1)貧しい国ほど貧富の差が大きい

一般に貧しい国ほど貧富の差が大きい。そして、多くの貧しい国では、実質的に独裁政権が国を制圧している。貧しい国では一般大衆は常に強い不満を持ち、政治的にエネルギーが高くなっている。その様な状況では、極端な場合、独裁恐怖政治のみが政治的に安定となる。そして、自由の無い国では、自国発の技術開発などによる経済発展は望めないのだ。

 

独裁政権では、政権に近い者は豊かであり、遠い者は貧しい。もし、政権に遠い者が豊かになれば、其の政権は転覆される可能性がたかくなる。経済力は政治力に変換されるからである。つまり、遠くのものは徹底的に差別し搾取することが、独裁政権の安定化には必要である。(補足1)

 

貧富の差を表す指数としてジニ係数がよく知られている。その説明を簡単に行うが、以前の記事の方がわかりやすいかもしれない。

https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2016/09/1_29.html

 

上の図がジニ係数の説明図である。先ず、収入の低い順にその国の人全員を並べたと想像してほしい。ジニ係数を計算するための曲線(上の図のAとBの境界)は、ある横軸座標の人数(X)までの収入の合計額が、その縦軸座標Yとなることを意味する。従って、最高年収者が横軸100%のところに来て、その縦軸の値が国民全体の収入となる。

 

更に、国民の収入の総和を1.0、総人口も1.0に規格化して、グラフを書き換えたのが、上の図である。45度の線と、上記曲線(Lorenz曲線)で囲まれた部分Aの面積とその下のBの面積から、A/(A+B)を計算し、その値の2倍をジニ係数という。それを100倍して%表示にした数値をここでは用いる。

 

45度の線は、全ての人の収入が等しい場合のLorenz曲線である。その時、Aの面積はゼロになり、従ってジニ係数はゼロである。一人を除いて、全ての人の収入が0で、最後の一人が全ての収入を得る時、ローレンツ曲線の最後の点以外はX軸に一致し、ジニ係数は100%となる。

 

つまり、完全に平等な収入ならジニ係数はゼロで、完全に不平等(独り占め)の場合が100%となる。その間の数値では、数値が大きいほど貧富の差が大きくなる。一般に40%では暴動が起こる可能性があり、50%では常時暴動の危険に晒されていると言われる。図の右にあげた各国のジニ係数を見て、その国の政治情況を知れば、その数値の大凡の意味がわかるだろう。

 

ここでは収入でジニ係数を計算したが、それを資産額で計算すると、ジニ係数は普通もっと大きくなる。

上の図は、世界各国の一人当たりGDP(横軸)とジニ係数(縦軸)の関係を著した散布図である。(補足2) おおよその傾向として、豊かな国ほどジニ係数が小さく、平等に近くなっていることがわかるだろう。以上が、「一般に貧しい国ほど貧富の差が大きい。」ことの証明である。勿論、「国が貧しいこと」と「国民が貧しいこと」は違うという方は、この節の題を替えて読んでほしい。(補足3)

 

因みに中国やインドのジニ係数が約50%だが、それはどの様な情況なのか。例えば全体の80%の人の収入が年間100万円で、残りの20%の人が1000万円のような場合、ジニ係数は51%である。或いは、国民数人或いは数十人程度の人間が全体収入の半分を取り、残りがその他に平等に分配された場合、ジニ係数は50%となる。何れにしても酷い貧富の差であり、ジニ係数50%は常時暴動発生のレベルと言われる理由もわかるだろう。

 

北欧など豊かで非常に平等な国は、ジニ係数27%程度で、日本のジニ係数0.34は先進国では決して低い値ではない。(補足4)ドイツやカナダよりも高いジニ係数であること、つまりそれらの国よりも貧富の差が大きい国であることを知るべきである。

 

2)グローバル化によるジニ係数の増加と文明崩壊の危険(日本に関しては致命的問題)

 

人口の大きいインドと中国を始め、アフリカや南米の国々のジニ係数は大きく、一人あたりGDPは低い。中国とインドの人口は合わせて27億人である。欧米や日本、韓国、台湾などの国以外の殆どの国は、低い一人当たりGDPと高いジニ係数の国だろう。(最初の図内のデータ参照)何故このような事になったのか。

 

資本主義経済のグローバル化により、多くの貧しい国では、一部の国民が先進国の手先になることで経済発展の恩恵を受ける。また、先進国でも既存企業の海外流出が進み、貧富の二極化が起こる。その結果、恐らく、世界のジニ係数はグローバル化の進展とともに著しく大きくなり、世界中の国に暴動のエネルギーが蓄積しているだろう。

 

例えば、東亜日報の記事(2012・12月11日ネット上)は、改革開放路線に転向する前の中国のジニ係数は32%程度だったと書いている。その後ジニ係数は、2012年で恐らく60%に達しており、常時暴動レベルであると書いている。(補足5)

http://www.donga.com/jp/article/all/20121211/419809/1/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AE%E3%82%B8%E3%83%8B%E4%BF%82%E6%95%B0%E3%81%AF%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E6%9A%B4%E5%8B%95%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%AB

 

今後、このグローバル化路線で世界経済が拡大すれば、貧富の差の拡大による更なる政治の不安定化、地球資源の枯渇、地球の温暖化、プラスチックゴミなど環境問題の深刻化が進むだろう。この(エネルギー、資源、環境)の問題の相乗作用で、世界的紛争が頻発する時、文明が崩壊する危険性が高い。終末論が予言するような事態に近づいてきたと思う。

 

地球温暖化の問題を気象問題として捉える人がほとんどである。気象への影響など、このブログでも何回か書いたが大した問題ではない。この地球温暖化問題の発端は、ローマクラブがMITの研究者に委嘱してシミュレーションした、「有限の地球上で人類は“成長の限界”を迎える」という報告であった。つまり、地球は有限であり、其の中に豊かに暮らせる人間の数も有限である。そこで、化石エネルギーを縛ることで、途上国の経済発展を抑えようという考えが発端である。

 

この地球温暖化キャンペーンは、終わりの始まりに過ぎない。事態が更に緊迫して、新たなステージに入るだろう。世界的混乱の時代になると、大きな力を発揮するのが核兵器である。しかし最初に起こるのは、核戦争ではないだろう。核保有国による、威嚇と収奪による非核保有国の極貧化と人口減少が起こるだろう。難癖はいくらでも可能であることは、既に日本と隣国の間での紛争が証明している。

 

そのような段階から更に一段階情況が進むと、偶発的な必然として、野蛮国の将軍がもっと手っ取り早い方法を取るかもしれない。

 

例えば中国解放軍少将の朱成虎は、「世界の人口は無制限に迅速に増加している。地球上の資源は有限なのだから、核戦争こそ人口問題を解決するもっとも有効で速い方法である。」と、核戦争を支持する発言を行った。その先制核攻撃論に対して、中国は昇進で答えている。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%B1%E6%88%90%E8%99%8E

 

従って、非核保有国に将来はない。現在、世界人口の4割近く27兆人の人口を抱える中国とインドはともに核保有国である。日本人の思考の幅は、核兵器を思考対象にすることができない位狭いのだが、日本の将来は、如何にして核抑止力を持つかにかかっている。

 

補足:

1)江戸末期、島津が豊かになるのを、江戸徳川が見過ごしたことが、幕府崩壊の大きな一因だろう。島津は、密貿易や琉球からの搾取(黒糖政策)で富を蓄えたのである。

2)ルクセンベルグの一人あたりGDPが多いのは、金融業で稼いでいるからである。

3)国の豊かさは、国民だけでなく、法人や団体、国家及び地方政府全てを含めた貸借対照表(BS)の実質的大きさで決まると言えるかもしれない。しかし、評価や計算には大きな任意性がある。例えば、国際的地位、政治的安定性などが計算に乗らないBSなど考えても意味がない。強力な軍事力は、その装備という動的資産以上の意味がある。米国のそれは、大きな純資産としての意味がある。

4)ジニ係数27%のモデルケースとしては、人口を5分割し、最初の20%の人が200万円、次の20%が400万円、そして20%の人口ごとに600万円、800万円、1000万円と分配された場合である。この程度の大きな格差でも、ジニ係数は26.667%である。人間の能力にも大きな差がある。そこで、なんとかこの程度の分配の差別で、社会を作れるとしたら、理想的かもしれない。

5)中国の経済データは闇の中にある。共産党政権は種々のデータを隠蔽する上、自分たちでも実態を掴んでいない可能性がたかい。特に地方のデータを中央は掴んでいないようだ。この60%という値は、東亜日報の独自の推定値である。

1)地球温暖化の再考:

 

地球温暖化をめぐる騒ぎが大きくなったのは、アル・ゴアの不都合な真実が発表されて以来である。その本のプロパガンダ的性格が、逆に地球温暖化捏造説の声も大きくした。そして、科学的思考や研究を置き去りにして、大衆の騒ぎばかりが報道されている。

 

今年もその動きが大きくなっている。以前も何処かで見たような、子供を使ったプロパガンダが始まった。https://www.youtube.com/watch?v=_y8JNG7S0bo 何もわからない子供を騒がせて、何もわからない主婦層や大衆を扇動しようという戦略なのだろう。このプロパガンダも、何らかの政治目的のためにおこなわれている筈。それでは問題があっても、解決はできないだろう。

 

過去、この問題をある程度時間考えたことがある。そこでは、太陽エネルギー全体の地球上での分配や熱への変化、その赤外線としての地球外への放出とその平衡関係などについて、一定の理解を得た。

 

そして、二酸化炭素の温室効果は、15ミクロン付近の赤外線吸収が原因だが、太陽光の雲などによる反射、地表での反射、水蒸気の温室効果などに比べて、それほど大きくはないとの結論だった。

https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2014/08/blog-post_26.html

https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2018/07/htppja.html(ダイジェスト版)

 

今回は、地球気温と二酸化炭素濃度の長期経年変化、及び、全世界の化石燃料使用による二酸化炭素産生量などのデータから、すこし考察を加えたい。

 

その結果を要約する。過去約100万年のCO2濃度と気温のデータ、及び過去100年間の気象庁などの気温のデータから、人工的に発生させたCO2 の多くは海水中に吸収される。今後更に1−2度程の温度上昇は考えられても、それ以上の温度上昇はおこらないだろう。

 

何故なら、このCO2の効果には限度があり、既に、その効果がほぼ飽和している可能性もあるからである。その場合、今後のCO2発生増は、これ以上の温暖化を引き起こさないことになる。従って、CO2 効果の飽和の有無を先ず明らかにすべきである。

 

その飽和の確認は、①衛星で観測した地球からの赤外線のスペクトルの観測、②地表で観測した上空からの赤外線のスペクトルの観測、それらの蓄積と分析が先ず大事である。

上は、下記サイトから撮った上記①と②のスペクトルである。これは一例であり、科学論文として受理されたかどうかもわからない。従って、この現象の確認とデータ蓄積から始めるべきであると思う。

https://wattsupwiththat.com/2011/03/10/visualizing-the-greenhouse-effect-emission-spectra/

 

兎に角、大衆運動や政治家の政争からこの問題を解放し、専門家の研究に任せるべきである。子供は、マイクを持つよりも、そのような分野の基礎を勉強すべきである。

 

 

2)British Petroleumのデータによると、全世界のCO2産生量は、年間33890Mton(Mtonは100万トン)である。

https://www.bp.com/content/dam/bp/business-sites/en/global/corporate/pdfs/energy-economics/statistical-review/bp-stats-review-2019-co2-emissions.pdf

(補足1)

 

地球の全大気の量は、地球の表面積を平方センチメートル単位で出して、それにkgを付ければ良い。(1気圧は、1kg重/cm2を利用する)半径6.37千kmを使えば、地球の表面積は5.1x10の18乗平方センチメートルになる。従って、全大気量は、51億Mトンである。(水蒸気は無視している)

 

この数値を用いると、年間の化石燃料消費による二酸化炭素濃度増加は、6.6ppmとなる。

図(1)過去100年の二酸化炭素濃度

 

一方、CO2濃度の観測値だが、日本の気象庁のデータによると(上の図)この40年間程の間に、二酸化炭素濃度が350から410ppmに増加している。これから平均年間増加量を計算すると、1.5ppm/yearとなる。

 

これは大気中に放出される年間二酸化炭素量が全て空気中に留まったと考えた場合の数値、6.6 ppmの約1/4である。この大きな差は、二酸化炭素の75%程度は海中に吸収されることを意味している。

 

海中に溶けた二酸化炭素は、河川から流れ込むカルシウムや、ナトリウムなどと結合して、炭酸塩を海底に蓄積するだろう。その結果、海水の酸性化が進むだろう。この化学変化に使われる二酸化炭素の量の算出には、海水中や海底の炭酸塩の量、海水の平均pHや二酸化炭素を定量するなどしなければならない。

 

下図は、1898年以降観測を継続している気象観測所の中から、都市化による影響が小さく、特定の地域に偏らないように選定された15地点(補足2)の月平均気温データである。

図(2)気象庁による過去100年の気温変化の測定結果

 

これを見れば、この100年ほどの年平均気温の上昇は明らかである。もし、この温度上昇が全て空気中でのCO2濃度増加によると仮定すると、両グラフから、100ppmの二酸化炭素の増加による気温変化は、約1.5度となる。この調子で50年間、何の二酸化炭素削減対策もしなければ、更に1度程度の気温の上昇があるだろう。

 

ただ、過去20年ほどに気温変化は小さいようにも見える。これは前節で述べたCO2効果の飽和を示しているのかもしれない。繰り返すが、全セクションで言ったCO2 効果の飽和の有無は、急ぎ研究しなければならない。

 

3)過去数十万年間の間の気温とCO2濃度の強い相関は、図(3)に示した。この40万年の殆どの間、化石燃料の消費での二酸化炭素増はない。もしCO2が地球上にほぼ一定量あったとする。そうすると、高温でのCO2濃度増加は、海中からのCO2放出が原因だと考えられる。

 

図(3)過去40万年間の気温とCO2濃度の相関

https://skepticalscience.com/translation.php?a=7&l=11

 

上図では、二酸化炭素の100ppmの濃度変化に対して約10度の温度変化の比で、互いに相関関係にある。近年の1.5度の温度上昇の全てが、100ppmの濃度変化によるとしても、このグラフが示す過去40万年のCO2濃度変化と温度変化の因果関係を、CO2濃度変化が原因で温度変化が結果とするモデルでは説明できない。(補足3)

 

従って、温度変化が原因でCO2濃度変化がその結果である。つまり、気温の変化により二酸化炭素の海水と大気中での分配比に変化が生じたのである。(CO2が温度変化の原因ではない。)

 

もし、地球科学的変動(地軸の変化や太陽黒点数の変化などの周期的変動)で今後寒冷期に入るのなら、寒冷化は依然として冷害などで多くの人の生存を脅かすだろう。もしその対策を考えるのなら、居住地域だけでなく、農業地域の暖房も視野に入れて研究を進める必要がある。その有力な手段は、原子力である。

 

最近の1−2度の気温変化でも、気象変動による災害は増加するだろう。しかし、二酸化炭素の削減だけでそれを防止しようとするのは、無理であり無駄である。過剰なCO2削減を要求することで、経済停滞を引き起こすよりも、電線の地中化などのインフラ投資、建造物の設計基準の改訂、などで災害軽減に備える経費の方が、より良い資金の使いみちである。

 

子供まで動員して、ヒステリックにCO2削減要求を中国、アメリカ、インドなどに突きつけるのは、一部の政治的思惑の結果だろう。イラク戦争のときの駐米クウェート大使の娘ナイラの議会証言を思い出す。

 

先ずは地球気候の大きな時間スケールでの研究、二酸化炭素の気象効果の研究を進め、温暖化の真実を明らかにする。原子力発電の技術開発、地表面での太陽光の反射を増加させ、熱発生を抑える(補足4)などの対策を研究するなど、具体的且つ実効的な運動を展開すべきである。

 

以上今回の主張は、二酸化炭素による温暖化防止運動を無駄だと言うことではなく、先ず実態解明が第一であると言うことである。

 

補足:

1)国別産生量: ()内数値はメガトン単位の産生量で(2013年、2018年)の順。中国(9238、9429);米国(5260,5145); インド(1930、2479);ロシア(1528、1551);日本(1274、1148);ドイツ(795、726);韓国(646、698)など。

2)それら観測点は、網走,根室,寿都(すっつ),山形,石巻,伏木(高岡市),飯田,銚子,境,浜田,彦根,宮崎,多度津,名瀬,石垣島である。

3)二酸化炭素濃度が原因で、温度変化が結果なら、近年人工的に100ppmだけ増加させた二酸化炭素は、本来起こる筈の10度程の寒冷化を防いでくれたことになる。

4)都市部ビルの屋根を白くする。住宅の屋根での太陽光の熱化率を下げる。(屋根の色の工夫)砂漠部分の緑化を進める

1)まえがき:

比較的閲覧があり且つ重要だと思われる過去の記事を再録している。以下は、2015年7月6日に投稿した「二枚舌は身を滅ぼす:軍艦島を世界遺産にする為に韓国の言い分を100%認めた日本」という記事である。

このような経緯を経た後に、現在の徴用工問題がある。それを勘案すると、法的側面では、徴用工問題の70%は日本側に責任があると結論せざるを得ない。
 
この日本の責任の大部分は、1990年代の個人請求権を認めた日本政府の発表である。そして、その政府の考えは最高裁判所で判示された。http://justice.skr.jp/seikyuuken-top.html

更にご丁寧に、日本政府自身が、賠償の対象になるような韓国徴用工の酷使が軍艦島であったことを認めたのだ。個人賠償訴訟を韓国で起こす法的根拠も、その賠償対象となる酷使も日本政府が韓国側にプレゼントしているのである。

もし、上記文献の記述が正しいとすると(実際正しいと思う)、外交保護権を行使しての日本企業への賠償要求は、日韓請求権協定で無くなっているが、韓国での賠償要求は出来る。このあたりの議論は、法学が専門でない筆者の実力を多少超えるが、韓国徴用工が賠償の対象となることを正しく訴えておれば、論理的には韓国の裁判所が日本側企業に賠償させるように判決することは可能である。

ただし提訴は、非常に肉体的精神的に辛い仕事につかされたという理由でし、且つ、その精神的な苦痛に、(朝鮮人なのに日本帝国政府の命令に従うという)韓国人としてのアイデンティティに抵触する部分は含まれてはならない。何故なら、法的に当時は日本人だったからである。

そして裁判に日本側が敗訴すれば、日本企業に賠償責任が生じる。たいへん厄介な事になっていると思う。全て、自民党政府のその場しのぎ的姿勢と、行政府に盲従する仕事をまともにやらない最高裁判所判事の所為である。彼ら最高裁判事は、法解釈よりも自己の利益を優先する下劣な連中である。日本が憲法9条を改訂できないのも、彼らが自衛隊は合憲という判断をだしたからである。

韓国が個人請求権を認める立場を取れば、逆に、日本人や日本法人が韓国の国や個人(法人を含む)への請求権も要求できることになる。ただその場合、韓国裁判所は極めて恣意的に韓国人(法人)の利益を考えた判決を出す可能性がたかくなる。そうなれば必然的に、日本は韓国と政治及び経済交流を停止すべきだということになる。

両国間に友好関係を保つべきだと思うのなら、韓国は個人請求権を認めない判断をすべきだった。そして、それは国際的常識だと思う。9月10日の記事で紹介したように、BBCのHARDtalkでキャスターが「あなたは植民地支配の時の悲劇的で恐ろしい出来事への補償要求を、2019年の今韓国市民に奨励することを本当に健康的だと考えるのですか? それをすべて蘇らせて掘り下げる価値があるのですか?」と言っている。法的解釈はともかく、真に日韓友好を大事だと考えるのなら、韓国はこの常識的な立ち位置に戻るべきである。

 

2)再録)二枚舌は身を滅ぼす:軍艦島を世界遺産にする為に韓国の言い分を100%認めた日本 2015年7月6日

 

昨日、軍艦島などの明治日本の産業革命遺産として世界遺産に申請した諸施設が、ユネスコの審査委員会で認められて、世界遺産に登録されることになった。この件、韓国が「戦時中に朝鮮半島からの数万人が強制労働に従事させられ、94人が死亡した」と主張し、その登録に反対していた。
 
その審査を有利にするため、ユネスコ日本代表部の大使が「多くの朝鮮半島出身者が意思に反し、厳しい環境で働かされた」と発言し、韓国の反対をそらせる事に成功し、登録が決定した。その後、外務大臣は日本国内に向けて「上記発言は、強制労働があったと言った訳ではない」と注釈している。このようなグレイ領域に話を持ち込んで誤摩化すのは、政治屋の常套手段である。
 
もっとも大切なポイントであり、且つ、ほとんど無知な西欧人(注釈1)が見落とすだろうこととして、当時韓国は日本国の一部であったことがある。つまり、ここでの朝鮮半島出身者は当時日本国民だったのである。そして、政府の命令で(つまり合法的に)半島から軍艦島のある九州へ移動させられたことを、意に反してと表現して良いのか?という点を日本政府は誤摩化しているのだ。

あの戦争の際、法令に従って徴兵され、南方の島で無惨な死をとげた多くの軍人に対して、“意に反して”兵役につかされたとは言わないのだ(注釈2)。上記ユネスコ大使の発言の“意に反して”とはどういう意味なのか、それに関与した日本政府は深く考えていないのか、誤摩化しているかのどちらかである。


つまり、“意に反して”は、私的な感情のレベルでの“意に反して”なのか、それとも“違法に”というレベルなのかという大きな幅がある言葉なのだ。あの発言を聞いた西欧諸国の人は、“異国の人間を違法に働かせた”つまり、シベリアで日本兵が経験したような”強制労働に従事させた”ととるだろう。それが韓国の狙いであり、その俎板の上にまざまざと乗ってしまったのである。俎板に乗った鯉が、そんな筈ではないと言っても、何の力にもならない。
 
また、特別に「朝鮮半島出身者」と限定して、「厳しい環境で働かされた」と発言したことで、同じ環境で働いていた日本人とは、労働環境も条件も全く異なるとの印象を強くあたえ、朝鮮半島出身者にだけ特別に厳しい差別的労働が与えられたと解される。軍艦島には普通の街中と同じように学校から種々の店があり、竹田恒泰さんの言葉によると、韓国人用の遊郭まであったということである。http://blog.livedoor.jp/doorkaz/archives/1030715518.html


あのような発言とは全く違うではないか? 世界に誤解を与えてまで、世界遺産指定が欲しいのか?本当に愚かな人々だ。


注釈:


1)ドイツのメルケル首相がドイツがナチスの罪を認めた様に、日本も韓国人に対して犯した従軍慰安婦などの罪を潔く認めて謝罪する方が良いと安倍総理に言ったと記憶している。その際、日本では相当批判が沸いた。


2)韓国もそのあたりは解っているので、徴兵された兵士の待遇に関しては何も言ってこなかった。
 

補足:
先ほど(2015/7/6)の「昼おび」という番組で、ユネスコ委員会での発言について、その部分についての正本である英語の文章が報道されていた。Koreans were forced to workとなっていて、forced laborという文言は無かったという。検索したときのネットの反応は違うだろうが、forced to workは”強制的に働かされた”であるから、強制労働と等価であると思う。何故、外務大臣は強制労働という意味ではないと言えるのだ。何故、そこまでして登録しなければならにのだ。何故、聞く耳など持たない韓国などと交渉しなければならないのだ。