アンフレンデッド:ダークウェブ | ヲタクの生きる道

アンフレンデッド:ダークウェブ

映画ポスター引用元

 

【オススメ対象】

・最後まで読めない脚本が見たい

・新しい手法の映画が見たい

・凝ったホラーが見たい

 

この評価を読む前に
映画の嗜好について
を一読してください。

レンタルは劇場での上映時期とはズレてます。

 

ジャンル・・・ホラー

 1)オススメ・・・8
 2)ツボ・・・9
 3)脚本・・・10
 4)映像美・・・9
 5)特殊効果・・・9
 6)俳優・・・9
 7)監督・・・9
 8)音楽・・・7

 9)独自性・・・10
10)キャラ・・・9
合計・・・89点

 

【概要】

上映時間:93分

Amazonプライムビデオにて鑑賞。

2018年アメリカ映画

監督:スティーヴン・サスコ

出演:コリン・ウッデル、ベティ・ガブリエル他

 

【トレーラー】

 

【ストーリー紹介】Amazonプライムビデオより引用

ある若者が、新しく手に入れたパソコンの中に隠しファイルを見つける。そのファイルを目にした彼とその友人らは、知らず知らずのうちにダークウェブの中に踏み入ってしまう。そして、何者かが彼らの全てのを監視し、ダークウェブの秘密を守るために信じがたい事態へと彼らを引きずり込んでいく。

 

【総評】ネタバレなし

最初に、ツイッターを通じてこの映画をご紹介していただいた「紫鬼ーSHIKI」さんに感謝いたします。ご本人に許可をいただきましたので、お名前を掲載させていただきます。重ねて感謝いたします。

 

まずこの映画の前作にあたる「アンフレンデッド」は見ていません。よってこの画期的手法の映画は初めて見る。非常に斬新な手法の映画スタイルで、パソコン画面に表示されるスカイプ映像やパソコンのカメラの映像などを駆使して、それらの映像だけで映画は進行する。また完全リアルタイムで進行するので、エンディングテロップを除く約90分だけで映画内の事件は始まって終わる。

 

こういう手法の映画であることを知らないままの鑑賞だったので、最初はかなり戸惑った。吹替版で鑑賞したんだが、特に序盤がパソコンのメールやメッセージの文字(当然英語)の字幕とパソコンのカメラ映像など、ひとつの映画の画角にたくさんの情報が表示されるので、吹替版でないと、役者のしゃべりも字幕になるので、さらに戸惑うことが予想される。文字だけの画面も序盤は多かったので、なかなか入り込めず、敷居が高いと言える。スカイプで仲間とのやりとりが主軸になって以降は、映像的にも面白くなっていくので、なんとかその敷居は私のように乗り越えて欲しい。

 

いろんなサイトの意見を拝見すると、SEのような専門家からみるとハッキングなどにおかしな点はあるようだが、私のような素人にはそれほどの違和感はなく、そういったパソコンの専門的な知識のツッコミよりも、脚本的な伏線が非常に巧妙に仕組まれているので、終盤のこの一件の全容がわかってくるところが怒涛の展開で、そうだったのか!と驚きに溢れていて、こういう映画は大好きだ。

 

最下記にネタバレありの記事で、脚本の驚いた部分に触れてみる。

 

誰でも巻き込まれるかもしれない、という怖さがあって、ネット社会のSNSなどの日常世界に、こういう危険が潜んでるんだよ、と警告の意味もあるんじゃないかと思った。

ちなみに幽霊といった類のものは登場しません。怖いのは生きている人間、といった内容。

 

脚本的にとても面白かったので、最初に敷居の高さを乗り越えて、この面白さを堪能してほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここからはネタバレありでいきます。

 

 

 

 

 

脚本的に面白いし、ラストを知らない状態で見たほうが絶対に面白いので、この映画を楽しみたい方は、ここからの記事は鑑賞前に読まないでください

 

 

 

ではいきます。

 

 

この映画で一気に緊迫感が増すシーンである、主人公マタイアスに、元々のパソコンの所持者がコンタクトをとってくるところで、マタイアスが実はこのパソコンを盗んだものだとが仲間に告白した時、そしてパソコン所持者がそのパソコンにはとても大事な情報が入っているので、彼女の危険をネタに脅してパソコンを返せっていってきたところで、多分誰しも違和感を持ったのではないかと思うのが、

「なんでそんな大事なパソコンをネットカフェに放置していたの?」ていうところ。

 

この疑問は終盤で解決するわけだが、この映画の脚本的に優れていたのが、こういう見ている人がこの映画を見て、なにを思うだろうっていうことを、その都度に想定していて、それさえも映画演出としていることだ。このパソコンの画面内だけで進行するスタイルは、映画内の演者だけでなく、この映画を見ている人の視線も同じであることを、巧妙に利用している。まるで観客が、ダークウェブに一緒に入り込み、ゲームとして犯人たちと一緒に楽しんでいるかのように。

 

犯人グループたちは、ネットカフェにこのパソコンを釣り餌のように垂らして、獲物を狙っていたことが最後に判明したシーンで、マタイアスたちをこの残虐な多数の事件の犯人に仕立てた。これが発覚したとき、これまでのマタイアスたちの動きが、犯人たちに対抗する動きだったのに、結果的にマタイアスたちが、犯人たちの犯行を全部被ったことになってしまった。お金を自分の口座に入れたことや、犯人たちの犯行動画のバックアップをパソコンに詳しい仲間が自分のパソコンにとったことが、すべてこのおぞましい犯行の犯人であることの証拠になる。これがわかったとき、すげーと素直に感心した。マタイアスたちの行動にはかなりの説得力があったし、自分が同じ状況におかれたら同じ行動をしたのではないかと思う。その脚本の巧妙さが素晴らしかった。

 

 

ところで、この映画ポスターの画像、こんなシーンは映画内になかったよね?