別の視点からこの件を眺めることも大事である。つまり、この件の炎上の仕方は異常であり、何か別の勢力が関係していないかが疑われる。それは、経済が一向に上向かないことから、国民の目からそらしたいという意向が反映しているのではないかということである。もちろん、最初からそれを考えて週刊誌に情報リークしたのか、その後事件化して大きく面白くなりだしてからかわからないが。
 
新聞は読者の面白がる記事を面白く書くのが使命なら現状のような紙面になるだろう。しかし、ほとんどの国民読者が新聞に期待しているのは、大事なこと、気づきにくいことなどを、玄人の立場から書くことだろう。そして、読者に偏りのない世界の知識を供給することが使命だろう。ましてや、現政権におもねり、アベノミククスが失敗だったのではないかなどという記事を書かないようにするというのでは、新聞の存在理由を放棄している。

この国のマスコミは一貫して本当にレベルが低い。戦前は軍部の宣伝を引き受けたのと同じように、戦後はどこかから流れてくくる情報を無批判に垂れ流すだけの存在であると思ってしまう。
 
補足:
1)韓国人学校への都有地貸し出しなどの都政上の問題に不審を持つのなら、不信任案を出す理由になり得ると思う。
 1)先週米国のある女性歌手が、フロリダのコンサート会場で銃により撃たれて死亡した。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160611-00000027-jij_afp-int 
昨日も(日本時間午後3時)フロリダの同じOrlandoという町で、無差別に発射された銃弾により50人が殺されるテロが発生した。この件、その後イスラム国から犯行声明がだされた。犯人は、イスラム国から派遣されたのではなく、米国で育った人間がイスラム国の考えに共鳴して事件を起こしたのだろうと言われている。
 
上記ヤフー記事にはコメント欄が付随しており、そこでは、「銃に関する日本の規制は絶対正しい」という意見、「銃で守れた人の数より銃で殺された罪もない人の数の方が絶対多いと思う。なぜまだ銃を持ち続けるのか」というようなナイーブな意見が、圧倒的に多い。(補足1)
 
同じコメント欄には更に、米国の銃社会が悪いとか、全米ライフル協会が悪いとか、その支持を得ている共和党が悪いという類のコメントが見られるが、それらはナイーブというより他国に干渉する無配慮なコメントだと思う。つまり、銃保持を権利として認めた米国の歴史的背景を考えないで、安易な推論を公にするみっともない行為だと思う。もちろん、発言は自由ではあるが。
 
2)昨日の事件は犠牲者の数が多いことや、テロリズムであるという点で相当深刻である。そして既に、大統領選挙への影響も出ている。①銃規制を厳しくすべきという意見と、②イスラム系難民や移民を安易に受け入れるべきでないという意見の両方が、選挙の争点になるだろう。
 
ウオールストリートジャーナル日本版では、クリントン候補とトランプ候補の言動がそれぞれ掲載されている。http://jp.wsj.com/articles/SB11611722697749014104804582125421627994392
クリントン氏は、「米国は国内外の脅威から国を守る努力を倍加させなければならない」、及び「戦争用兵器が街中に存在する余地がないことを改めて思い出させる」と声明を出した。そしてトランプ氏は、「イスラム過激派のテロに対し、(わたしが)正しいことを主張してきた。タフで警戒を怠らないようにし、われわれは賢くならなければならない」と呼びかける一方、銃所持の権利擁護の立場を打ち出し、クリントン氏が銃保持の権利を保障する憲法修正第2条の廃止を求めていると非難している。(補足2)
 
3)この米国は、銃保持を禁止すべきかどうかという問題を日本人が考える場合、「日本と米国の違いは何か?」「なぜ米国では、人々は銃を持つか?」などを米国人の歴史などを念頭に置いて考えなければならない。(補足3)
 
米国は多民族国家であり、出自が様々な人たちが集まっている。そのような人々を構成員にして安定な社会と国家を建設するには、自由と平等を旗頭にすることが必須条件だろう。この点、日本のように同一民族と信じている人々がほぼ共通の文化の下で暮らしている国とは根本的に異なる。黙っていても以心伝心というわけには行かない。
 
自由且つ平等な立場で会話を行うことが意思の相互伝達には必須であると思うが、それが成立する前提として、「貧富の差、体の大小、肌の色、男女の区別、年齢の差などが、自由で平等な意見の表明を封じることにならない」ということが必要であると思う。
 
自由な意見の表明を封じるのは暴力である。そこで、米国には「個人は他の暴力から自分を守る固有の権利を有する」と考える文化があるのだろう。その各人が銃で武装する権利を放棄するには、警察と司法がその暴力を未然に防ぐ瞬時の対応ができなければならない。米国は広い国で、多種多様な文化を持つ非均一な国であるため、そのような対応は日本よりも相当困難である。(日本でも不可能である。)
 
銃の保持を完全に禁止した時、例えば、田舎の道で出会った粗雑に見える大男の一瞥は、全ての言論を封じるだろう。そこでは、自由と平等という共通の価値観を全ての国民が信じ、その礎の上に単一の国家を建設することは無理になるのではないだろうか。
 
補足:
1)戦争に関する以下のような考えと同じレベルである:戦争で命が助かった人よりも絶対戦争で殺された人の方が多い。やはり戦争はすべきではない。隣国と平和共存の道を探すべきである。
2)合衆国憲法修正第2条:
(人民の武装権規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有し、また携帯する権利は、これを侵してはならない。
3)米国にも銃規制は存在する。https://ja.wikipedia.org/wiki/アメリカ合衆国の銃規制を参照。1993年制定された法では、重罪の前科があるもの、麻薬中毒、精神病者、未成年者には販売が禁止されている。携行や所持については州法が規制をしている。(6/14朝、追加)


今月23日に英国でヨーロッパ連合から離脱するかどうかの国民投票が行われる。約半分を占めるEU向け輸出に関税が掛けられる恐れがあること、或いは、英国へ進出している外国企業がユーロ圏へ引っ越す可能性が高くなるなど、英国の経済への大きな打撃が予想されている。また、ヨーロッパ連合の他国も同様の動きが出る可能性があり、世界的な混乱の引き金を引くことになりかねない(補足1)。
 
国民投票に至る経緯は、東欧圏の加盟で増加した移民、最近問題になっているイスラム圏からの移民などをあまり受け入れたくないこと、英国の金融中枢であるシティへの規制、多額の分担金負担などを嫌ってのことの様である。http://markethack.net/archives/51999688.html
 
多くの国が参加する政治や経済の連合に参加することは、様々な自主権を無くすことになるので不自由になるが、自国の強い分野を障壁なしでユーロ圏全域に発揮できるというメリットも大きい。このような経済的損益と政治的影響を、長期的視野で判断することは素人には無理である。従って、このような国民投票は時の政権の責任放棄とも考えられる。国民投票を公約にして、総選挙に勝つなんて、何か変ではないのか?http://www.nikkei.com/article/DGXLAS0040006_Q6A220C1000000/
 
昨年は政治抜きで通貨と経済だけの統合がギリシャ危機の理由だと言われた。しかし、通貨が別でも広い地域で共同体をつくることはなかなか難しいことが証明されたようだ。TPPも同じような困難を孕んでいるだろう。
 
補足:
1)6月13日のテレビ番組モーニングサテライトでのイアン・ブレマー氏へのインタビューによる。