チャンネル桜の水島聡氏が伊藤貫氏を招待し、伊藤氏の世界情勢と日本についての解説を聴く番組を作った。https://www.youtube.com/watch?v=0bwlpoETjxQ&t=5069s 伊藤氏の分析には非常に説得力があり、多くの方に推薦したいと思う。ただ、時間が1時間少しであり、現代文明論から世界政治への話の転換が、完全に理解できたと言い切る自信はない。
 
そこで、前半部分に限って自分自身の考えをまとめ、伊藤貫氏の話を引用しながら書き進める。話の後半部分については、後日別の記事にする予定である。
 
1)近代までの歴史: 
現在、世界は冷戦後米国一極体制から多極化或いは米中の二極化の世界に移行しつつある。その移行がスムースに行く筈はなく、混乱の始まりのような昨今である。この歴史的な大転換の時代を一言で形容すれば、20世紀に最高潮となった「近代」が終わり、政治も所謂ポストモダンの時代になったということになる。番組では、そこまでの経緯が簡単に紹介されている。 
 
中世の束縛の時代から、ルネッサンス、18世紀の啓蒙主義、19世紀の産業革命からベンサムの功利主義、そして、科学技術の進歩と物質的利益を追求する時代になる。そして政治的には、市民革命から主権国家体制が出来上がる。それが、近代の始まりと成立である。近代の成熟と共産主義運動など近代の崩壊が世界で不均一に進行したのが20世紀後半である。
 
近代の成熟と崩壊(進行中)は、アメリカが中心舞台である。その中心を成すアメリカ主義とは、物質主義、マテリアリズム崇拝が中心である。そこでは、自然科学、技術、金が中心価値を持ち、その追求競争に勝ったアメリカは世界一強力な国となり、経済、軍事、技術で世界を制覇するようになる。(補足1) 
 
その物質主義の風潮の中で、19世紀の中頃から庶民レベルでも神を信じなくなる。人類は、神聖なものや崇高なものを失い、マテリアリズムに対抗するものがなくなった。神や崇高なものがなくなった時、自分自身の利益を最大化するのが賢明だという風に、経済モデルで合理化される。ネオクラシカルエコノミーである。(日本語サイトには無いが、英語には説明があったので一応示しておく。
 
その近代主義下での経済発展は、米国の世界支配で最高潮に達した。自分自身の利益を優先するのが合理的なら、そして経済発展でマスコミやインターネットなどで発言の方法と声の大きさが大きくなったなら、多くの“自分自身”が別々に利益を追い求めて衝突するのは自然である。それと同時に、神や崇高な思想が根底にある理想論が力を失うことで、ポストモダンの主張が出現した。 
 
2)ポストモダンの始まり: 
支配層の本音と建前の乖離が明らかになった時、 その修正圧力として個々の事情に配慮すべきだというマイノリティーの主張が強くなる。そして、アイデンティティー・ポリティックスの時代に入る。その結果、 “人類の価値”は共通の基準を持たなくなり、多くのマイノリティーの価値に分断されることになる。 
 
世界はマジョリティーを失い、異なるマイノリティーの集合となる。マイノリティーの内部では言葉は通じるものの、異なったマイノリティーの間では言葉が通じなくなる。それはポストモダンへの入り口であるが、混乱した世界の始まりとも言える。(補足2) 
 
現在、世界は様々な発展段階にある国々で構成されている。ポストモダンの入り口に入った欧米民主主義国家と、中世への逆戻りのようなアジアの強国、更には未だに中世のような他の国もある。 
 
経済の発展は、文明の進展をもたらした様にも見えるが、人は文化を失いかけている。伊藤氏は、「文化は三代かけないと本物とならない」というT。S。エリオットの言葉を紹介して、現代が文化的に非常に貧しくなっていると指摘する。その原因を指摘したのはドイツ文学を大学で専攻した司会役の水島総氏である。世界経済の変遷(進歩)のスピードが速く、そして人の移動も大きく速くなり、「現代」は文化が本物となる時間的余裕を無くしたからである。 
 
経済学には、その人間の文化に対する配慮は全くなく、世界的経済競争の中に追い落とされた現代人から文化的側面をそぎ取ることになった。経済学とは恐ろしい学問だと伊藤氏は最後の部分で言う。(補足3) 
 
3)米国の近代からポストモダンへの移行: 
伊藤貫氏によると、近代の二枚舌政治を象徴するのが、第三代米国大統領のジェファーソンの政治である。人は生まれながらに平等で自由であると謳うアメリカ独立宣言を起草する一方、彼は多くの奴隷を持ち、性奴隷とした黒人女性に新たに奴隷となる子供を産ませた。 
 
つまり、近代は、理想主義を掲げる一方で、現実主義の実践によって可能になったのであり、それは欺瞞の産物である。伊藤氏は更に、同様の政治家であると第28代ウィルソン大統領を紹介した。偉大な米国覇権は、その二枚舌により作られ維持されてきたのだ。 
 
しかし、それが行き詰まって来たのが現代であり、それにより始まったのが、アイデンティティー・ポリティックスという分裂混乱の政治である。社会的弱者が、自分の立場(アイデンティティー)を明らかにし、その少数者の利益を政治に反映しようという活動として始まった。 
 
伊藤氏の話には無かったが、その多くのアイデンティティーを主張するなかで、巨大な力を持ったマイノリティーが存在する。それがユダヤ民族を中心とした米国経済の支配層である。 
 
マイノリティーの権利を主張する方法で、世界を牛耳ったと豪語したのが、あのブレジンスキー元補佐官(カーター政権)である。(補足4)マイノリティーが成長して、マジョリティーになることを目指したが、それは成功しそうにないというのが、昨今の混乱が示している。ポストモダンから、新しい高性能な近代に戻ることを目指したともとれるが、そうではないだろう。 
 
単なるエゴイスティックな支配を目論んだのだと思う。それも、上述のようにこれ迄さんざん利用したマスコミに代わって、インターネットの時代には、二枚舌もブレジンスキーらの目指した世界支配も暴露されるからである。それをブレジンスキーはカナダでの講演で嘆いている。「昨今、政治を知る大衆が増加した。その百万人を説得するよりも、殺す方がはるかに簡単である」と言ったのである。
 
この一連の企みは、人権思想とマイノリティーの権利保護を連結した主張を武器に、グローバル経済から政治のグローバル化を目指し、最終的に世界平和とグローバル社会の構築を目指したと主張されるだろう。(上記高性能な近代)しかしそれは理想論であり二枚舌のうち、前にでている部分である。現実論としては、グローバル経済とその支配による自己の利益の最大化を目指したに過ぎない。上記のブレジンスキーの言葉は、その利己主義を証明したのである。 
 
別の表現で同じ内容を繰り返す。それは上記崇高な理想論にしては、十分に緻密な論理で組み立てられた戦略がなかった。米国の力を利用した、国際共産主義革命や政治経済のグローバル化は、単に国際資本に利益を流し込む壮大な利己主義に過ぎなかったのだろう。 
 
そして、世界は混乱の時代に入る。それを議論すると、終末論になるかもしれない。既に紹介した伊藤貫氏と水島聡氏との会談の最後近くで伊藤貫氏が言った言葉、「経済は恐ろしい学問です」に対する以下のようなコメントを投稿した。それをそのままここに再録する。
 
「経済学は恐ろしい学問です。その同じ論理で、自然科学や医学、工学も同じように、恐ろしい学問です。要するに、一定の優秀な知能をもっていても専門家にしかなれないほどに、専門的学問が進んでしまうと、人間文明におけるバベルの塔の話の再現になります。それが文明の崩壊という現象でしょう。 
 
「言葉が通じなくなった」と伊藤さんがおっしゃるポストモダンも同じ現象でしょう。つまり、人間には一定のローソクしか与えられて居ないのだが、それを使い切ってしまえば、暗闇の中に投げ込まれるのだと思います。ある意味で終末論はただしいのでしょう。」
 
(以上は、私的メモとしてアップロードします。批判等歓迎します。語句の編集あり1/4/11:00)
 
補足:
1)纏まった歴史と呼べるほどの独自の歴史を持たない米国が、近代の舞台になったことが人類の不幸だった可能性が高い。米国は、伊藤貫氏が言うように、「文化に貧しい現代」を作り上げた主役である。その米国を牛耳ったのが、国家をもたないユダヤ民族だったとすれば、この記事の後半にあるブレジンスキー氏(カーター政権時の安全保障担当補佐官)の言葉が理解できるだろう。
2)移民を入れて、日本をアメリカ化する企みは、日本を混乱に導く陰謀である。チャネル桜の水島社長には、もっと早くその反対運動を開始してほしかった。
3)人間の限られた能力は、学問を細分化する道を強要する。それは、「人類を群盲象を撫でる」状態に導くことになる。伊藤貫氏は「経済学は恐ろしい学問です」と言ったが、全ての学問は恐ろしいのだ。医学も恐ろしい学問であることが、最近明らかになりつつある。物理学が恐ろしい学問であることは既にほとんどが理解しているはずだが、「基礎学問支援が大事だ」と繰り返すのが、恐ろしい学問の信奉者たちの筆頭に位置する愚かなN賞受賞者たちである。
4)馬渕睦夫氏がこのことを自身のブログ的動画で明らかにした。https://www.youtube.com/watch?v=Z85BnnOPmZ4&t=412s
若い人には無料通信ソフトであるラインを使っている人が多いと聞く。ラインは、映像付きの通信アプリであるスカイプの後に現れた。その機能は、インド、ヨーロッパ、ロシア、北米で広く使われている、一歩先に出現したViber(https://ja.wikipedia.org/wiki/Viber)のパクリだという指摘もある。

ライン社は、韓国のインターネット通信会社であるNaver社(1999年に設立)の100%子会社として2000年に日本で設立された。現在でも73%ほどの株をNaver社が保有しており、完全に韓国の会社である。(ヤフーの株式欄参照)

無料で気軽に使えるためか、日本でのI.D.数は7800万あり、しかもいまだに増加傾向にある。ここで取り上げるのは、その私的通信の全てを韓国政府機関(国情院)が傍受可能であるという動画が、youtube上に現れたからである。https://www.youtube.com/watch?v=YCT3e7dwjdg 

この話が新鮮に思えたのだが、実は2014年に指摘されたいた。ラインが日本で上場すると発表された時、その予定日時の直前にその疑惑が出現した。その結果、当時の社長が辞任している。従って記憶にあって良いのだが、老害なのか全く関心がなかったのか、私の記憶にはない。

韓国国情院が傍受可能なのは、韓国に私的通信を守るという法律がないからだと上記動画の主が言っている。それを支持している他のサイトもある。https://iphoneteq.net/news/line-korean-spy そう言えば、ラインはロシアでは禁止されたという話を思い出した。米国など諸外国ではほとんど使っている人は居ないのは、その疑惑の所為かもしれない。(補足1)

LINEの使用者は韓国にいないが、親会社のNaver社により同様の通信アプリ、カカオトークが配布されている。そして、その通信は韓国国情院により傍受されているという。(補足2)現在、韓国と日本は敵対国と言って良い位の関係であり、日本でもっと心配の声が上がっても良い筈だ。


日本は、文化の細部では意識から抜けている部分はあるものの、形式としては西欧的な意味での法治国家であることは確かであり、国民もそれを疑ってはいない。しかし、東アジアでは、そうでない国の方が多いようだ。隣国(補足3)とその隣の大国(補足4)は、形式的にも西欧的法治国家とは言えない。

因みに、一旦取りやめになったラインの上場は、2016年7月15日、東証一部(3938)で実現し、千億円以上の金を調達したようだ。

日本国内でのラインによる通信が、傍受されていることを否定する記事もネット上には出てくる。https://blogos.com/article/88971/
しかし、上記記事は2014の騒ぎの直後に出されており、信憑性が薄い。高度な暗号技術により保護されていると言っても、一般の信用は得られないだろう。

その疑惑を支持するかのように、ロシアでの禁止の他、インドネシアでも登録数が激減している。2018年第三期のラインの株主情報によれば、昨年3500万だった登録数が2200万になっているのだ。https://scdn.line-apps.com/stf/linecorp/ja/ir/all/FY18Q3_Presentation.pdf

これらの疑惑が晴れたとしても、韓国で私的通信を保護する法律が整備されていないということと、ラインが完全に韓国企業であることが問題である。
(午前9:30、9:58編集あり)

補足:

1)ライン社の株主総会資料によれば、ライン登録者数は合計約1兆6000億である。各国の登録数(百万単位)は、日本(78)、台湾(21)、タイ(44)、インドネシア(22)である。

2)2017年にも次の記事が出ており、そこでは韓国にそのような法令がないということを、2014年の記事の引用により主張している。https://iphoneteq.net/faq/post-1762

3)この件だけではない。隣国では、親日だった人を炙り出して、その財産を没収するという事後法が適用されている。

4)中国では、全国民の国家への貢献度を数値化して、国家による待遇を差別化する制度が発足している。https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/05/14-8.php

1)日韓の問題: 
韓国の軍艦が自衛隊哨戒機に向かってレーザー光で照準を合わしたとするケースで、日本側は「証拠画像」とする動画を公開した。韓国軍艦が北朝鮮の漁船員を救助する現場に、日本側哨戒機がその様子を撮影するために相当近づいたのだろう。そして、韓国軍艦は、自衛隊哨戒機を追い払う目的でレーザー照射したのだろう。https://www.jiji.com/jc/movie?p=n001265
 
この動画では、自衛隊員は終始冷静に対応しているように見えた。何度か、「韓国軍艦船舶番号(Hull Number) 971。こちら日本Navy。我々はそちらのFCアンテナがこちらに向けられたことを確認した。何の目的なのか」という問いかけたが、その都度長い沈黙が後に続く。その後、「避けたほうがいいですね」という隊員の言葉で、自衛隊機が現場を徐々に離れたようだ。日韓の間に立ちこめる“苛立ちの空気”が伝わってくるように感じる。ただ、到るところに入る字幕「確認作業中」の時間帯でどの様な音声が入っているのか気になる。
 
動画では正確な高度やそのレーザー光が見えている訳ではないので、直接的証拠にはならないという韓国側の主張もある。しかし、そのように主張するには、あの沈黙から無理があるのは確かだろう。応答音声が入る設定になっていたとすればだが。しかし、攻撃の意図など皆無であることは確かだろう。http://japan.hani.co.kr/arti/international/32441.html
 
韓国軍側には、人道的な見地から当然のこととは言え、北朝鮮の漁船員救助の様子を日本側に撮影されることに、一種の不快感があったのだろう。それは、北朝鮮政府との何らかの接触と観られる可能性を意識したのかもしれない。この件、日韓双方はこの辺りで沈静化すべきである。日本政府も、韓国軍と日本自衛隊の長い協力関係に十分配慮すべきで、支持率の下がっている文在寅の韓国政府を韓国の全てと考えないことが重要であると思う。 
 
安倍総理は頭にきて、渋る防衛大臣を強引に押し切り、動画公開を指示したと記事には書かれている。国家のトップが頭に来るというのは、我が国が傲慢か無知かの何方かである方に率いられていることになるので、この総理周辺に関する報道の部分は誤報であってほしい。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181228-00000110-jij-pol 
 
2)北朝鮮との関係:
最近、北朝鮮と米国の交渉が進んでいないようである。そして、マティス国防長官がトランプ政権から去った。このことは、米朝関係が今後どのように進むのか、非常に深刻なことになりはしないか、心配である。
 
マティス辞任は、トランプが相談無くシリアからの米軍撤退を指示したことが直接原因だという解説が多い様だ。それは、ロシアとの衝突を中東で避けて、対立関係を、一点つまり中国に集中するためという解説もあった。(北野幸伯氏メルマガ)それなら、上記ヤフーニュースが懸念するように、米軍は韓国から撤退しないだろう。 
 
もしそうだとすると、朝鮮半島のポイントは、トランプが北朝鮮を日本や韓国が納得するように如何に軟着陸させるかということになる。それには、トランプが北朝鮮との間で、北朝鮮の非核化(朝鮮半島の非核化)を段階的に行うという合意を、日韓の同意を得たのちにすることだろう。おそらく、そのためには米軍核兵器の日本国内持込を、日米韓で合意決定することが必要だと思う。 
 
それには、日韓の関係を緊密な形に修復することが前提条件となる。そう考えると、今回のFCレーザー照射を大きく問題化するのは愚策だと思う。自衛隊も、官邸は彼らよりもかなり素人的であることを十分考えて、中心的情報のみに限って流すべきだと思う。この件、従来の歴史認識問題とかでの対立とは異なり、現在進行型の問題である。日韓双方は、先ずその事を確認した方が良いと思う。
 
北朝鮮も、最近はどうしたら良いのか分からない状況だろうと、危惧する。この寒空に、恐らく凍死者も出ているだろう。その情況下で不足するエネルギーに苦しんでいるだろう。日本側としては、人道的な対応も、小出しにでも良いから考えるべきだと思う。その中で、小さな解決の糸口が見つかる可能性もあると思う。 
 
米国の大きな戦略に協力することも大事だが、韓半島と日本という地域の安定に対する独自の寄与も日本は考えるべきではないだろうか。その姿勢は、日韓両軍の猜疑心と警戒心の空気を一掃する可能性もある。兎に角、第三次世界大戦の現場にこの地域をしてはならない。(以上、素人のメモとして書きました。)

追補:(2019/1/1 pm7:00) 上に書いたように、北朝鮮には後ろめたさがあったという可能性が一層高まりました。それは自衛隊哨戒機は、韓国側が、国連決議に違反するかたちで北朝鮮側に物資を船から船に移し替える行為(所謂セドリ)をしないかどうかの監視をしていたようです。つまり、日本単独の行為ではなく、国連の決議に基づく行為だそうです。https://www.youtube.com/watch?v=2BI4d-VLROE