811日配信されたチャネル桜の上記表題の討論番組は、先の大戦である太平洋戦争について、そのプロセスや原因について議論したものである。出席者は、小堀桂一郎(東大名誉教授)、高山正之(元産経新聞)、田中英道(東北大名誉教授)、宮崎正弘(作家、評論家) 西岡力(救う会)、上島嘉郎(元正論編集長)、林千勝(戦史研究家)、岩田温(大和大講師)であった。
 
1)この番組では、先ず一時間目に出席者が表題に関連した自分の意見をまとめて述べる。その後、一時間目の残りの時間から議論が始まった。最初の意見提供の場面で、年長者3名が、「日本は大東亜戦争に負けては居ない。実質的には勝ったのだ」という意見を披露したことに驚いた。以下この点について私の考えを書く。
 
大東亜戦争という名は、大日本帝国が国民をこの戦争には大義があるのだと説得し、動員するための呼称である。その名称は、”当時西欧白人の支配下にあった東アジア諸国を日本の支配下におさめることで、それら諸国を植民地支配から開放し、その中で日本の国益と国家の安定を実現するという戦略に基づく戦争だ”という主張を表現している。その主張には、国家存亡の危機を乗り切るための戦争という感じがない。従って、まともな国であったなら、多くの選択肢があった筈である。例えば、米国に満州利権を分けるという戦略等である。
 
江戸末期から、日本は不平等条約を西欧諸国に押し付けられたが、薩長下級武士を中心としたクーデターとその後の国家体制の改革により、それらの国々が作った国際環境を生き抜くことが可能な近代国家を作り上げた。その際、重要な役割をしたのが、対ロシアという点で利害の一致する英国との日英同盟であった。
 
国体護持という観点なら、当然最も近くで満州など当時の日本の覇権域を狙うソ連を仮想敵国と意識するのが本来のあり方だろう。しかし日本軍は逆の方向に進んだ。この辺の議論に関して、以下のサイトが参考になったので引用する。
 
その後、日本も帝国主義的性格を強くして、防衛線を引いてその内部で権益を守るという発想はなく、南進か北進かの議論のみになったように思う。大東亜共栄圏というのも、現在中国が提唱している一帯一路と同じく侵略的視点のもとに作られたと思う。しかし、この討論会で議論する人達は、若い岩田氏以外は、侵略という言葉を使うことに強い抵抗を感じているようであった。
 
先の大戦に日本は敗戦したが、植民地支配されていたインドシナでは地域の民が団結して国家を成し、支配国のオランダやフランスをおいだすことへの道を開いた。それは、西欧白人中心の世界史の曲がり角に位置するが、それを日本の手柄のように誇るのは筋違いだろう。あの戦争が起こした上記世界史上の効果は、副作用的なものである。(補足1)
 
それを、「日本は大東亜戦争に実際は勝ったのだ、何故ならその後次々とアジア諸国は西欧諸国の白人達の軛から開放されたからだ」というのは、負け惜しみというべきだろう。
 
2)3時間目の最後のまとめのところで、上島氏が言った言葉に反論しておきたい。上島氏が正論の編集長時代に「あの戦争を誇りに思って何が悪いのか?」という座談会を行ったのだが、その記事に対する読者の反応に驚いたという。その反応とは、「負けた戦争を何故誇りに思うのか、正論の編集長は気が狂ったのか」というものであった。
 
その反応に対して、上島氏は「戦争の勝ち負けは道徳の優劣ではない。敗れた戦争でも我々には誇りに思うことがあるのだという考えが、日本から消えている。我々人間にも命を懸けて成し遂げないといけないことがあるのだという考えがある。国家も同様であり、その思想と価値を継承して、現在の日本がある。」と主張している。(補足2
 
読者の反応についてはその座談会の記事の内容を読まなければ詳細は分からないが、名誉ある敗北(補足3)を否定している訳ではないと思う。つまり、戦後約50年を経て、今更あの戦争を誇りに思って良いところを殊更強調するために、座談会を開く意図が分からないということだろう。本当にやるべきは、戦争の総合的評価であり、敗戦したのだからそこでは誇ることよりも反省することの方が多い筈である。また、その後の日本建設に役立つのは、その反省の方だろう。読者の批判の論点はそこにあったと想像する。
 
それに引き続いてこの討論会では、この上島氏の意見に賛同する声が続いた。これが日本病の正体である。何をどう議論するかとか、その議論がどうまとまるかよりも、この議論や考え、そして雰囲気の短時間での一点への収斂が日本の病気である。そのように感じた。
 
3)最後に、この動画に書き込んだコメントを再録する。


①最後の小堀さんの意見について; 情報戦に負けたとおっしゃるが、情報の前に意思がある。その意思が変わらなければ、遅かれ早かれ同じ結果になる。例えば、北海道をアイヌ州にするという中国の意思は明確である。それを破壊するのは、情報戦ではない。意思そのものの破壊である。
 
学ぶべき言葉は:「歴史は物語であり、事実の集積ではない」(岡田英弘著作)。韓国問題:事実は違うと言っても、それが韓国の得になる限り、問題は解決しない。韓国対策は、その種の捏造は損になるような仕組みを日本が創ることです。それは違うと何回言っても、意味はありません。
 
2時間45分まで:皆さんの話は要するに、米国には中国を育てて、日本をつぶすという明確な意思があったということになると思います。その意思は米国世論ではないという話もパールバーバー前の米国世論を考えれば明らかでしょう。
 
それでも、米国はユダヤ資本による疑似的独裁国家だったというところに踏み込まないのは何故でしょうか?それから、民主主義とは米国がその国の世論を乗っ取り、その国を支配するための道具であるという明らかな事実を避けている。兎に角、足らないものを埋めることを議論しているが、何か新しい道具を作り出すことしか、日本を救うことはできないのではないのか。
 
何かを明らかにしても、それを使えなければ何の役にもたたない。東京裁判史観など既にひっくり返っているという見方もある。しかし、それが具体的な政治的力になるのか、ならないだろう。
 
 
補足:
1)インドネシア、ベトナム、フィリピン、ビルマの4カ国には、二国間の賠償協定を結び、賠償金を支払っている。もし日本が、それらの国々の独立を視野にいれて戦ったのなら、そんな要求など出てくる筈はない。従って、彼らの考えは間違っている。因みに、毛沢東は日中国交樹立に際して、我々はむしろ日本に感謝していると言い、賠償要求をしていない。
 
2)「人間にとって命は大事であるが、その生命を懸けても成し遂げなければならないことがある」という考えを国家に当てはめるのは間違いだと考える。何故なら、道徳や善悪という概念は人間が形成する社会内部に適用される概念であるが、それは本来野生の原理が支配する国際問題には適用されない。つまり、国家を善や悪で裁くことは出来ない。たとえ話を安易に外挿するのは、インチキレトリックである。
 
3)アイヴァン・モリスというアイルランド出身の人が書いた「高貴なる敗北—日本史の悲劇の英雄たち」という本が話題に上がっていた。是非読みたい本である。日本人としての誇りは、外に向かって主張するのではなく、内に秘めて持ちたいものである。
最初に、この議論の主要なる部分に対して私が受け止めた内容をまとめておきたい。なお、自分の知識も含めて内容を追加した。この討論の感想については、そのうち別に書く予定である。
 
811日配信されたチャネル桜の討論番組において、「もし大東亜戦争の開戦が無かったら?」という題目設定で議論が行われた。出席者は、小堀桂一郎(東大名誉教授)、高山正之(元産経新聞)、田中英道(東北大名誉教授)、宮崎正弘(作家、評論家) 西岡力(救う会)、上島嘉郎(元正論編集長)、林千勝(戦史研究家)、岩田温(大和大講師)である。
 
この討論では、大東亜戦争についての共通理解が出席者になかったからなどの理由から、結果としてかなり自由に先の大戦の原因等について議論がなされた。
 
一時間目に、林千勝氏が指摘した先の大戦についての性格付けが、この戦争に対する共通理解となったと思う。つまり、あの戦争は、F.ルーズベルトの考えたとおりに進められ、そこに近衛文麿内閣も協力的であったというモデルである。その動機は、中国をそして世界を共産主義体制に導くためである。
 
その状況証拠としては、F.ルーズベルトの体制の中に共産主義者が大勢いたことであり、林氏はルーズベルトも共産主義者であったと考えているようである。また、日本の近衛文麿の近くにも、風見章や尾崎秀実といった共産主義スパイが大勢おり、近衛文麿自身が共産主義者であったとしている。(補足1)
 
更に林氏が指摘したのは、日本は大東亜戦争を計画はしたが、実際には日米戦争となったことである。陸海軍のほとんどが対米開戦に反対であったが、山本五十六など海軍首脳部がそちらに向かってしまったという。
 
昭和1611月時点での戦争計画は、南進して石油を抑え、西に進んでインド洋を抑えれば、英国は経済的に封鎖されて陥落するという、“大東亜戦争”と言える計画だった。また、当時の米国世論の80%は戦争すべきでないという意見だったので、軍首脳の考えは絶対にそれを崩すべきではないというものだった。ところが、海軍上層部のみが暴走して、パール・ハーバーを攻撃し太平洋戦争になってしまった。東条英機も東京裁判の中で、そのことを証言している。(要約)
 
もともと、日本の国体護持の為なら日本の直接的脅威であるソ連を叩くべく、北進戦略をとるべきだったのだが、それがいつの間にか南進に方針が変わった。南進になった時点で、なにか別のところから日本に力が働いたと考えられる。
 
そして、陸軍の考えに反して、中国と本格的な戦争になったのだが、それはもっぱら蒋介石政権を攻撃する戦争であった。国共合作の中国で、どういうわけか毛沢東政権はこの戦争に出てこない。(補足2)
 
林氏は、この戦争における共産主義者の役割については、米国ではフーバー回顧録などが発表されて相当明らかになったが、それに加えて近衛文麿政権の詳細を同様の視点から研究すれば、この戦争における東京裁判史観は吹っ飛ぶと言っていた。
 
その背後にあるのは、水島社長がちょっと触れたように、国際共産革命を裏から支えた米国のユダヤ系金融資本である。その点については、それほど深く議論されなかったが、元ウクライナ大使の馬渕睦夫氏がその考えを以下の動画で総括している。https://www.youtube.com/watch?v=-PqwGQ_24Yw
 
この考えによれば、ユダヤ金融資本の画策した最初のグローバリズムの動きが、国際共産主義運動である。そして、次のグローバリズムの動きが、現在世界に広がっている人と資本の垣根としての国家をなくする運動である。つまり、世界の歴史はこれまでユダヤ国際金融資本により動かされたという考えである。その時代が今、かわりつつあるというのである。


補足:
1)近衛文麿が東大を中退し、河上肇のいる京大に移籍して、共産主義を学んだという。また、近衛文麿の近くの共産主義者は数十名であり、すぐにでも20名程度の名前を上げる事が可能であるという。
 
2)毛沢東は、日中国交樹立に際して我々はむしろ日本に感謝しているとして、賠償要求をしていない。http://news.livedoor.com/article/detail/12555533/
 
以下は国際政治や経済に全くの素人が、自分の考えをまとめる意味で書いた記事です。そのつもりで読んでもらいたいと思います。批判的コメントなど、歓迎します。
 
1)中国と米国は新しいタイプの冷戦に入った。米国の大きな貿易赤字と貧富の差の拡大により、経済的に厳しい状況に追い込まれた白人ブルーカラーの声が、政界に届いてトランプ大統領の誕生となったが、その時、(動機は兎も角)その方向は決まったと思う。大統領になったトランプは、その庶民の声を、かなり直線的な形で米国の主張として、世界各国に投げかけている。最初は移民問題をやり玉に揚げて、メキシコなど隣国に、そして最近は貿易赤字問題として、中国、ヨーロッパ、日本など同盟国もやり玉に揚げられている。
 
そんな中、習近平中国の大胆な将来計画とその内外へのアナウンスメントが、まるで地震の本震のように、今になって米国議会を揺るがせた。トランプの方針と合体するように、米国の対中国政策の全体が姿を現した。その真の目的は、一帯一路と「2025 made in china」にストップをかけることのように見える。ただ、トランプ大統領の視野の中心にあるのは、中国の覇権国家への道の封鎖なのか、貿易赤字解消と米国第一主義という孤立主義なのか、未だ明確ではない。
 
米国が、日本やヨーロッパという同盟国も対象にして、例えば自動車の輸入関税を25%にするなどの政策を実行すれば、米国の政策がピンぼけとなり、中国との新冷戦の比重が減少し、早い時期に頓挫する可能性が出てくる。 
 
米国は、中国に対する厳しい姿勢に、ルールと公正の問題であるという逃げ道を用意するため、同盟国にも一定の範囲でこのような政策を取る可能性があるが、それは世界経済の混乱を大規模にする可能性が高い。その重大な影響を避けるために、上記中国たたきも何もかも、それを理由に中途半端な形で中止になる可能性も残されている。それは、北朝鮮の核問題に対する米国の姿勢と同じパターンである。(補足1) 
 
6月下旬、トランプ大統領は一時中国の通信機器大手で、世界シェアトップのZTEと和解合意をまとめた。さっさと目先の利益を得ようとしたことは、トランプの対中国戦略として単に貿易赤字解消や米国ブルーカラーへの仕事の確保が中心であるのかもしれないと思う理由である。上院はその和解案見直しを要請した結果、現在、米国は概ね中国からの輸入品全てに関税をかけることになった。トランプ大統領は変わり身の早い人であり、議会の方の考えに沿うようになったのだろう。https://www.youtube.com/watch?v=jVW1DPGn6wM 
 
米国議会は、先月末に国防権限法案を上下院が調整の末一本化し、中国の通信大手のZTEとファーウエイの利用を米国政府機関が用いること禁止し、海外資本の対米投資の監視を厳格化するなどを決定した。「2025 made in china」にブレーキをかけるためである。新冷戦が米国議会の方針として本格化したことになる。 
 
2)最近、一帯一路とAIIB2025 Made In Chinaなど、世界の覇権を狙った戦略をあからさまにする習近平主席に対する風当たりが中国国内でも強くなっているようだ。(c.f.墨汁革命)おそらくその進路に異論はないのだが、本来こっそりとやるべきところを大号令とともにやったものだから、米国に早々と対決姿勢を取らせてしまったのを批判されているのである。 
 
習近平は、北戴河会議を無事乗り切ったものの、今後どうなるか注目される。ただ、米国は習近平追い落としが目的ではなく、中国の覇権狙いを潰すのが目的なので、それを知っている中国共産党組織は、習近平を今後サポートする可能性もある。つまり、独裁に歯止めをかけたところで内輪もめは止まる可能性が高いかもしれない。(補足2)米国も、世界経済の大混乱を避けなければならないので、それほど大きな争いにならない可能性がある。
 
下記動画は、経済評論家の渡辺哲也氏のこの件に対するコメントである。ここで渡辺氏は、米国自由法と国際緊急経済宣言法という二つの法律で、中国が保有する米国債を無効化する事ができると言っている。https://www.youtube.com/watch?v=A8Uj2z4jS3A 

しかし、私はそのようなことには絶対ならないと思う。それが、本当に発動された場合は、ただちに米国は金融破綻し、ドルは紙くずとなるだろう。(補足3)その結果、世界の政界経済もなにもかも大混乱となる。核兵器と同様、これらも国家存亡の危機に際する非常ボタンであり、あまり早く押すボタンではないからである。
 
何れ米国は強硬策を軟化させるのではないかと思う。それは、世界経済が傾きかけた時に明らかになると思う。それに、中国経済が何れ世界一の規模になるのは何をやっても変わらない。今回の米国の反応は、激しいアレルギーであり、戦略的にも未だ練られていない。米国にその戦略を練る能力がない可能性もある。その疑いは、トランプが大統領に成ったことで濃くなっている。
 
日本の評論家には、「グローバリズムからナショナリズムへの回帰」といって、トランプを持ち上げる人は多い。代表的なのは、馬渕睦夫氏である。しかし、その回帰は時計の針を逆に回すことであり、うまくいく訳がない。中国を、外から環境を作ることで民主化させるとしたら、もっと別の高度な戦略が必要だろう。勿論、そのために圧力をかけているのだろうが、破裂したときに米国経済も世界経済も吹っ飛ぶとしたら、その圧力は安全弁が作動して中途半端に終わるだろう。
 
習近平体制崩壊から、共産党一党支配体制の崩壊が、ベルリンの壁崩壊からソ連崩壊に至ったときのように、ある小さな出来事を切掛にした自然現象のように起これば非常にラッキーだが、そうはいかないだろう。ヨーロッパと中国では歴史も文化も何もかも異なる。中国には帝国が相応しいのであり、その国が欧米の経済環境で肥大したのである。中国が変わるのは、中国内部からである。
 
3) この件で、習近平が北戴河会議などで早々に失脚することなど無いという予測をしたのは、自民党参議院議員の山本一太氏である。https://www.youtube.com/watch?v=j0wvBLczKbM 
 
山本議員は、世界を4つのグループに分けて考えている。一つは米国、自由主義の騎手でありながら米国第一主義の方向に揺れている。二つ目は、権威主義国家というくくりで、中国、ロシア、北朝鮮、イランなどを揚げている。この両者で新冷戦が始まっていると解説する。山本議員の日本の取るべき方針として述べたことについて少し考えてみる。
 
山本議員の分析で、三番目のグループが日本、ヨーロッパ諸国、豪州などの自由主義国、4番目がイスラムやアフリカなど中立国である。最後のグループはどちらが有利になるか風向きを見ていると云う。この新冷戦は、イデオロギー対決ではないので、互いの政治経済システムの有効性を、知恵を使って競うというタイプのものであり、その分、静かに深く進行するという。ここまでの解釈は全く正しいと思う。
 
そのような分類のあと、日本は、平和主義を表に出し、国際貢献を行うことで、自由主義の立場を貫き、地道に存在感を確保するというような主張している。全体的に聞き取りにくい録音なのだが、更にこの部分の内容は分かりにくい。新冷戦において、資金を使って国際協力をし、平和主義を貫くのは、如何にも効率が悪い。私は全くこの主張が理解できない。
 
私は、その4つのグループ分けを、遺伝子による分類のように定めてしまっているのは間違いだと思う。日本国は、トランプの大統領府だけでなく、米国議会などと広く連携を深めることで、米国を自由主義の考えで行動できる国のリーダーとしての道にもどすべきである。つまり、4つのグループを何とか3つにすべく努力すべきである。更に、山本議員の云う権威主義国家群を切り崩し、先ずロシアを自由主義圏に組み込む様に誘導すべきである。
 
習近平の方針には無理がある。つまり、中世的独裁政治の下で、経済だけ自由主義を採用することは無理である。現在の新冷戦は、その無理が中国において顕在化したのが、主原因の一つである。習近平独裁体制と一帯一路などの方針、更にその高らかな宣言は、その中国経済の陰りを乗り越える方針として出されたものである。しかし、それは本来中国が取るべき方向からは益々遠ざかることになる。(補足4)中国経済が自由主義経済体制の中でこのように大きくなってから、このような事になったのは、世界歴史の悲劇だろう。
 
その世界地図を色濃く塗り分けして、真正面から対決する姿勢では、何れ失敗する可能性が高い。せめて少しづつ自由主義経済圏の方に色を塗り替えていく”姑息”な方法を取るべきである。
 
計画経済はうまく動かないことは毛沢東の時代に十分学んでいる筈である。一帯一路の方針も良く出来ているようで、やはり一人の人間の知恵に過ぎない。現在、中国がその方針で投資した多くの国で不満が湧き上がっている。中国のための一帯一路に過ぎないという足元が露呈したのである。
 
繰り返しになるが、ロシアを権威主義国家という形で、中国と連携を強める様に仕向けるのは愚策である。ロシアは一応、大統領制を取っている国である。しかも、地政学的に中国とは潜在的に争いの種が存在する。トランプ大統領の考えのように、自由主義陣営の中に軟着陸できるように誘導すべきだろう。それが、中国を時間はかかるかもしれないが、民主化の方向に動く動機となると思う。その際、特にロシアに関して日本は重要な役割を果たせる可能性が高い。
 
山本議員のいう中立国への国際貢献を大きくすることは、ブラックホールに金を吸い込ませることになるだろうと想像する。
 
補足:
1)北朝鮮の核問題は有耶無耶になっていないと主張する人もいる。しかし、中国との対立は北朝鮮と中国の間を緊密にし、その問題の単独解決などあり得ない状況になっている。
2)日本のネットでは、習近平失脚間近という解説が多い。北戴河会議で、習近平が主席から降ろされる可能性を示唆した人もいる。「ハエも虎も叩く」として、多くの政敵を葬り去ったので、その恨みは共産党の中に深く存在するのは確かだろう。しかし、憲法改正をして、終身国家主席の皇帝のような地位を手に入れた人である。また、北戴河会議の直前に悠々とアフリカ訪問をしている。そんなに簡単には失脚しないだろう。
3)米国債の暴落が起こり、それは連銀の破綻につながると思う。
4)中国国内の経済がおかしくなったから、外国に経済進出してそれを解消しようというのは、そもそも厚かましいのである。