BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館 -13ページ目

BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

『源氏物語』が書かれた当時は、出版という形態ではなく、
書を書き写し、仮綴の本として作り、それを回し読むということをしていた。
『源氏物語』に書かれていることは、実話をもとにしたスキャンダル作品でもある。
これを当時の女官たちは、描かれた人物を特定しながら読んだとも言われる。
第八帖である「花宴(はなのえん)」には、そんな物語が展開する。
舞台は、紫宸殿(ししんでん) で開かれた花の宴。
時は、如月の望月の頃。
これが書かれた紀元千年頃には、もうすでに華やかな花宴が開かれており、
光源氏は頭中将らとその花の宴に出て舞や詩を披露する。
源氏はその夜、おぼろ月夜に誘われ、そぞろ歩いて弘徽殿あたりに行くと
歌を詠むひとりの姫君に出逢う。
その姫君と源氏、お互いの気持ちが高ぶり、一夜を過ごすというストーリー。
お互い誰と名乗ることもなく、別れ際にそれぞれの扇を取り交わす。
その相手の姫(朧(=おぼろ)月夜)こそ、東宮への入内が決まっている右大臣の六の君だった。
寂聴訳『源氏物語』

もう、これだけで、ワクワクするようなスキャンダルを内包するストーリー。
この後どうなっていくのだろうか?そんな気持ちを抱かせる。
のちに、光源氏は交わした扇で、あの姫がこの六の君であったことを知ることになる。

桜の花が開花している期間は長くて2週間。
開花するまで待ち侘びて過ごすことになるが、中でも花の盛りは、わずか数日でもある。
そんな儚い花のもとでの出会いを印象付けて描いた紫式部は、
その機微を心得ているとも言える。

桜の開花時期と重なるのが、いわゆる「なたね梅雨」。
別名「催花雨(さいかう)」とも呼ばれ、
冬と春の空気がぶつかることで前線が停滞し、しとしとと降る雨が続く。
桜とばしの雨でもある。これで一気に桜が散ってしまう。

短い開花期の桜と、その背後にある儚い恋の物語。

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<了>

「春眠暁を覚えず」という言葉がある。
春はやたらと眠気が差してくるもの。
寒さが和らいだ安心感からなのか、寒さで目覚めることなく、
日中なども睡魔が襲ってきて、つい、ウトウトと眠ってしまう季節のようだ。
夏目漱石の小説『草枕』には、そんな春の様子が描かれている。
その辺りを文章から抜粋すると、
「春は眠くなる。猫は鼠(ねずみ)を捕る事を忘れ、人間は借金のある事を忘れる。
時には自分の魂の居所さえ忘れて正体なくなる」と出てくる。
夏目漱石『草枕』

「魂の居所」さえ忘れる、というのは、漱石流の小気味の良い表現でもある。

そんなのんびりの春の風景だが、思えば、20世紀は激動の時代とも言われる。
二つの世界大戦もあったり、何次にもわたる中東戦争などもあった。
心安らぐ暇があったのかと思ったりもするが、
20世紀の中で、最も何事もなかった日というのがある。
これは、情報学者のウィリアム・ピドー氏が、コンピュータープログラムを用いたデータ分析で、
一番、何ごともなかった 一日として、1954年4月11日を選んでいる。
この日は、別名「歴史上最も退屈な日」。
戦争や紛争もなく、著名人の死亡もなかったという稀有な一日。
唯一、世界ではベルギーの総選挙が行われた日ではあったようだ。

夏目漱石が表現したように、この日は、
「猫は鼠(ねずみ)を捕る事を忘れ、人間は借金のある事を忘れる」
そんな一日であったようだ。

そう表現された春の一日から七十数年を経た今は、そういうわけにはいかない。
中東では、火花が散っている。
一人の男のために、世界は混乱の渦に巻き込まれている。
この "TRUMP" の単語の意味は「トランプカード」の意味ではなく、
最終段階にに出す「切り札」のこと。
本人は、それを意識してか飛行機にも"TRUMP"と書いているほど。
どうも、とんだ切り札のようである。

春とはいえ、うかうか眠ってはいられない。

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<了>

夜桜の季節になってきた。
梅の花はその香りを放っているが、桜は、それほどではない。
夜に咲く梅の花を詠んだ歌「春の夜の闇はあやなし梅の花 色こそ見えね香やは隠るる」
これは、『古今集』に収められている凡河内躬恒(おほしかふちのみつね)の歌で、
この意味は「春の夜の闇は何とも不思議だ。梅の花は闇に隠れているけれど、
その香りは隠れることなく漂っている」となる。

近代を迎えるまで「闇」は恐怖の対象だった。
『源氏物語』には、闇がどれほど深いものかが物語に投影されている。
たとえば、「夕顔」「葵」「明石」などには、深い闇が描かれ
闇の中に「物の怪(もののけ)」が登場する。
つかみどころのない「物の怪」によって死にまで至らしめる恐ろしさをもっている。

この「闇」という言葉は、病に罹るなどの意味を持つ「病(や)み」からきているという。
「病み」は「物の怪」が支配する暗黒の世界だが、
「病み」に打ち勝った存在は、それ以上の力を持った存在となる。
「闇」を通過すると強い生命力を持つと考えている。
たとえば、植物のタネなどが土に落ち、土中という「闇」を通過することによって、
生命力を漲らせて、大輪の花を咲かせる。
「闇」は恐怖であると共に生命を産み出すもの。

イギリスの小説家・コンラッドの小説に『闇の奥』というのがある。
『闇の奥』

この話は、貿易会社につとめていたクルツ(Kurtz)が、アフリカの奥地で、
クルツを神として崇拝するという帝国を築き上げようとしている
というウワサを聞くところからストーリーが展開する。
誰も知らない闇の奥で何かが行なわれているが、こち側の人間は何もわからない。
いわば「闇」世界。
そこで調査に行ったのが主人公・マーロウ。
誰も知らない「闇の奥」で出会い、クルツの心の「病み」を見いだしていくというもの。
闇の中には病みがあり、そこを抜けて出てきた者は、恐ろしいほどの生命力を宿すものらしい。

思えば、当方は昨年、生死を彷徨うような肺炎にかかった。
まさに深い闇(病み)だったが 、それを乗り越えて今がある。

そうすると、ど〜うも、長生きしてしまいそうだ。

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