BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館 -8ページ目

BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

神学者トマス・アクィナス(Thomas Aquinas) は、
いわゆるスコラ哲学を完成した人物として知られている。
彼は神学ばかりではなく、美学にも通じ、
アリストテレスから想を得て「見慣れたものは美しい」などの表現をしている。
人の美的感覚は、普段、見慣れたものと大きくかけ離れ過ぎたものには「美」を感じず、
見慣れたものを修正した程度のものに「美」を感じるものらしい。
ピカソの抽象画を見て即座に美しいと思える人はごく少数派。
やっぱり、「見慣れたものは美しい」となるようだ。

写真の世界で一時代を築いた女流写真家ダイアン・アーバス(Diane Arbus) は、
風変わりな情景を撮る写真家だった。
ある双子の写真

鬼籍に入ってより久しい時が流れたが彼女の作品はいまだに世界を巡っている。
写真家として彼女が人生をスタートさせたのはファッション写真。
美しい女性を起用し最先端のファッションで身を包む。
まさに「どうだ!」と言わんばかりの美しい写真が出来上がる。

そんな彼女だったが、次第に魅かれていった被写体としての人物は、
いささか狂気を帯びたような人たち、すなわち、
精神的肉体的に他者と著しく違いがあったり、異なる嗜好を持つ人たちへと移行していった。
彼女は「カメラは正常な人を異常に拵える力がある」
などという物騒な(?) 言葉を残している。
この写真などは、それを感じさせるもの。
次第に心のバランスを喪ったのか、1971年48歳で自死。
「見慣れたものは美しい」とは、大きく隔たった彼女の写真だが、
写真の世界を大きく変えた「美」とも言える。

早過ぎた写真家。
時々彼女の写真集を開いてみる。

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<了>

かつて、写真を撮られると魂を吸い取られるなどという迷信があったが、
19世紀のフランスの作家・バルザックも写真を撮られることを嫌ったという。
今や写真に撮られることをそこまで忌避する人は、おそらく、あまりいない。
写真は日常に普通に存在し、その写真もセルフィーで撮り、
インスタグラムやフェイスブックに気軽に載せている。
魂が奪われるのであれば、もはや命は擦り切れんばかりになっているハズ。

バルザックと同時代の哲学者・フォイエルバッハはちょっと進歩的だったかもしれない。
彼の著書『キリスト教の本質』の中に表した文に、
「我らが時代は、事物より模像を、原物よりも複製を、現実よりも描写を、
存在よりも外観を好む傾向がある」というもの。
端的に言えば、当時の進歩的現代人は、写真などの複製を好み、
人は、外観を好む傾向にあることを語っている。
200年ほど前に、その傾向が見られたということらしい。

バルザック本人は、写真も銅像などを好まなかったが、
彼の死後40年ほど経った頃にフランス文芸家協会がロダンにバルザック像の製作を依頼した。


出来上がったのが上記の像。
ロダンは、写真を見て製作したと言うが、デフォルメが強過ぎて、
溶岩や、まるで異教神のように言われたり、この像に対する批判が殺到した。
「我がフランスが誇る偉大な作家を侮辱した」と、
依頼した協会からも作品の引き取りを拒否されたという、いわくつきの作品。

ところが、今になってみると、そのデフォルメこそ「彼を大いに語っている」という評価を得て、その像がコトのほか人気となっている。
ちょっとキモいが、味は出ている。
人は忠実な似姿より、デフォルメのきいた「模像」を好んでいる。

「現実よりも描写」ということか?

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<了>

取り合わせでしっくりいかないものが、かえって「美」であったりする。
そんなものを標榜する現代美術にも影響を及ぼしたのが、
フランス語の「デペイズマン(dépaysement)」。
もともとは「環境を変える」などの意味だったが、シュルレアリズムの統率たるアンドレ・ブルトンが用語として使い「居心地の悪さ、違和感」などを表す美的な言葉に変化した。
その言葉の誕生の元となったのは、
1869年に書かれたロートレアモンの詩『マルドロールの歌(Chants de Maldoror)』。
その一節にある「解剖台の上でのミシンと こうもりがさの 不意の出会いのように美しい」
というもの。
この三者、何の取り合わせ?といったところ。
このロートレアモンの詩の特徴は、
作品の中に医学や自然科学の分野の用語をちりばめるという荒技。
どう取り合わせをしても、それまでの美的感覚から言えば、かなり異質。
詩の中で見いだすのは、唐突と違和感。
アンドレ・ブルトンが推したルネ・マグリットやキリコの絵画には、
明らかに唐突で奇妙な取り合わせがある。
違和感のある取り合わせの中に「妙(たえ)なる美」があるというところか。
マグリット「秘密の遊戯者」
現代美術に一つの新風を巻き起こした「デペイズマン」。

昨今、取り合わせの悪いものとして挙げられるのがAi "Grok (グロック)"。
これは、実在の人物の画像を容易に別の姿に加工することができるもの。
実際に作り替えられ、実在する人物の画像として "X" 上で掲載されている。
その画像は、本人に無断で性的な姿に加工されたりしている。
こうなれば、犯罪とも言えるが、規制するべき法整備がなされていない。

これは、「デペイズマン」といったレベルではないようだ。

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<了>