ロシアがウクライナに本格侵攻して一年になろうとしている。直前のブログで紹介したように、終結にはほど遠く、戦争は新たなフェーズに入りそうな気配である。ノルドストリーム爆破の犯人が明確になったことが、その切っ掛けになると思われる。

 

つまりウクライナ戦争を取り巻く世界は、現在、第三次世界大戦或いは世界核戦争に向かうか、ウクライナの敗戦で終わるか、どちらかに向かう鞍点にある。以下それについて個人的直観的な考えを記します。

 

 

1)ウクライナ敗戦で幕引きがなければロシアによるNATOへの核攻撃があるだろう

 

ロシアの戦力は英米のNATOに比べればかなり弱い。戦争において先制攻撃をするのは弱い方である。ロシアが特別軍事作戦から本格戦争に入ると宣言するとき、本来の戦争相手であるNATOに攻撃を加えるだろう。そしてそれには核兵器を用いることになるだろう。

 

その瞬間が刻々と近づきつつあると思うのは、昨年9月のノルドストリーム爆破の犯人が米国であることが確実になったからである。20世紀から21世紀にかけて、米国の覇権を確実にする目的で多くの国家犯罪的行為が行われたが、この事件もその一つである。

 

ロシアに戦争を売るような行為は米国以外に行う能力がない。実際、昨年2月8日にドイツのショルツ首相が訪米した際の共同記者会見で、バイデン大統領は記者に誘導されてノルドストリームの爆破の予告ともとれる発言をしている。(https://www.youtube.com/watch?v=qKoPA3M7x2o 11:40)

 

 

 

バイデンの口ごもりながらの上記発言が本心であったことが、昨年の爆破事件発生とピューリツア―賞ジャーナリストのシーモア・ハーシュ氏によるその詳細な解説とにより実証された。それは世界に衝撃を与えた。(先週の前ブログ記事参照)

 

その内容の概略が、今日2月17日早朝の及川幸久氏のyoutube動画で解説された。 https://www.youtube.com/watch?v=MpbqW8Wel3A

 

 

 

及川氏は、その一通りの概略解説のあと、米国の世界戦略の第一はドイツとロシアの分断にあると言っている。つまり、その戦略の一環として、ドイツとロシアの繫がりの基礎を形成するノルドストリームを爆破したというのである。ウクライナ戦争は、それらを含むものすごく大きな米国の戦略の一部なのだ。

 

そして、米国の戦略を眺める方向を東アジアに向ければ、日本とロシアとの連携防止が見えるだろう。そして、サハリン2のパイプラインは、丁度ノルドストリーム1&2と同じ意味を持つ。その日露連携の可能性破壊の方法の一つが、米国CIAによると思われる昨年7月8日の事件だろう。

(過去のブログ及び田中宇氏の記事、https://tanakanews.com/220808abe.htm

 

ただ、これらは米国の戦略というよりも、米国左翼の戦略というべきである。後で書くように、米国は現在大きく言えば二つに分断されていて、この世界戦略はその一方である民主党を中心としたネオコン勢力の戦略である。人によってはこの勢力をディープステートと呼ぶ。

 

この勢力が20世紀に入ってから米国の中心に存在していた。時々共和党が政権をとっても、それは顔だけ共和党の同じ勢力(ネオコン)の政権(ジョージブッシュ政権など)か、伝統的米国を代表する気概を持ったが、それ故潰された政権となった。(ニクソン政権?)

 

最近になって、ネット社会の影響も一つの大きな原因だと思うが、相対的に民主党とネオコンの力が低下した。そして、米国の分断、世界戦争の危険性が増大した。これからは民主党の主要部と共和党の同じ勢力をまとめてネオコンと呼ぶ。

 

第三のセクションに、最も大きな視野でこれらを成分とする米国ネオコンの戦略について書く。それはウクライナを使ってロシアを弱体化させること、ロシアと他の国の関係を遮断すること、更に米国の弱体化をも含む。もう片方の米国、ここではトランプらと呼ぶが、NATOは彼らの道具ではない。彼らは、米国が世界の警察でなければならないとは全く思っていない。

 

 

2)ロシアのNATO攻撃は存亡を賭けた強烈なものになるだろう

 

近い将来にウクライナが白旗を上げないと(上げさせないと)、ロシアは対NATOとの戦争に入る可能性が高い。その場合、中途半端な戦争では必ずロシアが負ける。そして、極めて多数の死者と分解された国土が残るだけになるだろう。

 

ロシアが本格的な戦争に入る場合、残された武器は核兵器しかない。戦術核でウクライナやポーランドとウクライナ国境付近を攻撃するだけでは、ロシアが世界核戦争に発展させることに対する躊躇があると見られるだろう。その場合、先に荒野となるのは弱気になった方である。

 

つまりロシアに一定の躊躇があればロシアが先に荒野となる。ロシアにとって唯一の勝利のシナリオは、強烈な一撃で米国が戦争継続を諦めることである。従って、最初の一撃からNATOに大打撃を与える作戦に出ると思う。

 

例えば、NATO加盟国の主要基地周辺或いは大都市の一つを完全に破壊するなどの作戦をとる。おそらくノルウェーか英国がロシアの超音速核ミサイルのターゲットとなる可能性が高いと思う。ノルウェーは、ノルドストリーム爆破の引き金を引いた国である。

 

ただ、ノルウェーは本丸からはだいぶ遠い。そこで狙われるのは英国かも知れない。

 

 

3)何故、米国はこのような戦争を計画するのか?

 

米国が国益追求を第一とするアイデンティティの明確な国家なら、上記のような危険な戦争は決してやらない。もしウクライナ戦争と今深刻な国内での分断が無関係なら、米国は直ぐにでもウクライナを見捨てて、米国内統合のためにエネルギーを使うだろう。

 

そうならないのは、国内の分断が本質的であり、ウクライナへの軍事支援やノルドストリーム爆破事件と原因を共有するからである。米国支配層の中心的課題の達成は、それらを避けた道の先にあるのではなく、それらを超えたところに存在する。

 

つまり、米国内の分断や米国の弱体化よりも、それらミッションの達成が大事なのである。以下はその謎に対する一つの答えである。

 

米国の政治経済において、ヨーロッパから移住したユダヤ系資本の力が20世紀初頭には非常に大きくなっていた。(補足1)そして米国の支配層は、FRB設立のウイルソン大統領あたりから、ユダヤ系資本家達に移った。それが、林千勝氏らの近代史研究家の話だと私は理解している。

 

ユダヤ系資本家の米国移住につれて、世界覇権は英国から米国に移動した。しかし、20世紀終わりあたりから、徐々に米国の国際的地位が低下し始めた。そして、世界覇権の維持がこのままでは危うくなるので、世界の多極構造のなかでの支配権を目指すことになったと思う。

 

それが国際連合などの設立の動機だろう。その覇権構造においてもネオコン勢力が支配する米国の地位が怪しくなってきた。元々モザイク国家である米国国内での彼らネオコン勢力の地位が徐々に弱くなってきたからである。

 

その理由は、ユダヤ系がアングロサクソン系白人を統治する構造に元々無理があるからだろう。そこで、前者がアフリカ系米国人と南米などからの移民たちを抱き込んで世界覇権国の米国を作り上げる作戦をとりだした。それが米国の左翼運動の正体だろう。

 

それも結局不可能なことが明確になりつつある。情報の流れを完全独占することが不可能となり、そしてトランプらの出現もあって、建国時のマジョリティの白人たちが勢力を盛り返したからである。(補足2)マイノリティが集合しても結局最初のマジョリティが団結すれば敵わなくなる。

 

ツイッターも失い、大統領を演じる聡明な看板役者も得られなくなった。共和党はネオコン(つまり米国の現支配層)の支配下から完全に脱することになるだろう。

 

そこで、米国の代わりとなる国として彼らは中国を考えたように思う。米国がニクソンとキッシンジャーの時に開始した中国との交流、そしてその後の中国の経済成長の裏には、そのような計画があったのだろう。

 

中国は世界文明の中心には位置しない。そのハンディキャップを現在米国の中心にいる彼らが埋め合わせれば、理想的な役割分担が出来上がる。そして、トロツキー的共産主義を共有できれば、深いところから協力できる世界国家が出来上がる。

 

そして多極化した世界の舵取りをする地位を米国から奪うのである。米国を弱体化する現在の様々な政策は、その計画の一環である。(補足3)

 

BLMやキャンセルカルチャーなどの運動は、米国が統合された国家なら考えられない不可思議なものである。ポリティカルコレクトネスなども、保守主義的思考ではバカげたことなのだが、それには上記のような裏の目的があったのだろう。

 

但し書き:

 

筆者は元理系研究者であり、歴史や世界政治に関する深い知識を欠いています。それら一切考慮していない非常に直感的な推理にすぎませんので、ご注意ください。コメントなど歓迎します。

(16:20、18:00、編集&表題変更;2/18/13時 編集)

 

 

補足:

 

1)日本の明治維新からの近代史の中心部分にも、このユダヤ系資本の働きが存在する。それは林千勝氏らの本の主題である。

 

2)Make America Great Again (MAGA) は、マイノリティを抱き込む左翼的手法から、建国時のマジョリティと協力して世界一の強国であり続けるという方向に、ユダヤ系支配層に政治方針の転換を促す政策だろう。そして、中国に対する甘い期待を捨て去るように誘導するのである。トランプは決して反ユダヤ資本ではない。

 

3)その目的には、習近平の中華民族的な共産党独裁は邪魔である。それがジョージソロスがダボス会議で何度も習近平批判をした理由だろう。米国ネオコンが中国に期待するのは、トロツキスト的共産主義に協力して世界を統一することだろう。その期待があるので、バイデン政権は本気で中国敵視政策をとるとは思えない。

 ピューリツア―賞受賞のジャーナリストのシーモアハーシュ氏が、ノルドストリーム(ロシアドイツ間のガスパイプライン)の爆破が米国バイデン大統領の指示により実行されたと自分のブログで暴露したという。


昨年の夏、NATOの演習を隠れ蓑に遠隔操作の爆薬が仕掛けられ、3か月後に爆発させたようだ。ロシア側は激怒し、現在進行中の停戦の秘密交渉が決裂した場合、具体的な核攻撃の準備に入るという。https://www.youtube.com/watch?v=kWt4dUgOHSg

 

 

シーモアハーシュ氏のこのブログの話は、Reutersも記事にしているが、彼らには裏付けが得られなかったと書かれている。https://www.reuters.com/world/us/prize-winning-reporter-seymour-hersh-no-stranger-controversy-2023-02-09/


Youtuberの「NewYork サバイバル」は、ギリシャの記事からの引用で紹介しているが、インドからのyoutubeも含めて、現在世界中で騒ぎになっているようだ。

https://www.youtube.com/watch?v=0IHdojelsJc

 

大急ぎでの配信:

 

追加: 張陽チャンネルで詳細を解説しています。

 

 

 

 

 

 

 

前回記事に在米の方より、日本国憲法から考えて同性婚は認められるべきであり、その重要な点に関する考察が欠けている等のコメントを頂いた。それに対する返答を、ここで一つの記事として公表したい。以下に私が理解したコメントの主要な点を整理する。
 
①    日本国憲法では、誰にも平等な権利が保障されている。しかし、婚姻に関しては日本国憲法では同性結婚は認められていないのはおかしい。
②    日本では雇用平等法があっても実質的に(LGBTの方たちを対象にした時は特に)おざなりにされている。欧米先進国では、この問題は法的には解決しており、教育、職場、特に公務員では完全施行に努めている。 
③    岸田首相(の秘書官罷免)は、このような先進国の現状を念頭にした前向きの処分だと思える。
④    秘書官の職務が何かよく知らないが、キャリア官僚というのもかなり奇異。日本には本物のディープステートがありますから。しかし行政分野に関連付けた発言は適切ではない。
⑤    もし岸田の側近が、実は、自衛隊は軍国主義につながるから嫌い、とオフレコで発言しても処分は免れないのではないですか?
 

尚、私の理解が間違っている可能性があるかもしれないので、確認は元のコメントでしていただきたい。
 
2)日本国憲法と同性婚の問題:
 
日本国憲法では、基本的人権として幸福追求の権利が公共の福祉に反しない限りという条件で認められている。また同24条には婚姻は両性の合意のみに基づいてなされると謳われている。24条は古い家社会から新しい個人主義の社会に移行したことの一つの現れである。
 
誰と結婚するかは、個人の自由として基本的人権に含まれる。しかし、結婚は個人的な事だけではなく社会的な事でもある。つまり、結婚にともなう法的権利は基本的人権との関係というよりも、社会の基本単位である家庭形成を奨励するという意味で制定されたと考える。


 従って、そのように見なされない”同性婚”について、法的な手続きも法的優遇措置もないのは、基本的人権とは関係ないし、別段憲法に違反する訳でもない。個人的に「だれと仲良くなるか」も当然自由であり、その自由は基本的人権の範疇に入る。同性2人が仲良くなって同居することも自由だが、社会的には何か新しい価値の出現とはみなされないだけである。

 

日本では、男性一人と女性一人が家庭を築くことが健全な社会の維持に欠かせないので、社会に有益と考えられているのである。同棲する同性のカップルが、結婚した二人の男女にみとめられる様々な法的特典が認められないとしても、社会に新しい価値をもたらす訳ではないのだから当然である。
 
具体的に話を進めると: 男女が結婚をして、未来の社会を担う子供たちを育てると期待されるので、結婚に伴う様々な法的権利が授与される。実際に子供が誕生して養育された場合、更に特典や援助が追加される。同性のカップルに子供を養育することが十分可能だと日本社会が認めなければ、そのような特典は与えられず、その二人もそのような権利は主張できない。
 
そのような社会的判断は国民がすることで、それを国家が法制化する。その自由は国家主権の一つである。欧米に見習うべきかどうかは、日本の文化、つまり国民の判断、に照らし合わせて慎重に考えるべきである。

 

現状、独身者や同性のカップルが健全に子供(養子として)の養育ができないと日本人の多くが考えている。 (補足1)

 

3)そのほかのコメントについて簡単に:


②; 日本の雇用形態は、効率的な人材の用い方ではない。給与が実績(能力)で決まれば、雇用の流動性も確保され、正規非正規の問題もなくなるだろう。根っこの部分に、会社が新人を雇用することが、封建時代の主従関係に似た関係であるという日本文化が存在する。そして、恭しく入社式などを催すのである。


それ故、能力や業績以外に、単に長く勤めあげることが表彰の対象になったりするのである。国家公務員でも勤続25年で表彰される。


③;岸田さんは、常にエマヌエル大使から米国民主党のグローバリズムについて学んでいるので、秘書官への批判で目が覚め、それに従っただけだろうと思う。その証拠に、今では同性婚を法的に認める動きになっている。日本の政界はこのレベルであるので、荒井秘書官のような人物が必要なのだ。

 


④;ディープステートとして日本の官僚システムが存在するとの指摘だと思うが、それも米国そっくりである。総理秘書官だが、米国のSES(senior executive service)と呼ばれる人たちに似ている。オバマ政権が大量のSESをディープステートの推薦で入れ替えたことが、その後の世界政治に大きく影響している。


例えばトランプ政権末期、2020年10月30日と2021年1月8日の2回、米軍ミリー統合参謀本部議長が中国軍に対して攻撃の意図はないと電話で伝えていた。米軍の高官だが制服組トップに過ぎないにも関わらず、大統領の頭越しに外交ができるのだ。さすがSESである。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12645256562.html


⓹;仮に側近が、自衛隊は軍国主義につながるから嫌いとオフレコで発言した場合、処分されるのは当然です。自民党はそのような人物は嫌いだから、外圧ではなく内部から正常なプロセスで罷免されると思う。

重要な点は、基本的人権といえども公共の福祉に貢献する形でしか主張できないということです。つまり、憲法であれ一般的な法であれ、社会にマイナスになるような形の権利は規定されるべきではない。同性婚や1:3の複数婚のような「家庭」は、公共の福祉に貢献しないと考えるのが、日本の文化だと思う。以上です。
 

補足:

 

1)独身者が単独で子供を養子にして育てることが奨励されない理由は、例えば独身男子と若い女性の養女の”人工家庭”を考えれば想像できる。人間もこの自然界の動物であり、子供の健全な養育は親子の愛情があってこそのことである。

(12時30分に編集、補足1追加)