サンクチュアリ -聖域- | ヲタクの生きる道

サンクチュアリ -聖域-

NETFLIX公式サイト

 

【オススメ対象】

・相撲が好き

・とにかく熱い展開のドラマが見たい

・とにかく面白いドラマが見たい

 

この評価を読む前に
映画の嗜好について
を一読してください。

レンタルは劇場での上映時期とはズレてます。

 

ジャンル・・・ヒューマン

 1)オススメ・・・10
 2)ツボ・・・10
 3)脚本・・・10
 4)映像美・・・8
 5)特殊効果・・・8
 6)俳優・・・10
 7)監督・・・10
 8)音楽・・・8

 9)独自性・・・10
10)キャラ・・・10
合計・・・94点

 

【概要】

NETFLIX公式サイト

NETFLIXオリジナルドラマ。

2023年5月配信・約50分くらい(最終回のみ約30分)

全8話

監督:江口カン

脚本:金沢知樹

出演:一ノ瀬ワタル、染谷翔太、忽那汐里、田口トモロヲ、ピエール瀧 他

 

【トレーラー】

 

【ストーリー紹介】NETFLIX公式サイトより引用

体は屈強だが、投げやりな性格の青年が相撲部屋に入門。力士になった彼はとがった振る舞いでファンを魅了しながら、伝統と格式を重んじる各界を揺るがしていく。

 

【総評】ネタバレなし

実は配信当初に見たんだけど、資格の受験勉強が忙しく、レビュー記事を一つ書くのに2時間くらいかかるので、なかなか書けなくて、なんだかんだで年を跨いでしまった。

 

下記の項目でまとめてみた。

1)作品概要

2)相撲を描く

3)肉体改造

4)結局どうなの?

 

1)作品概要

日本の国技「相撲」に真正面から挑んだ傑作ドラマ。

 

中学生の時に柔道でかなり優秀な成績を残し、将来を有望視されていたが、親の借金で生活が苦しくなり、すっかりグレてしまった小瀬清(一ノ瀬ワタル)。そんな彼を相撲界にスカウトした猿将親方(ピエール瀧)。類まれな体格と格闘センスで、そんなに稽古しなくても勝ててしまう清は、まったく相撲に熱が入らない。しかし彼の型破りな性格と相撲に魅力を感じる人たちの後押しと助力、そしてとんでもない怪物のライバル力士との戦いにより、徐々に相撲にのめりこんでいく。その熱量が周りを巻き込んでさらに熱くなる。

 

はっきりいって激アツ展開なんで、アクション好きや逆転劇や成り上がりサクセスストーリーが好きなら超オススメ。とにかく面白かった。

 

2)相撲を描く

自分が知らないだけだと思うが、これほどまでに真正面に相撲を描いたドラマ・映画を見たことがない。大相撲という光と闇のどちらも強い世界を逃げずに描いていて、まさに「清濁を併せ呑む」。それを時にコミカルに、時に激アツで描いている。

 

私的にとても魅力を感じたのは、相撲の取組をかなりのリアリティで描いていること。このドラマ製作に2年をかけたそうだが、力士を演じる俳優たちの肉体を見れば、それが一朝一夕で仕上がるものではないのがすぐわかる。本物感がすごい。肉体改造については別項目で詳しく書いてみる。

 

相撲の取組をより迫力のある映像として効果的に演出していて、スローモーションを用いていて、それにロック調の音楽を乗せることで、斬新な仕上がりになっているのは非常にわかりやすい部分だが、私的に感動したのは、力士同士のぶつかりあいで、スローモーションだからこそ見えるのだが、肉体に衝撃で発生する波紋ができているところ。CGで足したのだろうけど、ここまで度迫力でぶつかりあう映像はなかなか見れない。張り手についても力士の張り手の破壊力はとんでもない。それをまともに顔面にくらう映像。こんなのどうやって撮ったんだ?って思う。まさか本当にくらってるとは思えないんだけど。ぶつかり稽古の質量の大きさもリアリティたっぷり。

 

この相撲の取組の迫力は圧倒的で、時に一人称視点の映像を差込み、相撲の怖さも存分に見せつけられ、単純に相撲ってすげー!って思わせてくれるのがうれしい。

 

圧倒的な迫力の映像で見せてくれる相撲の取組はもちろんのこと、そこへ至る稽古の重要性も端折らずしっかりと描いている。人はいきなり何の前触れもなく強くなることはない。努力すれば誰しも強くなるわけではないが、強くなるには日々の鍛練があり、その鍛練の先に強くなるきっかけがある。それが覚醒かもしれない。そんな当たり前だけど端折りがちな部分を丁寧に描いているところに好感が持てるし、それをドラマとして面白くしているのが素晴らしい。

 

相撲ってすげーんだぞ!っていうことをちゃんと表現しているドラマ。

 

3)肉体改造

元力士を積極的にキャスティングしているのはわかるが、特に主人公小瀬清を演じる一ノ瀬ワタルは、元力士ではない。もっと言えばキックボクシングの格闘技経験者だが、そのキャリアは力士の体格とは真逆の方向性の鍛え方で、よくぞここまで肉体を仕上げたと、ひたすら感服する。ちなみに彼の過去の体つきを探したので貼っておく。

 

俳優の肉体改造はいろいろと有名な方々はいるが、そういうのでよく聞くのは痩せる方向。これもとんでもなくすごいんだが、彼の場合は太る方向。しかもただのデブになるのではなく、力士体型になること。これは生半可な努力では到底できない。一番わかりやすいのが太ももと尻、そして背中。鍛えながら太ることの過酷さを伝えるのは難しいが、一応自分も複数の武道の有段者なので語ってみると、鍛えるということは筋肉を酷使し、その酷使した筋肉の超回復が筋肉を増強する。脂肪はエネルギーの源になるんだが、鍛えれば鍛えるほど消費する。筋肉の質量が急激に重くなることはないので、鍛えるという方向性はやせる、あるいは絞るということ。それなのに力士は太っている。ドラマを見ればわかるが、あれだけ過酷な稽古をしていて普通に食べていればやせる方向なのに、太らなければならない。つまり筋肉の超回復に必要な摂取量以上に食べないと太らないのだ。これがどれだけ過酷なことか。内臓器官の処理能力も鍛えていかなければ処理しきれず排泄するだけになる。

 

今回登場した主要な力士役の人たちの体は見事に脂ののった力士体型をしている。特に主人公小瀬清こと猿桜(えんおう)。あの背中のすごさはなんなんだ。しかもドラマの序盤と終盤ではあきらかに背中がでかくなっている。どれだけの鍛え方をすればこんなにわかりやすい体型になるんだろう。とんでもない努力のたまもの。マジで尊敬する。

 

4)結局どうなの?

物語の前半は、主人公の尖り具合に腹が立つこともあるだろう。現に自分がそうだったから。ムカつくやつだなって。でも、徐々に変化していく様を丁寧に描いていて、そのサクセスストーリーがとにかく面白いし、主人公に対する思いがおそらく自分と同様に、どんどん好きになっていくのではないだろうか。

 

とにかくたくさんの人に見てほしい傑作ドラマ。

ぜひともシーズン2を製作してほしいので、このブログでも超オススメしたい。

ていうかもう見ろ。