昨日たまたまyoutubeで大前研一氏の動画を観た。そこでは、財政破綻とハイパーインフレの危険が語られていた。https://www.youtube.com/watch?v=qbhrserTfnQ201589日公開)
 
今後も国家は赤字を出し続けるだろうから、格付け会社による日本国債の格下げなどを切っ掛けにして、ハイパーインフレが何時起こっても不思議ではないと語られていた。
 
大前氏は、その事態に対する準備をすべきだと語っている。個人、特に年金受給者などには、株や不動産などの価値ある資産への預金の移動を勧めている。また、企業などに外債や外国株に投資することを勧めている。(補足1)
 
これらの発言は、大前氏の本音なのだろうかと疑う。日本の企業に外債や外国株に投資する様に勧めるなど、外国への利益誘導的な発言かもしれない。また、日本に於けるハイパーインフレの危険性を、トルコなどの国と同様に考えているのは、誠に不思議である。尚、高いインフレ率の懸念は、野口悠紀雄氏の持論でもあったと記憶する。
 
この他、上の動画では日本政府の財政改革の一環として、道州制の導入に言及している。また、移民の導入を解禁して経済を大きくすべきだとも言っている。それらについては補足で筆者の考えを記す。(補足2)
 
大前氏の動画を見ていた時に、上念司氏の動画のサムネイルが画面横に出てきたので、それを視聴した。そこでは、ハイパーインフレの危険性は全く無いとし、政府は国債を発行して敎育投資や防衛への投資などで経済を刺激し、2%程度のインフレの実現を目指すべきという、大前氏の考えと180度異る議論がなされていた。https://www.youtube.com/watch?v=3mLdQQmStbY
 
経済を專門とする著名な評論家の間で、このように真っ向から意見が違うのは、日本で経済学が未だまともに発展していないからだろう。因みに、野口悠紀雄氏は東大工学部卒で元官僚、元東大教授の経済学者である。大前研一氏は早大理工学部卒で経営コンサルタント、スタンフォード大経営大学院客員教授などの錚々たる肩書を持つ。国債暴落の危険性を指摘するこの二人は、大学は工学部卒の経済学者・評論家である点も共通している。
 
一方、国債暴落とか、高いインフレ(ハイパーインフレ)など起こり得ないと解説している評論家に、三橋貴明氏、上念司氏、高橋洋一氏らがいる。国債暴落などあり得ないという三人のうち、二人は経済学部を卒業している。
 
私自身は殆ど上念司氏や三橋貴明氏の、国債を更に発行をして景気刺激しても、ハイパーインフレにはならないという説を正しいと思っている。以下は上念氏、三橋氏、高橋氏の動画などから学んで、筆者がまとめたものである。
 
その第一の理由は、日本国債は円で発行されていること、そして日銀が国債価格が急激に低下(長期金利の上昇)する兆候が出れば、直ちに国債を買取るという方針を続けるからである。国債を買い支える限り、国債の価格低下は起こらず、金利上昇も起こらない。
 
日銀の貸借対照表は膨張するので、円安を心配する人が多いかもしれない。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43424501.html
しかし、円安になれば、日本の製造業は国際競争力を持つ。現在、経常収支は黒字であり、外貨を円に換えて国内に持ち込む流れは変わらない。それに加えて、製造業がドルを余計に稼ぐことになれば、外国から持ち込むドルの量がその分増えて、円安を解消することになる。日本は、円安にブレーキが掛かるメカニズムを持っているのである。
 
国家の貸借対照表(BS)は依然として、米国よりも日本の方が健全である。この点、高橋洋一氏は、日本国政府の収税機能を資産に換算すれば、その健全さが分かると言っている。兎に角、円建てで国債が発行出来る限り、基軸通貨発行国の国債と同程度に安全であると思う。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43416690.html
 
野口悠紀雄氏は、動画で何れ日銀は量的緩和を終了する必要があると、その出口に言及していた。その際、国債を売らなければならないが、そこで暴落するのではないかと言うのである。しかし、米国連銀のように怪しげな住宅ローン債券などへの投資は日銀には無いので、BSの縮小を急ぐ必要は無いと思う。
 
何年か経過して物価が倍になれば、国債の価値は実質半額になるので、そのまま日銀の資産として持っていても良いと思う。また、物価が上昇しなければ、その場合も国債は健全な資産である。
 
日銀の緩和政策で要注意なのは、突然且つ急激に予定していたインフレが進行した場合である。それは、日銀当座預金に積み上げられた約400兆円に登る預金が、金融業者などにより株式投資などに大量に廻った場合に起こると思う。その際、株式市場はバブル的になる可能性がある。
 
資産価値が上昇した部分のいくらかは、消費市場に流れて物価上昇が起こる。それが行き過ぎた場合は、日銀は更にバブルが成長しないように当座預金に付利をつけることや、国債の放出を考えなければならないだろう。それは、日銀の収益に悪影響を及ぼし、経営の悪化を導くのではないだろうか。それは円安懸念の原因になる。日銀は今の株高進行を少し警戒すべきだと思う。
 
またもう一つ恐ろしいのは、国際関係で異常な事態が生じることであると思うが、それは今回の議論の対象ではないので省略する。
 
(以上は、元理系研究者のメモですので、批判コメント歓迎します。)
 
補足:
1)外国債の購入を勧めるのは、自説の日本国債暴落を実現したいためと言われても、抗弁できないだろう。米国債は、日本国債以上に危険かもしれない。財務情況は明らかに日本より悪い。
 
2)限られた人たちの考えが、議会等の議論なしに走り抜ける現在の日本政府のような政治体制よりも、大前氏の提案している道州制の方が良いと思う。日本は、知的に優秀、且つ、リーダー的素質を持った人が、国家などの組織のトップになりにくい文化の国である。従って、物事はできるだけ分散的に解決するほうが効率的である。そして中央国家は、防衛とか外交という国家の枠組みをしっかりと構築維持することに専念すべきだと思う。
 
次に、「移民解禁は当然」という大前氏の意見には唖然とした。日本経済は日本人のためにあり、外国人の為にあるのではない。人手不足は、デジタル技術の導入などに設備投資をして、労働生産性の向上で対応すべきであると思う。外国人の流入は、優秀で日本の為になる人に限るべきである。移民を安価な労働者として入れるのは、労働生産性を高める機会を逸することになる。
1)放送法第64条は、「テレビを視聴可能な状態で設置したものは、NHKと視聴契約をしなければならない」と規定している。今回、最高裁は、その強制契約が合憲であると判断した。
 
一方、日本国憲法は、憲法13条(個人の尊厳)と憲法29条(財産権)で契約の自由を保障している。これら憲法の条文は、何れも「公共の福祉に反しない限り」と枠をはめている。従って、今回の最高裁判決は、テレビを設置しながらNHKと視聴契約をしないことは、公共の福祉に反する行為であるということを意味する。
 
法律面からNHKの公共性を裏打ちするように、放送法第3節にはNHKの経営委員会の設置、委員の選定、職務等が記載されているので、法的には今回の判決は整合性があるようだ。この点、昨日の記事は誤っていることを認めざるを得ない。(補足1)
 
つまり、NHKの放送内容とか、国民の知る権利を確保する上でNHKが不可欠かどうかなどは、最高裁の判断することではないということである。法的な整合性のみ最高裁は判断するのであり、NHKの受信料のシステムが時代錯誤的であるとすれば、それを改めなかったのは立法府の怠慢であり、その修正を指示することは最高裁の仕事ではないということだろう。
 
2)受信者が契約を拒否した場合、NHK側は「この契約は、契約の申し込みをNHKが行った時に成立し、支払うべき受信料はテレビを設置したときに遡る。」とこの放送法64条を解釈している。一方今回の判決では、NHKが裁判を起こして勝訴した時に視聴契約は成立し、「受信料支払の義務は、テレビ設置の時点に遡る」としている。
 
このNHKが裁判をおこして勝訴することで契約成立と見做すという点を取り上げ、NHKが全てのテレビ設置済の未契約者を対象に裁判を起こすことは困難であるとして、NHKは敗訴したのだと宣伝する「不払い運動の指導者」もいる。https://www.youtube.com/watch?v=80J1hzVRXdk
 
しかし、スタンプを押すように、被告欄に名前を書くだけで訴状が出来上がるのなら、それほど困難ではないだろう。今後、NHKの現状やその受信料のあり方を不適当と考えて居られる方々は、その運動において別の戦略を取るべきだと思う。つまり、相手にすべきは総務省及び国会であり、最終的には放送法を改訂させる方向を考えるべきだろう。
 
放送内容への干渉は経営委員会で可能だが、有識者として選任されるのは他の専門分野で有名になった人ばかりであり、期待薄である。
 
3)この情報化社会にあって、NHKが未だに国民の知る権利を実現するための不可欠な存在だというのは、時代錯誤の極限だと私は思う。現在、我々国民が知る権利を十分活用しえないのは、情報が提供されないからではない。何が本物の情報であり何が作為的に流された情報であるかの識別方法を持たないことである。その点に関して、後で述べる様にNHKの報道は、知る権利を侵害する側である。
 
繰り返しになるが、各種情報をしる上でNHKに頼る必要は殆どない。現状では、国会中継などを除いて、NHKは何の役割も果たしていない。公共放送としての役割は、現在のNHKの五分の一で足りるのであり、その意味では視聴料は現在の十分の一以下で良い筈である。
 
国会中継や総理大臣談話などの公共放送として重要な部分には、例えば、NHKの一つのチャンネルを完全に使い、その放送の経費のみをテレビ設置税として徴収すれば良い。その税の根拠は、丁度自動車税と相似であると思う。公共放送を受信する上で、視聴料を支払わなければならないという論理は、私には理解不能である。
 
それ以外の娯楽番組は、民営化して視聴料を徴収するなり、民間などからスポンサーを受け入れるなりすればよい。前者の方法をとるのなら、未契約者のテレビ画面にはスクランブルをかければ済むことである。現状NHKは、立法府や行政府の怠慢により、抱き合わせ商法で金を稼いでいるといえる。今回最高裁は、その行為に免罪符をあたえたことになる。
 
つまり、三権夫々の立場から、NHKの現状を擁護しているのである。
 
4)NHKの放送内容であるが、公共放送を標榜しながらその質や姿勢は国民の利益に合致しているとは思えない。例えば、1996年に放映した「51年目の戦争責任」では、慰安婦募集に関連して軍が出した通達文を改竄して紹介し、不正な方法を用いてでも慰安婦を調達せよと命じていた証拠を突き止めたとして、その非道を糾弾してみせた。http://blog.goo.ne.jp/chorinkai/e/4d3e5b172db4f6f8f032777a918177ba(補足2)
 
NHK受信料の契約を渋る多くの人達は、この国益に反するNHK公共放送に不満を持っているのである。そのNHKの姿勢が原因なのか結果なのか分からないが、近い過去(自身或いは親)に朝鮮半島などにルーツを持つ人を多く採用していると聞くが、それも国益に反する放送を生む土壌となっていると思う。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43060935.html
 
補足:
1)昨日の記事では、一方的に最高裁の判断を契約の自由を根拠に間違っているとしたが、「公共放送が国家の機能として必要である」と考えられれば、放送法64条の規定は合憲ということになる。現在のNHKの実態が、その役割を果たしているかどうかの審査や、現在のような大きな組織が必要かどうか、視聴料金が高すぎるのではないか、などの判断や適正化への指導などは、総務省や経営委員会の仕事である。
2)慰安婦問題については、朴裕河氏の「帝国の慰安婦」(日本語訳)が公平な視点でかかれている。朴裕河氏と思われる人のブログ記事を私が訳したものを引用しておく。http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2017/07/blog-post_15.html
(17:00、補足1の加筆)
お詫び:NHKの視聴料の問題は、最高裁の他に総務省(NHKの指導)や内閣(経営委員の選任)も責任があると思いますので、最高裁だけを非難するのは、間違いのようです。その点について、次の記事に書きます。
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最高裁は三権の一つの役割を全く果たさない。それは戦後の日本政治を混乱に陥れた。例えば:
自衛隊が違憲であることは、日本語がまともな言語なら憲法9条の条文で明らかである。その判断が最高裁により示されなかった為に、日本は国家の体をなさないようになった。
 
今年の安倍総理による理由なき解散も、最高裁がまともな判断をしなかった結果である。国権の最高機関である筈の国会を、行政の長がなんの理由も無く、スクラップにできるのである。これを違憲としなかったのは、最高裁は単なる行政の下部組織であり、専門家としてのプライドよりも自分の利益を優先するインチキ法律家が判事になっていることを示している。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43459701.html
 
今回、NHKの受信料制度が、憲法が保障する「契約の自由」に反するかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は6日、この制度を「合憲」とする初判断を示した。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171206-00000058-mai-soci
 
下級審の「受信料制度は、公共の福祉に適合し必要性が認められる」という判断が追認されたことになる。
 
NHKの受信料制度は放送法64条を根拠にする。放送法第64条:協会の放送を受信することの出来る受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。(以下省略)
 
ここで重要なのは、「この契約は、契約の申し込みをNHKが行った時に成立し、支払うべき受信料はテレビを設置したときに遡る。」
と言うNHKの解釈であり、これら解釈も(テレビのニュースでは)追認されたと放送していた。
 
追補:12/7/am7, 前半の契約の成立の部分は、今朝の中日新聞によれば間違いです。受信契約の一方的な成立は、裁判でのNHK側の勝訴によって確定する。その時の料金請求はテレビ設置の時点まで遡る。}
 
最近、櫻井よしこさんがyoutube動画上でこの件を議論している。放送法64条とNHKの受信料取り立ての問題点は、そこに全て出ている。https://www.youtube.com/watch?v=q2N4p9SXE1w
 
 
「契約」は、当事者双方の合意に基づく行為である。その日本語の解釈まで曲げて、このNHKの略奪行為を法的に追認したのは、違憲とした場合の混乱を考えた行政的配慮だろう。日本の最高裁は、憲法解釈を全て行政に阿る姿勢で行っている。
 
重ねて言うが、日本は三権分立の国ではない。最高裁は、行政の下の役所に過ぎない。最高裁長官は、専門家のプライドよりも自分の利益を優先する、他の官僚たちと同じく利己主義者である。