1)プーチン大統領率いるロシアとの関係について、先週末のBSフジのプライムニュースで放送された、櫻井よしこさんと森本敏さんの意見をyoutubeで聞いた。
 
国際社会からの経済制裁と原油安がロシア経済を低迷させており、プーチン大統領の求心力が相当低下していることについては、両氏のおっしゃる通りだと思う。また、今回の米国によるシリア攻撃は、ロシアの威信を低下させ、プーチンの求心力も更に低下させるだろう。
 
両氏はシリア反体制派への化学兵器使用がアサド政権によるものだと完全に信じ、米国の爆撃を支持されている様である。しかし、人道に反する行為を処罰するつもりであっても、それが新たな人道に反する行為を産む素地をつくるのなら、何のための攻撃か分からない。両氏が完全に米国を信頼し、その全ての国際的な行動を支持していることに、私は一種の不信感を持つ。そして、同様の視点を日本の総理に求めることに、両氏が政治評論の分野で高い地位を持つだけに不満に思う。(補足1)
 
今回のモスクワ訪問に際して、安倍総理の対露交渉がどうあるべきかについて二人の回答を以下に書く。櫻井さんは“領土問題交渉において国際社会から非難を受けるような、安易な妥協をしない”ように期待しておられる。一方、森本氏は、“米国のようにプーチン大統領を追い込むのではなく、むしろヨーロッパとの協調の方向を勧める。また、日本を引きつけて自分の立場を強化しようと考えるだろうが、その策略に利用されないよう気をつけるべき”と言っておられる。
 
要するに、両氏とも安倍総理がロシア関係では何もしない方が良いと考えておられるようだ。その理由は、両氏とも米国が信頼できる相手であるから、今後とも米国との同盟関係を強める以外に何か(特に対露で)特別なことをやるのは危険だと考えておられるようだ。
 
2)この番組の最後に、両氏は今後の日本外交に関し総括的な提言をされている。
森本敏氏の意見:「今日の同盟は、価値観を共有する同盟ではなく、国益を共有する同盟である。いかなる場合でも、米国にきちっと注文もし、利益を共有できる最も信頼できる同盟国としての日本の位置を維持すべき。その為には、同盟を強化する更なる努力が必要だと思う。そのためにも日本は、防衛力の強化に努めるべきだ。日本が今後国際社会の中でより多くの利益を得るためにも、必要不可欠な手段である。」
 
櫻井よしこ氏:「表現は違うが大体森本氏の意見と同じである。(一言で言えば、)普通の民主主義の国になるべき。現在日本は普通の民主主義国ではない。憲法をみても、防衛の根本的な考え方(専守防衛)をみても、普通ではない。憲法や自衛隊法を改正してシビリアン・コントロールの下の軍事力を民主主義的手続きで持つべき。」
 
その後の読者の質問に回答する形で、櫻井氏は「現在のあるべき日米関係の基本的考え方はresponsibility sharing(責任分担)である。日米安保条約の範囲ではあるが、日本はより多くのことに責任を持つことが米国の日本への要請である。国際情況をみても日本がその方向で努力すべきである。米国が世界の警察官としての役割の一環で日本を護ってくれるという期待すると考えることは終わりにして、その部分は日本が独自にやらなければならない。」と答えた。(補足2)
 
これらは、既に書いたように完全に米国に追従する路線を、両氏は日本の取るべき道と考えられていることを示している。
 
3)私は以下のように考える。現在、中国と米国は互いに仮想敵国同士だが、日本との関係においては、ニクソンの時代から、或いは蒋介石時代から一貫して、米中は共通の利益を共有している。それは日本の無力化である。戦後、米国が一貫してやってきたことは、子分として日本を教育(調教)することだったのではないだろうか。本当の意味での同盟国なら、日本が普通の独立国となるのを支援する姿勢が見える筈であるが、それは無かった。(補足3)
 
トランプ大統領の出現で、日米関係が対等な同盟関係に成長することを期待した人はおおいだろう。しかし、昨今のトランプ大統領の様子をみると、どうも伝統的な共和党出身大統領になったように思える。そう考えると、ロシアは日本の22世紀に向けた生存にとって、鍵となる国かもしれない。 安倍総理がプーチン大統領と会談する際、北方領土の返還を直接要求するよりも、日本国民が「ロシアは信頼出来る隣国である」と感じるような両国関係の方向を示して欲しいと要求すべきだと思う。
 
また、常に米国という窓からしか国際情況を眺められない日本の宿命を超えて、全く違う視点から世界を見る貴重な機会ではないかと思う。精々、プーチン大統領の視点から見た世界の姿を見聞してほしいと思う。例えば、北朝鮮問題が危機的情況にある現在、本当に北朝鮮は気違いのような指導者に率いられた国なのか、プーチン氏の考えを聞くのも良いことだろうと思う。

  (16:30及び翌日6:20改訂;素人の意見ですので、批判等は歓迎します)
 
補足:
1)米国等による経済制裁は、露によるクリミヤの併合による。しかし、この件の引き金となったウクライナでのクーデターには、米国が深く関与したという説があり、米国の言い分を100%信じる両氏の姿勢には疑問がのこる。アラブの春やイラク戦争において、米国に不正な関与があったと考えるばあい、米国の言い分を100%支持する姿勢に説得力はない。(田中宇氏のブログなど参照)
2)質問は、「アメリカは世界の警察官にもどったのでしょうか?」であった。米国が世界の警察官だったのなら、大きな財布をもった警察官であると以前書いた。
3)これは米国の責任ではなく、日本の責任である。米国が米国の国益を追求するのは当然である。その責任の第一は、国家体制が明治維新という革命体制から一歩も成長しなかったことが原因で大きな戦争になり、完敗してしまったことである。その第二は、吉田茂以下の戦後首相に、死を覚悟してまで日本の本来の意味での独立を考えた政治家が出なかったことである。
中川秀直の息子がスキャンダルの主となっている。バカな男のバカな息子を議員にした広島の有権者たち。一票の格差のせいで田舎の政治に無知な連中が二世議員を多量に国会に送り込み、それが日本の政治を悪くしている。一票の格差は2倍以内なら良いということではない。限りなく1.0に近くすべきなのだ。

田舎の選挙区が無能二世議員の温床になっている。政治家がまるで家業になって、日本を悪くしている。民主主義というが、大衆の90%はB層という現状に漠然と不満を持つ知能の低い(低IQの)人たちが占めているという。その資料を選挙対策に使って大勝したのが、小泉純一郎の郵政選挙である。(補足1)

僅かな知的な連中が、経済発展と同時進行的に都会にあつめられた。一票の格差が維持されているので、田舎の票が衆愚政治を加速する結果になってしまった。衆愚化した有権者を利用して、米国のポチが日米構造協議で要求されたとおりに、民営化したのが現在の日本郵政である。

明治維新から150年経過した現在でもなお、この田舎のB層の票が薩長土肥の世襲政治家とその取り巻きを、日本の政治貴族として維持しているのだ。(補足2)米国も日本の政治家を馬鹿にしているだろう。(補足3)日本など無くなっても、痛くも痒くもない。米国の国際1.2兆ドルと一緒に消えてくれればいうことはない。北朝鮮を育てて、日本を東アジアの孤児にして、いじめれば良い。(補足4)そう考えているのだ。

「朝鮮戦争を勝ってしまおう」と言ったマッカーサーを首にして、共産国金王朝の北朝鮮を温存し、狂犬に育て上げたのは米国だ。北朝鮮は朝鮮戦争を終わり、米国と講和すれば、あんな国にはならなかった。そんなことも分からないバカが日本の政治を担っているのだ。

セメント会社を相続した政界の中枢にいる男が、米国で消費税を上げる好機だといったという。あほだ。https://news.yahoo.co.jp/pickup/6237223 彼の爺さんは、マッカーサーに協力して、結果的に日本を骨抜きにした人だ。(補足5)デフレの原因の一つが消費税増税にあると経済学者が声を揃えている。要するに漢字も経済も、何もかも分からんほどの人間なのだ。態度だけでかいのは、政治貴族の出身だからだろう。

これらの世襲政治貴族を一掃しなければ、日本の政治はよくならない。その鍵は何か?命が危うくなるので、誰も言い出さない。(11:00編集)

補足:
1)2005年9月の郵政選挙の際、自民党が広告会社に作成させた企画書、「郵政民営化・合意形成コミュニケーション戦略(案)」に出てくる概念である。議員の家系から出た小泉純一郎が選挙の際に利用した。その子供も議員の職をついで、「こども保険」とかいうアホなことを言っている。
2)明治維新は薩長土肥の下級士族たちが中心になり、恐らく英国などの支援もあって成し遂げた革命である。その薩長土肥の出身者が未だに日本の政治を牛耳っている。その明治維新後の低級な歴史の進行は、明治維新が単に倒幕であったことの証明だろう。日本の近代化という高い志を持って戦ったという司馬史観は後付の神話に違いない。http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2015/10/blog-post_27.html
3)日中国交回復のときに、キッシンジャーが言ったという「あのジャップめ」という言葉や、マッカーサーの議会証言「日本は未だ12歳レベルだ」という言葉が何時も頭をよぎる。
4)国家間の関係は野生の原理で動く。”「傷つき弱った者を襲え」これが野生の原理だ。” 堺屋太一「世界を創った男」にそう書かれているそうです。
5)当時の価値観ではこの評価は酷いかもしれない。吉田茂が講和条約後に憲法改正しなかったのは、日本が朝鮮戦争に巻き込まれるのを防ぐためだったのだろう。その後の岸、池田、佐藤内閣あたりで、命をかけて憲法改正をしてほしかった。これらの人たちでも、現在の首脳よりは優秀ではあったと思う。なお、マッカーサーと吉田茂の憲法を巡る関係については、片岡鉄哉著「日本永久占領」が参考になった。その時書いたブログを引用します。http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2016/03/blog-post_12.html
前回のブログで、“トランプ大統領は、アメリカンファーストを放棄して、伝統的な”世界の警察官としての役割を果たそうとしているように見える。しかも、何時も何故か大きな財布を携帯している警察官である“と書いた。我々は、世界の警察官という米国の役回りを素直に文字通り受け取って来たのは間違っていたのかもしれない。その本質を素直に、或いは誤って、表したのがトランプ大統領ではないのか?
 
1)火曜日に、韓国訪問を終えた米国のペンス副大統領が来日した。北朝鮮問題で重要な打ち合わせが目的だと思っていたが、もう一つ重要な話があったようだ。トランプ大統領の主張する、貿易不均衡解消のための日米ニ国間FTAである。米国産牛肉をオーストラリア産牛肉に取って代わらせたいとか、色んなことを考えているのだろう。そもそも、貿易不均衡を問題にするのはFTAの考え方に反しているのだが、御構い無しだ。(補足1)
 
昨日の読売新聞朝刊(14版)の一面では、「日米経済対話」の脇に「平和、力でのみ達成:対北圧力強化一致」が配置されていた。どちらが重要問題か、新聞社の方もわかっているようだ。この時期を逃さず、副大統領が経済対話を兼ねて(?)来たのは、最初に書いた米国の姿勢“大きな財布を携帯した世界の警察官”にふさわしい。
 
半世紀ほど前の話になるが、フランスのドゴール大統領が、当時の日本の総理大臣「トランジスターのセールスマン」と揶揄したことがあった。米国は「核抑止力のセールスマン」なのかもしれない。日本は確かにトランジスターラジオを売ったが、しかし米国は核兵器を売るのでは無い。核の脅威から日本を守るというオプション付きの、農産物やGMの車である。そのオプションに効果があるかどうかは分からない。

効果を検証できる事態というのは、日本国存亡の危機である。そんなオプションに期待して、何かを約束することが日本の政治なのか? 
 
19日のCNNの報道では、朝鮮半島に向かっている筈の空母「カール・ビンソン」が、どう言う訳か180度逆の方向に向かっていたことが明らかになった。http://www.cnn.co.jp/world/35099993.html
 
トランプ米大統領はテレビ局とのインタビューで「艦隊を送り込んでいる。とても強力だ」と語り、数人の側近らも空母派遣に言及した。それに対して、北朝鮮の朝鮮中央通信(KCNA)は空母配備を「無謀な侵略行為にほかならない」と非難していた。しかし、複数の米当局者がCNNに語ったのは、「カール・ビンソンは、まずオーストラリア海軍との軍事演習を予定通りに済ませる」だった。
 
その後、進路を変更して日本海に向かっているということで、単にホワイトハウスと米国防総省の間に連絡ミスがあったということだそうである。しかし、この件は北朝鮮問題の本質を語っているのではないだろうか。要するに米軍に北朝鮮からの危機なんか存在しないのであり、単に核抑止のセールスのために日本や韓国向けに必要なだけではないのか?(補足2)
 
2)米国と同じ経済戦略を考えている大国が、日本の隣に存在する。彼の国は、北部戦区に大量の核兵器を輸送して、核の脅威を作り出している。以下に引用の動画サイトをみて欲しい。https://www.youtube.com/watch?v=vANSwCgF6ec
 
その国は、大陸間弾道ミサイル「東風41」を量産して、大量配備するという。その動機が世界から尊敬される国(換言すれば、世界の警察官)になるためだということである。つまり、世界に恐怖をバラマキ、それを取り除く方法を売りつけるのである。

これら大国のセールスの本質は、パソコン画面にと時々出る画面「あなたのパソコンがウイルスに感染しています」というメッセージを思い出せば分かる。そのメッセージは駆除ソフトを売りつける為なのだ。
 
勿論、北朝鮮と米国の衝突という悲劇的な方向に進むことは一定の確率であり得る。しかし、何事も両面から見ることが大事だという意味で上記の文章を書いた。これらの問題は、日本国が独自の防衛力と核抑止力を持てば解決する。しかし、そんなものを持ってもらっては大国の商売は成り立たないので、許さないだろう。
 (午前9時45分、編集)
 
補足:
1)石油が無いから、アラブから石油を買った国が、その同等の額でこちらの生産品を買ってもらわなければ困るというのは、明らかにおかしい。そんな理屈を通すのなら、貨幣はいらない。ブツブツ交換でよいのだ。
2)何度もブログに書いたように、米国が世界の殆どの国が行っているように、北朝鮮を承認すれば済むことである。30年前に行っていれば、日本や韓国に対する核の脅威は生じなかっただろうし、拉致被害者は出なかっただろう。