今日は、現在流行拡大中の新型コロナ肺炎(COVID-19)とその対策について、ある著名国会議員が紹介した考えについて記す。このような考え方が日本の医師の中にかなりある。3月に朝のテレビバラエティー「グッドラック」に出ていた後藤という医師もその一人だった。一度批判したことがある。

 

今回取り上げる「チャネル桜」での発言の主は、自民党の松田学議員である。この記事を読むよりも、以下のサイトの彼の発言を数分聞いて貰えば、それで十分かもしれない。https://www.youtube.com/watch?v=TDnyYYtTd4Q

 

松田氏は、同級生の東大医学部卒の臨床医の発言として、①「今回の新型コロナ肺炎(COVID-19)による被害とされているケースには、土着のコロナウイルスによる風邪が重症化したケースがものすごく多いと思う」を紹介している。(1:20)(補足1)

 

しかし、同級生は名前を立場上言えないといっているにも拘らず、その発言を優秀な臨床医による有力な意見として紹介しているので、更に、他の医師等の意見と比較するなど、松田学氏の考えは違うところに在ると明確には示していないので、今回の一連の意見は、松田氏が責任を取ると決めた上での発言と受け取れる。

 

続いて松田氏は、以下の内容の発言を行った。

PCR検査はCOVID-19の病原ウイルス(SARS-C0V-2)に厳密な選択性を示さないと考えられ、土着コロナウイルスによって陽性になる場合も考えられる。最近、②芸能人やスポーツ選手にたくさん陽性者が見つかるのは、かれらがPCR検査をうけた結果、土着ウイルス(通常の風邪のウイルス)が検出されているだけです。

 

③死者が急増した欧米だって、例年のインフルエンザ死者と比べて、桁は違わないでしょう。(補足2)

 

新型コロナ肺炎独特の症状に苦しんでいる大勢の患者の存在を知りながら、松田議員のこの発言には非常に驚き、腹立たしく思った。

 

松田議員は、次のフリップを示しながら、その医師が示した対処法に話を進めた。「対処法として、武漢コロナ血清療法が一番期待できる。ワクチンの開発は1年ほどで出来るだろうが、自分では打つ気はしない。」という。土着ウイルスによる病気ではなかったのか?

 

この話に続いて、経済対策に話が及ぶと、108兆円という額は、私も財務官僚としてやっていたのでよくわかるのだが、ふくらし粉満載の数字だという。

 

財務官僚時代の自分がやってきた「ふくらし粉を満載する」仕事について、反省があるのなら、国民の前に公僕の一人として明らかにすべきである。政治家の”ふくらし粉”を用いた国民を騙す仕事を手伝ってきた自分の過去を、恥じるのか誇りに思うのか、明確にすべきである。

 

松田氏は、東大経済を卒業した元財務官僚である。国家公務員上級試験を最も上位で合格しないとなれないのが財務官僚だと言われている。その人が、最難関大学の最難関学部である東大医学部を卒業した”優秀な臨床医”の考えを紹介したのだという。それが、以上のお粗末な意見である。

 

日本の教育や人事は決定的に間違っているようだ。日本に明るい未来など、革命か何かがなければ、かんがえられない。https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2019/12/blog-post_20.html

 

補足:

 

1)松田議員は最初に、「緊急事態宣言の自粛措置には、効果を上げれば短期間で取りやめになるので、1国民として従ってもらわないといけないと思う」と言っているが、もし、今回の多くの方の感染や発病が土着ウイルスによるのなら、そんな必要はない。彼の発言は終始支離滅裂である。このレベルが、日本の将来を担う著名代議士なら、日本に未来はない。

 

2)③の考えは、今回のCOVID-19は放置してもたいしたことがないという主旨の発言である。何故なら、対処法を述べるところで、集団免疫という方法を紹介しているが、その説明として、「言葉の定義にもよると思いますが、放っておけと言いたいです。今の外出自粛は逆効果と(思う)。」をしめしているからである。

新型コロナ肺炎の感染者数は増加し続けている。現在、日本の感染者数は7370、東京の感染者数は2158名と発表されている。しかし、諸外国がこの統計に疑いの眼を向けても、日本国内でそれを明確に言うマスコミも専門家もいない。

 

その代わり、経済対策の問題を詳細に論じている。この件、一律金を配れば良い。その後、精査して要らない場所に配ったのなら、それを回収すれば良いのだ。経済回復を図る対策は、この疫病の終わりが見えてからの話の筈だ。今議論すべきは、患者の治療体制の整備である。病床の増加、人工呼吸器の増設、それらを操作出来る人間の養成(つまり、看護学科終了者や予定者に講習を施す)である。

 

コロナ肺炎のいい加減な対策と統計により、日本は途上国或いは荒廃国の印象を世界に与え続けている。明確な敵であるコロナ肺炎にこのような稚拙な対応しか取れない国は、もっと複雑な政治経済の問題では、恐らく何も出来ないだろう。経済崩壊の後は、円安と飢える国民の姿が見えて来るようだ。これまで円高経済を憂えるばかりだったが、本当に恐ろしいのは円安だ。

 

コロナ肺炎の統計の話に戻る。下の図は、ドイツと東京の死亡統計の図である。

東京のデータは東洋経済ONLINEから取った。https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

 

独自に定義した致死率(1)(感染者数/(感染者数+死亡者数);青い点)のカーブと、致死率(2)(通常の致死率;赤い点)のカーブは、疫病流行の終結したとき一致する。従って、両曲線が一定の傾向を示した時、その延長上で重なる日時が非常に荒い近似だが、疫病終焉の大凡の時期である。

 

その方法で、あくまでも第一波の流行だが、韓国は4月下旬と予想した。一週間前に記事である。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12587773150.html

同様に、ドイツに関して、上の左図から5月中旬ころと前回記事で予想した。

 

前回の記事には、日本全体のデータも図示しているが、終焉時期の予測など不可能なグラフにしかならなかった。今回紹介する東京のグラフは、それよりももっと酷い。上の図で、2つの曲線が交差するようには見えない。そして、致死率(1)はドイツの5倍ほど、致死率(2)はドイツの半分以下である。

 

新型コロナ肺炎が流行し始めたのは、日本はドイツよりもむしろ早いだろう。それは、発生地の中国との地理的な関係や人的交流の関係から言える。実際、早い時期から日本の感染者数は中国に続いて世界で第二位だった。従って、疫病発生後の経過の時間的位置(つまり疫病流行のフェーズ)は、ドイツとそれほど変わらないと仮定できるだろう。

 

致死率(2)=死亡者数/感染者数なので、それがドイツの半分以下だということは、東京とドイツの治療技術が同程度なら、東京で現在検出している感染者数が死亡者に比較して倍以上であり、多くの新型コロナ肺炎での死者を見落としていることを意味している。(補足1)

 

致死率(1)=(死亡者数/(死亡者数+回復者数))の異常に高い数値は、回復者数が死者数に比較して異常に少ないことを示している。同時に感染発病した人で比較すると、老齢や持病の為に早く死亡した人はこの致死率計算に入るが、回復者はその後の闘病のあと検査で陰性の結果を得て退院となるので、後に計算にカウントされる。つまり、検査数を増やす傾向にあり、且つ、増やせば増やすほど比例して患者数が増加する間は、死亡者だけが早期にカウントされ、致死率(1)が大きく出る。(補足2)

 

つまり、患者発生とは無関係に検査数を抑えて来て、最近になって検査数を増加させてきた東京都のPCR検査の姿勢を示している。現在急激に増加している患者や感染者として“認定された人”の結末は、あと1−2週間後にならないと、死亡者と回復者の統計に入らない。

 

2)田崎史郎氏と玉川徹氏との議論について:

 

東京では新型コロナ肺炎に罹患しても、ほんの一部が検査の対象になり、他の大部分は新型コロナ肺炎と無関係な患者として死亡していた筈である。これは6日放送のテレビ番組『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)で、安倍晋三首相や政府と太いパイプを持つことで知られる政治ジャーナリスト・田崎史郎氏とコメンテーターの玉川徹氏とで議論になったことと関連する。

 

玉川氏は、死亡原因が肺炎の人のPCR検査をしていないだろうと言ったが、田崎氏は「肺炎で亡くなった人のことを、あとでCT検査をして、これでコロナかどうかいちいち判断しているんですよ」と発言した。しかし、その後の東京都への聞き取りで、田崎氏の意見は否定されたようだ。(補足3)

https://biz-journal.jp/2020/04/post_150410.html

 

以上から、実際の患者数は、東京とドイツが新型コロナ肺炎流行の大凡同じフェーズにあるとすれば、死亡率(1)で計算しても、死亡率(2)で計算しても、患者数はそれらのドイツとの比率から、現在発表の5倍程度だろう。そして、死亡率(1)のデータから、新型コロナ肺炎での死者のかなりは、他の肺炎などの死因で死亡したと届けられている筈である。

 

(編集10時15分;治療体制について一言追加、10時32分;補足1の最初の2文と、それに関連する本文の追加、12時42分)

 

補足:

 

1)この文の後半は、コロナ肺炎での死亡者は、感染者と診断した人が死亡してカウントされると仮定している。(これは当たり前の仮定である。死後にコロナ肺炎と認定したケースがあれば、感染者として見落としている人の数は更に増加する。)

尚、BCGの実施国では致死率が低いという話がある。これは、出来れば後で書きたいが、嘘である。(この意見は取り消します。申し訳有りませんでした。)何故なら、アイルランドと英国の致死率の違いを説明出来ないほか、ドイツとフランスの大きな致死率の差も説明できない。ここではそれを無視し、ドイツと日本は、医療技術のレベルやルールを守る遵法の精神を持つ文化など、致死率に影響する因子は類似していると考える。因みに、韓国とドイツも致死率統計ではよく似た結果になっている。

 

2)その検査姿勢では、検査を経ずに死亡した人が多く出ることにもなる。その死亡者を死後検査でカウントしなければ、死亡率(2)の数値を下げることになる。これは、後で述べる玉川徹氏対田崎史郎氏の議論の的となった。

 

3)肺炎死者の全部でなくてもほんの一部でも検査して、死後新型コロナ肺炎での死亡者にカウントされていれば、致死率(1)を増加させるだろう。ただ、田崎氏の意見が正しければ、致死率(2)も増加させる(補足2参照)。

日本も漸く本腰になって新型コロナ肺炎と対決する姿勢を示すようになった。国民の危機感、特に若い人の危機感が今ひとつであったが、緊急事態宣言を都道府県や国が出すに至って、漸くそれに従うという感じになった。

 

国は超大型と言ったが、その緊急経済対策は中身の今ひとつ薄いものとの批判が多い。日本の財務官僚は、財政再建のことばかり考えているが、それは理系の知識が豊富な元財務官僚の高橋洋一氏によれば、財務官僚は貸借対照表に関する知識が薄いからだという。それを聞いた時、本当に驚いた。

 

国の債務(ライアビリティー)は経済拡大とともに大きくなるのが自然な姿なのに、家計と同じ感覚で借金の増加と考えてしまうそうである。本当に東大、否大学出ているのか?と言いたくなる。たかが16.8兆円の補正予算なのに、事業規模108兆円というレトリックを抵抗なく身につけるのは、大学で思考力をつけることなど無かったからだろう。https://www.youtube.com/watch?v=zzKjxKSMSRk&t=534s

 

兎に角、財政投融資を含めて39兆円の予算が組めたのは、この新型コロナ肺炎COVID19が何ヶ月も続かないという予想があったのではと思う。何ヶ月も続いたのなら、財務省も動かず、日本の経済は完全につぶれてしまうだろう。

 

そこで、これまでのCOVID19の確認者、死亡者、回復者の其々人数のデータから、以前に韓国で行ったような、この疫病終焉の時期が予測出来ないかやってみた。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12587773150.html

 

結果は、何も分からないというしかないのだが、ドイツのケースとともにそれを示す。尚、予め断っておきたいことは、私はこの種の統計の専門化ではないことである。理系の元研究者であり、以下に示すのは、簡単な数値解析の結果である。

 

1)ドイツのケース;

 

下の図は、ドイツの致死率(1)と致死率(2)のグラフである。致死率(1)とは、既に死亡か回復かの結論が出た人数での死亡者の割合、致死率(2)とは、確認された人数に対する死亡者数の割合である。図中にもその定義を示した。

横軸は3月17日をゼロとした経過日数である。最初の高い致死率(1)は、疫病流行が始まった直後、検査数が少なく、死亡者と重症者のみが感染者として確認されたからである。検査体制が整った時、急激に検査数を増加させていることが、3月24の急降下でわかる。

 

この致死率(1)の急降下は、韓国でも同じ様にみられている。3月30日の記事に書いた様に、韓国ではこの急降下は、3月15日頃と、23日頃に起こっている。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12585840544.html

 

4月に入って、韓国では致死率(1)は順調に減少しており、中国を覗いて世界で一番、COVID19の流行が終わるだろう。ただし、それは単に第一波の終焉かもしれない。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12587773150.html

 

兎に角、直線近似ができれば、それを延長して致死率(1)と致死率(2)が一致する点が、疫病流行の終わる予測の日時である。ドイツでは恐らく、5月上旬から中旬と予想される。勿論、多くの感染国に囲まれているので、安易な予測は慎むべきなので、この結果はあまり重視して欲しくない。

 

韓国と異なり、ドイツに関するデータでは、致死率(1)に減少が見られない。これは、この様な大まかな分析においても無視できない感染者の流入があるからだろう。逆に韓国では、感染者の外国からの流入があまり無いのだろう。

 

2)日本のケース

 

同じ解析を日本について行った。データは日本政府のものではなく、ドイツのデータと同様、米国Johon Hopkins大のページからとった。結果を下に示す。

 

 

以前、一般的なケースについて簡単な計算をした時に論じたように、疫病蔓延が終結する際、致死率(1)は減少方向に動き、致死率(2)は増加方向に動く。その際、感染と平均的な死亡の間に2週間程度、死亡の時期と回復の時期の間に一週間程度の間隔があるとして、計算した。

 

それは、感染したのち一定期間の潜伏期を経て発病し、発病後、基礎疾患の有る人がかなり早期に死亡し、回復者はその後例えば1−2週間の闘病生活ののち退院することを、簡単にモデル化したのである。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12587988007.html

 

日本のケースでは、致死率の推移が、韓国やドイツのようにならないのは、感染テスト結果が、本当の感染者数の増減に関する情報を含まないからである。つまり日本の感染テストが、症状を訴えた人に対してではなく、既に発生した感染者と何らかの関わりがある人を中心に行ってきたからである。つまり、上記の解析からは全く予測は出来ないことになる。

 

因みに、点線矢印が示すのは、オリンピックの中止決定の日である。この日のあと、致死率(2)は減少を続けている。これは明らかに、感染テスト数が相当増加された結果だろう。致死率(1)が4月7日付近で山になっている。これは、何か発表されていない何かがあったのだろう。

 

尚、イタリアのケースでも致死率(1)は減少し、致死率(2)は増加する。そして、ドイツや韓国と同様のグラフが得られる。

 

以上、この分析は、感染テストが感染確認数を反映する場合には一定の有効性を持つが、日本のような特殊な国のデータでは役立たないことが分かった。

 

クラスターという言葉にこだわり、症状の無いものまでテストする一方、症状の極めて疑わしいケースでもテストしないという日本のやり方は理解できない。日本の保健所の所員は、このクラスターを洗い出すという作業で疲弊しているという。しかし、東京などの感染者では、今や殆どは、クラスター調査の延長上にある感染者ではない。

 

何時まで、馬鹿なことをやっているのか? このクラスターとかオーバーシュートという用語に主役を与えたCOVID-19対策は、もっと致死率の高いが感染力がそれほどでもない疫病にのみ使われるべき手法だと私は思う。

https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2020/03/blog-post_16.html 

 

(編集あり、13時10分)