どこから来たのかご苦労さんね、どこへ行くのかお疲れさんね。 | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

フランスの画家・ゴーギャンの作品に
『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』というのがある。
この作品は南太平洋の島タヒチで描かれたもの。

これは、その絵画の一部となる。
本来は、6メートル x 2メートルといった横に長い作品だが、
その中には、蛇・赤ん坊・花・頭を下げた謎めいた人物などが描かれている。
彼は、生まれからして波瀾の人生を歩む。
親に連れられペルーに行く航海中にが父親が亡くなりフランスに帰ったのは7歳のこと。
さまざまな職に就くが、画家を目指し、海外など変転ののち、
印象派の画家と交わりゴッホと知り合いになるが、あの耳切事件に関与となる。
その後、タヒチへと移り、楽園という島で待ち構えていたものは、
病、貧困と孤独、さらに娘の訃報。この作品は、その中で描かれたものだと言われる。

「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」で思い起こすのは、
鴨長明が書いた『方丈記』。
「行く川のながれは絶えずして、しかももとの水にあらず」から始まるが、それに続く文には、
「知らず、生れ死ぬる人、いづかたより來りて、いづかたへか去る」という言葉が綴られている。
まさに、ゴーギャンのタイトルの如し。
この鴨長明もさまざまな苦難に遭遇している。
それを探ってみると、安元三年(1177年)には、都の三分の一を焼き尽くす火災。
治承四年(1180年)には竜巻被害。
水害および飢饉となり、元暦年(1185年)には、大地震。
これは偽りのない事実を列挙しているもの。
まさに天変地異に溢れている。
そして、こんなことが起これば政変も起こって然るべき。

思えば、この言葉を擁するこれらの作品は、苦難の中から生まれたものとも言える。
我々は、屈託のない生活を送りつつ、悠然とこれらの作品を見ている。

「知らず、生れ死ぬる人、いづかたより來りて、いづかたへか去る」

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<了>