レヴェナント: 蘇えりし者 | ヲタクの生きる道

レヴェナント: 蘇えりし者

画像引用元

 

【オススメ対象】

・アカデミー主演男優賞の映画が見たい

・とにかくとんでもない映画が見たい

・レオ様が見たい

・雄大な自然を感じたい

 

この評価を読む前に
映画の嗜好について
を一読してください。

レンタルは劇場での上映時期とはズレてます。

 

ジャンル・・・ヒューマン

 1)オススメ・・・9
 2)ツボ・・・10
 3)脚本・・・8
 4)映像美・・・10
 5)特殊効果・・・10
 6)俳優・・・10
 7)監督・・・9
 8)音楽・・・9

 9)独自性・・・9
10)キャラ・・・9
合計・・・93点

 

【概要】

上映時間:156分

NETFLIX公式サイト

NETFLIXにて鑑賞。

2015年アメリカ映画。

R15+

第88回アカデミー賞の監督賞、主演男優賞、撮影賞を受賞。

原作:マイケル・パンク

   『蘇った亡霊:ある復讐の物語』

監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

音楽:坂本龍一 他

主演:レオナルド・ディカプリオ

出演:トム・ハーディ

 

【ストーリー紹介】NETFLIX公式サイトより引用

氷に閉ざされた極寒の地。そこが男の墓場になるはずだった。。。復讐のためならなんでもすると誓った1人の父親の壮絶な旅路を描く。

 

【総評】少しネタバレあり

作品を見終わった当初、どっと疲れた。すぐにレビュー記事を書けないほどに疲れた。とんでもない映画に出会ってしまった。

 

NETFLIXが自分へのオススメとしてなんども紹介してきてはいたが、2時間半という長尺の上映時間に二の足を踏んでしまい、なかなか見れなかったが、今回、意を決して見たら、あまりにすごくて、しばし放心状態になった。これはすごいわ。

 

まず映画を紹介するにあたり、この映画中で説明がかなり不足していたので、ちょっとしてみる。

映画で描かれるのは、1823年のアメリカ北西部の極寒の地。第5代大統領ジェームズ・モンローの時代。先住民がまだまだ躍動している。その極寒の地で、毛皮ハンターの一団のガイドを務めるのが主人公ヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)と先住民の妻との間にもうけた一人息子ホーク。大量に毛皮を獲得したが、先住民たちの襲撃を受け、多くの犠牲者を出しながらなんとか逃げる。しかし先住民たちは執拗に彼らを狙い追い続ける。毛皮ハンターの一団のリーダーはグラスに絶大な信頼を寄せているが、一団のハンターのひとりジョン(トム・ハーディ)は、グラスを信頼しておらず、また見下している先住民との間の子供ホークも気に入らない。先住民の追跡をかわしつつ、帰還のためになんとか逃げ続けていたのだが。。。といったかんじ。

 

この映画でいきなり度肝を抜かれたのが、最初の先住民たちの襲撃のシーン。まだこの映画の雰囲気を理解してなかったのもあるが、独特のカメラワークをしていて、被写体をかなり近くでなめまわすように撮りつつ、ひとつひとつのシーンを長めに追いながら、だれかのキャラの視点のように全体を見たりと、とにかく臨場感抜群の、まるでその場にいる自分の視点のようなかんじで描いていて、迫力満点なのだ。

 

また、ごくごく近しい視点からそのまま止まらず雄大な自然を映し出す。この絶妙な対比が素晴らしい。大自然は大きく、雄々しく、生命に満ち溢れていて、そして荒々しい。

 

序盤なので少しネタバレを書くが、先住民たちの襲撃を受けて、なんとか逃げ延びた後、まわりを偵察するためにガイドのグラスが単身で森を探っていた時に、ヒグマに襲われる。このシーンの迫力がすごすぎて、どうやってこのシーンを作り出したのかわからないんだけど、ヒグマの鼻息でカメラが白くなるほど近づいたかと思ったら、ガブガブとかまれ振り回されるグラス。ヒグマの圧倒的な質量を描いている。そのヒグマとの死闘シーンはずっとワンカメラで途切れず撮り続けるんだよ。グラスは血だらけになり噛み傷だらけになる。このシーンがとにかく圧巻でえげつない。

 

瀕死のグラスのサバイバルシーンがすごすぎて、なんとしてでも生き残る、必ず復讐を成し遂げるという、グラスの強い意志の表現が素晴らしすぎる。

 

ストーリーはド直球勝負の復讐ものなので、脚本のヒネリとかに期待はできないが、キャラの圧倒的生命力の表現や、大自然の雄々しさ、戦闘シーンの生々しさなど、画角の力がとんでもなく強靭で、独特のカメラワークに最初は戸惑うが、なれてきた頃には、ずっと食い入るように見惚れてしまう。

 

2時間半の長尺で、この画角の力だから、見終わった時に、かなり疲れる。でも、とんでもない映画を見た、という満足度が半端ない。

 

映画好きはぜひとも見てほしい。

映画がそれほど好きじゃない人には、ただ疲れる映画かもしれない。