怪物 ※ネタバレあり | ヲタクの生きる道

怪物 ※ネタバレあり


© 2023 「怪物」製作委員会

公式サイト

 

【オススメ対象】

・すごい邦画が見たい

・事前に情報をどれだけ仕入れずに見れるかにかかってる

・ストーリーは全く知らない方が面白い

・驚異の子役が見たい

 

この評価を読む前に
映画の嗜好について
を一読してください。

レンタルは劇場での上映時期とはズレてます。

 

ジャンル・・・ヒューマン

 1)オススメ・・・9
 2)ツボ・・・8
 3)脚本・・・9
 4)映像美・・・9
 5)特殊効果・・・9
 6)俳優・・・10
 7)監督・・・9
 8)音楽・・・9

 9)独自性・・・10
10)キャラ・・・10
合計・・・92点

 

【概要】

上映時間:124分

劇場にて鑑賞。

公式サイト

2023年公開の邦画。

監督:是枝裕和

脚本:坂元裕二

音楽:坂本龍一

出演:安藤さくら、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、田中裕子

 

【トレーラー】

 

【ストーリー紹介】公式サイトより引用

大きな湖のある郊外の町。
息子を愛するシングルマザー、
生徒思いの学校教師、そして無邪気な子供たち。
それは、よくある子供同士のケンカに見えた。
しかし、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、
大事になっていく。
そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した―。

 

【総評】ネタバレあり

是枝裕和監督のパルム・ドール受賞作である「万引き家族」は、自分には拒絶反応が強すぎたが、今作に関しては拒絶反応は起きなかった。あと、妻と一緒に見に行ったんだけど、解釈次第でストーリーの捉え方がこんなに変わるんだと驚いた。

 

下記の項目でまとめてみた。

1)作品概要

2)映像と音楽の美しさ

3)ラスト ※ネタバレあり

 

1)作品概要

怪物、だーれだ

 

パルム・ドール受賞した是枝裕和監督と脚本:坂元裕二と音楽:坂本龍一というとんでもない組み合わせで生まれた邦画。タイトルの「怪物」から仕掛けは始まっており、観客は誰が怪物なんだろう?どういう意味で怪物なんだろう?っていう予測が物語を盛り上げていく。そして「怪物」のタイトルの意味がラストで分かった時、今作の仕掛けに唸らされる。

 

映画の構成は3部構成になっている

①シングルマザー:麦野里織(安藤さくら

②小学校教師:保利道敏(永山瑛太

③小学生:麦野湊(黒川想矢

 

同じ時間軸で、それぞれの視点で進行し、事件とまでは言えない出来事が、視点を変えると大きく変容し、真実は何か、怪物はなんなのかまで変容していく。

 

さらに演出として、あえて説明が少なく、散りばめられた小出しの事実と、はっきりとしない噂程度だが大きな出来事など、全体の構成に余白が大きく、見てる人の解釈次第で物語が大きく変わってくる構成が面白いが、好みが非常に分かれる。

 

ちなみに今作は妻のたっての希望で見に行ったわけだが、一緒に見たのに、ラストの解釈が180度違っていて、仲が良くないと喧嘩になるレベルの議論になりそうで、これは良い意味で罪深い作品だと思った。

 

2)映像と音楽の美しさ

自分はストーリーの構成力に感心したが、映像と音楽の美しさも強く言いたい。

子供を中心に撮っている映像が非常に綺麗で、ごちゃごちゃしないシンプルな美しさがある。

 

それと基本的に音楽を使ってるのが少ないんだけど、使いどきを大事にしている印象で、その大事なシーンに美しい音楽が効果的に盛り上げる。素晴らしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

3)ラスト ※ネタバレあり

たまたま妻と一緒に見たことで、ラストの解釈が180度変わってることに驚いたんだけど、自分は、麦野湊と星川依里が土砂崩れに埋まり死んで、ラストシーンは死後の世界だと思った。

しかし妻は逆で、麦野湊と星川依里は無事に助かり、生き生きと嵐の去った野原を楽しそうに走り回ったと思ってた。

 

この映画は受け手次第でここまで解釈の変わる映画なんだと感じた。どちらも正解だと思うし、おそらく製作者側は答えを正式に出さないと思うし、出さないで正解だと思う。