僕は眠い目をこすりながら登校した。


なぜか手にはブリの缶詰が握られていた。


教室についた。


腹が痛い。それも死ぬほどに。


「今日はだめだな。」


欠伸交じりの独り言。


そんな時に僕の肩をなにかがたたいた。


僕は眠そうに振り返る。


一瞬で目が覚めた。


振り返った先にあったものは・・・・・


でかい!とてつもない大男。3メートルはある。


「なんなんだよお前は!」


心底驚いた僕は叫ぶ。語尾が裏返った。


ホントになんなんだよ今日は!腹は痛いしなんかでかいのいるし・・・・・・


いや待てよ。こんなでかいのがいるはずがない。しかもここは中学校。


ここで僕は思いつく。


夢なんだ!ただの夢なんだ!どうりで眠いわけだぜ。


???「おい!なにを驚いてやがる!」


なにか叫んでいる。


夢の世界の住民のクセにうるさい。


所詮僕の想像の中で生まれたイメージでしかないんだ。


僕の眠りを妨げないでくれ。


???「おいおい、オレのこと忘れたのか?」


お前のことなんて知らないよ。そもそも3メートルもある知人がいるわけ・・・


まさかお前・・・・・いや・・・・・そんなわけがない。


アイツは僕より身長が低いはずだ。3メートルもない。


そもそもこれは夢なんだ。知ってるもなにもない・・・・・・


初めて大男の顔を見た。


そんなまさか!


悪い予感が的中した。


「お前・・・・ポパイか・・・・・・」


ポパイ「もちろんさ!」


「説明しろポパイ」


ポパイ「説明するもなにも筋トレの成果だよぉ

     考えると眠っちまうからさぁ、とにかくほうれん草いっぱい食べて筋

     トレしてたらこうなってたぁ」


これは夢だ!悪い夢なんだ!


僕は自分の頬を力いっぱい抓る。


痛い・・・ものすごい痛い・・・・


これが現実?リアルの世界?


夢じゃないんだ。このめちゃくちゃなのが。


夢のほうがまだ現実味がある。


僕は人生で一番大きなため息をつく。


そしてこれがポパイの努力の結果なのか。


僕の日常を破壊しやがって!


すべての恨みを込めた一言をポパイにぶつける。


「筋肉だけじゃなく少しは頭を使え!」

  

             つづく

とうとう勝ったんだ!


本当につらい時間だった。


だが顔にはまったく出さずにポパイに僕は言った。


「次は筋肉だけではなく頭をつかうんだな!」


ポパイ「ウホォォォォォ!」


あまりの悔しさに服を脱ぎ始めるポパイ。


あまりの疲労感にそれをもスルーする僕。


そんな中いきなりポパイが泣き出しそうな声で叫んだ。


ポパイ「だめだ!だめなんだ!どうしても勝てない!筋肉は極限まで鍛え     

     た!ほうれん草もしっかり食べた!でも勝てない!これからオレは 

     どうしたらいいんだ!」


僕は正直驚いた。


ポパイがここまで悩んでいたなんて。あのポパイが。


そんなポパイに僕は優しく手を差し伸べる。


「おいおい、悩むなんてらしくないぜ。だれだって勝てない時期はある。気

にするな。そして服を着ろ。


ポパイ顔が鼻水と涙と関の口から出たパンでぐちょぐちょになる。


そして間もなく泣き始める。


苦笑する僕。


今日の戦いは終わった。


また明日もなにかをめぐって戦うことになるだろう。


きっとポパイはレベルアップして僕の前に立ちふさがる。


次はどうやって倒してやろうか。


そんなことを考えながら手に入れたジャムをパンにたっぷりつける。


一つのパンに二つのジャムを使う。


なんという優越感。


パンと二倍ジャムの絶妙なハーモニー。


いちご味が口を駆け巡る。


僕はニヤリと笑いながらさらに口いっぱいほおばった。


2745回連続のあいこ。


精神的に僕はもう限界だった。


体重も5キロは減っただろう・・・・・


ジャムをあきらめてじゃんけんをやめることもできただろう。


でもそんなこと僕のプライドが許さない。


だが冷静さを欠いた僕に勝ち目はなかった。


死にかけた僕の心。


だがその時ある感情が心で芽生える。


ー怒りー


こんなことがあっていいのか?


オレはじゃんけんの皇子だぞ


どんどん調子に乗っていくポパイ。


こんなの許しておいていいのか?


いや、言い訳がない。


僕は勝つんだ。絶対に。


何世紀も前から決まっていたことなんだ。


こんな脳筋に負けていいはずがない!


この皇子でもなんでもないこの怒りが僕を冷静にした。


なにか僕のだす手が分かる方法がポパイにはある。


竹脇が集会で屁を爆発させるくらいの確立でなにかを得ている。


つまり絶対だ。


考えろ。考えろ僕!僕は天才だ!


ポパイがどんな手をつかっているのか。


僕なら分かる!絶対に!


その時僕はなにかを思いつきポパイの頭上を見た。


まさにその瞬間!関の口から飛び出したなにかがポパイの髪に!


パンだ!しかも唾液でベトベトだ!


ポパイはどんな表情をするのだろう?


興味をもった僕はポパイの顔を見てみた。


ポパイはあんなことがおきたなんて知らないようだ。


まあ、知らないほうが幸せだよな。


その時ポパイの顔を見た僕はあることに気がついた。


「ポパイの顔なにか不自然じゃないか?」


そう気づいた僕はポパイの顔を気づかれないように再び見てみた。


僕はひらめいた!


「この脳筋野郎め!!!」


なんでこんなことに今まで気づかなかったんだ!


こんな単純な作戦!


本当の脳みそまで筋肉でできているんじゃないのかコイツ。


説明しよう。


僕はポパイの顔を見たとき目が僕の手ばかり見ていることに気がついた。


まさか・・・・・・と思った僕は


ためしに手をパーからグーにかえてみた。


するとポパイも手をかえた。


コイツは僕の手を見てだしていたんだ。


まったくなんてヤツだ。やれやれだぜ。


方法さえはかれば後は簡単だ。


「いくぜ!じゃんけん、ぽん!


ポパイ「なんどやっても同じだぁ!」


僕は右手でグーをだすとみせかけてだす瞬間に左手のパーをだした。


僕はパー!ポパイはグー!


ポパイ「なぁにぃーー!」


      続く