タネ無しサクランボだったら良かったのに | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

落語の人間国宝だった桂米朝さんが語った言葉に
「落語が面白話であれば『楽話』となるハズだが、語るところに妙味があり、そのために『落語』という名称がついている」と語っていた。
そして、「落語は話者が消える芸である」という言葉も残している。
もちろん落語家が話しているが、その話から浮かび上がってくる想像の世界に意識が入った瞬間、話者が目の前から消えて頭に浮かんだ荒唐無稽な映像の中の世界に浸っていく。

落語のネタに、『頭山(あたまやま)』というのがある。
落語の分類で言えば、荒唐無稽なストーリー。
簡単に、この落語を紹介すると、
「男がサクランボを種ごと食べてしまったところ、種が男の頭から芽を出して大きな桜の木になる。
そうすると、近所の人たちが、騒ぎながら男の頭に上って、その頭を「頭山」と名づけて花見で大騒ぎしはじめる。
男は頭の上がうるさくて苛立ちのあまり桜の木を引き抜いてしまう。
そこには大穴ができ、この穴に雨水がたまって大きな池になり、
今度は、近所の人たちが船で魚釣りを始める始末。
釣り針をまぶたや鼻の穴に引っ掛けられた男は怒り心頭に発し
自分で自分の頭の穴に身を投げて死んでしまう」というオチがついた話。
現実には起こりえないことではあるが、空想の世界では、
「そんなアホな~」と思いつつ納得ができてしまう。
まさに、語る落語家の姿が消えて空想の世界の住人になる。

まず、サクランボの種を呑み込んだところから起こる不幸な話であるが、
あり得ないことばかり。
まさに荒唐無稽。
この『頭山』を題材にして2002年にアニメ映画監督である山村浩二氏が短編アニメ化したのみならず、世界23の映画祭で受賞や入賞を果たしている。
多くの人がこの荒唐無稽な世界に賛辞を贈った。

ただ、最後は「身投げ」という物騒な終焉だが、
それよりも何かハッピーエンドなオチに期待したいところである。

*無断転載を禁止します。
*严禁复制粘贴**本"Boots strap"博文禁止复制粘贴。如有发现,本人将采取法律措施。

*2カ所のブログランキングに参加しています。
↓↓下のアイコンにポチッとお願いします。押すとランキングのページに行きます。お手間ですが戻ってきて、もう一つ下のアイコン(にほんブログ村)にもポチッとして頂ければ、、。

エッセイ・随筆ランキング
↓↓ にほんブログ村は、こちら。  
にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
にほんブログ村

フレンドリーでリーズナブルな外国語スクール
*外国語リニア
芦屋市大原町12-1 プティビル 201

<了>