日本国憲法は今日3日、施行70年を迎えた。昨日、各党は現行憲法の改正に関し、声明を発表した。自民党は「改正に向けた道筋を鮮明に示すことは国民各層の願いだ」と指摘。「改正への理解促進と幅広い合意形成に向けた活動をこれまで以上に党を挙げて取り組む」という考えを、そして公明党は条項を加える立場とする声明を、それぞれ発表した。
 
”日本維新の会”と”日本のこころ”もそれぞれ改憲の必要性に言及している。それに対し、自由党の小沢氏は「安倍政権は憲法をないがしろにする政治姿勢を続けている」と指摘した。小沢氏は分かっているのだが、そもそも職業として政治をやっているひとであり、議席が第一の輩である。その他野党は護憲の姿勢で、たぶん他国の支配下にある政党なのだろう。https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20170503-00000006-jnn-pol
 
今朝の読売新聞(13版)の一面に安倍総理のインタビューが掲載されており、そこには憲法9条の1,2項はそのまま残し、自衛隊に関する条文を追加することを最優先させるとかかれている。これは公明党の線に沿うことで、何とか自衛軍を憲法にかきたいのだろう。 
 
情けない限りである。安倍総理の案なら、私は憲法改正には反対である。日本人は言葉もまともに使えないことを世界に宣伝することになるからである。今のままなら、マッカーサーに押し付けられたが、改憲の方向が一致せず、70年間手間取っているという言い訳がある。不名誉なことだが、優柔不断な国民だという批判だけで済むだろう。
 
しかし、改正を一度すれば、それは純粋に日本の憲法となる。安倍案では日本国は奇形児的国家に生まれ変わることになり、憲法改悪になる。憲法9条をどう読んでも、自衛隊を合憲とする解釈は不可能である。しかし、非独立国(形だけの独立国)故に、親分が自分で作った憲法を押し付けたのち、それに矛盾する自衛軍を持てと言ったのだという言い訳はあり得る。
 
自前の憲法を持つということは、真の独立国になるということである。憲法を改正するのなら、堂々と自衛軍を持つと書き、最高司令官として首相を置くと書くべきである。それが出来ないのなら、憲法改正などという大それたことを考えるべきでない。
 
これまで憲法が改正できなかったのは、国会議員が本当はその必要性が分かっていなかったからであると思う。それは国会議員の大半がレベルの低い人たちで構成されて来たからである。つまり、政治家を家業とするひとや元官僚という、自分がリスクをとる覚悟のない人が、安易に政治家になってきたのだ。 


そして更に政治家の質を悪くしたのは、かれらの内の有力者が、自分の派閥の拡大を狙ってさらに知的にもレベルの低い、スポーツ選手や芸能人という人たちを政治家にしたからである。それらの中でも大規模なのは、小泉チルドレンと小沢ガールズである。 
 
最も非難されるべきは、国家の防衛を占領軍(米軍)に任せるという致命的なあやまりを、戦後初期&独立後も吉田茂やその後の官僚政治家が続けたことである。憲法改正を本気で考えるのなら、戦中戦後の政治をゼロから総括すべきである。その過程で国民も憲法改正の必要性とその方向に気づくことになるだろうと思う。
1)米国のトランプ大統領は、北朝鮮の金正恩労働党委員長と適当な条件下であれば会談する用意があると発言した。その前日には金正恩氏を称賛する発言をしており、また、北朝鮮も情勢は峠を超えたと発表しているので、着地は近いと思われる。http://www.huffingtonpost.jp/2017/05/01/trump-north-korea_n_16373048.html http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM01H4M_R00C17A5EA2000/
 
日本には拉致被害者救出という解決すべき問題がある。その解決には米朝関係の好転が必須であることを、小泉総理の時代に学んだ筈である。この絶好の機会に米朝の間に入って講和の話をすすめ、それと同時進行的に拉致問題の解決に進まなかったのは、大きな損失だろうと思う。

忘れてはならないのは、日本は朝鮮半島の歴史に深く関与した国であるということである。その朝鮮半島の最終的な和平への寄与が全く無ければ、日本は今後の東アジアでの立場を非常に弱くする筈である。(勿論、未だ最終的に北朝鮮が軟着陸するかどうか分からない。)
 
今月9日の韓国大統領選挙で文在寅候補が当選すると、韓国は北朝鮮への融和姿勢をとり、北朝鮮との統一の話も出てくるだろう。勿論、完全な形での統一は容易ではないので、差し当たり緩やかな同盟関係という形をとると思う。そして、その段階までに日本が北朝鮮の今後に何の関与も無かったとすれば、本来困難な融和&統一のプロセスは、韓国が北朝鮮において「反日」を大きく育て上げ、それをエネルギーにして進めることになると想像する。
 
「反日」は、韓国初代大統領の李承晩が作り上げたものというのが通説である。北朝鮮と韓国が揃って対日歴史の捏造と反日を国是にする可能性大である。日本にとって、憂鬱な時代が来るだろう。
 
2)小泉内閣のとき、拉致問題解決に向けて話が進んだ。日朝平和条約まで進む予定だったのだろうが、米国に何も相談せずにしかも北朝鮮側は非正規のチャンネルを通して行うという変則的な交渉だった。失敗は当然だろう。この件、手島龍一さんのコラムに書かれている。http://www.ryuichiteshima.com/archives/2007/a0300.php
 
他国民を拉致をして諜報活動に用いたという犯罪行為がテーブルに載る話なので、正規のルートで話を進めるのは難しいだろう。また、ブッシュ政権が北朝鮮の体制転覆を狙っているのではないかという金正日の猜疑心が、米国に秘密にした一つの理由だろう。しかし、それでは最終的にうまくいく筈がない。
 
今回のトランプ大統領はこれまでの大統領とは一味違う。安倍総理も拉致問題の解決には熱心であると言われていた。今回こそ、拉致問題の解決と日米と北朝鮮の関係改善の絶好の機会であるにも拘らず、総理は何のアクションもせず、北朝鮮がミサイルを発射するたびに「我が国に対する重大な脅威であり、断じて容認できない」と非難するだけであった。
 
総理は本当に拉致問題の解決をするつもりがあったのだろうか?
北朝鮮の暴発の危険性と日本の憲法改正に関する世論調査
 
1)北朝鮮が1昨日早朝にミサイル実験を行った。昨日の読売新聞一面(14版)には、安倍総理は訪問先のロンドンで記者会見し、北朝鮮の弾道ミサイル発射について「我が国に対する重大な脅威であり、断じて容認できない」と非難したと書かれている。
 
「日米同盟の抑止力は不可欠だ。トランプ氏が全ての選択肢がテーブルの上にあることをことばと行動でしめしていることを高く評価する。」「国際社会が一致して圧力を強める必要がある。」安倍総理のこの姿勢で良いのだろうか。
 
既に何度も書いたように米国等の圧力が、北朝鮮の核兵器開発やミサイル実験を誘発してきたのは、誰でもわかることである。更に圧力が必要だというのは、北朝鮮が暴発するのを期待しているとしか思えない。このままでは“用意された選択肢”の中から、米国が武力行使で対応することになると思われる。もし武力行使をした場合、北朝鮮から日本にミサイルが打ち込まれ、数十万人という死者が出る可能性もある。安倍総理はそれでも仕方がないと考えているのだろうか。
 
太平洋戦争の時に、米国の経済制裁という圧力が日本の対米攻撃の原因となった。同じシナリオを米国の一部は期待しているだろう。被害の殆どは日本と韓国が受け、ダブついた兵器の消費が出来る。その代金は、何れ日本や韓国から召し上げればよい。しかし、今回韓国はその策には乗らないだろう(後述)。
 
2)読売新聞の世論調査では、米国の圧力を評価するという意見が過半数であるという。http://www.yomiuri.co.jp/feature/TO000302/20170416-OYT1T50104.html 安倍内閣の対米従属的な考えが主流の日本で、大衆はその考えに単純に追従しているだけだろう。それでも、流石に安倍総理を信頼して良いのか、日本国民の多くに迷いが生じていると思う。それが以下のもう一つの世論調査の結果である。
 
NHKは、最近世論調査を面談で行った。その結果によると、「憲法改正の必要がある」と答えた人の割合が43%、「必要がない」が34%であった。前回2002年の調査のときより「憲法改正が必要である」が15ポイント下がった。また、「憲法9条の改正が必要」と考える人の割合が25%であり、「改正の必要がない」が57%であった。前回2002年の調査のときより「改正の必要がある」が5ポイント減少し、「必要が無い」が5ポイント増加した。http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170429/k10010966601000.html
 
最近の北朝鮮情勢を考えれば、そして安倍内閣の路線を素直に国民が信じているのなら、憲法9条改正を必要と考える人の割合が増加している筈である。しかし、世論調査の結果は全く逆であった。つまり、安倍総理が進めている憲法改正の動きに否定的な国民が増加しているということである。国民は日本が正式の軍隊を持てば、そして安倍内閣の路線上を日本が進めば、米国の前面にたって中国や北朝鮮に対峙することになると直感的に理解しているのだろう。
 
3)この100年ほどの間に急いで欧米から民主政治を輸入した国家のほとんどは、決して安定した国家の骨組みを獲得していない。例えば、韓国の民主政治も日本同様、全く法治国家の政治の体をなしていない。
 
西欧の民主政治は、表の理想論としての民主主義体制に加えて、裏でそれ有効にハンドリングする為の、「大衆を操作するメカニズム」を置く複合的な制度だろう。それは、大多数を占める弱者の味方であるキリスト教を統治の表看板に用いる、西欧諸国の発明だと思う。(補足1)その西欧の伝統的な政治制度から、表の理想論である民主主義だけを取り入れた(或いは、押し付けられた)国では、そのハンドリング装置(補足2)を持たないので、国家の枠組みが崩壊する危険に曝されることになる。それを埋め合わせて国家を維持するのが、欧米との同盟関係である。それは全く新しい形の変形した植民地政策だと言えないだろうか。
 
その結果、民主主義は西欧が用いる外交的武器となったと思う。丁度、イエズス会が携えたキリスト教が植民地支配の武器となったのと類似のパターンである。
 
国家の防衛と国民の安全を保障するのは、他国の攻撃を抑止する軍事的能力である。それを必死に主張している北朝鮮という国を前にして、尚日本国民は軍事力を持つための法的整備の必要性を否定している。荒海に乗り出さなければこの島は沈む。しかし、荒海を乗り切るだけの船を作り出す自信など、この国にはない。
 
その荒海は自然現象ではなく、ある巨大な国家の作り出したものだとしたら、自信がないのは当然だろう。安倍総理はロシアとイギリスを訪問して、昨日帰国した。戦後レジームからの脱却というキャッチフレーズは、そのあたりの事を考えているのかもしれないが、現実に日本と米国の関係を劇的に変える力には繋がらないだろう。
 
4)韓国の反応:
北朝鮮の動きに呼応してか、韓国の政治が急展開しようとしている。今朝のモーニングサテライトというテレビ番組で、今月前半に行われる韓国大統領候補の支持率が紹介されていた。4月30日の調査では、北朝鮮に融和的な文在寅氏が42.6%の支持を集めてトップを独走する勢いである。
 
新大統領が文氏に決まれば、米韓関係は廻角にさしかかるだろう。韓国民衆は既に、米国の策略の危険性に感づいている可能性がある。フィリピンの様に、今後韓国は米軍を追い出す可能性が高いかもしれない。
 
韓国は日本と違って正式な軍隊を保持している。東西冷戦の一環である朝鮮戦争での死者数は人口比で日本の第2次大戦の死者数の人口比の3倍ほどにも上った。更に、ベトナム戦争でも数千人の死者を出し、米国の世界戦略に付き合いたくないという気分が日本以上に強いだろう。
 
田中宇さんの今朝配信の記事(有料)では、以下のように書いている。韓国の5月9日の大統領選挙で勝って次期大統領になりそうな文在寅(ムン・ジェイン)が、北朝鮮の核兵器開発問題に対する新手の戦略を打ち出している。新戦略案の最も注目すべき点は、韓国軍の対米従属からの離脱、つまり在韓米軍が撤退できる状況を作ることと、北が核弾頭とミサイルの開発をやめた場合の和解策を、抱き合わせにしていることだ。」(著作権の問題がありますので、これ以上は引用しません。)
 
 
米国は現在日本の同盟国である。この同盟国としての位置を維持したまま、憲法を改正して名実ともに独自軍をもった場合、より高い確率或いはより大規模に、米国と連携して(或いは米国の手先となって)北朝鮮や中国に対峙することになる筈。そのことを国民は感覚で、新しい危機として感じているのだろう。そして、その先に真の意味で日本の独立など存在しないと直感的に感じているのだろう。(以上は、素人のメモです。適当に読み飛ばしてください)
 
 補足:
1)近代の民主政治はギリシャ時代の直接民主主義とは全く異る。議会を間に入れることで、大衆とは無関係の勢力が実質的に政治を動かすメカニズムを可能にしている。
2)既に何度か書いてきたので、ここでは書かない。日本と米国の国家組織の比較対照表を作れば自ずとわかるだろう