日本の昔話として、そのストーリーは誰もが知っている。
児童文学のように取り扱われているが、ところがどっこい、文体としても安定しており、
『不思議の国のアリス』を書いたルイス・キャロルを彷彿とさせるようなユーモアもある。
シャレのセンスもある。
おそらく、書かれた平安初期では、傑出した人物とも言えそうだ。
この物語の中に、かぐや姫が成長し五人の貴公子が結婚を申し込むシーンがある。
そこで、かぐや姫が貴公子それぞれに難題を与える。
難題とは、「龍の首の珠」「仏の御石の鉢」「蓬莱の玉の枝」「燕の産んだ子安貝」
「火鼠(ヒトカゲ) の皮衣」を取ってくることだった。
ちょっとやそっとでは、手に入れられるものではない。
この求婚した人物の5人のうち3人は実在の人物。
虚実皮膜といったところでもある。
この「火鼠の皮衣」の難題を出された右大臣阿倍右大臣も実在したひとり。
「火鼠の皮衣」というのは、ちょっとやそっとで燃えないが、
燃やすと新品状態に生まれ変わる摩訶不思議な布。
「火浣布」という名前で中国の古い文献には出てくる。
当時の日本には、もちろん、そんなものは存在しなかった。
こんなものにも精通しているとすれば、この作者は、何者?
などと思ったりもする。
この五人の貴公子は、いずれ違わずドジな振る舞いをしてしまい、
誰一人この難題を乗り越えることができず、かぐや姫は月に帰ることとなる。
これら五つの難題だが、今でもそれぞれに難題でもある。
今の時代なら「火鼠の皮衣」ただ一つだけ難題から解放される希望がある。
難燃性の繊維が多く製品化されている。
ちょっとやそっとで燃えない素材があるが「火鼠の皮衣」のように「燃やせば元に戻る」という代物ではない。
千年以上前の難題は、今でもやはり難題。
かぐや姫は、おとぎの国の住人であるのは変わらない。
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