ザ・グローリー 〜耀かしき復讐〜 パート2 | ヲタクの生きる道

ザ・グローリー 〜耀かしき復讐〜 パート2

NETFLIX公式サイト

 

【オススメ対象】

・極上の脚本で展開するドラマが見たい

・韓国ドラマが見たい

・復讐の物語を堪能したい

・ちょっと韓国恋愛ものも見たい

・面白いストーリーのドラマが見たい

 

この評価を読む前に
映画の嗜好について
を一読してください。

レンタルは劇場での上映時期とはズレてます。

 

ジャンル・・・サスペンス

 1)オススメ・・・10
 2)ツボ・・・10
 3)脚本・・・10
 4)映像美・・・8
 5)特殊効果・・・9
 6)俳優・・・10
 7)監督・・・10
 8)音楽・・・9

 9)独自性・・・10
10)キャラ・・・10
合計・・・96点

 

【概要】

NETFLIX公式サイト

NETFLIXオリジナルドラマ。

吹替版あり。

2022年12月配信・約50分くらい

シーズン2・8話

出演:ソン・ヘギョ、イ・ドヒョン、イム・ジヨン 他

 

【トレーラー】

 

【ストーリー紹介】NETFLIX公式サイトより引用

ミョンオの状況に関して新たな疑いが生じる。ヨンジンに過去を告白するチャンスを与えるドンウン。ユン・ソヒの死の真相が明らかになる。

 

【総評】ネタバレなし

下記の項目でまとめてみた。

ネタバレなし

1)パート1のレビュー記事の謝罪

2)極めて優れた脚本

3)激戦

4)伏線回収のタイミング

5)全ての登場人物の深堀設定

ネタバレあり

6)パート1の不満点の答え

7)パート1の疑問点の答え

8)最後の驚愕の展開

 

 

1)パート1のレビュー記事の謝罪

今作のパート1のレビュー記事の内容について謝罪します。

 

1)復讐が始まる前(1~3話)」の項目で、復讐が始まるまでが長い、という内容を書きましたが、全16話を通してみると、パート2で回収する伏線張りに必要な尺の長さであり、高度に計算された脚本であることがわかりました。自分のレビューが浅はかでした。申し訳ありません。

 

2)極めて優れた脚本

2023.03.10に配信された「パート2」は、私的にここ数年レベルで振り返ってみても、ダントツに優れた脚本で、正直「これはとんでもないドラマを見たぞ」っていう深い感服に至った。パート2の8話は圧巻の展開で、パート1で積み上げた面白さを伴った緻密な伏線を、パート2の怒涛の快進撃ともいえる伏線回収で、パート1の映像を差込みつつ、さらなる上乗せの驚愕の事実と、高度な策略であったことがわかり、ほんとにすごい展開の連続だった。

 

とても驚いたところを書きたいが、このドラマを見ていただき、自分と同じように驚いてほしいので、ネタバレは最下記でちょこっとだけにします(未鑑賞の方はくれぐれも鑑賞後に

 

とにかくたくさんの人に見てほしい。

こんなに優れた脚本のドラマはなかなかないと思う。

 

3)激戦

復讐するムン・ドンウンと、返り討ちするパク・ヨンジンのそれぞれがこれまでに築いてきた人脈と策略をめぐらす戦いがパート2では全編に溢れていた。これがとんでもない激戦で、もうずっと画面にくぎ付け状態。

 

そうきたか!

そんな手を使うのかよ!

うわぁ、これはえげつない手だわ!

っていう展開の連続。

 

もちろん直接自らの手で殺すような短絡的な手段は使わない。互いに相手の弱点を探り、どうすれば相手が苦しみ、どうすれば仲間を排除できるのかという練り上げた策略からの珠玉の一手を打っていく。会心の一撃の連続。どちらがこの激戦を制するか。どちらの策略が先に尽きるか。相手の行動の裏を読み、どうすれば追い詰めることができ、どうやれば自分の思い通りに誘導できるか。そして相手の策略をどうやってしのぐのか。むき出しの感情の連続。この情念に溢れた知略の攻防がたまらなかった。

 

ここまでの高度なタクティクスの激戦は、なかなか見られない。傑作中の傑作。

 

あとパート1で濃密に伏線が張り巡らされていたことがパート2で判明するので、パート1は丁寧に見てください。

 

4)伏線回収のタイミング

あえてひとつの項目であげたい。それが伏線回収のタイミング。

パート2を通して、特に終盤に行くほど、高度に洗練された絶妙なタイミングで、パート1のエピソード映像を使い、視聴者が最も驚くであろうタイミングで伏線回収する。この緻密で高度な伏線回収のプロットには舌を巻いた。

 

そうか、この人はあの人だったのか!

あれはそういう意味だったのか!

 

そんな驚きに溢れるドラマを堪能してほしい。

 

5)全ての登場人物の深堀設定

ストーリー展開にしびれまくりだが、各登場人物の深堀にも触れたい。

 

今作が非常に優れているのは、各登場人物の行動原理がとてもしっかりと設定されており、このキャラがやるであろう行動を、しっかりと前振りをしてから行動しているので、そのエピソードで関わるキャラたちの行動に説得力があり、エピソードが各キャラたちの情念をもって積み重なる分厚い層になっている。因果応報の重厚さが半端ないのだ。

 

そして注目すべきは、これだけの各キャラの重厚なエピソードの配置でありながら、時間の使い方のバランスが非常にとれており、冗長と感じる部分が皆無なのだ。パート1で感じた冗長部分は、今作への順応が自分にはできていなかったと痛切に感じている。パート2まで見ると、パート1で感じた冗長部分は必然であり、パート2への布石であったのだと今ならわかる。

 

あとムン・ドンウンに協力するおばさんカン・ヒョンナムが、このドラマの張り詰めた緊張感を、時に緩和し、時に締め直す存在で、絶妙なバランスとスパイスをドラマに注入する登場人物。こういう仕掛けが素晴らしすぎる。

 

このドラマはパート1&2と連続して一気に見てほしい。

濃密ゆえに疲れると思うが、極上の面白さをぜひとも一気見してほしい。

 

 

 

 

 

 

 

6)パート1の不満点の答え ※ネタバレあり

パート1のネタバレありのレビュー記事で書いたことについて触れてみる。

 

これは最初から考えていた策略なのか、たまたまうまくいっただけなのかっていう曖昧なところが不満と書いたが、これもまた自分が脚本家に踊らされただけで、脚本的には非常に緻密に練られたプロットの一環であったのがわかった。自分の稚拙なレビューが恥ずかしい。恥ずかしいから消したいが、今後の為にも恥をさらして残しておく。

 

ムン・ドンウンの復讐計画はすべての対象相手が計画通りにいくはずがない。イレギュラーのことは当然起こるし、全員の秘密をなにもかもわかっているわけではない。だからこそ、イレギュラーにどう対処し、どう処理し、計画をどう修正していくのかが重要で、そのプロセスをドラマ中で描き、そのイレギュラーが面白いんだと気づいた。ほんと、自分が浅はかだった。そのイレギュラーさえも仕組んだ緻密なプロットの上に、各キャラの情念と行動原理を上乗せした、高度な脚本だった。

 

7)パート1の疑問点の答え ※ネタバレあり

さらにパート1のネタバレありのレビュー記事で書いたことについて触れてみる。

 

ムン・ドンウンがいよいよ復讐を始めるわよっていう復讐の対象者全員への宣戦布告の挨拶のタイミングが早いと思ったことについては、最後まで見たけど、それでもやはり早かったと思ったが、逆にあのタイミングしかなかったとも思えた。もう少し準備をしてから挑みたかったが、あのタイミングを逃してしまうと、そこから始める様々な仕掛けが間に合わなかったと思われる。復讐の宣戦布告で、復讐の対象者がそれぞれ動き出し、その動向を監視することで、それぞれの対応パターンが分析できて、そこからどう動けばいいのかが見えてきた。

 

そしてやろうとしていて結局できなかったこと、やる予定がなかったけどやらなければならなかったこと。そういう選択にもつながった。

 

 

もうひとつの復讐宣告してからの行動の甘さについては、最後まで見た今でもまったく考えは変わらなかった。逆に復讐の対象者たちの対抗策として、なぜ終日ムン・ドンウンに尾行をつけないのかと思ってしまった。金はあるんだから、いくらでも人を雇えるしその雇った人たちでなぜ監視しないのかと。ムン・ドンウンカン・ヒョンナムに監視させていたのに。ただひとりで複数の復讐対象者を監視するのも無理があるのではないかと思ったが。

 

8)最後の驚愕の展開 ※ネタバレあり

最終話の展開が予想のはるか斜め上を行き過ぎて、驚愕というかもうとにかくすごすぎた。

 

オチのネタバレありの記事が下記にあるので、未鑑賞の方はくれぐれも鑑賞後に読んでください。

 

ムン・ドンウンの復讐の物語が完結し、それでこのドラマは終わると思っていた。それと、ムン・ドンウンと共闘していたチュ・ヨジョンの復讐の物語はムン・ドンウンの復讐とまったくの関係性がなかったので、ストーリー展開にどうからんでくるのか全く予測できなかった。なぜムン・ドンウンの復讐の物語に全く無関係の復讐の物語を乗せてくるのかわからなかったが、最後に目的を成し遂げたムン・ドンウンのその後の目的へ変貌するとは思わなかった。そのアシストもムン・ドンウンと全く関わっていなかった人物がすることで、強い理由となる。このためだったのかと。あまりに素晴らしい展開に痺れたわ。なんて脚本なんだ。不必要なものなんて何一つなかった。

 

脚本部門があるならば、もう間違いなくぶっちぎりで一位だわ。すげーわ、ほんとに。