柄にもなくマイセンで、スミマセン。 | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

時々百貨店などで「マイセン展」が開催される。
白を基調としたこの種の磁器は、夏の日差しにも映える優美な味わいがある。

このマイセン窯の誕生は、大航海時代、東洋からもたらされた白磁に影響を受けた王侯が、
当時の錬金術師などに命じて17世紀頃に着手したもの。
初期のマイセンは中国の五彩磁器や有田焼にその影響されたものらしい。
そのほか西洋の磁器は、概して明るい色調の華やかなものが多い。

これに対して、同じ、16世紀から17世紀に至る時代の日本は、
ちょっと違う焼き物を好む傾向が出来上がった。
日本にも中国から白磁や青磁、唐物と呼ばれる染め付けの磁器などが押し寄せて来ていた。

日本の嗜好のターニングポイントとなったのは、千利休。
彼が眼にし、魅かれたのは井戸茶碗と呼ばれる高麗で日常的に使われている雑器の茶碗。
井戸茶碗

いわゆる、上手物(じょうてもの)と呼ばれる白磁などの高級な焼き物ではなく、
「竹の節高台」と称される高い高台をもつ素朴で力強い味わいがある陶器。
そして釉薬は枇杷色。高台付近は強度の貫入(ひび入り)でひどく爛れ縮れているもの。
焼きムラなどがあり、繊細さより大胆さや素朴さがあらわれている。
千利休は、このようなものに「美」を感じた。
彼がその当時の粋人たちに、これを美と感じる感性を植え付けたという面もあるが、
日本人が、長年培ってきて作り上げた美意識かもしれない。

利休と同時代を生きた荒木村重は、織田信長に追い詰められ居城を捨てて逃げ延びた戦国武将。
その時、後生大事に持って逃げたのが、この「井戸茶碗」の一つ。
この辺りが何とも「妙」。

我が食卓を彩っているのは、井戸茶碗を思わせる茶碗。
午後のお茶時には、ガラにもなく...マイセン(^^;;

この二つを味わう生活。意外に贅沢かも知れない。

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<了>