- 信頼の構造―こころと社会の進化ゲーム/山岸 俊男
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信頼とは何か。
ということをわかりやすく説明している本。
著者は、社会心理学の人で、いろんな実験を通して信頼の構造を解き明かそうとしてる。
信頼についての概念を細かく分類したり、面白いたとえを使ったり、してる。
印象的なところを引用。
「生活者の意識している「現実」をいくら丹念に調べても、彼ら自身が気づいていない現実に対する洞察は得られないだろう。これらの実験の参加者の主観的な「現実世界」から出発する限り、彼らの行動が実験操作によって生み出されたものだとういう洞察には至らないだろう。同様に、そして同じ理由により、現実に生活している人々の主観的な意味の世界をいくら丹念に理解したところで、彼らの心や行動を生み出しているしくみについての洞察には決して到達しないだろう。この実験結果は、現在の一部の社会科学者の間に見られる主観主義的なアプローチがもつこの問題点を、端的なかたちで表現している」(p.199)
ま、日米での人の信頼(ここでは一般的に使用されている意味での信頼、本書によれば、日本は安心社会であり、アメリカは信頼社会であるという)のレベルが違ったりするらしい。
ひとつ気になったところは、信頼のレベルによって高い信頼を持つ人と低い信頼を持つ人がどうしているのかということ、それは当然内外の要因によると思うが、それについての詳しい言及がなされていなかったこと。国家レベルでの信頼についての差異を挙げているが、国家内部での差異についての言及がなかった。ここでは、そんなことは問題にしていないといわれたらそれまでですが・・・
だからこそ、終章では、日本社会がどうあるべきかとかどういう方向へいくのがいいとか述べている。
国家内部の差異については言及されていないのに、それをどうするべきかというのは、これはまた難しい問題でしょうね。国家間の比較からそれらの特徴は分かったけれど。こういう方法では、歴史的に国内の差異の説明をすることはできないのかなとも思いました。