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【オススメ対象】
・ソリッドシチュエーションスリラーが好き
・新しいソリッドシチュエーションスリラーが見たい
・限定空間でのシンプルな展開の映画が見たい
この評価を読む前に
映画の嗜好について
を一読してください。
レンタルは劇場での上映時期とはズレてます。
ジャンル・・・サスペンス
1)オススメ・・・8
2)ツボ・・・9
3)脚本・・・9
4)映像美・・・8
5)特殊効果・・・7
6)俳優・・・9
7)監督・・・8
8)音楽・・・8
9)独自性・・・10
10)キャラ・・・9
合計・・・85点
【概要】
上映時間:98分
NETFLIXにて鑑賞(吹替版)
2019年公開のスペイン映画。
監督:ガルデル・ガステル=ウルティア
脚本:ダビド・デソーラ、ペドロ・リベロ
出演:イバン・マサゲ、アントニア・サン・ファン ほか
【ストーリー紹介】NETFLIX公式サイトより引用
自分たちが収監された監獄の残酷な食事供給システムに対し、反乱を起こす飢えた囚人たちの姿を描くディストピアサスペンス。
【総評】ネタバレなし
下記の項目でまとめてみた。
1)作品概要
2)ストロングポイント
3)結局どうなの?
4)結末 ※ネタバレあり
1)作品概要
まるで「CUBE」のような限定された空間で展開する、全く新しいソリッドシチュエーションスリラー。こういうタイプの映画では名作も多いが失敗作も同じくらいあり、アイディア先行型のつかみだけでストーリーが後半へ行くと一気に失速する作品が見られることも多々あるが、この映画は失速するどころか、終盤へ向かうほど見たことがない展開が続き、面白さは加速していく。
今作もまたソリッドシチュエーションスリラーの傑作の一つに加えていいと思う。
2)ストロングポイント
上映時間98分と短い尺で見やすい。非常にシンプルなセットで構成し、映像的にはあまりお金をかけていないことがすぐにわかる。登場人物もかなり少ないし、「CUBE」のような脱出劇でもない。つまり外角は無駄な部分を極限まで削り落とした感がある。だが逆に登場人物たちは少ないながら重厚な設定で、登場人物たちの生きざまや理想や過酷な現実をうまく表現していて、なんだかむちゃくちゃ心に刺さった。
今まで見たソリッドシチュエーションスリラーとは一線を画す展開の連続で、まったく予想不可能な展開なので、私的にはとにかく面白かった。
3)結局どうなの?
私的にはかなり面白いストーリー展開だと思ったが、ある意味哲学的な展開でもあるので、その部分が非常に好みが分かれるところ。
映像的な派手な部分は皆無で、ストーリーの深堀を楽しむ映画。自分は好きだが自信をもってオススメできる映画ではない。「CUBE」のような映画を期待すると、見事な肩透かしにあう。
このブログを通じて、自分と映画の嗜好が似ている方ならオススメ。そういう人以外はちょっと厳しいかも。
4)結末 ※ネタバレあり
結局、主人公ゴレンは最下層までたどり着いて、メッセージとして生存者で一番下の層にいた少女を台座に乗せ最上層へ向かってもらうところで終わるラスト。最下層の下の真っ暗な空間にたどり着いたゴレンはその後どうなったのか。そもそもゴレンは生きてたどり着いたのか。どこからか妄想かもしれない。少女すらも妄想かもしれない。
なんていうか哲学的なラストだったが、貧富の格差をビジュアル的に表現した全体の構成は見事で、下層へ行くほど、想像を絶する過酷さで、食べるものがないという貧しさが、甘利に過酷な状況を生むという社会の縮図を表していたように思う。
改めて、なんだかむちゃくちゃ心に刺さった。
