同じ題でアップした前回の話では、国は、国民を基本構成要素とするが、一方国民は何らかの機能体組織に所属し、それら機能体組織が集まって共同体としての国を形成していると書いた。ここでは、国と国民の関係についてもう少し詳細に考える。

 

国には多くの役割があり、国民の間でその分担がなされている。「上記モデル」において、個人は臓器などの細胞に相当する。個人は長期的にも短期的にも、人生のおよそ1/3の時間だけ、其々の機能体としての組織(会社、中央・地方政府、各種法人、中小及び個人企業)に所属し、その機能維持と繁栄のために働くことで生きるための資材を購入する。

 

国を動物、会社等を臓器など器官、国民を細胞と、其々置き換えれば、上記モデルは容易に理解できるだろう。ここで、国民は十分にその組織に貢献するため、知識等を専門化しなければならない。国での教育過程は、動物では卵から胎子のときの分化に相当する。

 

更に考える為に、視点を動物側に移す。動物では、専門的機能を果たし得なくなった細胞は、表皮組織等は外界に捨てられる。内部では分解され再利用の対象となる。それぞれの器官の(専門化した)細胞のかなりの部分が、十分能力を発揮しなくなった段階で、器官そのものが機能不全となり、動物は病を得る。それらの現象を、国家に当てはめれば、容易に社会での対応する出来事に置き換える事ができるだろう。

 

勿論、病気には上記のような内因性のものもあるが、外因性のもの、細菌やウイルスの侵略によるものもある。更に、命の危険となるのは、他の動物による襲撃である。それらに該当する事態は、国に置いても存在し、それらへの対応も動物モデルで解釈可能だろう。そして、我が国に足らないものは何かを考えるヒントもあるだろう。

 

皮膚や上皮細胞は、外界と接触する組織であり、国に該当するのは国境だろう。免疫システムは言うまでもなく、警察に相当する。四肢による身体能力は、国家の軍に相当する。

 

各器官は、動物全体として必要な機能よりも過剰に働きすぎた場合でも病気となる。従って、その必要な仕事量は、互いに情報連絡することで調節される。例えば、体液量の調節は、口からの水分摂取と腎臓から尿として排泄することで行われる。前回記したように、腎臓からの排泄量は、腎臓、副腎、心臓など、関係する臓器が互いに連絡しあって、緻密に調節される。

 

レニンは腎臓の糸球体から、アンジオテンシンは肝臓などから、アルドステロンは副腎から、ANPは心臓の主に心房から、BNPは主に心室から、其々連絡のためのホルモンとして放出される。(補足1)

 

血管系と血液、及びリンパ管系とリンパは、全体として社会の公空間に相当し、国おける情報伝達と世論(ホルモンの生成と伝達)の他、金融(酸素とグルコース)、資材(脂肪酸やアミノ酸等)などの流通の場でもある。また、脳から出た命令は神経によって、直接器官に届けられる。それに該当する国でのシステムは、言うまでもなく国家組織である。

 

以上、国の動物モデルにおける、其々の対応について書いた。このモデルで、社会での国家組織や個人の役割のあり方を論じることができる可能性がある。特に議論したいのが、愛国心と防衛の問題である。どれだけ出来るか分からないが、続けて行きたい。

 

補足:

 

1)レニンは肝臓等から放出されたアンジオテンシンの前駆体(アンジオテンシノーゲン)をアンジオテンシンIからIIに変換する役割がある。アンジオテンシンIIは血管収縮を促すほか、副腎からアルドステロンの分泌を促す。アルドステロンは、腎臓からのナトリウムイオンの再吸収を促進し、全体として体液量を増す。体液量が増すと、心臓の負担が大きくなるので、BNPやANPというホルモンを放出して、上記レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系を抑制し、腎臓からの利尿を促進する。

(素人です。少し大学で俄勉強した経験はあります。)

今朝の辛坊治郎氏の司会するニュースバラエティ番組のウェイクアッププラスで、新型コロナ肺炎の対策についての話があった。ゲストは吉村大阪府知事とノーベル賞受賞者の京大特別教授の本庶佑氏であった。その中で、本庶氏は3つの提案を行った。それらは、①PCR検査の大幅増と病院の治療対策の拡充、②治療薬の開発と既に候補としてあがっている既存薬の早期投与、③1ヶ月の大都市の外出自粛、だったと思う。

参考:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57710820W0A400C2I00000/

 

1)検査数と治療室数を増加させるべき

 

本庶氏の提案の中で、①は最も大事な項目だろう。本庶氏は、実際の感染者数はおそらく桁が違うだろうと言っている。つまり、数万人位の感染者数を想定しての発言だろう。その証拠として、東京の新規感染確認者数の記録更新とともに、既に感染者と確認された人たちと無関係な人の割合が増加していることである。

 

上の図は、昨日までのPCR検査陽性者数(上)とPCR検査数(下)である。この4日ほど、検査数を大幅に減少させているにも関わらず、陽性者数が増加していることに注目して欲しい。これが何よりも患者数急増の事実と、実際の感染者数と検出数の割合が相当大きいことを示している。おそらく、現在でも4万人程度の感染者数を予想する。

 

別のテレビ番組「正義の味方」(テレビ朝日系)では、抗体検査を取り入れるべきだという意見を、元厚労省の官僚の方が言っていた。抗体検査は15分位で可能であるので、そのキットの入手などの対策をとるべきである。

 

イギリスでは、新型コロナ肺炎のガンマグロブリン(補足1)保持者に「免疫成立証明書」を発行し、免疫のついた人から優先的に封鎖から復帰していくことを表明している。https://news.yahoo.co.jp/byline/onomasahiro/20200405-00171520/

 

この迅速検査キットは、中国や韓国では一部承認されているようで、この点でも日本は発展途上国になっている。日本でもその研究開発は進んでいるのだが、政府幹部に基礎的知識が不足した無能者が揃っているため、下からの意見にただウロウロしているだけなのだろう。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57933210Q0A410C2L01000/

 

保健所がPCR検査をためらっているのは、病院に人工呼吸器(Ventilator)、人工肺(ELMO)を置いたICUがあまり無いこと、それを至急拡充する政治が無いことが原因だろう。(補足2)

 

2)治療薬について:

 

治療薬だが、日本ではアビガンが最右翼として、安倍総理の言葉の中にも屡々でている。本庶氏の話の中にも、発病初期のアビガンの投与と重症重体期のアクテムラを用いるという提案があった。アビガンは、ウイルスのRNAを作る酵素を阻害する薬であり、アクテムラは炎症に関与するサイトカインの働きを抑えるようだ。

 

アビガンには重い副作用があり、使えない場合も多いだろう。その際、同様の機能を要する薬ハイドロキシクロロキンが外国で注目されている。これは現在でも、全身性エリテマトーデスの薬として、用いられている。副作用も網膜に現れる危険性があるので、眼科医と連携して用いれば、比較的安全なようである。これは既に1ヶ月前にブログに紹介した。

https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2020/03/blog-post_63.html

 

不思議なことに、日本の報道機関では一切言及されない。まるで、禁句となっているようである。つまり、日本政府は未だに、関係を樹立している富山化学(富士フィルムが2008年に買収)との「人間関係」に囚われているのだろう。日本病の一つがここにも現れている。

 

このハイドロキシクロロキンについては、藤井厳喜氏も最近のYoutube動画で紹介している。https://www.youtube.com/watch?v=7IH77xF4oY4

 

日本は、この新型コロナ肺炎で大きな犠牲を出し、それを教訓として、政治体制の大変革ができれば、災い転じて福と為すことが可能である。それには、現体制の破壊と地方分権の実現が大切だろう。

この他、経済危機に対する対応が大事だが、それについては、できれば別に書いてみるつもりである。

 

補足:

 

1)抗体とは血液中の免疫グロブリン(概ね球状の形のタンパク質)には、IgMとIgGなど数種類ある。感染症に罹った場合、最初にできるのがIgMであり、その後本格的に出来るのがIgGだと辞書には書かれている。

 

2)人工呼吸器特にエルモの操作には、特別の訓練が必要である。その人材養成には一定の時間を要する。しかし、基礎的知識を持つ人は相当多い(医学部の看護学科卒業生)ので、講習と免許の制度を作れば、1−2ヶ月で整備できるだろう。

 

新型コロナ肺炎(COVID-19)のパンデミック以来、何度か訪問しているYoutubeチャンネルの最新動画を引用する。

【真実はどれ?】NYの新型コロナウイルス情報が混乱。医者、シングルマザー、陰謀論 という題の動画(動画①)である。https://www.youtube.com/watch?v=GDdaE-mbmCw

 

これまで何度か視聴した印象では、そのオーナーは相当知的な若者であり、配信された動画の文章は全て巧妙且つ緻密に論理展開されている。ただ、今回の動画は目標が目標だけに相当無理をして作っているようだ。しかし、コメントを見ると、そのゴリ押しはある程度成功しているようだ。結論をいえば、上記は在日中国人(多分)による中国政府のプロパガンダだと思う。私は一度書き込んだコメントを削除した。

 

以下の文章を読む前に、一度通しで上記動画を見て欲しい。そうでないと、以下の文章は理解出来ない可能性が高いと思う。

 

動画①では、自分の主張を代弁する動画(動画②)をまず紹介している。動画②は、所謂陰謀論的動画である。メディアで報じられている混雑した病院の状況を確かめるという目的の紹介のあと、整然とした街の様子や静かな病院の待合室の光景を見せる。そして、テレビで流されたューヨーク州知事が「30,000台の人工呼吸器が必要なのだ」と大声で主張する場面と伴に、混雑する病院内処置室の映像を流した。そして、その映像は数日前に英国のテレビにより、イタリアの様子を紹介する際に使われた映像であることを暴露する。https://youtu.be/HDADonD2bAU


更に、混雑した病院というテレビのニュースの翌朝、その病院の前の整然とした様子をみせる。ただ時刻の表示は見つからない。米国は異常に大騒ぎをしているという印象を視聴者に与えるのが目的だろう。それと対照的に、混雑した地下鉄の様子と、「人混みのサブウエイが感染を進めた可能性も」と言うスーパーを、フラッシュ的に挿入している。

 

つまり、政府の主張やテレビの報道は、ニューヨーク州のコロナ肺炎流行を過大に、そしてインチキ映像も利用して報道していると、”暴露”しているのである。

 

それを紹介する動画①の主は、ニューヨークでの悲惨な状況は、それが仮に真実としても、政府やメディアにより誇大に宣伝されていると、動画②を利用して、主張しているように思える。更に、米国政府とメディアは、其の悲惨な状況の原因が中国のデータ捏造であり、米国はその被害者であると虚偽の主張をしていると言いたいのだろう。(補足1)

 

彼は、自分の意見の代弁者として、動画②を利用しているのである。そして、動画②が陰謀論的な内容だとして、一定の距離を置きながら、他のニューヨークの悲惨な状況を配信する動画に疑いを投げかけることで、動画②の内容を支持している。巧妙なやり方である。(補足2)


それに利用されたのが、、ニューヨークで働く日本人女性医師の動画(動画③)と、ニューヨークの貧困層が多い地区に住む、日本人シングルマザーの動画(動画④)である。それらも動画①では其々短く紹介している。

動画③: https://www.youtube.com/watch?v=3zUKVcYtODk

動画④: https://www.youtube.com/watch?v=OHc8cfwn1ag&t=170s

 

動画③及び④の配信者たちは、これまで日本で報道されたニューヨークの悲惨な状況を紹介しながら、日本の人たちに覚醒を促しているように見える。彼女らは、等しく「現在の日本は3−4週間前のニューヨークに似ている」と警告している。

 

どちらも動画②に比べれば、金の掛け方も桁違いに小さく、質的に劣っている印象を与える。動画④は、既に数百万回視聴されているようで、其の異常な拡散には、マーケッティングを目論む隠れた力が存在する可能性があると、動画①の主は言う。(補足3)


 

彼は、動画②と動画③、④のどちらが本当のニューヨークなのかと並べながら、そこで、米国在住(ニューヨーク州以外)の義母(「僕の母」と自然に話しているが、スーパーで訂正がなされている)に聞いたという話を紹介する。ニューヨーク州ではないという逃げ道を用意しながら、現地に近いところに住む人の意見ということで、信憑性を補強している。

 

そして彼は、それらの情報を総括する様に、ニューヨークでの爆発的流行のモデルを提案している。つまり、最初に地下鉄などの混雑で一定程度に感染が広がり、その後の過去三週間ほどの間に、膨大な検査をして陽性者を大勢出し、その人達が病院に殺到したことで、更に、患者が爆発的に増えたというモデルである。つまり、大規模発生があったとしても、その大部分の責任は米国にあると言うのである。


このモデルが正当化されるのは、ニューヨーク州では、感染症患者と一般患者を一緒に扱っていることが必要条件である。このモデルにより、これまで紹介した動画②の内容と整合性があるように、巧妙に説明をしている。

 

その後の結論的な部分で、情報の分析方法について紹介している。その一つは、情報はその配信する人の目的や利益などを考えに入れて分析しなければならないという原則である。そして、その方式を適用すれば、アメリカのメディアとかアメリカ政府が、問題の深刻さを煽るように報道するのは、米国をコロナ肺炎の被害者とし、中国の初期の情報隠蔽などをその原因として攻撃するためだと、視聴者に教え込むのである。

 

彼は、自分が動画②の主張に(11:20)同意する訳ではないと言いながら、主要メディアや政府の発表を被告席におき、陰謀論動画の動画②を検事側の罪状報告のように扱っている。それで、自分は裁判官という公正な立場にいると主張している。

 

因みに、彼は良い言葉を教えている。既に言った言葉、「情報はその配信する人の目的や利益などを考えに入れて分析しなければならない」と、「信者になるな」という言葉である。何かを信じてしまうと、真実を俯瞰できないという。

(編集21:00;21:30)

 

補足:

 

1)私の考える事実は、街のある病院のある時間帯の混雑や静寂ではない。事実は、John Hopkins 大の発表している患者数、死者数、そして回復者数である。

 

2)確かに陰謀論の中には、真実が隠れていることも多い。米国では、月面着陸の嘘、9.11の嘘など、陰謀論の対象となることが多いが、真実の方が陰謀論に中に隠れて静かに表にでる時期をまっているのである。

 

3)テレビですぐに放映されるなど、話が出来すぎていると言いたいようである。その情況証拠的に、動画④の配信直後からの異常に大きい閲覧数(4−5日で700万回位と言っている)に言及している。素人ぽく作りながら、もっと大きな組織との連携作品だろうという疑いを視聴者に醸成したいのだろう。