CA250072.jpg 先日長唄のお稽古で浅草へ行った。その帰り、浅草寺の境内を通りがかったときにふと「おみくじを引いてみるか」という気になった。今年はまだ一度も引いていないし、いい機会だと思った。

 あろうことか「凶」を引いた。
 Oh my god!

 各項目は軒並み良くないことが書いてあった。「願望、叶いがたし」「待ち人、来たらず」に始まり全てが「わろし」である。おみくじ如何で行動を決めようとまでは思っていなかったが、やはり心のどこかには、何かいいことが書いてあってちょっといい気分に浸りたい、みたいな気持ちがあったので(これを神仏にすがると言うのか)、この一枚にはややヘコんだ。

 いろいろ注意をしなさい、と今はそういう時期らしい。しかしこれからは全てが上がり調子だと、そう解釈するとする。
CA250026.jpg 人生いろいろと悩ましいことと言うのは起こるモンですな。

 私はガードレールに囲まれたAという道をそこそこ快調なペースで歩んでいる。そこへBという別の道を意気揚々と進んでいる人がこう言う。

「おい、そこのあんた。Aの道もいいが、俺はあんたにはBの道のほうが向いてるんじゃないかと思うんだよ。どうだいひとつ、Bの道をいっしょに進んでみないかい?」

と。Bの道にはAの道にはない魅力に溢れているが、その道は険しく多難なことで知られている。ガードレールも標識も無いので転がり落ちるかもしれない。しかしBの道でペースを掴み軌道に乗れば、それはそれは楽しくやりがいに満ちた人生を歩むことになりそうだ、ということも分かっていて、私にはBのそこに惹かれる気持ちが強くある。

 悩んだ挙句に、数日前私はAの道を捨ててBの道を進むことを決意し腹をくくった、、、はずだったのだが、ここにきて躊躇をしてしまった。自分がBの道を上手く進めるかどうかが不安で仕方が無い。躊躇を感じる程度の意気込みならBなど諦めたほうがいいのだろうとは思う。Aの道だって捨てたもんじゃない。しかしそれでも諦め切れないほどの魅力とやりがいがBにはある。

 とは言え、こんな具合に日々悩んでいると、気持ちが滅入ってくる。いろんなことが手に付かないし、何より暗い。歩く姿勢まで猫背になっちまう。こんな状態で重大な決断なんてそりゃムリってモンやわ。なのでこのことはしばらく深く考えないようにすることにする。忘れよう。何ヶ月かして、それでもまだBの道のことを思うようならそのときまた考える。そういうこと。

 今トリノオリンピックが開催中だ。しかし私はいまいち盛り上がっておらずあまり日本勢の活躍にも注目していなかったが、先週末ふとテレビをつけたらカーリングの女子の日本対カナダをちょうどやっていた。結局始めから終わりまで見てしまったがこれは本当に面白かった。

 その日まで私にとってのカーリングとは、一人があの漬物石みたいなのを放って、その先の氷をデッキブラシみたいので二人が無心に擦りまくるというよく分からないちょっと変わったスポーツ、という程度。NHKは番組の最初にまずカーリングの説明からやってくれたので、ルールがよく分かって
 ジャズボーカリストに「梶原まりこ」という方がいる。この方の歌の生徒さん達のお浚い会を先日吉祥寺のジャズバー「赤いからす」へ聴きに行ってきた。

 この日発表するのは生徒さん18人。ジャズのスタンダードを前半・後半に各人1曲ずつ歌うという具合で計36曲+先生が2曲。生徒さんは男2人、女16人だった。長唄もそうだが、現代のサラリーマンには歌など習っているヒマは無いってことなのだろうか。

 昼の3時半からだったが構うことなくビールを飲んで開始を待つ。やや酔う。余談だが最近「もしかしてビールってウマいかも」と思えてきた。いよいよ大人 おやじの仲間入りだ。

 18人もシンガーが集まればみんな本当に個性的で面白い。声どころではなく、チョイスする歌、体格、マイクの持ち方、身体もノッてるか、衣装や化粧の気合の入れ具合、歌の間奏をどう過ごすかなど、ジャズは長唄以上にその人の色が出やすいようだ。

 長唄と違って、観客にマイクを通した声を聞かせなきゃならないので、マイクを上手く使えてるかどうかも重要そうだなぁと思って見ていた。同じ大きさの声が口から出ても、マイクの位置次第でスピーカーからは全く違うボリュームで詩声が聞こえる。ややもすると聴き手にとっては不快な音量で聴こえたりもするだろうし、実際そう感じる瞬間が何度かあった。これはきっと会場の広さとかも考えないといけない難しい問題なのだろうな。
 もうひとつ気になったのは英語。日本人だもの仕方が無い、とは言えいかにもカタカナを読んでいるような風だとやっぱり少し違和感を覚えてしまう。これまた難しい問題だ。

 でも一発勝負の長唄のお浚い会とは違って、この日の発表は各人2曲歌うチャンスがあった。なので1回目に明らかに緊張しておられた方もみんな2回目にはかなり余裕たっぷりに楽しそうに歌を披露しておられた。やっぱり楽しむってことを忘れちゃいけないなと見ていて思った。音楽だもんな。

 これだけたくさんジャズが聴けて、先生の梶原まりこさんの素晴らしい歌も拝聴できたし、いいお酒も飲めた。帰りに行った新宿のゴールデン街にある韓国料理屋がまた旨かった。満足の一日。
 2月4日(土)5日(日)と有楽町マリオンで行われた「第十八回 囃子・長唄 邦友会」を聴きに行った。邦友会とは長唄の唄方、三味線方、お囃子の演奏家十数名から成るグループで、この日はその方々のお弟子さん達の発表会。私は先輩のお弟子さん達が出る4日を聴きに行った。

 この日全部で22曲演奏されたうち、12,3曲を聴いた。いろいろな演奏家の方々の唄や演奏が聴けてよかった。当たり前なのだけれど、声でも弾き方でも皆さん個性がある。口の開け方、撥の振り方、鼓の角度、姿勢、目線、音量など、どれをとっても皆さん本当にいろいろだ。流派が違う方々が集まっている会なので余計そうなのかも知れない。この日はそういう個性に注目して聴いていた。なかなか面白かった。

 長唄の演奏会のあと引き続き、久々に大塚へ友達のジャズボーカリストのゆきちゃんのライブを聴きに行った。普段はギターとのデュオが多いけれど、この日はパーカッションが加わっていた。ライブが始って酒を飲みながらいい気持ちを音楽を聴いていたところ、ふと面白いことに気が付く。この編成、長唄にそっくり。

 声  弦楽器 打楽器
長唄三味線小鼓、大鼓、太鼓、(笛)
この日のジャズギタージャンベ、カホン、シンバル

 歴史も背景も全く違ってそれぞれの道を進化していった音楽が、こんな風な似たところを持っているってことが妙に面白くて不思議な感じがした。この日のJose永田さんの美しいギターソロも素晴らしいし、再来週歌舞伎座で聴く杵屋勝国さんのチンチリレンの合方もきっと同じように素晴らしいことだろう。うーむ、楽しみ。