人生はキャバレ〜♪!でっせ。 | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

20世紀の終わりごろの時代、「世紀末」という言葉を好んで使ったものだった。
ちょっと退廃的な香りのする表現でもあるが、その頃の日本は、バブルがあり、その崩壊も味わった。それを凝縮した言葉でもあった。
そんな風景と同様に、19世紀の世紀末のパリにも、そのような影を見ることができる。
当時のパリは、万国博覧会景気で世界からの来訪者が増え、昼は万博、夜は歓楽街。
そんな気運に満ちていた。
ルノワールが描いたその頃のモンマルトルの夜の風景には、
殷賑を極めたような風情が描かれている。
このような気運の中で産声を上げたのが、モンマルトルのキャバレー・ル・シャ・ノワール (Le Chat noir)。スタンランのポスター画はあまりにも有名だ。

このキャバレーを創設したのはロドルフ・サリスという今で言えば起業家。
詩人のグドー (Goudeau)に相談を求めたところから全てがスタートする。
サリスは、それまで経歴らしいものが一つもないただのボヘミアン。
ただ、親は造り酒屋を経営していた。
そして、「お前が何かやるんだったらカネは出しやってもいいぜ」という。
そこで、当時、流行傾向にあったキャバレーを思いつき、
ちょっと小粋さで売っている詩人・エミール・グドーに相談すると、
「舞台で何かするより、みんなで話したりワイワイやってる方が遥かに面白い」
となり、グドー自身が文人や画家たちを連れてきてワイワイし始めると、
「コイツはいい」とばかり、人が集まるようになってきた。
まさに新しいスタイルのキャバレーとなる。
このル・シャ・ノワール (Le Chat noir) はエドガー・ポーの怪奇小説『黒猫』からヒントを得たもの。当時、ボードレールが翻訳して、インテリの間では人気を得た小説。

エリック・サティは、そこでピアノを弾いていた。
彼の曲は今でも街でイージーリスニングように流れているが、彼が唱えたのは「家具の音楽」。
すなわち、家具がそこにあるように音楽が流れている。
そんなようなピアノ弾きが居たりと、文化人がそれぞれに会話を弾ませるキャバレー。
19世紀の世紀末に生まれた新しい文化とも言える。
今は形を変えて、モンマルトルに同名のビストロとして引き継がれている。
(写真提供:MisVo)
カウンターの隅には、ピアノが設置されていた。
エリック・サティがそこに居たら...
そんな幻想が浮かんできた。

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<了>