沈黙の粛清 | ヲタクの生きる道

沈黙の粛清

映画ポスター引用元

 

【オススメ対象】

・とにかくセガールが好き

・ヒネリの効いた脚本の映画に飢えている

・ツッコミ大歓迎

 

この評価を読む前に
映画の嗜好について
を一読してください。

レンタルは劇場での上映時期とはズレてます。

 

ジャンル・・・アクション

 1)オススメ・・・4
 2)ツボ・・・4
 3)脚本・・・3
 4)映像美・・・4
 5)特殊効果・・・4
 6)俳優・・・4
 7)監督・・・4
 8)音楽・・・4

 9)独自性・・・7
10)キャラ・・・7
合計・・・45点

 

【概要】

上映時間:106分

Amazonプライム・ビデオにて鑑賞。

R15+

2016年アメリカ映画。

監督・脚本:マイケル・ウィニック

主演・製作総指揮:スティーヴン・セガール

原題:Code of Honor(英訳:決闘作法)

 

【トレーラー】

 

【ストーリー紹介】Amazonプライム・ビデオより引用

ドラッグの取引現場でギャングたちが何者かに皆殺しにされる事件が発生。愛する家族をギャングに殺された米軍特殊部隊出身のロバート・サイクス大佐が捜査線上に浮かび上がるが、その後もサイクスは復讐と自らの正義を執行するため、街の悪党たちを次々に血祭りに上げて行く。同じ部隊出身のFBI捜査官ポーターは懸命にサイクスを追跡するが、神出鬼没の彼を止めることができない。時同じくして、サイクスに部下を殺されたマフィアのボス、ロマノは組織を総動員してサイクスの抹殺を指示する。こうして血を血で洗う壮絶な死闘の火蓋が切って落とされたのだった・・・。

 

【総評】

Amazonプライム・ビデオでやたら自分の好みだとオススメしてくるので、久しぶりにセガール映画を見た次第。

 

最初に言ってしまうと、セガールアクションである合気道を前面に出した投げや関節技等はほとんどありません。銃撃シーンがアクションのメインとなってます。あとセガール主演だから「沈黙の〜」と日本で勝手にタイトルにつけているだけで、シリーズでもなんでもありません。

 

もうすっかりセガールの特色である合気道はぜんぜん見せてくれなくなりましたね。自分も昔、合気道をやってたので、そういうアクションを前面に出してくれるととてもうれしかったんだけど、肉弾的なアクションシーンがほとんどないんだもんな。だいぶん太ってしまったし。

 

この映画の肉弾アクションはどちらかというと、サイクス(セガール)ではなくFBI捜査官ポーターがメインという変わり種。脚本的にもかなりヒネリがあるがそれが大きなツッコミどころでもあるんで、自分なりのツッコミどころというか分析を下記にネタバレ記載。

 

銃撃シーンでかなり派手に血しぶきが出たりするシーンがあるので「R15+」なのではないかと。エロいシーンは序盤のストリップガールの踊るシーンかな。なんか無駄に長かった気がする。

 

ラストでド派手なツッコミどころを、ある意味オススメになるかも。

なんだか脚本的に変な映画です。

映画通の人が見て、あのラストをどう解釈するか意見が聞いてみたい。

 

ラストを見終わったときに、「え?どういうこと?結局だれなの?」という????満載の状態になった。

その????を自分なりに納得させるため、下記に分析記事を書いてたら、それを仕上げるために、何回も見てしまったので、逆にツッコミどころを散りばめて何回も見させる戦略かもしれない。

 

 

 

 

 

 

では盛大なネタバレ満載の分析いきます

 

あのラストを見て、他の方はどう思われただろうか。

誰がストリッパーの息子にグローブを渡したのか。

最後の爆発で死んだのは誰なのか。

結局、警察が行き着いたポーター=サイクスは正しいのか。

 

そこで私的解釈に行く前に、

事実として確定していることを連記してみる。

・サイクスが犯人だというネタを警察に仕込んだのはポーターで、彼が犯人であるという物的証拠は何も出ていない。狙撃位置に残された葉巻の切りカスがサイクスのものだという証拠もない。

・劇中にサイクスを見たのはポーターのみで、殺された者以外だれもサイクスを見ていない。

・ポーターはFBI捜査官ではない。

・ストリッパーの息子がグローブを欲しがっているという事実を知っているのは母親以外ではポーターのみ。

・昔、サイクスの部隊にポーターが所属し、戦闘を教えてもらっている

・公的な資料ではサイクスは死亡。

・ラストの廃屋で、爆弾を仕掛け、爆発させたのはサイクスで、そこから出ただれだかわからない死体が身につけていた認識票はサイクスだった。

・最後の爆発前にポーターはその場から逃げるシーンがあった。

 

まず警察が行き着いたサイクスとポーターの同一人物説は違うと思う。全てがポーターの脳内の幻覚とするには、以下の事実が不可能である。

・路地裏で片腕を骨折しているギャングに撃たれそうになったポーターを救ったのはサイクスで、そのギャングをポーターのいる側の反対方向から頭部を撃っているので、ポーターは絶対に撃てない。

・最後の廃屋の屋上でのポーターvsサイクスの戦いで、警察のヘリコプターが登場した時、天窓から階下へ落下したサイクスに対し、ポーターは階段で降りている。天窓が割れているので、幻覚ではない。

 

さらに最後の爆発からポーターは下記の理由で生き残ったと思われる。

・ストリッパーの息子がグローブを欲しがっているという事実を知っているのは母親以外ではポーターのみで、息子が最後にグローブをもらったということは、それを渡せるのはポーターのみだから。

 

ではサイクスは生き残ったのか。私的には下記の理由で生き残ったと思われる。

・最後の廃屋で爆弾を仕掛け爆発させたのはサイクス。なぜそんなことをしたのかの明快な理由は、死を偽装する以外に説明のつく理由がない。もともと死ぬつもりだった、という解釈もできるが、それならばポーターと最後に対決する理由がないし、殺せるのに殺さなかった理由が見当たらない。ポーターごと死を偽装したかったのではないか。警察はサイクスとポーターを同一人物としているので、死体が1つ上がればそれがサイクスでありポーターであることになる。サイクスやポーターに近い肉体のギャングの死体をとっておけばいいわけで、それで爆発させだれがだれだかわからないものにして、認識票をつけておけばサイクスの死の偽装は完了する。

 

ラストでなぜ上記の解釈、あるいは違う解釈でもいいんだけど、それらを「ご想像に任せます」的な終わり方をするのか不明。ぶっちゃけ大した脚本じゃなんだから、そういうぼかし方はただイラつくだけ。

 

ラストの疑問に対する自分の解釈は上記の通りだが、それでも劇中に説明のつかないシーンがいくつかある。

・なぜサイクスはテレビレポーターとカメラマンを惨殺したのか。惨殺されるようなことをしたか?

・なぜポーターはサイクスを追うのか、ポーターの言う罪滅ぼしとはなんなのか。

・警察がポーターとサイクスが同一人物という結論に至ったことをなぜサイクスは知っていたのか。警察がその結論に至ってからと、サイクスが警察が誤解してるぜって発言するシーンの時間経過が短く、辻褄が合わない。

・なぜサイクスは市長を殺したのか。市長は確かに問題のある人物だったが、ギャングと裏で繋がってたとかそういう事実もないのに、殺されるほどのことをしたという事実は劇中に描かれていない。若い愛人がいたがそれが理由?

 

大きなツッコミどころはこんなところだろうか。

まぁ、議論したくなるような作品ではないので、おまえはそう思ってればいいんじゃないの、くらいで、俺はとくにどうとも思わない、と言われそうだけど、もし意見があればください。

 

はっきりいってセガールのやりたい映画と、セガールに求める観客の映画の乖離が大きすぎて、もう今後もヒット作はないだろう。