最強陰陽師の異世界転生記
【オススメ対象】
・異世界転生ものアニメが好き
・陰陽師に興味あり
・変わり種の異世界転生ものが見たい
この評価を読む前に
映画の嗜好について
を一読してください。
レンタルは劇場での上映時期とはズレてます。
ジャンル・・・アニメ
1)オススメ・・・7
2)ツボ・・・8
3)脚本・・・7
4)映像美・・・5
5)特殊効果・・・5
6)俳優・・・5
7)監督・・・4
8)音楽・・・8
9)独自性・・・8
10)キャラ・・・8
合計・・・65点
【概要】
Amazonプライムビデオにて鑑賞
2023年公開。全13話。各24分。
原作:小鈴危一(双葉社刊)
キャラクター原案:柚希きひろ、夕薙
漫画:オカザキトシノリ
総監督:河長山延好
監督:長山延好
制作:スタジオブラン
【トレーラー】
【ストーリー紹介】公式サイトより
強いだけでは幸せになれない。たとえ、最強の陰陽師だとしても。
並ぶ者のいない天才と称された陰陽師・玖峨晴嘉は、朝廷からの裏切りにあい、命を落とそうとしていた。
次の生でこそ幸せになりたいと決意し、自ら生み出した秘術・転生の呪い(まじない)によって異世界に転生する。
そして、セイカという名と新しい人生を手に入れた。
「前世の自分に足りなかったものは狡猾さ、今世では上手に立ち回り幸せな生を手に入れる――――」
最強の陰陽術と強力な妖怪たちを従え、彼の進む先に待ち受けるのは、望んだ平穏か、それとも・・・。
いまだ誰も目にしたことのない、最強の陰陽師が挑む異世界ファンタジーが始まる。
【総評】ネタバレなし
異世界転生ものの連続レビュー記事第四弾。
下記の項目でまとめてみた。
1)第一話
2)本作の特徴
3)気に入ったところ
4)ダメな点 ※ネタバレあり
1)第一話
今作の魅力を紹介するうえで、最も特徴を打ち出している「つかみ」としての第一話を簡単に紹介する。
最強の陰陽師・玖峨晴嘉(くがのはるよし)は、最強ゆえに時の権力者に疎まれ、殺されてしまった。殺される直前に陰陽師の技を駆使して異世界へ転生する。貴族の三男として転生しセイカ・ランプローグとして生きていくことになった。転生前の陰陽師の技は異世界でも使えた。だが次の人生は失敗しないと心に決め、自分は最強の座から一歩引き、最強の者の側にいて目立たない生き方をする!まだ見ぬ最強の者を探し求めて、魔法学園に入学する。
2)本作の特徴
世に無数にあるいわゆる「異世界転生もの」の王道パターンと比べて、今作が打ち出している特徴というか魅力について箇条書きにまとめてみる。
・現代の若者ではなく平安時代あたりの陰陽師が自らの能力で異世界に転生
・異世界の貴族の子供に転生
・魔力は一切ないが陰陽師の技で疑似的に魔法っぽい技に見せかける
・陰陽師として最強だったので異世界で無双状態
・最強なんだが前世の失敗により目立ちたくない
・最強の人物を見つけその光の傘の下でしたたかに生きたい
・典型的な異世界で陰陽師の技は映像的に斬新
・セイカのまわりは美少女ばかり
・ハーレム系はちゃんと押さえてる
3)気に入ったところ
私的にツボだった点をまとめてみる。
異世界で陰陽師がしたたかに生きるっていうコンセプト勝ちなところがあり、魔法世界で陰陽師の技を駆使するシーンはとにかく斬新。しかしせっかくの斬新さが生かしきれてない点については最後の項目で思いのたけをぶつける。
他の異世界転生ものと根本的に違う切り口なんで、ストーリーは非常に面白い。アニメの完成度は期待を裏切られる。
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4)ダメな点 ※ネタバレあり
最後に、今作が好きならばここから先はマイナスな部分に触れるので、興味がある方だけ読んでください。
まず一番言いたいのは、アニメの完成度が低いこと。比較的ハードな内容のストーリーで戦闘シーンも多めにあり、異世界の魔法と陰陽師の技の激突シーンという見せ場が多いにも関わらず、アニメの出来が悪いというか、そもそもこの題材を扱うには技量的に不足しているアニメ制作会社がやっているようで、ストーリーが面白いだけに非常に不満。棒立ちでカメラアングル的な見せ方にも手抜き感がある戦闘シーンが目立ち、戦闘シーンの動きやエフェクトなどの完成度が低いだけでなく、ストーリー進行のための会話シーンのまるで止め絵のような手抜き感が多く、立ちっぱなしの動きなしのシーンや歩きシーンがうんざりする。動きに手を抜くならせめてカメラアングル的に動きをつけてごまかすなり、もう少しやりようがあると思うが、会話メインになると、特に落差が激しく、緊張感がなければいけないシーンでも会話メイン進行になると緊張感の欠片もない。キャラ崩れもたびたびおきている。昨今のヒットしたアニメに比べると、完成度が低すぎる。モンスターのCGも一昔前のような出来でがっかり。
さらに声優も決してうまいとはいえない。主人公の見せ場である敵を一方的に蹴散らす無双的な戦闘シーンで、感情の乗り切れてないセリフが多く、メインの女性キャラもきゃあきゃあ言ってるだけで感情表現が稚拙なシーンが目立つ。声優というよりセリフ部分の脚本と監督の采配の稚拙さのほうが大きいかもしれない。とにかく演出面の稚拙さも目立つ。
あと最大の見せ場である陰陽師の技を駆使するシーンで、呪文的なものを唱えるところがもにょもにょ言ってて、演出的にわざと聞き取りにくくしてると思われるが、最大の見せ場でもにょもにょしゃべらせるのはちょっと不快。なによりスカッとしない。一番の見せ場はもっと明快にスカッとさせないと。ここは監督采配がダメではないかと。
題材がとても良いだけに、もっと製作レベルの高いアニメ会社や手練れの監督がやってたら、もっととんでもないアニメになってた気がするだけに非常に残念。
漫画でちょっと読んで期待してただけに腹が立つ。良いコンテンツをダメにする悪い例。