米国の次期通商代表のライトハイザー氏が「米国産農産物の市場拡大の方向として日本が第一のターゲットだ」と発言したことに関して、内閣参与の藤井聡という人が自分のフエイスブックにおいて、其のことばに反応しない日本に対して国家の体をなしていないと書いたと昨日朝のラジオ番組で言っていた。
 
その根拠として藤井氏は以下のように言っている:「保護貿易と自由貿易の適切なバランスが大事であり、現在の日本の貿易は過剰に自由貿易的である。何故なら日本は現在デフレだからである。更に、食の安全保証の意味からも貿易障壁を設けることで日本の農業を保護することに何の躊躇もいらない。」
 
藤井聡という人は、政治経済のことなど何も解っていないと思う。こんなレベルの人を参与にする内閣は日本位だろう。日本がデフレなのは、国民が将来に不安をもち、預金志向が強くなり需要が縮小しているからである。自然な感覚に戻れば、需要が回復する筈である。つまり、政治の責任である。食の安全保障というが、日本の農業で生きられるのは5000万人くらい(食料の自給率から)であり、食の安全保障は旧態依然たる農家の保護ではなく、健全な貿易関係を国際社会の中で築くことである。
 
そのためには、日本の農業の生産性を上げて、欧米の農産物への輸入障壁を下げても、競争力を維持できるようにするのことが大切である。つまり、農業の大規模化や法人化を邪魔する障壁を無くする努力をすべきなのだ。農家の保護ではなく、農業の保護育成が大事である。何故、そのように政府は動かないか? それは、与党が民主主義を標榜しながら考えられないレベルの一票の格差を作り、農村部の票をたよりにしているからだ。
 
ところで安倍総理大臣は、ベルギーにおいてEUのトゥスク大統領らとの会談を前にそろって共同記者発表に臨んだ。その場で、保護主義の台頭を念頭におき、国際的な責任を共有するEUやアメリカと連携し、自由で開かれた国際秩序の維持に取り組む考えを強調した。
 
EUのトゥスク大統領も、安倍総理大臣との会談を前に共同記者発表に臨み、「経済力のある日本とEUがこれからも公平な世界貿易に関与していくことは非常に重要だ。EUとしては自由貿易協定の締結に向けて努力しており、近く締結されると信じている」と述べ、日本とのEPA=経済連携協定交渉の早期妥結に強い期待を示した。 
 
つまり、この藤井という人の親分は、世界で強まりつつある保護貿易の傾向を、元の自由貿易の方向に戻そうと努力している。親分と反対のことを持論とするのなら、内閣参与なんか辞めたらどうか?
1)この3月17日に公開された動画で、安倍総理の勧めで参議院議員になった青山繁晴氏が国会質問に立った(参議院予算委員会)。そこで、米国が北朝鮮に軍事介入するとき、日本は拉致被害者の救出のために自衛隊を派遣すべきであると言っている。
 
青山氏は北朝鮮問題が分かっているとは思えない。金正恩がミサイルを開発して自分の国を窮地に追い込んでいるという発言も、米国の受け売りのようであり、根拠は明確ではない。この男は何者なのか。米国に知人が多いようだが、そこからの情報に踊らされているのかと思う。
 
軍事作戦が実行された場合に備えて、拉致被害者を救うという名目で、再開された朝鮮戦争に自衛隊を参戦させようという米国の魂胆を代弁しているのだろう。日本国民に向かって米国の要請とは言いにくいが、拉致被害者の救出なら言い訳となり得る。しかし、参戦すれば日本内の米軍基地に核ミサイルが飛んでくるだろう。日本国内での一般市民の死者数は数万人規模だろうから、拉致被害者の数よりもはるかに多い。
 
また、国民が拉致されたことを北朝鮮のみの犯罪のように言うが、北朝鮮と国交がないので、責任の半分は国民を守れなかった日本政府にある。拉致被害者を取り返すのなら、日本から北朝鮮に宣戦布告するか講和しかない。後者をこころみて米国に潰されたのが、小泉内閣のときの日朝宣言とその後の国交回復の計画ではなかったのか? (補足1)

朝鮮戦争の終結は米国、北朝鮮、それに中国の問題であり、日本の問題ではない。6カ国協議は、米国の一部が朝鮮戦争を終結したくないので、棚上げにする口実である。ティラーソン国務長官が、この20年間の対北朝鮮政策は間違いだったと正直に白状したのだから、今回は米国が中心になって独自に解決すべきである。(補足2)
 
2)米国の要請があっても、朝鮮戦争への参戦は馬鹿げている。ソールは火の海になり、日本も何万人という死者がでるだろう。日本は朝鮮戦争の再開ではなく、米国を和平へ導くべきである。核兵器の完全廃棄の要求は今や出来ないかもしれない。しかし、北朝鮮の安定を米国が保証すれば、一旦は静かになるだろう。
 
朝鮮半島を現状のまま安定化させるのは、日本の国益に叶う。中国も米韓の同盟勢力が国境まで近づくことを望まないし、日本も中国支配下の朝鮮が釜山の先まで来ることは望ましくない。日本は独自防衛をシビリアンコントロール下で持てばよい。そのためには、天皇を国家元首とする自民党の草案を叩きだいにせず、9条第二項だけを改定する方向で出来るだけ早期に憲法改正すべきである。
 
米国には、北朝鮮を核保有する軍事大国に育てた責任をとってもらうべきである。その第一段階は、朝鮮戦争の終結と北朝鮮の承認であり、第二段階は在日米軍による核兵器の日本国内持ち込みを発表し、北朝鮮(及び中国)へのメッセージとすることである。(補足3)
 
補足:
1)小泉政権の時に、日朝両国は国交回復を目指した。しかし、拉致被害者の一部が一時帰国した直後、全ての話がこじれた。もし、この数名を約束を破って返さなかったのが破談の原因なら、責任は日本にある。何故なら、国交回復は信頼関係を構築するということであるから、一時帰国した人たちを北朝鮮に返さないのは、日本が相手国を信頼しないことを改めて表明したことになるからである。一部の帰国者を一旦北朝鮮に返さないことは、残りの大勢の拉致被害者を見棄てることになる。そんなことが考えられるだろうか?一時帰国者数名を返さなかったのは、何らかの原因で日朝国交回復が破談になったからだと考えられる。その原因として、米国の干渉以外になにがあるだろうか?中国の干渉なら、国民に説明がなされていると思う。なお、北朝鮮を承認していない主な国は、米国、日本、韓国である。
2)北朝鮮の軟着陸を一貫して主張してきた。その中の一つ、潘基文氏が必死になれば行えたという趣旨の投稿をしたことがある。http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42389602.html
3)非核三原則という自分の手足を縛るような発言をし、それを自民党の党是とした佐藤栄作の行為は批判されるべきである。国家の代表的地位にある者やあった者が、ノーベル財団という一私的財団から、その在任中の政策と関連して賞を貰うということは、どこかの元大統領同様非常に愚かなことである。ノーベル財団が世界に平和をプレゼントする能力を持つのなら、話は別だが。
(11時10分、編集)
1)ティラーソン米国国務長官が中国国家主席の習近平と会談した。NHKテレビで放送されたところでは、トランプ大統領と違って紳士的であり、中国も評価&期待しているとのことだった。いつものことだが、NHKニュースは何の情報も含まない。NHKは、ティラーソン国務長官の習近平主席との話し合いで、北朝鮮問題解決について何も達成できなかったということがニュースになるとは思っていないのか、言いたくないのだろう。NHKは日本国民のための放送局なのかどうか、私にはわからない。
 

3月3日のブログ「北朝鮮の体制転覆は暫くないだろう」で、以下のように書いた。

 

これまで通り、最終的には爆発する風船を金正恩は更に大きく膨らませるだけであると思う。その風船を割るのは、おそらく中国だろう。米国はずっと前に朝鮮戦争の終結をすべきだった。東アジアに混乱の種を残すという、悪の報いは本来米国が受けるべきであるが、北朝鮮が統一朝鮮になる時、東に逃げるだけだろう。

 

その際に、第三次大戦にはならないと思う。米国も核戦争は望まないからである。その朝鮮有事の後、朝鮮半島は統一され中華秩序の中に入るだろう。そして、米国は東アジアに残留する力も理由もなくなり、日本は西太平洋の孤児となるだろう。中国と朝鮮にこれまで以上にいじめられ、領土と富を失うようになると思う。出来るだけ早く、日本独自の防衛政策を考えるべきであるし、そのために、国民に広く現在の脅威を、国際政治の真実を知らせるべきだと思う。http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43190407.html

 
ここで、中国と統一朝鮮にいじめられる日本の姿は、韓国のパククネのこれまでとこれからの姿と相似であると思う。彼らには、論理も法による支配もよそ事である。
 

2)評論家の北野幸伯氏は、メイル記事でティラーソンの中国訪問で北朝鮮問題に進展はなかったと書いている。米国は北朝鮮のICBM関連技術の完成前に、核開発を止めたいのだが、その方法として中国の不介入の確約を得た上で、軍事介入して金正恩体制を崩すことを考えている。その上で、米国を中心とする米中露の信託統治にしたいのだろう。単に金正恩を倒すだけでは、何の解決にもならないからである。

 

そのプランが不可能だと判ったとき、トランプ大統領はどのような手を考えるだろうか? その答えは一つしかない。北朝鮮の承認と経済援助と引き換えにICBMの開発をしないと約束させることである。そして、経済援助は日本に丸投げすることになり、日朝関係の改善は小泉政権時代の段階に戻ることになる。


あの時なら、日本を核ミサイルで攻撃する能力を持たない北朝鮮が実現したかもしれないが、今は違う。日本が北朝鮮へ経済援助をする理由はない。経済協力するのなら、米国による小型核技術の完全供与を条件とすべきである。しかし、安倍政権やその他の政権では、そんなことはできそうにない。

 

北朝鮮はその米国の現実的な取引には乗るだろう。米国が北朝鮮を国家として承認すれば、ICBMなんか重荷になるだけで不要である。米国のトランプ大統領は元々孤立主義的であるから、ホワイトハウス自体には大きな抵抗はないだろう。小型化した核兵器は対日本や対中国の戦略として残り、北朝鮮にとって残る課題は、経済復興と合併という形での韓国併合だけである。


ティラーソンはその案を習近平には示さなかっただろう。それを示せば、習近平は悩むかもしれない。何故なら、北朝鮮との関係は江沢民派が強い北部戦区が握っており、習近平は元々この問題には弱いからである。(補足1)

 

3)そのような米朝講和の方向に決まった場合、日本は米国の命令で日朝講和(日朝基本条約と一兆円規模の経済協力)の話し合いを同時進行的にするだろう。その後、経済発展した北朝鮮は左傾化した韓国と統一することになると思う。

 

そして、米国は防衛ラインを第二列島線まで下げて、太平洋は孤児となった日本を残して、凪の時代に入るだろう。

 

ここまでの話に変化が生じるとしたら、日露関係しかないように思われる。昨年の11月に、進まない日露関係に苛立ち、日露関係よりも日中関係を重視すべきという記事を書いた。http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43075463.html その後、その稚拙な考えに気づいて、その記事を私の意見としては削除した(記事そのものは残した)。


朝鮮半島が中華圏の中に入り、米国が第二列島線に遠ざかれば、中国の国内政治が利用するのは反日感情である。その中毒から抜け出ることは、第三次世界大戦がない限り永久にないだろう。

 

もし、ロシアに民族的な反日感情がないとすれば、日露関係が唯一、日本が東海の孤児とならない鍵となる。ロシアはシベリアでの中国との長い国境を維持するためには相当の努力を要するが、それにはシベリア東部での経済開発が必須だろう。地政学的に中露関係が相互に牽制しあう関係なら、日本がその関係を安定的に保存するため協力するのは、悪い話ではないだろう。

 

日本は以上のような長期戦略として考える以上、国後と択捉の返還は諦めることになる。そのためには、日本政府はサンフランシスコ講和条約の内容を正しく国民に理解させる努力をする必要がある。吉田茂が国会答弁で、放棄した千島に南千島も含まれると明言していることを、国民に周知すべきである。もちろん、ロシアが今後の日露関係を考えて、国後を返還するということになれば、日露経済協力は急速に規模を大きくして進むだろう。

 

補足:

1)中国はこれまでの7つの戦区から5つの戦区に分けるように変更したという。(川添さんの動画参照)