事件は200633日に起こった。高知県吾川郡春野町で発生した白バイ警察官の死亡事故である。現場の様子は、google mapで観ることができる。
https://www.google.co.jp/maps/@33.5212625,133.4735072,3a,75y,287.27h,96.58t/data=!3m6!1e1!3m4!1s8soMHCHAOw3QOi97XcA2sA!2e0!7i13312!8i6656 この事故、死亡した警察官に退職金を出すために、無実のバス運転手に罪がなすりつけられた冤罪事件であると、テレビ朝日系で宣伝された。
 
youtubeでその一つ“報道発「ドキュメンタリー宣言」”(テレビ朝日)を見て、そのように説得させられそうになった。以下この番組を中心にして考察していくことにする。https://www.youtube.com/watch?v=uxEx1PPXD1w
2008年月末放送された;この件は現在再審請求中である。)
 
1)この番組では、事故の説明ではなく、刑務所に服役のために自宅を出るバス運転手と家族の別れの場面から始まる。一通り不条理な事件という印象を視聴者に与えてから、事故の概略が説明される。しかし、その後の語りには嘘が含まれている。
 
動画の3:00過ぎから、「裁判員制度が始まるので、裁判とは何かを知る必要がある」と、番組作りの動機が説明されたあと、事故現場の空からの映像と事故の概略が説明される。①「高知県旧春野町、2,0063月、この交差点で白バイと卒業遠足の中学生を乗せたスクールバスが衝突、白バイ隊員が亡くなりました」との語りが入る。
 
しかし、この段階で嘘が既に含まれている。それは、交差点での事故のように語っている点である。そこは交差点手前ではあるが、交差点ではない。交差点手前の道路外の施設から国道の手前二車線と右折線を横切り、向こう側の車線に入ろうとしたのである。
 
425秒から始まるのは裁判での証言として、当事者の発言が紹介されている。そこまで、現場の詳細な説明は一切ない。バスが国道に侵入した点の左方にある交差点には国道の交通を止める信号など無かったこと、横断歩道のための信号はあるが、それは赤であったことなどの説明が無ければ、事故の原因や責任の在り処がわからない。
 
それら現場の説明を抜きにして、事故についての当事者の語りが始まる。先ず、バス運転手の方の主張が示された。②「右折するため、左右の安全を確認してから国道に入った。他の車が通り過ぎるのを待って、道路中央に停車していたところ、白バイが突っ込んできました。」
 
この証言文が、裁判記録から忠実に再現したという説明はなかった。その所為なのか分からないが、証言内容に不思議な点がある。「右折するため、左右の安全を確認してから国道に入った」と言っているが、国道で右折車線に入る形の普通の右折ではない。③「右方向に向かうので、向こう側の車線に入るため国道に入った」が本来の表現だろう。
 
動画445から検察側の主張が紹介されている。④「片岡運転手は、安全確認を怠り国道に入ってきた。パトロール中の白バイの存在に気づかず、時速510kmで走行中に衝突、急ブレーキを懸け、およそ3m引きずりながら停止した。」
 
事故の本質的な理解のためには、②と④の下線部分の証言を詳細に検証しなければならない。この番組では、それが全く為されていない。従って、この番組は事故の詳細な解析は避け、警察、検察、裁判所による、国民の権利侵害を過大に宣伝するために作られたと考えられる。
 
上記②の運転手による証言によれば、目的車線において通り過ぎる車があったため、国道に侵入後目的車線に入れず、国道の左側に向かう交通を遮断する形で停車せざるを得なかったのである。それは非常に危険な状況であることは、実際に事故が起こり、人が一人死亡したことで明らかである。

 

目的車線に入るために、国道を塞ぐ形で停車しなければならないのなら、国道に入る際に安全確認できたとは言えない。「道路中央に停車していたところ」と言っているが、二車線を塞ぐ形での危険な停車であり、道路中央に停車していたとは言えない。(補足1)
 
この考察で、事故の原因の23はバス運転手の責任であると考えられる。残りの13の責任がバス運転手以外に帰せられるとすれば、パトカーが規則に反して、スピードを出しすぎていたと実証されたときだろう。実際に白バイに乗った警察官にもこの点でのミスがあったのだろう。それを隠蔽するために、警察側が非常におろかな行為ー証拠の捏造ーを行ったのだと私は思う。
 
つまり、バス運転手が制限速度で走行中の白バイに気づかず、かなりの速度で路外施設の駐車場から国道に出て来たために事故が起こったという嘘のシナリオを考え、その証拠となるタイヤ痕を捏造したのだろう。そして、白バイ隊員の退職金を満額出してあげたいという警察の身内を庇う姿勢に、あろうことか検察も裁判所も同調したのだろう。
 
2)テレビ局側は、検察側証言④「片岡運転手は、安全確認を怠り国道に入ってきた。パトロール中の白バイの存在に気づかず、時速510kmで走行中に衝突、急ブレーキを懸け、およそ3m引きずりながら停止した。」の中の、下線部分に含まれた嘘を攻撃する戦略を採用した。攻撃目標を、賢明にも小さく抑えたのである。そこは、検察側が捏造した部分であり、攻撃可能な箇所だからである。
 
しかし、バス運転手が無実であるとするなら、「安全確認を怠り国道に入ってきた」という部分を否定しなければならないのである。その部分が否定できないため、現場周辺の様子の説明をしないで、ごまかしたのだろう。また、事故原因の詳細な解析よりも、バス運転手とその家族の涙の場面を多用したのだろう。
 
上記イタリックで書いた部分が誤りであることの証明に、事故関連の解析時間の大半を費やしている。つまり、バスに乗っていた生徒達が、「バスは衝突時には停止していた」と証言している(補足2)し、時速10kmの走行から急ブレーキをかけても検察側資料にある様なブレーキ痕は出来ないのでその攻撃は簡単である。
 
パトカーの速度は恐らく制限速度を大きく超えていただろう。80km/h以上のスピードが出ていただろうと想像する。衝突時のパトカーのスピードについては、バスの破損の程度で分かる筈である。衝突までにブレーキを踏んだと考えられるから、バスの停車に気づいた時の速度よりも相当減速されている筈である。それらを考察すれば、現場に向かう時の速度はある程度見積もれるだろう。そのような話は一切放送にはなかった。
 
ただ、パトカーに追い抜かれたトラックの運転手の証言が紹介されていた。時速55km位までブレーキを踏んで落としたのだが、そのパトカーは相当のスピードで追い越して行ったという話である。この証言が本当なら、裁判で採用すべき証言である。ただ、この放送ではその人の氏名等個人情報に類するものは全く明らかにされなかったので、真偽の程はあきらかではない。
 
繰り返すが、検察側の主張にあるバスの急停車で出来たブレーキ痕は捏造だろう。既に紹介したブレーキ痕捏造の話にこの動画で事故分析の時間の多くを使っている。(10001800の約8分間)このような捏造をする背景には、パトカーの責任が問われると、死亡退職金が出なくなる可能性があるので、高知県警が身内を庇うために行ったのだろうとの推測が語られている。
 
3)この動画に見る限り、双方に事故の責任があると思われるが、既述のようにバス運転手の責任の方が大きいだろう。繰り返すが、番組では衝突時にバスが動いていたかどうかが、責任所在の分岐点のような紹介があったが、そうではないと思う。
 
本来、バスは出来るだけ早く動いて、反対側車線に出て右方向に走り去るべきだった。また、そのような運転ができない限り、国道に出るべきではない。ましてや、国道の片側を塞ぐ形で停車を続け、その結果死亡事故が発生すれば、現在なら危険運転致死罪として告発される可能性があるだろう。
 
この番組では、事故の原因に迫るというスタンスではなく、警察と検察、そして裁判所が結託して、バス運転手に事故の責任をなすりつけたというシナリオにそって、その論理の組み立てと補強、そしてその非難に重点がおかれている。そのために、バス運転手の家庭の事情や当時の学校の生徒の活動などの映像に半分以上の時間が費やされている。
 
この件における警察、検察、裁判所の作った国民に対する不信感は、相当この国の司法制度に悪影響を及ぼすだろう。その責任は、バス運転手が起こした一死亡事故に対する責任よりも大きいだろう。この事件とその捜査に対する不正は、国民のこれら機関に対する信頼感、更に国家に対する信頼感を大きく損なったといえるだろう。
 
また、この番組の内容で分かるように、この報道機関は事故の中心から国民の視線を逸らせて、国家機関の不正を攻撃する材料としてこの事故を利用しているように見える。この件の報道を行った機関は、あの慰安婦問題の捏造などに関わった機関でもある。このような報道機関に一定の価値を与え結果的に支援しているのが、この国の政治のあり方だと言える。
 
(筆者は運転免許は持っていますが、道交法等については素人です。間違い等の指摘があればご指摘ください。)
 
補足:

 

1)バスが止まっているので、白バイはその前方を通過しようとしたのだろう。まさにその時に、停車していたバスが目的車線に向かって発進したために、白バイに衝突したという解析もある。https://togetter.com/li/783291
それが妥当な解釈だろう。何故なら、止まり続けていたのなら、そのバスの前方を通過することが可能だからである。勿論、白バイはバスが動き出すことも考えて、止まるべきだった。

 

2)子供たちでも集団で証言するとき、その証言の信憑性は薄い。テレビ報道も周辺も全て、バスの運転は正常であったという主張を欲していることを敏感に察知し、自然にその方向にある程度誘導されるからである。
因みに、ある中学生が545ころから意味有りげな説明をしている。「反対側の車が動いていたので、そこでずっとまってて、そろそろ行けるかなと思った頃に白バイがぶつかった」と言っているのである。「そろそろ行けるかなと思った頃に」というが、何故そろそろ行けるかなと思ったのか? それは動き出したからではないのか? 
科学の発展と伴に、人類は高度な文明を築いた。その歴史を簡単に振り返り、その二人三脚はもう終わったことを示す。そして、次世代の大型加速器「国際リニアコライダーILC」の日本での建設は(補足1)、貧乏国になりつつある国の金(かね)の無駄遣いであると思う。ILCは、日本が岩手県に誘致することを検討している。(追補:「科学=物理と化学の理論」と科学を狭く定義して議論しています。9/25 早朝)
 
1)文明の本格的な発展は、農業の始まりと伴にスタートした。(ジレッド・ダイヤモンド著の「銃、病原菌、鉄」参照)農業は、鉄を入手することで本格的に発展した。鉄鉱石は一般に鉄をプラス二価又は三価のイオンで含んでおり、そこから鉄を取り出すには炭などの還元剤とかなりの高温で熱する必要がある。(補足2)その技術開発は、科学の一分野である化学の誕生とも言える。
 
機械文明の発展は、蒸気機関の開発が契機になったと思う。それは熱を機械的運動に換える装置であり、物理学の熱力学も同時に発展した。装置には鉄が主に用いられた。ここまでは、科学は技術の後を追っていたのかもしれない。在る特定の技術は、それまで発展した文明の上に経験的に得られた可能性が大きいからである。ただ、発芽した技術が大きく発展するためには、科学的考察を必要としたから、二人三脚と考えるのが正しいと思う。(補足3)
 
現代の高度な電子技術文明は、それまでの真空技術などの技術の総体と量子力学とそれを応用した物性物理の発達の結果である。量子論は、物質の性質を電子のエネルギー状態と微視的な運動で記述することに成功した。その物性物理学進展の結果、半導体を高度な接合技術で組み合わせて、論理回路をつくりあげるなど(補足4)、人工頭脳的な装置を作り上げたることまで可能になった。この段階では、科学が技術を引っ張る役割を果たしたと思う。
 
未来の技術として期待されたのが、原子力技術である。これはアインシュタインの相対性理論と核化学(補足5)を組み合わせた技術である。この段階では、完全に科学的成果が新しい技術を生むことに繋がった。それは原子力発電(特に増殖炉)という、人類からエネルギー問題の払拭を可能にする技術を産んだ様に見えたが、核爆弾による悲劇を産み、人類絶滅の危険性も同時に産み出した。
 
ここまでの科学と技術の二人三脚を振り返ると、人間が両手で実験し、経験可能な現象を対象にした科学は、人類に繁栄をもたらす文明の基礎となり得た。それは、例え悪用され個人の範囲で悲劇を生むことはあっても、人類の絶滅の恐れなど招かない。

 

しかし、現在の素粒子物理の領域は、少数の特別の才能を持った科学者のみが踏み込む通常経験不可能な領域であり、その研究の結果がどのような危険性を招くか分からないし(補足6)、そもそも個人の生活を個人のレベルで豊かにするような文明に貢献することなどないのである。
 
 
2)例えば、スーパーカミオカンデの建設と維持には、これまで1000億円を超える金が使われたが、この中で発見されたニュートリノの質量についての話は、人類の文明に寄与することはないだろう。(補足7)極端な話、何人かの知的遊びに使われ、ノーベル賞をプレゼントしただけである。
 
それは、人間の経験を遥かに超えるところでの現象に関する研究であり、従って、人間の生活に寄与する筈がない。あり得るとすれば、日本の国際的印象を多少良くする位であり、質的に異なるが大谷翔平さんや大坂なおみさんのと同列に語られるものだと思う。
 
今回のリニア加速器で、「宇宙誕生の謎を明らかにする」という(補足1に引用した三橋貴明氏の動画で三橋氏により語られている言葉)のは、単に無知な大衆に向けたキャッチフレーズであり、人類に宇宙誕生の謎など分かる筈がない。
 
科学者たちは、一般大衆に一つのごまかしを用いて、説得を試みている。それは、「科学は真実の集積である」という嘘である。正しくは、「科学は仮説の集積である」。仮説とは、そう考えればこれまでの現象が説明できるという「仮定」である。宇宙の誕生の場面を、やっぱりそうだったと将来人類が経験出来ない以上、「宇宙誕生の謎を明らかにする」ことは論理的に不可能なのだ。
 
 
重要なポイントなので繰り返す。仮説であっても、次の体験の予測と体験後の説明に使える仮説と、そうでない仮説がある。宇宙の誕生に関する仮説から、人類のどの体験を予測し、それを説明するのか。そんなものは存在しない。人類の体験とは無関係な分野での仮説を得るのに、国家のレベルで支援するのは間違いである。
 
 文明と科学の二人三脚は、相対性理論という科学の分野で終わりになった。それ以降の先端物理は文科省科研費なども含めて一定のパトロンの支援の元で行うべきであり、国民全てが支援する形の国家プロジェクトとして推進することは、国民の財産の無駄遣いである。
 
補足:

 

1)このILCの件、三橋貴明氏が9月21日公開のyoutube動画(マット安川のズバリ勝負)で、その誘致を主張していることで知った。https://www.youtube.com/watch?v=Bt6XKTHh_EU 建設費用として、日本が5000億円負担しなければならないが、そのGDPを押し上げる経済効果は、4-5兆円にもなると、三橋氏が主張している。この件、調べてみると日経でも報道されている。
三橋氏の大きな経済効果は、私には法螺に聞こえる。何故なら、そんなに経済効果があるのなら、引き受けてが多く競争になって然るべきである。しかし、そうは成っておらず、CERNと日本側研究者は計画の縮小を検討しているという。
 
2)酸化とは、原子がプラスイオンの形になることである。それが電荷を帯びない状態になることを還元という。

 

3)よく聞く話「手違いがありそれが大発明に繋がった」というのがその証拠である。しかし、その発見後、科学的考察が「その手違いが偶然に行われた最善の実験であった」ことを説明し、次の科学と文明の発展の基礎としたのである。経験だけでは、この文明は築けなかったのである。

 

4)それ以前に真空管による同調、増幅、検波などの電気回路を組み上げることに成功し、電信技術や放送技術となって結実している。トランジスタは真空管である三極管を半導体で再現したものである。何方でも、論理回路を組み上げることが出来るが、トランジスタの発明は装置の小型化と省エネを可能にした。

 

5)例えば、ウラン235に低速で中性子をぶつけ反応させると、イットリウムとヨウ素に分裂する。また、ウラン238が中性子と反応して、プルトニウム239になる。核化学とは、そのような原子核の反応や崩壊を研究する学問。

 

6)例えば、ホーキング博士がヒッグス粒子の研究の進展を地球の終焉につながることを心配をしていたという話がある。http://karapaia.com/archives/52174036.html ; https://www.excite.co.jp/News/odd/Tocana_201510_post_7680.html
 
7)勿論科学技術という文化のいち側面に大きく寄与しただろう。文化と文明の違いに注意してほしい。
スペースX社の月周回旅行に日本の前澤ZoZoタウン(スタートツデイ社3092)の経営者前澤友作氏が予約第一号として搭乗するという計画発表が米国でなされ、日本でも話題になっている。この話が今朝のウエイクで放映された。
 
そこで、宇宙飛行士の山崎さんが、「5年後だと開発を加速度的に行えば成功する可能性はある」というコメントをしていた。このコメントは不思議である。何故なら、45年以上前に、NASAは有人月着陸旅行を成功させている筈である。その技術をそのまま用いれば、開発費も不要であり、簡単にできる筈である。
 
何故なら、月着陸を行う旅行よりも月周回旅行の方がはるかに簡単である。月周回旅行には、月着陸船14.7トン(ウイキペディア参照)が不要なことを考えただけで、どれだけ月着陸旅行に比べて簡単かがわかるだろう。
 
それでも、山崎さんは5年間の開発は、今のペースでは間に合わないと言っているのだ。何故か? 以前のブログに、アポロ計画で有人月着陸旅行したという話は嘘であるとの結論を書いた。
 
アポロ計画の月着陸捏造説については、ロシアのロケットで国際宇宙ステーションに搭乗する日本人宇宙飛行士は皆、ロシアでの訓練の時に知らされているという話をどこかで読んだ。山崎さんの上記の解説は、その話と整合性がある。昨年のブログにも、ロケットの性能からアポロ計画のサターンVでは、有人月着陸旅行は無理ではないかと書いた。
 
高度なAI技術をもってしても、弾道軌道(と少しの姿勢制御等)で月を周回し、地球に帰還することは非常に困難だろう。

 

スペースX社(米国)は、火星移住計画構想を発表して話題になった(https://matome.naver.jp/odai/2135409072033199001)。 また同社は、2018年中に月周回旅行に2名を送る計画だという話だった(http://www.bbc.com/japanese/39111989 )。これらの話にケリをつけてから、新しい話をしてもらいたいものだ。
 
BBCはこの件どう報じているか、ネットで見てみたが、一切無視している。ロシアのスプートニクも同様に何も報じていない。ZOZOタウンの前澤さんの彼女の事務所も至って冷静に、月には行かないと言っている。

 

兎に角、馬鹿馬鹿しい話である。