「次にグーをだそう!」


大きく見開いたポパイの目。

        

今にも目玉がこぼれ落ちそうだ。


ポパイの目玉がグルグル回る。


こいつの癖だ。物事を深く考えるといつもこうなる。


僕はグーを出すと言った。


ポパイは僕がパーを誘ったと考えるだろう。


そしてそのパーに勝つチョキを僕が出すと考えるだろう。


そしてポパイはチョキに勝つグーをだす。


ポパイの単純脳じゃあ、そこまでが限界だ。


そして僕はそのグーに勝つパーをだす。


それでジ・エンド。


ジャムは僕のもの。そしてポパイはもう再起不能だ。


ポパイ「じゃんけん・・・ぽん!」


僕はパーをだした。どうせポパイはグーだ。目を開けるまでもない。


ポパイがグー以外をだす確立は0・03%。


もう勝ったも同然だ。


そっと目を開ける僕。


!!!


信じられない光景が広がっていた。


そこにあったのはポパイの開かれた拳。


そして汚くニヤつくポパイの得意げな顔面だった。


あいこだと?


心底驚いた僕。心底うれしそうなポパイ。

まあ、そんなこともあるさ。次で絶対に決める。


「じゃんけん、ぽん!」


僕はチョキ。ポパイもチョキ。


きっと偶然だ。偶然に決まっている!次で終わらせる!絶対に!


「じゃんけん、ぽん!」


僕はパー。ポパイもパー。


この世の終わりを思わせるようなポパイの笑顔。


この顔はまさか・・・・わざとあいこにしている?


「お前・・・・わざとあいこにしているな?」


ポパイ「だったらどうしたぁ?」


クソ・・・・こいつ28637回の恨みを今、晴らそうとしているのか!


ポパイ「どんどん行くぜぇ・・・・じゃんけん、ぽん!」


僕はグー。ポパイもグー。


ポパイ「フハッ!」


クソ・・・この僕が追い詰められているのか!


嘘だ!こんなことがあっていいハズがないッ!嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ・・・・・


これから地獄が始まった。


                  続く


ポパイ「おいおい、オレを忘れちゃこまるぜぇ・・・・・」


忘れてないさ。ただお前が勝ち残るなんて以外なだけだ。


それに忘れるわけないだろ。何回僕に負けたと思っているんだ。


ポパイは叫ぶ。


ポパイ「28637回目だなぁ・・・・とうとうオレは勝利する!」


聞き飽きたよそのセリフ。28630回目だ。


もういい加減にあきらめろよ。その根気だけは認めてやるからさ。


ポパイ「行くゼヨ!じゃんけんぽん!」


ポパイはグー。僕もグー。


進歩しないヤツだ。


お前は28637回のうち、21936回も初回にグーを出している。


もうお前の相手になるのは飽きた。


今日で最後にしてやるさ。


思い切りいたぶってやるよ。もう二度とじゃんけんできないほどにな!


分かっている。次にヤツはチョキを出す。


ポパイ「あいこで・・・しょ!」


ポパイはチョキ。僕もチョキ。


本当に進歩しないヤツだな。お前ここまではいつもと変わらない。


ここだな。僕はしかける。


「次に僕はグーをだそう!」


ポパイ「!!!!!」


フハハハハハッ!!!こいつ本当に驚いてやがる!


                      続く

時は給食タイム!


誰もが楽しみにするこの時間。


なんとジャムが一つ余っている!


これはもらわない手はない!


だがそう考えたのは当然僕一人ではない。


壮絶な戦いが始まった。


恒例のじゃんけんタイムだ。


2・・・4・・・・・6・・・8・・・


人数が多い。あの方法でやるのか。


そう、あの方法。


じゃんけんの神、大井ティーチャーといっせいに勝負するというあの方法。


負け、あいこは失格というシビアなルール。


かつて何人もの人間がここで倒れたか分からない。


フッ、みんなあせってるぜ。


なんの対策も練ってないのか


馬鹿め!このド低脳がァーー!


と叫びそうになるのをギリギリで抑える。


僕は事前に調査済みさ!


大井ティーチャーは73・8%の確立でグーをだす。


パーをださない手はない!


「じゃんけん、ぽいッ!」


大井はグーをだした。


楽勝だ。


残ったのは僕一人。


あっけないなぁ!


だが現実はそんなに甘くはなかった。


???「オレが残っているぜよ!」


はぁ・・・・・・・またお前か。


今日も僕の勝利で飾ってやるさ。


もう結果は見えているんだ。


そうだろ?ポパイ!


二人の戦いが始まるのだった。


                続く